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【ネタバレ】紅色天井艶妖綺譚・2【攻略】
1
:
風と木の名無しさん
:2010/09/01(水) 00:44:18
LOVE DELIVERY『紅色天井艶妖綺譚』ネタバレ・攻略スレです。
sage進行推奨でお願いします。
■LOVE DELIVERY公式サイト
ttp://lovedelivery.biz/
前スレ
【ネタバレ】紅色天井艶妖綺譚【攻略】
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/2314/1219585344/
506
:
風と木の名無しさん
:2010/10/02(土) 09:15:06
◆ 祈る
狭間にて、中空に浮かぶ丸い月。
欠けたるところもなき十全たるその姿に、凛と強き女子を思う。
今、何処にて、何をしているのか、と。
目が覚めたとき、隣りの布団がもぬけの殻だったことには気づかなかった。
厠の帰り、雷王の部屋の襖が僅か開いているのに気づいたのは偶々だった。
「加世…」
雨戸を引いて桟に腰掛け、眺めるは白き望月。
頑強な肢体を煌々と照らしつけ、畳に黒く影が落ちる。
笑む口の形すらイ草に染みこむほど、懐かしい者を見るような穏やかな横顔に、覗き目はなにやら見てはならぬものを見た気がして、その場で即座に背を向けた。
男の表情は幼き頃より目睫の間で見ていた。だがあのように何者かを慈しむような、否、いっそ恋慕といってよいかもしれぬ甘やかなそれなど、ついぞ見知らぬと思った。
加世という女子の名も。
夥しく流れる雷雲の中を泳ぐように奔っていたあの日、雷王は突如として地上に引き落とされた。
そして幼子を預けた女は、翌る満月の夜に姿を消した。
白々と冴える月は漆黒の闇を隅から隅まで照らし暴くゆえ、女の門出には全く不向きだったというのに、藍丸を連れ、四方八方手を尽くし探しに探したにも関わらず、結局は見つからず仕舞いだったあの折、もしや悟られず誘い出した手があったのでは、かどわかされたのは、と思いもした。
だが、
「僅か溜まる闇の隙間に落ちたか、それとも月に召されたか…」
妖の手に落ちたか、それとも神の手に連れられたか、そのどちらもあの者ならば有り得た。
妖との間に子を成し、天より我が身を引き摺り落とした加世ならば。
雷獣の王たるこの身を前にしても怯むことない勝気な目つきは、今尚憶えに鮮やかだ。
それだからこそ、彼の者が今もどこぞで生きているのではと思えてならなかった。
『藍丸のおっかあは何処にいるの?』
物心がついたばかりの幼子は、近くに住む年近い童の“おっかあ”に抱っこされたと言った。
慣れぬ柔らかな肉の感触に驚き、すぐに降りたそうだが、“おっかあ”は皆ああいうものらしいと気づいたとき、初めて何故と思ったのだろう。
何の意図ももたず、ただ素直に訊ねくる真っ直ぐな眸を、雷王は今も忘れられずにいた。
「月讀壮士よ、私は会わせてやりたいのだ」
月に祈る。
主は今の暮らしに満たされているやもしれぬが、半分は人の血をもつ者だ。親の腹から産まれた者だ。
いつからか知れず生まれ生きる我ら妖とは違い、人と半妖にとって親の存り様には意味も大きかろう。
それゆえ、何とかして居どころが知りたい、藍丸に知らせてやりたい、そう願うのだ。
「加世、何処にいる…」
天駆ける力を失い、人の形をとる今となっては、身ひとつで動くにも限りがある。
それとて暇をもらうたび、かつて居を構えた辺りへと赴き、探した。それももう幾年になるやも知れぬ。
最早行き止まりの感が否めぬならば、ここは神頼みしかあるまい。
かつて女が紅の獣にそうしたように、彼の者もまた天を仰ぎ、粛々と言霊を放つ。
「加世…藍丸は此処にいるぞ…」
「っ?!」
背中越しに聞いていた主の肩がぴくりと跳ねた。
今何と言った。
加世を藍丸に会わせたい、そう言ったかあの男は。
(加世…)
その名を口の中、小さく呟いてみる。知らぬ名だ。どうやら母親の名らしい。
されど…、と藍丸は目を伏せた。
揺れないのだ。
その名に揺さぶられるものが、己が胸のうち、如何ほど探そうが聊かも見当たらない。
寂しくはない。悲しくもない。言うならば、唐突に丸きり無縁の者と対峙したような心持ちだろうか。
507
:
風と木の名無しさん
:2010/10/02(土) 09:15:17
見知らぬ者にそうそう心そそられるわけもなく、よって波風が立つ謂れもない。
柱に背を預け、眉間に皺をよせたまま息をつく。
『懸想した者ならひとりいる』
妖である雷王が惚れた唯ひとりが母ではないかと疑ったことなら数知れずある。
口喧しく説教を垂れるときに必ずつく余計な一言など、特に厭わしいことこの上ない。
“母者に頼まれている”
これに幾度腸を煮やされているか知れない。
事毎に何故これほど胸中の乱れを御しきれないのかも知れない。
母親に頼まれたからおまえは此処にいるのか
責任を果たすがためだけにおまえは俺の世話を焼くのか
胸が針で刺されたようにちくりと痛む。
夜闇のなか、物思いは底なしに深く沈んでゆく。
止まらない。
「つれぇなぁ、こりゃ」
その場にずるずると座り込む。
雷王はいつも側にいるのが当たり前のようだが、血の繋がりがないから親兄弟ではない。
人と人とが血の繋がりにより共に在るものだとするなら、彼が此処にいるのは当たり前ではないのだろう。
けれど彼は優しい。
「側にいろと命じれば…ずっと側にいるだろうよ」
その眸に映るのが、たとえ藍丸ひとりでないとしても。
鳩尾のあたりが圧されたように息苦しくなる。
「はぁ…痛ぇな畜生…」
寝着の衿に指をかけ、きゅっと握り締め、思う。
月なんざ見てんじゃねえ。
こっちを向け。
こっちを向いて俺に言え。
なんでもいいから、俺にぶつけろ。
黒々しい塊のようなものが喉元で腫れ上がる苦しさに、眦が涙を滲ませた。
「俺は…母親なんざどうだっていい」
万が一、本当に彼が振り向いたなら言えるだろうか。
今更顔も覚えていない親など、
雷王の心中で己より多くを占める人間など、
そんなもの、
「俺ぁいらねえ」
面と向かって言えたなら、この身はどれほど楽だろうか。
心はどれほどの優越に酔えるだろうか…
すぐそこにいるのにとても遠く感じられる隔たりに胸が締め付けられる。
この思いはどこにどのように片付けたらよいのだろう。
生まれて初めて知る胸苦しさを持て余し、藍丸は今宵眠れぬ刻を過ごす…
藍丸のオカンの名前は私が勝手につけた、ごめんよらぶでり(礼。)
両思いになる前のふたりなんだけど、どうだろう…読めます、か…?
相変わらず、探り探り書いとります<(_ _)>
※雷王を引き摺り落としたのを、藍丸→オカン、と捏造注意。
508
:
風と木の名無しさん
:2010/10/02(土) 09:15:31
◆ 夢現
辺りは夕焼けの色に染まり、田んぼでは黄金色の稲穂が頭を垂れている。
刈られるときを日一日と待つ彼岸の折、畦道には燃えるような曼珠沙華。
鮮やかに咲くその花は、田の淵をぽつりぽつりと彩るからこそ美しい。
だが同じ紅色をした過ぎる炎は野を焼き畑を焼き、風に煽られ阿鼻叫喚の態で踊り狂う。
禍々しいまでの美しさをひけらかすその様を前に、子の背中はぴくりとも動かなかった。
紅の獣は今も鮮明に覚えている。
愛児の恐怖に引き攣れた双眸と、秘められた力への戦慄を。
いつからか、童は探していた。
辺り一面、薄っすら積もる灰の中、しゃがみこみ、一心不乱に何かを探していた。
「ここは…」
どこかで見たことのある情景に、気のせいだと頭を振る。
気のせいだ、見知らぬ、初めて目にする、そう思い込もうとする。
似ているからだ。
焔が滾り、暴れ狂ったあの土地、あの場所に、今見ている景色が酷く似ている。
今となっては既に居も移し、かつての縁も遠く彼方へ追いやったというのに、ひとつ紐解けばずるずると思い出は蘇る。
友が死んだ。友を殺した。
脅える童を雷王は抱き締めた。
子に記憶封じの術をかけ、己が背には力の暴走を食い止める紋を彫った。
そして漸く得た笑顔はあまりに無垢で、これでよかったのかという自問は心を苛んだ。
しかし、これでよかったのだとするしかなかった。
あとの責は全てを自らが負うことで、目を瞑るしか。
「何故今になってまた思い出す…」
主と己が編みし過去、これは夢かと男は思う。
視線を落とすと、しゃがんで丸まる背が、まだ何かを探し揺れていた。
微笑ましい姿に声をかけた。
何を探しているのかと。
返事はない。
ひたすら地面に手を這わせ、童の足はじりじり進む。
もう一度、同じく問うてみるがまた返事はない。
そういえば、この子の名は何といったか。
呼びかけようとして戸惑う。
大切なその名がでてこない。
私の命さえ霞むほどに大切な、かの者の名が出てこない。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・、何を探している」
灰で手を白く汚して、おまえは何を探している。
私の愛児、おまえは何故答えてくれない。
歩み寄り、小さな肩にそっと手を置いたそのとき、
「あった!!!」
無邪気な甲高い声が響き渡る。
そうか、見つかったのか、よかったな
探しものが何かは知れぬが、見つかったならよかったと、
腰を屈め、子の手元を覗き込むと、そこには一房の髪の束。
509
:
風と木の名無しさん
:2010/10/02(土) 09:15:44
(髪…?)
「よかった…」
「藍丸?」
そうだ、この子は藍丸。私の可愛い稚児。
どうして一時でもその名を忘れていられたのだろう。
口ずさむだけで愛しさに甘く締めつけられるその名を私は…
「よかった、全部燃やしてしまわないで…」
「らんま…る…?」
ふっと蝋燭の炎を吹き消すかの如く、瞬く間に四囲が闇に閉ざされる。
そのような中、小さな藍丸の身がぼんやり光りだした。
「雷王…」
すっと立ち上がった童の周りには、黒く焼け焦げた幾許かの死体。
顔も判別できぬそれは確かあの日見た惨状。
知っている、気のせいなどではない、克明に覚えている。
私が片をつけたのだ、この子の代わりにこの身で全てを償うと誓って。
やはりここは…暗がりにて何も見えぬが、ここはあの…
そして私は…
「見つけた、雷王…」
大人びた声にはっと顔を上げる。
成人し時を止めた姿が漆黒に白々と浮き上がる。
純白の大輪が咲き零れるような艶やかさで。
「全部燃やしちまわないよう気ィつけたんだぜ…」
彼は手にした紅の髪を眼前に翳すと、舌でべろりと舐り、片笑んだ。
焔の緋を灯した両目が、薄っすら弧を描き、うっとりと愉悦に歪む。
だがその表面は何も映してはいない。
ただひとり、もうここにはいないかの面影しか。
「俺のもんだ…」
灰が舞う
人肉を、雷獣を燃した灰が宙に舞う
黒髪を巻き上げ、虚ろな声を掬い、
真綿が首を絞めあげるような優しさで
ふうわり暖かく彼の身をくるんで、やれ踊れ、やれ歌えと囃し舞う
己を軸に吹き上がる雪のようなそれを愛しそうに見つめ、藍丸は無邪気な幼子のようにくすりと口を綻ばした。
「愛してるぜ…」
手の中の一房にそっと接吻を捧ぐ。
まるでそれこそが生きているかのように、そこに思いの丈のすべてを注ぎ込むかのように。
そして灰燼となりて尚我が身をくるむ彼の温みに、藍丸は朧な目を泳がせ、恋しいその名を口ずさむ。
「雷王…」
!!!!!
