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我の名は新人! 新時代の先駆者!!
537
:
名無しさん
:2013/07/24(水) 22:35:48
正直、楽観的に考えていたことは否定できない。
もう疾うに捨てていた筈の常識で、結末を想像してしまっていた。根拠も何もなく、それどころか正光寺の性質を知っていながら、俺は甘い考えで決着に臨んでいた。
『まぁ、死んでもらう感じだな』
普通に考えればそこまでしない。
だが、俺達は普通ではない。それに相手は正光寺だ。ただでさえ限度を知らなかった上に、未来を放棄した男。
何らおかしなことはない。
俺はされるべくして、死を宣告された。
今更問うまでもない。彼の言うそれは喩えでも何でもない。本当の死。生命の終わり。
「死んでもらうって、そこまでするのかよ・・・」
電話機に話し掛ける俺を見て、文香が不安そうな顔をした。
自分の携帯電話を弄って、頻りに何かの操作をしている。彼女は手が震えていて、まともに指を動かせていなかった。
俺も同じだ。突然に表れた死への恐怖から、今まで以上に電話を持つ手が震える。
正光寺は笑いを抑えて再び話し出す。
『いや、流石の俺も申し訳なく思うわけよー。だから、今までの事は許してやるって言ってんだよ。寛容だろ?』
嬉しそうな正光寺。
俺はとんでもないモノに手を上げてしまったのかもしれない。過去の行いを後悔する。
「見逃してはくれないのか・・・?頼む」
『惨めくせぇなあ、おい。でも事情が事情なもんで、それができないんだわ。だから大人しく死んでくれ』
「事情って何だよ・・・」
『そうだなぁ、俺の代わりに死んでくれるんだ、そのくらい知る権利はあるだろう。教えてやるよ。今一人か?』
周囲に誰かがいるかどうか。正光寺が尋ねてきた。
聞かれてはまずい内容なのか、彼なりの心遣いなのか、分からない。
俺は返事に詰まってしまった。隠すべきか、隠さぬべきか、そんな迷いがあった。
『居るんだな。バレバレだよ。おおかた文香だろ?それとも江嵜さんか?』
迷った隙を付かれ、察されてしまった。
正光寺はこういう所で俺よりも頭が切れる。少しの油断で付け入られてしまう。
俺の身辺情報も、下調べと、俺自身からの報告で殆ど分かりきっていることだろう。偽証は不可能だった。
「文香だ」
『一人で電話も寄越せねえのかよお前は。女々しい奴だな。とりあえず文香を帰らせろ』
「何故だ?」
『お前と俺と、文香の為だよ』
文香の為、そう言われると俺は信じてしまいそうになる。それが例え正光寺の言葉であっても。
「わかった」
そう言って、携帯電話を通話状態にしたまま文香に話し掛ける。
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