狂気じみた陶酔に身を委ね、滲み出す人ならざる妖艶な色気に唾を飲む。
今次こそついぞ知らぬ、あのような姿は見たことがない
だが怖気立つほどにかの身は美しい
求めて焦がれ、居らぬのに追い彷徨う、その寂莫たる様相から目が離せない
あれはなんだ あれが藍丸か あれこそが藍丸なのか
私の藍丸が、私を燃し、私をこそ想い狂ってゆく
心此処にあらず、彼岸に寄りかかり、血の涙を流し流離う
この世でもなく、あの世でもなく、既にない私の影を瞼に浮かべ…
「藍丸…」
まるで私が死すれば藍丸は…
「雷王…、らいおぅ…、」
まるで私を求め藍丸は…
510
:
風と木の名無しさん
:2010/10/02(土) 09:15:55
藍丸っ!!!!!
口蓋を刷き飛ばすほど擦れた声が、叫びとなり、寝屋の静寂をびりりと裂いた。
「………夢、か…」
あれが、夢。
現の出来事であったような鮮明なあれが夢だと…?
雷王は身を起こすと、奔る鼓動の早さに知らず肩で息をついた。
三度暴走した力はいよいよ雷王をも焼き尽くし、灰にした。
その遺髪をぎゅうと握り締める白い手、切なげに細められた紅い眸、、酔客のように茫と舌足らずに呼ぶ声、そのどれもが夢の一言で締めくくるにはあまりに鮮烈で、まるで易者に先見を受けたような心地さえする。
(喉が渇いた…)
頬を露が滑り落ちる。
額に触れ、初めて全身にみしりと汗が滲んでいることに気づいた。
「夢、なのかあれが…」
怖れから幾度も自問する声が上擦る。
豹変した藍丸に、否、それを嬉しく思う浅ましき己が心にぞっとした。
自らを御しきれず、取り乱し、心隠すことも忘れ、我を失くした主の純粋さゆえの乱心が、どうにも愛おしくてならなかった。
そして彼をそうしたのが私であると思えば思うほど、臓腑は悦びに打ち震え、手に手をとりたい惑いに駆られた。
あのとき、手を差し伸べていれば、共に二人きり何れかの果てへと旅立てたのだろうか…
不埒な想像のもと、寄り添うように隣りで眠る主の頬を撫ぜる。
「藍丸…」
夜が更けるまで身を交えた痕を膚に散らし、彼は無防備の態で寝息を立てていた。
「藍丸…」
夢の中、ひとときでも忘れてしまった名を呟く。
二度と忘れないよう、何があろうと失わぬよう、想いをこめて。
「ん、…どした、雷王」
不意に目を覚ました藍丸が、降り注ぐ低い声に短く応えた。
「いや、…なんでもない」
「…そ、か」
なんでもないと言うわりに、常に温かな身体が今はやけに熱く感じられ、藍丸はもそりと彼の腿に頭を乗せると、仰向いて雷王を見上げた。
暗闇のなか、表情はよくわからない。
だが、考える性質である雷王のこと、なんでもないと言うのなら何かがあったということくらいはわかる。
そっと情人の顔に手を伸ばすと、その指先を雷王の手がきゅうと握り締めた。
どちらともなく、ふ、と笑みが漏れる。
「藍丸」
「ん?」
「…少し、抱いてもよいか」
汗が引き、冷え始めた膚が、眠っていた心許なさを引きずり出す。
無性に人肌が、藍丸の温もりが、欲しいと思った。
「…いいけどよ、俺ぁもう腹いっぺえなんだが…」
眠りに落ちる寸前まで雷王で満たされていた中は、今も何かを咥えたような膨らみを憶えてじんじんと疼く。
下腹をさすって苦笑すると、
「いや、ただ…抱擁を…」
「ああ、そういうことか」
いいぜ、と起き上がった藍丸の胴は、すぐさま両の腕で絡めとられた。
隙間なく膚と膚をあわせ、密に熱を移しあい、雷王は思う。
あれは夢、空恐ろしいが互いを独占する甘美すら味わった夢。
しかし惹かれた心は夢ではない。
理に背く本能が焦りに逸る。
だから今、主の火をこの背に封じたように、己が暗き欲を腹の奥底へと葬り誓う。
藍丸がこの世にいる限り、私は絶対に消えぬ、と。
いつか背が焼け爛れ、盛る劫火に燃されようとも、私は死なぬ、と。
もちうる誠実と忠実を腕に、若い身体を強く掻き抱く。
「離れぬ…決して離れぬ…」
幼子のようにしがみつき、縋るように言を搾り出す。
多くを語らず、その身ひとつで何事かを訴える様に、藍丸は何も問わず静かに抱き返した。
背を濡らす獣の嗚咽は聞かぬふりをして。
なんかようわからんけど、夢オチってことだけは確かだ。
独占欲に狂う藍丸とかいいと思う、すっごくいいと思う
一部レンタル、「菩提樹:天野月子」、thanx☆
511
:
風と木の名無しさん
:2010/10/02(土) 09:16:08
◆ 龍夢
命に代えても守ると誓った。この身体が滅んでしまい、魂だけになろうとも、近くちかく仕え、どのような刃であろうが防いでみせると…藍丸のためならば、どんな無茶であろうが成し遂げる。誰にでもなく、己に…天に誓った、誓ったはずだった。
そうであったのに、なぜ藍丸はいない。己はここにいるのに、藍丸の姿はどこにもない。眼前には、真っ赤な瞳と炎の力を纏わせた男が悠然と佇んでいる。
藍丸の身に巣食う、絶大な緋王の力を押し込めたのは雷王だ。完全に、あの妖怪は力を失くし眠りに就いたはずだった。だが、その慢心を彼の王は嘲りでもって見ていたのか…気配を欠片ほども出さぬことに、安堵する自分たちは愚かだったのか。
どれほど己の失念に悔恨を抱いても、もう遅い。あれは妖怪の首領にまで上り詰めたものだ。滅してなお、存在し続けた妖怪の力を侮っていた。たかが文様ひとつで、封呪などできる相手ではないと、なぜ気付けなかったのか…。
今さらだろうが、思わずに居られない。
藍丸は、雷王の目の前で炎に包まれた。
惨劇は一瞬だった。僅かな笑いを口元に刻み、こちらを振り向いた刹那、突然に身の内から噴き上がった紅蓮の業火は雷王が藍丸に触れるより先に、瞬く間に主を灰と化した。伸ばした指の先、脆く崩れる身体が信じられなかった。
驚き、何が起こったのか理解も届かぬうちに、真っ白な灰の中から緋色の王は一歩を踏みこんだ。
腑抜けが…
にやり唇を吊り上げ、満足に王は嗤う。長い時の中、主の内側で牙を隠し爪を研ぎ澄まし、じっと沈黙を保ってきた王は、この刹那の満足を味わうためだけに、長いながい悠久とも感じる時間を過ごしていた。
雷王の無駄な足掻きに片頬をゆがませ、藍丸の疑いを持たぬ甘さに笑いを殺し…
我が、あの程度で静まるとでも思うていたか
無駄であったな、獣の王よ
不気味に落とした声で呼ばわれたが、雷王には意味さえ分からなかった。
藍丸は何処へいった。
どうして主の姿はなく、この男が目前に立っている。
いとしい、いとしい、あの藍丸を
この男はどこへ隠した?
茫然と見上げる雷王を、いっそ憐れみすら籠めた眼を向けながらも、皮膚の下からは残酷な顔が浮かび上がる。そろり雷王の頬へ手を伸ばし、身を屈めて耳元に口を寄せる。寝間の囁きを交わすごとく、緋王は甘くあまく声をそっと吹き込んだ。
汝の藍丸は、もうおらぬ
我が灼いてやった。
静かに身を引き、頬に添えた手で肌をなぞる緋王をぼんやり見上げる双眸は、ガラス玉のように感情がない。
だが、次の瞬間にガラスの内側から雷の力が溢れかえった。首を仰け反らせ、太い慟哭の叫びが迸る。ぶわりと巨躯を包む獣性の本能が、純粋な怒りに染め上がった。空へと放たれた咆哮が、天上を揺るがし、あらゆる世界へ鳴り響いた。魂を震撼させる神獣の慟哭は、長くながく尾を引き、何重にも折り重なる残響が鋭く 不快な音波となって空を引き裂いた。その亀裂を目指し、天の底を轟かせる軍勢が、雷王の怒りの声に応じ集い来る。
すでにその座を追われた身でありながら、獣はいまだ神獣の力を発揮する。
緋王が飛びのくより早く、天から堕ちるいくつもの雷の束が怒りの槍となって突き落ちた。
返せ
かえせ
かえせかえせかえせかえせっ!!!
512
:
風と木の名無しさん
:2010/10/02(土) 09:16:24
私の主だ
私のものだ
私だけの藍丸だ
「返せ!!!!!!」
放たれた凄まじい声に喉は破れ、口からは血が迸る。それも構わぬ雷王が、真っすぐ示した先に立つ緋王へ、次々と稲妻は天から転がり落ち、耳も眼も壊れる音と光が炸裂した。
痴れ者が…
そんなものでは我は倒れぬ
嘲る声が雷鳴の轟きに押され掻き消される。ひらり飛びのく足下に、背後に、左右へと…緋王を追う稲妻は大地を穿ち、大木を斬り裂き、草木を薙ぎ払い、雷王の命ずるがまま、青白く太い電光の刃が螺旋を描き振り下ろされる。
かえせ…返せ…かえせ…ッ!!
すでに人の形を失った獣が、本来の姿となって空を駆る。雷王の憎悪と怒りと悲しみが、天の理を捻じ曲げ、呪符の道理を突き破り、二度と飛ぶことが叶わぬはずの獣が、天空へと舞い上がる。
その僅かな間にも、雷王の血を吐く叫びは止まらない。
雷獣の長の声は、眷属全てを駆り立てた。地上のものであろうが、地の底に眠るものであろうが、僅かなりとも繋がりがあるものたちが、雷王の元へ馳せ参じる。
重く黒々とした雷雲は、雨竜・雷竜に伴われ、うねうねと空を覆い尽くし、緋王を追う稲妻が、大地と天の間を忙しなく行き来した。揺れ動く空は重みに耐えかね、抜けた底から激しい雨が滝となって流れ落ちる。
消えた主を求め、雷王の率いる軍勢は怒涛の勢いで天を疾走し、藍丸の姿を見出そうと、大地を次々と引き裂いた。
地上は地獄の底よりも暗い闇に囲まれ、天の軍勢が空を蹴立てる轟音と鋭い電撃の刃ばかりが、無数の柱となって深く打ち込まれた。地獄まで貫き通る穴からは、亡者どもがこの世へと這い出し、篠突く雨は濁流となって大地を押し流した。
猛り狂った雷王の足元から、狂気の奔流が溢れだす。彼が通り抜けた後ろには、人の悲鳴と命が容赦なく奪われる光景だけが残された。どこぞで緋王に振り下ろされた刃があったが、彼の生死すら雷王の眼中にはなかった。
いない、いない、ここにもそこにも、主がいない…
何処へ消えた。どうして居ない。必ず見つけ出してみせる
主がいない世界なぞ、雷鳴と共に消えて失せてしまえばいい
荒れ狂う凄まじい流れに乗って、雷王の軍勢は勢力を増して移動する。だが、後ろに付き従う無数のものたちにも気付かずに、ひたすら藍丸を求め、姿を消した主を求め、魂を捧げた彼の人を求め雷王は、征く。雷鳴と稲妻を荒ぶる形のまま解き放ち、天も地上も阿鼻叫喚の地獄へ突き落としてなお、見つからぬ主の名を叫び、血の涙を流し、求め…駆け抜けた。
*****
真っ黒な雲が空に現れたと思う間もなく、ビルの谷間にごろごろと雷雲の唸りが響いた。藍丸が見上げた先には、天を引き裂いた雷光の形が刻まれている。
アイツら、暴れるつもりか…
思う間もなく、雷鳴に引き摺り回されるように強い風が吹き上がり、遅れて激しい勢いで雨が降りだした。
ガラスに激しく叩きつけられる雨粒は、窓の表面を勢いよく流れ落ちていく。小石が無数に降るような音を鳴り響かせるそれは、激しく刻む動悸のようだ。
潔いほどの荒れ狂いように、魂の原始的な部分を揺さぶられた。身の内側から迫りくる感覚は、明らかな高揚だ。
家啼の内側は外部の天候に左右されることはない。常に心地よい空間を形成する内部にいることに慣れた身としては、家屋の中から遭遇した嵐というものが、とてつもなく感慨深い。引き受けた依頼の調査に、こんな人間たちが使うビルの一室に宿をとることになり、慣れぬ人工的な気配にささくれていた心地が、猛々しい 嵐の力を前にして、一気に落ち着いていった。
地上を見下ろす高みからは、群なす黒雲の巨大な塊がよく見えた。無数に走る閃光が、ごろごろと不気味な低音を発しているそこに、かつては己の獣も居たことがある事実が、より一層に藍丸を惹きつけていた。
雷獣の一匹くらい望めるのではないか…
眼を凝らし窓辺に近づいた矢先、空から巨大な力の塊が叩きつけられた音が、強い振動となって辺り一帯を圧した
同時に藍丸のいる室内だけでなく、見える範囲の建物全てから灯が消える。
513
:
風と木の名無しさん
:2010/10/02(土) 09:16:37
堕ちやがった…ッ
頭よりも先に本能が、何があったのか理解している。衝撃は重く大気を震わせ、存分に人間たちを怯えさせる力に満ちていた。残響にびりつく気配は、かなり大きな雷獣が地上に降り立った証拠だが、人間たちの眼に付くことはないのだろう。
いったい、どんな雷獣だ
純粋な興味を抱いた。かつて雷王が獣となって現れたとき、その姿に魅了された。ひどく美しく気高い生き物の姿は、どれほどの時を経ても忘れることなどできはしない。
そこに…いるのだろうか。
雷王と同じく、地上には決して見ることなどない美しい獣は、いるのだろうか。
反射的に外へ目を向けた藍丸だったが、地上を見降ろした瞬間、胸の奥を素手で掴みこまれるような驚きで、喉が鋭く鳴るのを抑えられなかった。
真夜中のような闇の世界に走り抜ける、紫電の閃光に炙りだされた強烈な白と黒の光景の中、ちらり紅い色が視界を過った。
人間のものではない
人が纏う色ではない…
それは頭が理解するのではない。妖怪としての本能の反応だ。あれは古くから知っている色だ。紅く鮮やかな、妖しだけに許されているその色を藍丸は知っている。
雷王…?
激しい水煙の幕と紫電が飛び交う闇の中、雷王の姿が朧にある。しかも、随分と懐かしい…まだこの辺り一帯が、江戸と呼ばれていた時代の、あの頃の服装をした雷王が亡霊のように立って、藍丸を見上げていた。厚みも重みもない、薄く弱い雷王の姿をしたソレは、泣きだしそうな眼をしている。
雷王であるはずがない。そんなはずは無い。雷王はずっと自分と共にある。あの日に側にずっといると誓わせた。何があっても離れないと、決してどこにも行くなと呪縛をかけた。今も、忠実な獣は隣室に控えているはずだ。
だ が、いまそこに居るのは確かに藍丸の獣だ。見誤るわけがない。高いビルの一室から雷王が佇む場所までには距離はあるが、今や距離など一足飛びで縮められる藍丸には無関係だ。魂を捧げられ、命を委ねられ…その全身全霊が藍丸のものと言霊を放った雷王は、例え姿がどのようになろうが、藍丸には分かる。
あれは雷王だ。ひどく頼りなく、消え入りそうな輪郭をしていても雷王だと『知っている』
だが、藍丸のものである彼は、どうして雨に打たれて立っている?
そんな姿となって、胸が引き絞られるほど悲しい目をして…
嵐に呼ばれ雷鳴に誘われでもしたか…
そのまま天へと駆け戻り、二度と戻っては来れぬのではないか。
不安は呼吸一つ分の間もなく押し寄せた。藍丸の喉元は塞がれ、瞠る瞳は引き絞られる。
どこへ、行くつもりだ
お前は俺のもんだろう
「雷王…ッ!」
あの獣が側を離れるなどあり得はしない。確信を抱いていても、不安が募った。あれは雨と雷が見せている幻と、必死で思ってみても慰めにもなりはしない。こんなにも感情は揺さぶられている。姿を目にしているだけで、見えぬ糸で強く結ばれている縁が感じられる。
僅 かでも動きがあれば、どんなことをしてでも引き留めてやる。だが、確かめようと眼を凝らしたとたん、ざぁああ…と雨脚がひときわ強くなった。白く飛沫が舞い散る水煙の中で、悲しい目をしていた獣がゆっくり微笑んだ。とてつもなく距離はあるはずなのに、『藍丸』と優しく呼ぶ声までが聞こえるようだ。
雷王…?
浮かぶ疑問は音にならず、名を思うだけしかできなかった。そうして、次の瞬間に獣の姿が雨に掻き消された。
「待てッ、雷王…!」
思わず叫びかけ、邪魔立てする窓を打ち砕こうとするのと同時に、身構える背後から、ドアの開く音がした。音を立てて振り向けば、先ほど雨に呑まれ消えたはずの獣が、暗がりの中に佇んでいた。
「藍丸?」
514
:
風と木の名無しさん
:2010/10/02(土) 09:16:48
訝しげに眉をひそめる雷王は、昔の着物など着込んでいない。この時代、その年かっこうに相応しい服を纏っている。
圧倒的な威力と存在感。声ひとつ、眼差しひとつで心の深くから、いとしいいとしい気持ちが無尽蔵に湧き起こる、藍丸の獣。
「らい…お…」
「なにかあったか」
僅かに声が震えた程度だったが、雷王は鋭敏に反応をする。流れるような動きも、仔細を逃さず見つめる熱心な視線も近づく体温も、なにもかも全てが雷王であるのに、頭の中にはいまだに雨の中に立つ雷王の姿が強く残っている。
悲しい眼と緩やかな笑いが、ひどく鮮明に記憶を占領してしまっている。夢か幻だと、どれほど自分に言い聞かせてみても、心の奥が奇妙に悲しい。雷王がいるのに、胸にわだかまる喪失感がぬぐえない。半身を引き千切られたような哀惜が、きりきりと胸に鋭い痛みを覚えさせている。
「藍丸?どうかしたのか?」
尋ねる雷王の声に不安が混じる。雷王を見詰めてばかりの藍丸を怪訝に感じてなのだろうが、そんなことにすら、なぜか泣きだしたい衝動に駆られた。たった数歩の距離だろうが、離れて居られるのがひどく悲しく不安になる。
「雷王」
求めて伸ばした手は、力強い大きな掌に包まれたが、身体の一部が触れあうだけでは足りなかった。重なる手を手繰り寄せ、温かい雷王の身体を腕にする。大きな体躯は藍丸をすっぽりと胸に収め、温かな雷王に深くふかく包み込まれた。
「なにかあったのか。なぜ悲しい目をしている」
ゆっくり頭をなぞる掌は優しい。胸から響く声は低いがよく通る。尋ねていても、無理に答えは求めていない。応じたければ言えばいい。声にせずとも雷王の寄こす優しさは揺れる心の奥底にまで沁みて行きわたる。それでもまだ足りない。胸の深い場所が痛くて息がつまりそうだ。
「お前は…俺のもんだ」
縋る指に必死の力が籠る。呟く声は呪詛の力を秘めている。
「そうだ。私は未来永劫、お前のものだ」
低い囁きで藍丸の呪に即座に応じた雷王の身体の奥で、確かに呪縛の力が動いたのが分かる。もう幾つの言葉の鎖が重ねられているのか。藍丸にも雷王にも分かりはしない。ただ、また一つ重みが加わろうが雷王は嬉しさを覚えるだけだ。
藍丸自身も、自分が施したものが何かは知っている。雷王は決して空へなど戻れぬよう、重ね続けた言葉は封じの印より強い力を発している。
「どこにも、行くな」
関節が白くなるほど強張る藍丸の指を、雷王の手が上から包み込むように握りしめた。背を抱く腕に力が込められ、自然と首がのけぞり雷王を見上げる形になっ た。見降ろす双眸は揺るぎなく、カケラの迷いもなく藍丸に向けられている。視線が合わさり、雷王は目元を愛しげに細めてみせた。
「お前の側より他の、どこへ行けという」
吐息よりも柔らかく、応えと共に唇が寄せられた。そっと口元を覆う温もりが、藍丸の不安を溶かそうとしていた。
「…俺だけのもんだ。誰にも渡さねえ」
熱に浮かされるような藍丸のうわ言にさえ、雷王が「ああ」と応じてくる。いつものことなのに、雷王に触れている『今』が、常より鋭敏に沁みて仕方ない。つきりと立ち上るこの痛みが、堪らなく悲しくてならない。嵐が及ぼす影響なのか、垣間見えた雷王の幻影がもたらしたものなのか…失ったわけではないのに、悲しいかなしいと嘆く思いは止まらない。
窓の外は未だに闇に閉ざされ、明かりひとつも許されぬ嵐のさなか、雷王の存在だけしか確たるものはない。雷王にしっかりと自分を抱かせる藍丸もまた、この世でただ一つだけの愛しいものを強く抱きしめながら、大切な獣の名をそっと呼んだ。
怒られるかな
おこられるかな…
おこらないよな?!
515
:
風と木の名無しさん
:2010/10/02(土) 09:17:02
◆ 二乗
三百年前から薄々は気付いていたが、どうやら連中のおおぼけ具合は、あの頃より更に進行したらしい。
京に棲みかを定めた弧白が、一紋に戻ってから半年が過ぎているが、確信は、藍丸がときおりに此方にやってきたり、自分があちらへ顔を出したりするごとに、ますます強く深まっていく。
それにしても、原因はどこにある。
弧白がいた頃にも兆候はあったが、これほど凄まじくはなかったはずだ。
常に疑問は抱いていたが、つい聞きそびれてしまっている。
それというのも、雷王と藍丸が常に共に行動をしているせいだ。あの二人の間には、傍に居るのが馬鹿らしくなるほど密な空気が流れている。ソレを目にするにつけ、どうにも微妙なことを尋ねる気になれない。
むしろ、もうどうでもいいような気にすらなってくる。
一紋には戻りはしても、所詮はあちらに常に居るわけではない。
三百年ほど経ってくると、そこそこ神経質な部分も妖怪とはいえ研磨されていくようだ。
それが証拠に、弧白は珍しく藍丸の守りを他出する雷王から半日任されたのに、尋ねもしなかった。
その藍丸は、雷王からの連絡を携帯に受けて、実に楽しげに情人と話しをしている。
未だあの獣は気に食わないが、藍丸が選んだ相手だ。横合いから手出しするほど野暮ではない。
すでに、弧白が雷王に背を向けたときに決着はついていた。
今でも時折に思い出す。
天から失墜した神獣が、地に縛り付けられる呪縛を刻ませた不気味な文様。
あんなものを背負って、よくも鬼にもならず過ごせたものだ。
妖かしには、それぞれ分というものがある。
それは人間に比べ、より厳密に狭められたものであり、枠を超えることなどほぼあり得ない。
一線を越え、抑えつけられた本来の能力は形を変え、歪みを産み、やがて妖怪の気を浸食し鬼と化す。
雷王が背に刻んだ文様は、場合によっては要らぬものになりかねない『杖』だった。
藍丸が力を暴走させなければ、一度たりとも使われぬままでいたはずだ。
そうなれば…
雷王と会話をしている藍丸に、銀白色の瞳を向けて弧白は黙考した。
…そうなれば、何時の日にか正気を喰い破られた鬼となり、調伏され封印されただろう
術に関しては、大妖の弧白よりも秀でた獣が、その危険を知らぬはずがなかった。
それでも、あの獣は藍丸のためになるならばと、ためらいもなく背に文様を入れたのだろう
馬鹿には敵わないってのは、本当だよ
あのときも思ったが…
「…それで?ソッチの話しは終わったのか。…そうか。俺たちがいるところか?」
弧白の胸中も知らぬ藍丸は、携帯越しに雷王の声に笑みを浮かべていた。
そっと、感情の発露のまま口元に乗せた笑みは、どれほどの情愛を抱いているか、他者にも如実に伝わるほど、優しげで幸福に満ちたものだ。
その顔をさせられなかったのが、自分ではないのが僅かに惜しかった。が、感傷に浸っている場合ではなかった。
516
:
風と木の名無しさん
:2010/10/02(土) 09:17:13
「…なにか、目印になるもの…か?」
雷王に居場所を聞かれたらしく、辺りを見渡した藍丸の目がこちらを向いて、眼顔でもって『どこだ?』と尋ねてきた
どこと言われても、弧白も地名くらいしか分からない。
人間たちの付ける地名や場所の名は、ころりころり転がるように名を変え形を変える。
長く生きる妖怪の身としては、覚えるのも面倒と、かつてから慣れ親しんだ名称だけを覚えている。
詳細なんぞ言えるはずもなく、軽く首を横に振れば、さも納得した頷きが返ってきた。
分からないと身ぶりしたはずだったのだが、藍丸は弾んだ表情でもって弧白に笑いかけた。
「よし、わかったぞ」
明るい宣言に、ぎょっとなる。
…ちょっとお待ち!
何を分かってくれたんだい
言いかけた言葉の端が出るより先に、藍丸はなぜか道路に止まっている一台の車に眼をつけていた。
まさか…藍丸、それはお止め!
止めようとするより先に、藍丸は堂々と携帯のあちらにいる雷王へ告げた。
「ぬらり生命の車の前に俺たちはいる。分かりそうか。そうか…よし待ってるからな」
パタリと携帯を閉じる藍丸の手元から目が離せない。
同時に、雷王おまええっ!!と脳内で怒りの単語が爆発しそうだ。
分かるわけないだろう。
車はこのビルの前に、一時停車してるだけで明らか動く。
藍丸も藍丸で、どうしてソレを目印にしようなんてした。
「弧白、どうかしたか」
「どうかもなにも…本当に、あいつは分かったって言ったのかい」
訝しげに尋ねても、藍丸はストローをずずっと鳴らし頷いた。
雷王がこの場に居れば、行儀が悪いと咎めるところだが、弧白の受け持ち分野ではないので気にも留めなかった。
今はそれよりも、藍丸のボケに対応するので忙しい。
いろいろ、山よりも高く言いたいことがある弧白に、藍丸は相変わらず邪気のない笑いを向けてきた
「あと十分くらいて来るらしい」
来れるもんかっ!
ぬらり生命ってのは、この街ではけっこう有名な保険会社だ。
そんな車、あっちこっちに走り回っているし停まってる。
しっかり者だ…と、唯一それだけは認めてやっていた獣だったのに、ついに平和ボケしたか。
こめかみのあたりが微妙に痛くなってくる。
そーいえば、三百年ぶりに戻った一紋では全員がボケていた。
今夜は弧白様が戻ってくださったお祝いでございますと、魚取り担当の蛟女が、マグロをまるまる一本担いで持ち帰ってきた光景にはさすがの弧白ものけぞった。
しかも、藍丸も雷王も『それは豪勢だな』と笑うだけで、台所を預かる桃箒にしても、戸惑うどころか両手で受け取っていた。
その後、桃箒によるマグロの解体ショーが庭先で行われ、大いに盛り上がっていたが、思わず『この一紋からしばらく離れていてよかったよ』と感じずにはいられなかった。
嬉々としてでっかい魚をさばく、水屋担当の妖怪の口元には、狂気走った笑いが滲んでいたんだが、誰も気づいてないんだろうか…。
517
:
風と木の名無しさん
:2010/10/02(土) 09:17:25
「藍丸、ちょいと聞きたいことがあるんだが…」
いったい自分が居なくなってからこのかた、こいつ等に何があったのか。
思わずに居られないのは、妖怪でなくても思うところだ。
「なんだ。そんな奥歯に物が挟まったみてえな他人行儀な言い方して、どうしたんだ
お前らしくもねえ。久しぶりに戻って照れでもしてんのか?まっさか、そんなことは
ねえよなあ。もっとも、お前が戻ってくれて、本当にうれしいぜ。けど、どうしても
江戸の街には帰ってこないで、こっちに住まうのか?俺としちゃあ、またお前には
側にいてもらいてえところなんだが、お前の立場を考えたら簡単にはいかねえんだろうなあ
まあ、新幹線もできてることだ。ちょくちょく戻ってはきてくれるんだろ」
立て板に水。早い浅草ことばでまくしたてられ、長く京都のゆったりおっとりの言葉に馴染んできた弧白には、口をはさむ間さえつかめない。
しかも、すっかり自分の問いかけの始まりは消えてしまっていて、藍丸から『またこっちに来てくれるだろ』の問いかけの方に頷く羽目に陥っている。
さすがと、本当にさすが大きくなったと誉めてやりたいところだが、コレは違う。
大きく羽織として成長したんじゃなくって、ただの天然ボケが成長してる状態だ。
「蛟女が、この前はマグロだけだったのがお前の気に入らなかったんじゃねえかって
えらく気を揉んでやがってな。次にお前が来るときには、クジラを手に入れてくるって
張り切っているんだぜ」
眼をキラキラさせて言われても、それは次に行ったら庭ではクジラ解体ショーをするってことだ。
食事前に、流血沙汰かい…ッ
お前ら全員、ちょっと待てと言ってやりたかった。
そんな性格していなかっただろうに、どうしてそうなったのかを尋ねたい。
だが、弧白にしてもどこから聞けばいいのか分からなかった。
妖怪であって、年月なんぞ関係ない身の上だったが、今だけは三百年の歳月が、物質的な重量となって目の前に立ちふさがっている気がした。
どうにも胸の内に積もる思いを言葉にできず、深く息をして外を見れば、藍丸が目印にしていた車は、すでにどこぞへ立ち去っていた。
「藍丸、車が消えているよ」
弧白の指摘に、え?と顔を上げた藍丸だったが、次の瞬間には雷王を心配するどころか「まあ、大丈夫だろ。アイツなら来れる」と根拠も分からない信頼ぶりを発揮してくれた。
微妙に…惚気られている気がする…
じっとり半眼になりかかったとき、からころと鐘のなる音が店にあった。
流れ込んできた気配は、ひどく馴染みがある。
「ほら、来ただろ」
弧白が目線を上げて確認するより先に、藍丸は後ろに首だけを巡らせて雷王を出迎えていた。
「分かりにくかったか」
尋ねる主の頬に、絶対服従の獣は片手を添わせて『いいや』と首を振る。
「すぐに分かった」
518
:
風と木の名無しさん
:2010/10/02(土) 09:17:36
目印があったからなと言いながら、藍丸が位置をずらして譲った席に大きな身を置きながら、「だが藍丸。普通は動くものを目印にしてはいかん。動かぬものにしたほうがいい」と基本的な注意を与えていた。
注意されながら、藍丸が雷王に注ぐ視線は熱が篭り、受け止める雷王も今にも相好を崩しそうに甘い顔つきでいる。
店内であろうが構いもせず、テーブル上で手を握り合う二人の前で、弧白はふつふつと胸の内を滾らせ始めた。
なんだか…分かってきた。
どうして天然ボケばっかりが増えてきたのか、この状況で全て弧白には理解できた。
要は頭に立つ二人が、この三百年で大きくボケに成長してくれた影響が一紋に現れていたわけだ
「つまり…お前たち…」
呟く声に同時に顔をあげた目の前の馬鹿二人に、弧白はにゅうっと口元を引き上げ、恐ろしく綺麗な笑みを湛えながら、眼の中は怒りで真黒にしながら手袋を外した。
天然ボケの発生源に、自分たちから成り果てていたってわけかい!
怒髪天を突く弧白の怒りは、それはそれは凄かった。半分くらいは、自分が側にいるのに藍丸の全神経が雷王にばかり向いているのが、面白くない本日の八つ当たりだったが、知ったことじゃなかった。
「弧白ッ!お前、いったいどうしたってんだ!」
「落ち付けっ!そのような力をこんな場所で使うものではない」
なんだか主従がそろって、もっともらしいことを叫んでいたが、これもまた聞こえないことにしておいた。
その後、弧白の怒りが炸裂した店内には、突如としてお狐様たちが集合し、怪奇現象が嵐となって吹き荒れたが、元凶である二人には最後の最後までどうして弧白が怒り狂ったのかは、分からずじまいだった。
そうして、最終日にホームまで見送りに行った弧白は弧白で、浅草へは顔をしょっちゅう行くが、やはり暮らしはこちらにすると告げておいた。
天然ボケに対して、どこまでもツッコミ気質の弧白には、ボケだらけの一紋に取り囲まれる生活は、ストレスがたまることばっかりだろうと予測がついたためだった。
藍丸には本気で残念そうな顔をされ、すこぉしだけ心は揺らいだが、『そうか…じゃ、こうしようぜ。来月は一紋総出で京都見物するから、その時にまた皆で宴会でも開くってのはどうだ』と、全力の笑顔で言われたときには脱力しそうになった。
しかも、止める立場の雷王は、『それはいいな』と頷いてまでいる。
あれだけの騒ぎを起こさせ、怒りまで露わにしてみたのに、やはり藍丸は藍丸で、獣は獣頭だった。
京都土産の八つ橋と漬物を持たせ、二人を乗せた新幹線が消えた瞬間に、その場にへたり込みそうなくらい疲れていた弧白だった。
藍丸のことは、いまだに非常に気に入っているが、あそこまで天然が成長されてしまえば見守る程度しか残されていない。そして、今の一紋から冷静な判断ができる自分が抜けてしまえば、日本中にとんでもない話が蔓延するだろう予測もついた。
ちょっとずつでいい…少しずつ、連中をどうにか普通に近づけてやるしかないね
決意する弧白だったが、彼は知らない。ならばと、藍丸たちがちょくちょくと京都へやってくるせいで、弧白そのものも京都の妖怪たちの間では、お笑い界を制覇すると噂されていることを…
まったく、毛先ほども分かっていないのだった。
狐白はツッコミ気質
そうとしか思えないのは、私だけじゃないだろ
519
:
風と木の名無しさん
:2010/10/02(土) 09:17:48
◆ 包薫香
腰がソファに重く沈む。
昵懇の間柄にあるホステスから、いつかの飼い犬探しに次いで依頼された男の浮気調査。
一抹のキナ臭さに目を瞑り、ひとり動くこと二週間。
長くホテルに閉じこもっていた男が漸く動きだしたと、約束どおり依頼主の携帯に連絡をいれた時点で御役御免になった。
(…ただの浮気調査ではあるまい)
当初より勘付いてはいたが詮索はできない。
藍丸も同時期に別件で一ヶ月拘束されているが、とりあえず今後の対応を相談したいと連絡を入れると、頑張れよっの一言が暗黙の内に調査の続行を命じていた。
おそらく主は事の全てを把握している。
(…疲れた)
背凭れにばふりと身を預け、目を閉じた。
鼻先に突きつけられたピンク色の爪先を思い出す。
男と接触する者がいれば相手が誰であれ連絡するよう告げる口元は赤かった。
だが真にこの目に映し、触れたいと望む者とは、既に一週間以上会えていない。
早朝から深夜にまで及ぶ張り込みは、雷王の心をこそ疲労の泥沼へと引きずりこんでいた。
「なーに気難しい顔してんだ?」
だから、会いたくて会いたくてたまらなかった彼の声さえ、当然夢かとやり過ごした。
(藍丸は…今宵も相手の屋敷に泊まっているはずだ…)
ぎゅうと眉間に皺を寄せ、より一層きつく目を瞑る。
だが予想に反して幻だと思っていた声は消えなかった。
「らーいおうっ!!!」
「うおっ?!」
今度こそはっきりと聞こえた主の声にばちっと目を開くと、次の瞬間、真後ろから両手で顔を挟んで仰向けられた唇に、ふわりと温かい感触がぽう、と灯った。
「へへ、おかえりっ」
「…ただ、い、ま……あ、藍丸…?」
雷王の頬に手を添え、悪戯っ子のように笑う藍丸を下から仰ぎ見、何度も瞬きを繰り返す。
居るはずのない姿に驚き、口を閉じることさえ忘れていると、もう一度今度は額に啄ばむような口づけが落とされた。
「…何故、此処に…」
「ああ、俺のほうも今日で終わったからな」
長けりゃ一ヶ月って話だったからラッキーだと、風呂上りのほこほこと湯気を立てた掌が未だ冷たい頬をさわさわ優しく撫ぜてくる。
仄かに香るこれは洗髪剤の類いか。
「藍丸…」
「ああ」
左頬に在る手をとり促すと、藍丸はソファを周り、雷王の正面から腿の上へと跨った。
目元を覆い隠す濡れた細い毛束を指先で弄りながら、見つめあい、漸くといった態で情人の存在を実感すると、男はふっと安堵に口角を緩めた。
やっと逢えた、と。
「…いい香いがする」
ふと目を細め、小鼻をひくつかせて囁くように雷王が言う。
人工的な芳香を嫌う獣が、藍丸から漂うそれには不思議と惹かれた。
「よく似合う…」
かつて奔放に天を駆けたあの頃、膚を切る風は土地により時代により香いが異なっていたことを思い出す。
今鼻先を擽るこれは、例えるなら樹木が立ち昇らせる複雑な香りを幾種か練りあわせた、古来より伝わる薫物に似た懐かしさがあった。
濡髪に鼻先を潜らせ、すん、すん、と嗅ぐ。
「くすぐってえって、雷王っ」
首を竦め、笑いながら身を捩る。
胴を絡めとられた腕の中、藍丸もまた久しく待ち望んだその力強さを居心地よく感じながら。
「買ったのか」
いたく気に入った嗅ぎ慣れぬそれは、決して安価なものではないだろうと雷王は問う。
香りを腑に満たしつつ、舌先で耳殻を舐め、滑り落ちた先で耳朶を食むと、痩身がひくりと跳ねた。
「千代が、ァ…くれた…」
「…千代、か」
十年かそこらぶりに懐かしい名を聞いた。
そして全てに合点がいった。総じて千代のためだったか、と。
目の前で仰け反る喉に喰らいつかんばかりに吹き上がった官能の火だったが、その名の前に僅か萎む。
千代は、主が慈しんでいるなら嫌うべくもない人間のひとりだが、だからこそ少々こちらの気を削ぐ者でもある。
「悪ぃな。おめえには全部言ってもよかったんだがよ、なんせ今回も…」
紅い髪を梳く仕種は、拙くも親が子を宥めるようなそれに似ていた。
520
:
風と木の名無しさん
:2010/10/02(土) 09:18:09
ならば、子は聞き分けるしかない。
「…また命を狙われたのだろう。わかっている、気に病むな」
雷王は湯上りの桃色に染まる頬に手を添えると、応えるようにちゅ、と口を吸った。
「それで?」
「…それで?って…なんだよ」
手を滑らせ、浴衣の肩を抜きながらの問いかけに、藍丸はわからぬと口を尖らせる。
「何故千代がこれを?」
また、すん、と鼻を鳴らすと、藍丸は“そんなに気に入ったのか”と破顔した。
「なんか俺に合うのを調香させたっつっ、てた…んっ」
目の前にある鎖骨に歯をたて、あがった艶声に、脳髄がびりびりと痺れる。
実態を知れば、藍丸が長く拘束されたのも、そのため会えない時間に飢え乾いたのも、何もかもが人間の女のためだった。
正直、苛立たないではなかったが、この香いは…
「悪くない…」
ずっと包まれていたくなる、本能が求める甘やかさに、思わず相好を崩す。
「は、雷王ならそう言うだろうって…」
千代が言ってた、と再びかの名を紡ぐ口は、嫉妬深い雷獣の一際強い一噛みで喉を圧す嬌声に塞がれた。
同じ箇所に二度つけた鬱血痕をぺろりと舐めながら、雷王は六十年ほど昔を回顧する。
人が起こした戦の終結、その全てを狭間から見ていた藍丸が、漸く表へと出た終戦の翌年、夕闇のなかで出会った少女。
痩せこけた姿も惨め、手足はゴボウのように枯れ、立っているのがやっとといった風情の彼女は、寺の境内で倒れたところを一紋に助けられた。
「千代も…齢八十を超えるか」
「ああ、でもまだまだ子供だぜ?俺たちにとっちゃ幾つになろうがあの子はあの子のままだ」
食うものなく行き倒れ、帰る場所なく、生きる縁さえ失い、泣く気力も奪われた…当時はさして珍しくもない境遇のひ弱な娘だった。
だが生きている限り、人は人が壊し尽くした人の場所へと戻らねばならない。いつまでも家哭の中に保護してはやれぬ。
それでも主が手を差し伸べるならと従い、…半年は共にいただろうか。
「元気だったか」
これまで藍丸は幾度となく会っていたが、雷王自身が彼女と最後に会ったのは、確か古稀の祝品を届けた折だったと記憶している。
それから十年、人に流れる刻は妖のそれよりずっと短い。
「心配か?」
「…いや、」
つい今しがた、千代の名に悋気をおぼえ、主の膚に痕を残したばかり。
気にならないこともない、とはいえ、独占欲を理性で塗り潰そうと足掻く雷王の葛藤に気づいた上で茶化すのだから、余計に口蓋は重くなる。
だがそのしかめ面を覗き込み、ささやかな意趣返しに満足げな表情を浮かべた藍丸は、雷王の首からネクタイをするりと抜くと、童のように無邪気に言った。
俺に尋ねるまでもないだろうと。
「元気でなきゃいちいち命狙われたりなんざしねえだろうよ」
「…それもそう、か」
千代の老いを凌駕する明達なさまに尊敬や畏怖も抱く者があれば、一方で疎ましく思う輩も後を絶たないらしい。
だから藍丸はいつからか彼女に助力してやっている。
きっかけは忘れたが、雛を見守る親鳥のような心地だと言っていたか。
胸元のボタンをひとつずつ外してゆく手を制し、濡れ羽色の前髪を掻き揚げてやれば、そんな慈悲深くも強き眸がとろり蕩けて雷王を見下ろしていた。
「明日は、休みだよな?」
「…ああ、休みだ」
藍丸の腕が首に絡み、巨躯を引き寄せ抱き締める。
「…0時、回った……今年もおめえをくれんだろ?」
俺に、と艶めいて揺れる眼差しは芳しい香気を纏い、欲望のまま赤裸々に誘う。
無論、雷王に断る理由などない。もとより彼の生まれ日には欲しがるがままに与え続けて今に至る。
贈る品の中身は…いつからか変わってしまったが。
「雷王…」
浮ついた熱い呼気に吸い寄せられて、歯肉を剥き出し、獣が笑む。
愛しき者の素直な求めに歓喜して、高ぶり猛った獣は喰らう。
「存分に…おまえの望むまま今年の今日も…」
高みにある唇へと首を伸ばして喉を鳴らし、一方眼下のそれへと頭を垂れて口を開け、どちらからともなく薄膜を啄ばみ、舐めて啜り、そして夜は更けてゆく。
それもこれも恩人の祝い日までに決着をつけようと奔走した千代の計らいだとは、無論ふたり知る由もなく。
藍丸の誕生日話…の、つもり…ですが…どうなんだこれ
裏設定のほうが楽しくなったので、続きくさい千代の話は次に回すー
お題提供はアタル:「逆さまちゅー」
521
:
風と木の名無しさん
:2010/10/02(土) 09:18:20
これは、とある日のツイッタでの会話から始まりました
以下、ついった会話
要「今関西北上空を東へ走っているもよう<雷王」
アタル「走っているのか!進軍中か!それは、
甘味を買い求めるために爆走しているってことでおk?
って、考えたら迷惑な獣だなあ、雷王www
空を飛べるままだったら、日本全国津々浦々、
有名じゃなかろうが藍丸のために買い出しに走りそうだわ」
要「主の命により、日本全国津々浦々の甘味を買い集めるため、
雷獣の一群が関西を東へと進軍なう。
本日の最重要項目は「新聞に入ってたデパートのちらし、
この“花畑牧場…みるくきゃらめる”?とかいうのが食いてえ」により、
我ら現時刻をもって北上を開始する、とかなw」
アタル「こちら、三番隊。目的地に到着、および目標捕捉。
これより『いっき大人買い』作戦を展開する」
要「銀貨30と荒縄の代わりに、お財布とお買い物バッグを寝所から持ち出して、
日本全国の菓子屋にできる長蛇の列(@客たち)と合戦所望して、
「いっき大人買い」を成し遂げる怖ろしい藍丸狂信者たち、それが雷獣一族なんだな」
こんな会話から生まれたのが、コレ↓
522
:
風と木の名無しさん
:2010/10/02(土) 09:18:32
◆ 買物
「雷王、おれ九州のかるかん食べたい」
「あ、和歌山のうすかわ饅頭くいたい」
「それと長崎のおにくるみ羊羹」
「京都のは弧白に頼むから、とりあえずそんだけ買ってきて」
主の我儘は愛おしい。
どんなことでも、叶えてやりたいと願うのは恋心だけではない。
幼いころより大切に育てあげ、獣であり妖怪である自分には
決して芽生えなかったであろう『情』を与えてくれた唯一無二の存在だ。
ましてや、肌の暖かさを分け与えられ、膝に乗りかかって甘える藍丸に
今や骨抜きとなっている雷王が、いかにして逆らえよう?
恋の力は偉大だった。
愛する者の存在は、全ての理すら覆す。
「…では、行ってくる」
「おう、頼んだぜ」
障子をからりと開け放ち、低く告げる雷王の頬に
主は戯れのような口付けを寄せ、別れが惜しいと背を強く抱きしめて応じた。
「そのような目をするな。明日には戻る」
「そう、だな…」
振り返り頬をなぞる掌に肌を擦り寄せ、そこにも愛おしげに口づける藍丸の顎を持ち上げ
己のそれを重ね合わせた。
藍丸の腕が背を掻き寄せ、雷王の手が腰を抱いて互いの身体を近くちかくにする。
やがて、名残惜しげに唇を離し見つめ合い、身を離す直前に再び小さな口付けを送った雷王は開け放した空へと大きく飛躍をした。
とたん、待ち構えていた空が陰り黒雲がどっと一面に押し寄せる。ざっと激しい雨が降り出し、轟く雷鳴に雷王の声が聞こえたようだった。
半身が引き千切られるような寂しさを覚えながら、雨雲が雷王と共に走り去ってもなお
藍丸は黒雲の走り去った方角を眺めていた。
「雷王…早く帰ってこいよ…」
早くも獣の不在に寂しさを募らせた藍丸を、弧白は呆れて眺めた。
「藍丸、ちょいといいかい」
だが、物思いにふける藍丸には、狐の声は届いていない。
ただひたすらに、雷王が恋しくてならなかった。自分のためとはいえ、情が通じ合ってからは雷王と離れたことがない。たった一日だろうが、藍丸には身を斬られるような辛さがあった。
「藍丸」
ほんのわずかな戯れだった。まさか本気にしてくれるなんて、思っても居なかった。
心底から好かれていると、いまだ唇に残る雷王の感触を指先で辿りながら、複雑な
溜息を吐いたときだった。
「………藍丸!人の話を聞いておいでかいっ!」」
ビンッと張った声に音を立てて振り返れば、部屋の片隅で狐が肘置きに半ば身を凭せ掛けて、うんざり息を吐きだしていた。雷王が出立するので頭がいっぱいで、かなり忘れていたが
弧白は最初っから部屋にいた。
「その様子じゃあ、まったく聞いていなかったね」
呆れたもんさと息を鋭くつく弧白は、三百年ぶりに一紋へ顔を出すようになっているが
本拠地は京都に構えている。
どうせなら手元に帰ってきてほしかったが、何度か”しんかんせん”で行った京都に
弧白は彼なりに手勢を集めているので、無理に江戸へ戻すよりもいいだろうと判断をした。
その後、二か月か三か月に一度の割合で弧白はこちらへやって来て、藍丸たちは
京都見物にちょくちょく顔を出しに行っている。
古くからある京の都は空気の色が違い、妖怪の身には息がしやすいラクな土地だ。
しかも、京都は甘味が多い上に、現地でしか食せないものもあるので、藍丸はしょっちゅう京都へ出向いている。
だが、いまだ完全制覇ができていない。
523
:
風と木の名無しさん
:2010/10/02(土) 09:18:45
「ちょいと、そこにお座り」
どこか気が抜けたまま佇む藍丸を、狐は眼差しひとつで動かそうとする。
藍丸も幼いころの習い癖で、弧白の言葉に素直に従った。
いまだ雷王に後ろ髪を引かれながらも、藍丸は火鉢の前に座りこむ。
心ここにあらずの乱暴な所作のせいで、少しばかり裾が乱れたが構いもせずに放っておいた。
雷王がいたら、すぐさま横から手が伸びて正されるところだ。
気を抜けば、どうしても自分の獣のことばかり考えてしまう。
そろり見上げた弧白にも筒抜けだったようで、あからさまな態度をとられた。
「お前があの堅物にぞっこんなのは、よぉく分かった。
まあ、そんなことはどうでもいいさ。それより、聞きたいことがある」
ばっさり二人の関係は投げ捨てて、弧白は不思議そうな目を向けてきた。
ひどく珍しい顔つきに、藍丸も興味を抱いて身を乗り出した。
「なんだ?なにか、妙なことでもあったか」
「アイツだよ。なぜまた飛べるようになってるんだい?」
相変わらず狐は、雷王の名を呼びたくはないらしい。頑固で強情な狐らしさが面白い。
が、藍丸には何を言われているのか分からない。
「飛べるって…前から飛んでるだろ」
「前から?そんなはずはない。できるわけがないんだ」
「どうしてだ?雷王は神獣だぞ?飛べて当たり前じゃねえか」
弧白に断言されても、雷王は昔から空を駆っている。
幼いころは藍丸をひとり置いては行けぬからと、決して空を駆ることは無かったが、
藍丸が羽織として頭角を現すと同時期に、雷王は己の眷属を引き連れて自在に天空と地上を行き来している。
「なんだ、弧白は知らなかったのかよ」
「そうじゃなくて、いつから飛べる力が戻ったんだい!」
「だーかーらっ!戻るとか、戻らないとかじゃなくって、雷王は飛べるんだよ!」
「飛べるはずないだろ」
「現に飛んで行っちまったの見ただろ」
どうにもテンションが上がっている弧白に、開け放したままの障子を指差す。
そこで、ぐっと狐が言葉につまった。
それを見て藍丸は「みょうなヤツだな」と笑うしかない。
狐はまさに狐につままれているような顔つきで、空を強く見上げている。
どうして、また空へ戻れるようになった。
弧白の疑問はそこにある。
決別したあの夜に、雷王は己の能力を潰した印を背中に刻んでいたのだ。
飛べるなど…できるはずがない。
しかし、弧白はしらない。
雷王の藍丸への情が高まりすぎて、背中の印と引き換えに施された封印が木端微塵に
砕け散ってしまったことを。
弧白は知らない。
この三百年の間に、いつも雷王が遠方まで甘味を買いに走っていることを…。
524
:
風と木の名無しさん
:2010/10/02(土) 09:18:55
だが、聡い狐は愚かではなかった。
雷王が天空へ戻ったことが示すことだけは、即座に把握ができた。
雷王が空を駆けるようになったために、昔の雷獣たちが彼の元に集まり
一緒になって買い出しをするようになったということは、図らずも神獣が一紋に下った形となり、いまや藍丸の配下は空にまで及んだがために、日本でも最大最強の一紋になったことを示している。
だが藍丸の口から、そのような話しは聞いてはいない。雷王も告げはしない。
おそらく、あの獣あたりは今日の状況で、弧白が全て把握すると踏んでのことだろうが
藍丸そのものに、自覚がないのは確実に思える。
「ああ、明日が待ち遠しいぜ…」
百鬼夜行が数万できるくらいの首領でいる自覚は…やはり藍丸にはない。
というか
しらないんじゃないかっ!?
ことの大きさに青ざめる弧白とは真逆に、ほんわり雷王を思って笑う藍丸は、この世でもっとも幸せな男だった
525
:
風と木の名無しさん
:2010/10/02(土) 09:19:08
◆ 雨宿り
突然の雨は土砂降りとなり、降り篭められると踏んだ店々が軒並み閉めた戸板の前で、彼は暫しの休息を得る。
ざあざあと勢いよく降る様は、まるで桶を引っ繰り返したよう。
刻を同じくして大黒屋を出た半妖の友も、今頃何れかで雨宿りをしているのだろうか。
濡れた前髪を掻き揚げ、低く垂れ込める黒雲を見る。
「こりゃ暫く止みそうにねえな」
懐に忍ばせた手拭いで、髪から額、頬、首筋を拭い、ほぅとひとつ息をつく。
湿り気が強いこの時節、やっと晴れ間が見えたと外に出たらこのざまだ。
思い巡らすうちにも道には忽ちに水溜りができ、柳の根元からぴょいと飛び出た蛙は、さも嬉しげにぬかるみへと飛び込んだ。
「俺も蛙だったら、こんな雨も素直に喜べるのかもしれねえなあ」
ばちばちと天より穿つ浅い泥水のなか、僅かに蠢く薄緑色に目をこらし、ひとつ溜息をつく。
早く戻らねば一紋の皆が心配するだろう。
挙句、大勢が列挙して騒ぎ出し、最悪人の形がとれぬ者まで皆が皆、昼日中に人目も憚らず主を探索に出る様まで目に浮かぶようだ。それに常に仲が芳しくないというのに、その頂点にいる紅と白の二人までもが、こういうときに限って共に連なって動き出すのだから、
「まったく、なぁにやってんだか。なあ?」
おめえもそう思わねえか、と行儀よく座る蛙に呼びかけると、そいつはぎょろりと眼を左右させたかと思いきや、低い濁声でゲロと鳴いた。
「おおお、おめえわかんのかっ」
「ゲロ」
「だよなあ、大体心配しすぎなんだよな!大黒屋に行くっつったら、一体何個食えんだってくれえ袋いっぺえに金子持たされてよ。挙句、襲われたら袋ごと投げつけて逃げろって…俺ァ一紋の頭領だぜ?ンな情けねえこたできねえってのに、雷王ときたらまったく過保護で、」
嫌になる、と続く言葉は突然の落雷に遮られた。
予期せず近くに落ち弾けた稲光と、地響きにも似た轟音に、全身の毛という毛が総毛立つ。
「!!!畜生っ」
負けじと、があと我鳴る。
なんだかわからないが、負かされた気がした。ただの雷ごときに。
否、それが愚痴を吹いた口を諌める雷王の叱咤のように思えて、正直言うと少々堪えた。
幼少の砌より、お小言にいちいちしょげるような繊細さはなかったが、ここ一番で落とされる雷のような一喝には毎度脅え竦んだものだった。
「まぁそれでも、もっかいだけ、やっちまうんだけどな…」
今となっては記憶も随分風化されたが、幼い時分、漠然とそうして試すことがあったように思う。
叱られるまで悪戯を繰り返し、鬼の形相で叱られようとももう一度だけ同じことを繰り返す。
そうしてドキドキしながら待つのだ。
またこないだと同じように叱ってくれるだろうか。
呆れたりしないで、また本気で叱ってくれるだろうか。
よそのおとうやおっかあのように、雷王も俺を心配して叱ってくれるだろうか、と。
「雷王…」
過去を辿れば、親を恋しがる雛のような、切ない甘声が薄らと漏れる。
かつて雷王は叱ってくれた。そうせねばならぬときは、何度も真摯に繰り返し。
「二度目は…そりゃぁおっかなかったが…」
暗がりに蛍火を見て心安らぐような、くすぐったいような、なんともいえない心持ちになったことは今も覚えている。
彼の一途な優しさも。
ふ、と笑んで、戸に背を預けて天を仰ぐ。
益々強くなる雨脚の向こう、いつも己が背を守る紅の腹心を思い、目を眇めた。
すると、垂れ込める闇雲のなかを閃光が走る。響動む雷鳴を引き連れ、地を這う迅雷。畏れる人々を居丈高に見下ろす神の所業。
雷は扱えど、何時からか天駆けることをやめて久しい雷王が属するそれら。
ならば、と春雷を愛しく思うようになった糸口を求めて遡る。
(雷王の音だから怖くない、…本当はちょびっと怖いけど我慢する)
526
:
風と木の名無しさん
:2010/10/02(土) 09:19:20
もう泣かないと決め、頭から布団を被った幼子が、今更にひょっこり顔を出す。
「はやく迎えにこい」
本当に攫われちまうぞ。
金子になど目もくれぬ、過去の記憶のなか巣食う藍丸という名の童に。
いかほど与えられようとも満足できず、情愛に飢え乾く藍丸という名の餓鬼に。
「雷王…」
目を伏せると、甍を打ち、地面を叩き、柳葉に払われ、川に落ちる、雑多な雨音たちが嫌が応にもいっぺんに耳に流れ込んでくる。
あまりに激しく喧しいそれらに閉口するがしかし、いつしか辺りは静まりかえっていた。
先刻までそこにいた蛙もいつの間にやら姿を眩まし、軒から落ちる玉水さえ風雅を損ね、まるで景色がここだけ色を無くした様に見えた。
じきに、ぱしゃぱしゃと足音が聞こえたかと思うと、傘を手にした件の男が姿を現した。
「…雷王」
「待たせた」
途端、辺りが色を取り戻す。
来ると思っていた。一紋の誰よりも早く現れると信じていた。
そうでなければならない。この男はそうでなければ。
(親であり、兄弟であるなら、いの一番に探し出さなければ…だよ、な)
先日、親でもなく兄弟でもないと告げたことに、不安げな顔を寄こした男を思う。
目が合うと、ずくりと胸が痛んだ。
「遅え」
一本しか持たぬ傘を見て、素っ気無く言い放つ。
おそらく元は二本あったはずだ。どこぞで誰かに一本くれてやったのだろう。
その目線を受け、何気なく微笑み答える、
「先だって宗也が雨宿りをしていてな、」
その一言ですべてに合点がいく。
長話を強いたせいで困らせてしまった友に、雷王が手を差し伸べた気遣いがありがたいと思った。
「ちぃとばかし話が長引いたせいで、雨宿りさせるはめになっちまった…」
だが、悪いことをしたと顰める面に、いつもの笑みはない。
それどころか、片落ちたやじろべえのように、心が今にもくず折れそうに傾いでいる。
(ああ、こりゃたぶん雨のせいだ。長雨のせいだ。そうに決まってる)
こんなに気が滅入るのは。
こんなに息が詰まるのは。
こんなに…不安でしようがない心持ちになるのは。
527
:
風と木の名無しさん
:2010/10/02(土) 09:19:32
柄を傾いだ傘の下へと移ると、雷王の身体が濡れていることに気づいた。
腕には葉や小花をべたりと貼り付け、背には泥を飛ばし、顔を上げれば上気した頬を伝うのは汗だった。
「…悪かったな」
手拭いで額の汗を拭いてやる。
俺の身を思え。俺の身こそを思えと、胸の裡、餓鬼が泣いた。
軒先から垂れる玉水の褥のうえ、ひとり心細さを枕に、温もりを求めて泣いていた。
いつぞやの幼い藍丸が泣いていた。
雷王の膚を飾るアジサイの小花を抓んで、ふっとほくそ笑む。
「どうやったら、こんなになるんだおめえは」
「すまぬ。…少々焦った」
大黒屋に目星をつけ、七賢竹屋への道を行きがてら、川沿いを走って漸く見つけたというが、それにしては汚れ方が尋常ではない。寺社の境内から大川の畔まで回ったと聞いて、初めてなるほどと思えるほどだというのに、男はそれ以上口を割ろうとはしない。
澄ました顔のしたに隠された、雷王の真実。
指で花弁をくるりと回して、主は笑みを深くする。
「…藍丸?」
聞くまでもないのだ、本当は。
「案じたか」
されど今一度聞きたい。
「俺の身を案じたか」
鬱々とした気分を晴らすために。
「怖れたか」
貪欲な餓鬼の腹を満たすために。
「俺の身を案じ、怖れたか」
落雷に出くわすたび、引き出される、かつての記憶を新たに塗り直すために。
「おめえの口から聞きてえ」
風に吹かれ、柳がざららと音を立てる。
人っ子一人いない路傍にて、ふたりは静かに向かい合う。が、男の返事は早かった。
主の揺らぎを見透かしてか、それとも己の逸る思いゆえか。
「案じた」
大きな雨粒が傘を打つ。
「怖れた。肝が冷えた。何処にいるのかと…慌てた」
その雨音をものともせず、男の声はしかと届いた。
「だが、顔を見たら…安堵した」
ゆるりと持ち上がった大きな掌が、僅か苦しげに歪む頬を包みこむと、熱い眼差しは主の漆黒の眸をじっと見つめる。
(情けねえ)
彼は胸中で呟いた。
こうして言質をとらねば、すぐさま過去に足元を掬われる己の弱さに笑うしかない、と。
「藍丸?」
手をすり抜けて、とん、と広い胸に頭を預ける。
面を見られぬよう、そうして隠す。
案じられ怖れられることが嬉しくてたまらず、昔と変わらず気に懸けてくれる姿に満足を覚える。
童は向けられる情愛を試して、ふたりの隔たりが如何ほどか、計ろうとする。
昔も、今も。
(どうやら臆病風に吹かれちまってるらしいな…)
膚を通して伝わるは、早鐘の如き雷王の心の音。
雨音より障りがよいその音色に耳を澄ませていると、肩を抱く逞しい腕の温もりに、知らず強張っていた肩から力が抜ける。
(ああ、たぶん、たぶんだが、俺ぁ雷王を…)
ふと思いついた言の葉に、胸が仄かにさんざめく。
正しく記憶は塗り直された。
雷王がいれば、餓鬼も童も寝静まる。
雷王にならば、この身のすべてを預け委ねてよいのだと知る。
親でもなく兄弟でもない、ならばふたりは何なのか
528
:
風と木の名無しさん
:2010/10/02(土) 09:19:42
考えたことはなかった。
大体が、考え始めてまだ昨日今日といったところだ。
そう逃げを打つ己を連れ戻せば、答えはサイコロを振るより容易に出た。
童が求め、餓鬼が欲しがるそれは、今の藍丸こそ掌中の檻に捕らえたいと望むものだ。
いつか伝えることはあるのだろうか。
口蓋を切り、真情を打ち明ける日はくるのだろうか。
小止みになった雨のなかに、またもや蛙が姿を見せる。
ゲロと鳴くのは冷やかしかと、うっかりあっちへ行けと睨めつけてしまう。
つれないことだと三度鳴き、棲み処へのそのそ消えてゆく濡れた背中を見送って、小止みになった雨露の下、藍丸はやっとのことで足を一歩踏み出した。
並んで歩くことにすら思うこそばゆさを誤魔化すように、目だけは真っ直ぐに前を見て。
ぐだぐだに次ぐ、だるだるな話で申し訳なく…読めます…か…?
梅雨期って心も身体も調子を崩しがちですよね!そうですよねっ?!<無理矢理か!
「春雷」にちょこっと絡めながら、相思相愛になるチョイ前のふたりを。
529
:
風と木の名無しさん
:2010/10/02(土) 09:19:58
買物に雷王がいけないときは、買い出し部隊が行きます
三番隊は、期間限定品担当
1番隊は、海外商品担当
ここの部隊は外見が日本人じゃない。
くるっんくるんの金髪碧眼とか普通におる
当然、海外言語もぺらぺらさ
2番隊は、地域特産品担当
隠れた絶品を見つけ出せるグルメ揃い
4番隊は 情報収集&レシピ収集担当
情報局みたいなもん。どこの何が美味しいとか、
桃箒にレシピを渡してやったり…細やかな神経が必須
はっ…
どんどん部隊が増殖していってる
限定品担当部隊だけでいいんだ。
お前らだけ、行って来い
ちなみに、限定品担当のところは人間と激戦するから
エリート部隊なんだよー <たったいまそうなった
◆ 買い出し部隊
私は雷獣三番隊隊長である。
本日、雷獣になりたての者より、なぜ藍丸という半妖のために、
我らが動かねばならないのかと不満を漏らされた。
生まれたての獣というものは、礼節というものを欠いており
まことに困ったものである。
しかし、我らの長がかつて
二十年近くの年月を不在にしていた過去を、知らぬのも事実
このような不満は、折りにして若いものたちから洩れ出てくる。
彼らは知らぬ。
ある日突然に長が地へと失墜し、我ら雷獣の間に広がったあの暗黒を…。
決して天には戻らぬと天帝より告げられた我らの混乱が、
いかほどであったかを…。
幸いにも、幼い彼らは知らぬがゆえに、軽々しく不満を口にできるのだ。
530
:
風と木の名無しさん
:2010/10/02(土) 09:20:09
雷獣の長は、千年に一度生まれ出る。
どのように幼い獣であろうとも、
長の運命を持って生まれ出た雷獣が
次の世代の導き手となる。それを我らは失った。
率いるものもなく、先を導くものもなく、
長が不在の二十年は我らの年月に比べれば
短い間であっても、十二分にすぎる混乱の時であった
闇の中を彷徨う我らの元に、長が戻れたのは、
全て半妖のおかげである。
天の理を打ち砕き、あのものは情ひとつで長の力を再生した。
自覚してのことではなかろうが、 長が再び我らの前に現れた安堵は、
言葉に表せるものではない
なによりも、再び長と共に空を駆けることができるのは
我ら雷獣にとっては至上の喜びである。
我ら雷獣の一族は、あのものに対し、つくしきれぬ恩がある。
どのようにしても、返しきれぬ義がある。
しかも彼の男は、我らにひとつとして見返りなど求めようともせぬ
気風のいいものだ。
たかが好物ひとつを届けることが、いかほどの労になろう?
なに、空駆ける我らには、造作もないものごとだ
いつでも、長が愛でる半妖のため
我らは全身全霊でもって、頼まれごとを引き受けよう
どっちもこっちも、
天然しかおらんって、ことだな
531
:
風と木の名無しさん
:2010/10/02(土) 09:20:25
◆ 縛
咆哮が屋敷を振るわせた。
雷王の部屋は襲だけを残し、しん、としていた。
その静けさがひどく不気味だと、藍丸は思った。
「…飛ばしてしまいました…」
獣化した紅に襲われそうになって咄嗟に、と襲が言う。
その震える声は、恐怖の爪を立て、藍丸の胸を掻き毟る。
「雷王…」
漏れた音が言葉だと、誰かが認識するより早く、藍丸の足は外へと飛び出していた。
雷と雲を従えた神獣。
神の申し子、気高き雷獣。
かの者が空へと帰った。
果てない蒼のなか、無窮の天を、今思うさま駆けている。
「許さねえっ」
ぎりり、と奥歯を噛み締める。
あれは俺のものだ。俺だけのものだ。
誰にもやらぬ。
誰にくれてなどやるものか。
先を睨みつけ、ひたすら走り、跳躍することおよそ一刻。
知り得るなかで、最も高く聳える山頂に辿り着いたとき、黒雲はぽつぽつと雨粒を落とし始めていた。
空を仰ぐ。
天と地を二分する密雲は、その重さと厚さで、視界に映る一面を黒一色で埋めた。
「雷王…」
もったりと垂れ込めるそれに目を眇める。
あれはいる。この空のどこかに必ずいる。
だが、どこにいるのかがわからない。
それを探し出そうというのだ。砂を掴むような途方もないことだと知ってはいるが、逸る鼓動は止まぬ、何かせずにはおられぬ。
だから、天に近い場所へと来た。
獣に手が届けば、その祈りだけで走り来た。
過去を覚えていようがいまいが、絶対に連れ帰るという思いひとつで、此処へ。
そして、直向きな思いを挫くかのように雨足は強くなる。
天の所業の前では人など塵に等しい。
槍降るような暴雨は疾風を呼び、今にも身体は吹き飛ばされそうだ。
「雷王っ!!!」
遠くにきく雷鳴に叫ぶ。
何度も、何度も、呼び慣れた名を舌に。
幼き頃より、藍丸がひとつ呼べば、必ず答えた養い親の優しげな声は、今もしかと覚えている。
耳に、胸に、なにより心に。
號と鳴り、声を掻き消す風。
礫となって肌身を打ち、力を削る雨。
だが、思いの丈だけは奪われてたまるものかと、渾身の力をこめ、かの者を呼ぶ。
「雷王!!!戻れ!!!戻ってこい!!!」
みっしりと分厚い暗雲に、藍丸が我鳴る。
時に光が閃く雷雲に、藍丸が吼える。
開いた端から口に吹き込む雨を吐き、開けていられない目を抉じ開け、それでも尚藍丸は呼ぶ。
「雷王!!!俺の声を聞け!!!」
ふと、冷える一方の身体の底に、ぽっと小さな火が点る。
それは藍丸の意思で体内を巡り、腕に肩に首に、紅い紋様を浮かび上がらせた。
「炎よ、俺の獣を連れ戻せ
炎よ、あれを紅蓮の首輪で括り、
炎よ、主を離れた腹心を生きたまま炙れ」
532
:
風と木の名無しさん
:2010/10/02(土) 09:20:37
裏切るのは許さねえ
悲しみを、苦しみを、
人がもつ感情のなか、もっとも強い力となる怒りへと変え、曇天へ火柱を叩きこむ。
それは絵巻物の天へ昇る龍のごとく、うねうねと、
そして何者をも飲み込む濁流となり、巨大な生き物の如く、天上へと奔る。
「雷王!俺の火をたどれ!此処だっ俺は此処にいるっ!!!雷王っ!!!!!」
念は焚き付けとなって炎に注ぎ、昼日中の陽光以上の煌きで宙を照らす。
藍丸は思う。
今まで刻というものを気にしたことはなかった。
一日一日は、当たり前に過ぎてゆくものだと思っていた。
朝目覚めれば、今日も昨日と同じ刻が始まるのだと信じていた。
だが、ちょっとした隙間に、雷王は消えた。
藍丸が側を離れた、ほんの僅かな合間に、ひとりきりで。
「雷王…っ……俺を……俺を連れてけえっ!!!」
叫びは喉を焼き、裂き、血の哀願となって体内を巡る。
いつしか、藍丸の目は、しとどに涙を流していた。
俺は此処にいる。
お前の導として此処にある。
だから早く、どうか早く、もがれた半身が息絶える前に。
求めるあまり、焦がれるあまり、己の業火が己を焼き尽くす前に。
一番星のようにちかりと閃き、駆けて来い。
この焔を目指し、飛んで来い。
たとえ、天がおまえを求めていようが、おまえが天に惹かれようが、
再び姿を現したなら、もう帰さない。
誰にも何処にも帰さない。
それでも掴む手を払うというなら、そのときこそ俺は。
「寒ぃ……」
大河のように天へと迸る夥しい焔は煉獄の炎となり、雨を蒸し、雲を焼く。
なのに、身の裡は冷えていく。
火を使えば使うほど、紅を見れば見るほど、凍えていく。
ぽっかり開いた胸の穴を、ざあざあびゅうびゅう、風雨が潜り抜けていく……
「らい、おう…っ!!!」
吹き飛ばしても薙ぎ払っても、即座に密する雲どもが恨めしい。
焔は気力だけで放たれる。
心身はともに疲労を増し、藍丸はいよいよ片膝をついた。
軽い眩暈を覚え、切れる息をハッハッと継ぐ。
「ちっ…くしょうっ」
俯いた頭を、それみたことかと雨が打つ。
わかっている。
無茶だなんてことは、はなっからわかっている。
羽織とはいえ、半妖ごときが、天の意思を反ぜるわけがない。
「んなこたぁわかってんだ」
でも、それでも、俺は、
533
:
風と木の名無しさん
:2010/10/02(土) 09:20:48
「諦めるなんざ…雷王を諦めるなんざ、できるわけがねえ」
あれは俺のもんだ
暗い独占欲に染まった羽織をばさりと風に靡かせ、手の甲で涙を拭う。
未だ吹きつける強風は容赦なく身を殴るが、藍丸は峰の上、堂と立ってみせた。
張りきれない意地など持ち合わせていないのだと、天に戦いを挑むように。
もう泣かない。弱味も見せない。
その代わり、燃やしてやる。
燃やし尽くしてやる。
なにもかも、目に見えるすべて。
それでおまえが戻るなら。
それがおまえの道標となるならば。
……何がどうなろうとかまわない。
「炎、召喚…」
丹田に力をこめ、静かに告げる。
もう一度、力を。
二たび、炎を。
燐を炙るような、ぢり、という鈍い音が、手の中に赤焔を呼ぶ。
俺は後悔しない。
おまえを信じているから後悔はしない。
おまえさえ戻るなら、もう二度と刻を手放さない。
おまえとの大切な刻を今度こそ全力で守るから、だから。
すう、と息を吸う。
「雷獣の王よ、この手に戻れ」
静謐な気配を纏い、静かに、ただ静かに、言霊を吐く。
我武者羅な絶叫より、高鳴り破れる鼓動より、真摯に、強く。
突如、天が啼いた。
黒雲の中を稲光が走るや、雷火が落ちる。
白光は、一瞬にして空を割り、木々を裂き、眸を貫いた。
山は戦慄き、恐怖に竦む。
だが藍丸は微笑んだ。
現し世に害為すそれも、己には瑞光だ、と。
つづく轟音のなか、耳が確かに獣の唸りを拾ったから。
閃光から袂で庇った目を、そろりと開く。
そこには毛並みも豪奢な巨体が、藍丸の前に佇んでいた。
音もなく軽やかに、落ちた稲妻とともに降りたった神獣。
威嚇の唸りで空気を震わせ、べっ甲のような眸が美しく光る。
藍丸はその圧倒的な存在感に感動し、息を飲む。
気高く雄々しい様は、数多ある世の羨望のすべてを衣のように纏っていた。
まさに王たる風格に、寸時、声をかけることすら忘れてしまう。
「雷王…」
一歩、歩み寄る。
髪から滴る雫が目に入ろうと、瞬きを忘れ、
歯肉も露わに威嚇されようと、安堵する心は開いたまま、
また一歩、足を踏み出す。
534
:
風と木の名無しさん
:2010/10/02(土) 09:21:05
「…捕まえた」
両腕で頭を抱き締め、頬と頬とを擦りあわす。
濡れた毛束は硬いが、伝わる温度は間違いなく雷王のものだった。
幼き頃より膚で知るこの温もり、間違えようがない。
顔を洗う雨に忌々しげに頭を振ると、藍丸はニッと笑う。
てめえで戻ってきやがったんだ、だからもうだめだ。
土砂降りの雨のなか、獣の目を覗きこみ、とどめを刺す。
「おめえはもう俺から離れられねえ。おめえが二たび俺を選んだんだ」
窮屈な地上に住まう、半妖の主を。
天でも一族でも自由でもなく、その手で育てた藍丸を。
「だから、な?」
放ち続けた炎の残熱高い、紅を刻んだ両腕を伸ばし、獣の首を抱き締める。
従する証しとして、熱の輪で気高き獣を閉じ込めるように。
離れぬ誓いとして、焔気の鎖で紅の腹心を縛り上げるように。
雨にも風にも溶けない陽炎が、水煙のなか、ゆらりと立ち昇る。
藍丸の腕から、雷獣の首から、互いが絡む身と身の合わせから。
そして獣は恍惚の声をあげる。
気に入ったと、嬉しいと、もっともっとと、甘えるように細く高い響きで啼く。
「ん、おめえは俺のもんだ。俺が捕まえた。だからもう…」
伸ばした手を舐める従順な様に、藍丸も応えるように牙を舐める。
「俺から離れんな。…もう、二度と……」
獣に首輪をつけたかったんですが、…ぬるくない、です、か…?
だからって炎の首輪つけたら、サーカス…だし、な…TT
535
:
風と木の名無しさん
:2010/10/02(土) 09:21:53
次回雷藍絵茶開催中にこうご期待d(゜v´)
主催
ttp://www.eonet.ne.jp/~gfpl-m/
ttp://fdtorimono.jugem.jp/
会場
ttp://www.takamin.com/oekakichat/user/oekakichat3.php?userid=433717
参加してるかもね
カズキ
ttp://rfs.sonnabakana.com/
大風
ttp://otagelpam.blog91.fc2.com/
ミズホ
ttp://yukiusa.chagasi.com/
アタル 要
ttp://ttw218.web.fc2.com/nitoro-index.html
おがた
ttp://shinsekai.org/
岡谷
ttp://rinrin.saiin.net/~okaya/kari/
536
:
風と木の名無しさん
:2010/10/02(土) 09:22:27
主催の茗たんからのお願い(゜v´)
※ 夜食、おやつ、飲み物については各自でご用意ください*
(但し、金鍔は一人四つまでですv)
(アルコールも可ですが、「酒に呑まれない」程度でお願いします!笑)
※ カップリング等の指定は特にありませんが、多少、類友的な偏りがあることは、あらかじめご承知ください。
※ 本編、もしくはFDしかプレイしていない、またはフルコンプをしていない場合は、「ネタバレOK!気にしない!」という方のみご参加ください。
(そのあたり、遠慮ナシにガンガンいきます。ぶっちゃけ、FDトークの場なのでw)
※ 絵描きさんでも、字書きさんでも、どっちでもないけど語りたい人も、紅天好きさんなら歓迎です*
ただし、ROMのみの参加はお断りします。
(絵中心の場なら、可にしたいところなんですが‥すみません!)
※ お帰りの時間は任意です。
(仮の閉会時刻は零時頃です。そのときに一度、管理人が声をかけます)
と、まぁ、最低限はそんなカンジで!
あとはみんなで楽しくワイワイお話できれば、なんでもいいカンジです!!
よろよろ、よろろ‥、よよよ、よろしくお願いします‥ッ*
つか、こういう呼びかけって、毎度毎度キンチョーします‥! ← ヘタレ。笑
久し振りだし‥!!
基本は誘い受なんだ。
いつも遊んでくれる人だけでも来てくれたら嬉しいなんて言っちゃう小心者でもある‥。笑
537
:
風と木の名無しさん
:2010/10/03(日) 03:37:21
ttp://twitter.com/gfpl_may
538
:
風と木の名無しさん
:2010/10/07(木) 21:00:44
茗たんの新着日記d(゜v´)
Memo >>なんとか。
なりそう、なのですが。
まだ、ちまちまと原稿などやっております。
まぁ、コピー本の方は何とかなりそうなので、Offlineの更新はしておきました*
いつにもまして、ぺラくてすみません‥!
ですが、けったんと作ろうと思ってた無料冊子はちょっと無理っぽいです。
弧藍で、雷王とか尸とか狐の王様たちとか書きたかったんだけど‥、今回は時間切れー。
なので、そのネタはまたいつか‥!
気がつけば、もうスパークまでもう何日もないんですね!
ビックリです。
ついこないだまで、呑気にFDで遊んでたと思ったのに‥。
なんとか会場に向けて荷物は送りましたけど、持っていく方の荷物とか、まだ全然。
つか、本もできてないですが。(あれ?)
原稿仕上げ、コピー、製本と、まだまだ時間を要します。
昼間出来ないので、すべて夜!
無事にすべて、終わりますようにー!
そのあと、いろんな人に会えるのが楽しみですvv
そんなわけで、戻ります。
最後に。
拍手パチポチ、まことにありがとうございました*
今回は時間なくて焦りまくりでしたが、他にも、色んな方からはげましてもらって、なんとか!
ありがとう!!
これから年末に向けて、仕事とオフラインの方がますます大変になりますが、がんばるぞ。
(去年はそれで体壊したので、今年は気をつける‥)
539
:
風と木の名無しさん
:2010/10/21(木) 17:29:02
Memo >>スパーク、ありがとうございました!
昨日夜、帰宅しました。
10日のスパークで、当スペースにお越しくださった方、本をお手にとってくださいました方、まことにありがとうございました*
お声かけてくださった方、差し入れをくださった方も、ありがとうございます!
ご当地ものから、季節ものまでなんだかたくさん頂いてしまい、恐縮です。
きんつば、お干菓子‥紅天らしくて素敵です*
賞味期限の短いものから、少しずつ大事に食べさせて頂いています。
ありがとうございましたー*
前日の東京は大雨でしたが、当日は雨も上がってよかったです。
どどっと駆け抜けたような3日間でしたが、すごく楽しかったです!
前日、当日とかまってくれた方々、本当にありがとうございましたvv
2日連続、桜(螺)なお店で宴してきました!
お腹よじれそうなほどたくさん笑ったvv
いっぱいお話しましたvvv
充実していました。
観光では、浅草の鰻と両国のお蕎麦が美味しかったです!
浅草寺の仲見世では、桜(螺)のあげまんじゅうも!!
(食べものばっかり‥)
やっとこさ、江戸東京博物館も行ってきました。
ホテルの部屋から、スカイツリーもバッチリ見えました。
雨の中、某聖地にも行きました。
悔いはない!笑
そして。
当日合わせの嘉藍コピー誌ですが、作って持っていった分は完売しました。
あとは一月のインテ用に少しだけ再版しようかなぁ、と思っています。
それから〝壺中日月長(雷藍本)〟と〝あやかし長屋奇譚(桜藍本)〟が完売しましたので、この二冊につきましては、これで頒布終了とさせて頂きます。
お手に取って頂き、まことにありがとうございました*
さてさて。
一月の咎狗プチオンリー、今度のグッズはリストバンドですよ。
東京のは行けませんが、大阪、楽しみです!!!
拍手ありがとうございました*
メッセージの御礼はこの下にありますので、ご覧頂けましたら幸いです。
パチポチしてくださった方も、まことにありがとうございました!
10/8 あたるさん
メッセージありがとうございました*
おかげさまで、なんとか原稿間に合いましたー!
あたるさんの次の御本も楽しみにしています!がんばってください!!!
540
:
風と木の名無しさん
:2010/10/25(月) 17:02:39
サイト行けばブログ読めるからここにupしなくても平気だよー
541
:
風と木の名無しさん
:2010/10/26(火) 17:10:58
Memo >>元気です。
ちょっとだけ体調崩したりで、ご無沙汰してましたー。
きっとアレです‥スパーク前日、雨の下北をフラフラと彷徨ったせい‥。
でも、悔いはない!笑
お、今日は咎狗アニメ第3話目放映ですねw
遅い時間なのでアレですが、初回だけはリアルタイムで観ました。
(スパーク用のコピー本作りながら‥。笑)
はじめにnたん登場‥、久しぶりにトシマの妖精さんを見たわ‥vv笑
シキティも‥ゲームではあんなに早い登場でしたっけ?
美しかったですね、さすがトシマのカリスマ(レアモンスター)だわ‥*
この秋はほかにも、ジャイキリ地上波が始まったり、相棒シーズン9が始まったり‥* なんかTV的に楽しいことばっかりです!
そして、これはTVではなく映画なのですが‥来月はハリポタ最終話の前編が、なんと3Dで公開。
そこでこの二年間、先延ばしにし続けてきた最終巻を購入&読む‥。
‥壮絶な、‥(としか言いようが)
いつも一緒に映画を観にいく面々が、ちょうど今、最終巻を読んでいるところなので、あまり大きな声で感想を言えないのがツラいところ‥。笑
そろそろ、ジャイキリの最新刊も出るのではないだろうか。
あの合宿の続きがもう楽しみでしかたない!
そんなところで。
おかげさまで、50000Hit 達成いたしました。
自分のこんな飽きっぽい性格で、ここまでこのサイトが続くとは思わなかったので、本当におかげさまで、としか言葉がなく‥。
ありがとうございます*
目とお肌の方も、徐々に回復しつつあるみたいなので、これからもぼちぼちとやっていきますー。
とりあえずは‥冬に向けて、原稿する体力を‥!
紅天本と、狗本‥源シキは、コピーになりそうなのですが‥なんとか、なんとかっ!
と、そのまえにインテに申し込まねば。笑
ぼーっとしてる間に、どんどん時間がー!
気をつけよう、ホントに。
最後に、拍手パチポチありがとうございました*
だんだん、朝晩の空気がひんやりとしてきました。
皆さまもお身体ご自愛くださいませ!
542
:
風と木の名無しさん
:2010/11/05(金) 15:00:56
Memo >>がんばらないと。(ほどほどに)
どうなることかと思ってましたが、気づけばあっさり通過していました ‥ 台風。
最近、やる気とやる気なさが交互に襲ってきます。
ずっと前から、18禁じゃない作品の二次もやりたくて、そっちのサイトを作ろうかな、と思うたびになんだかんだあって頓挫する。笑
源泉さんとか大好きだから、もうしばらくはいっかー、と思いつつ。
(シキティモスキヨ!)
つか、源シキはハマってもう何年?
2年以上経つんじゃない??(3年???)
咎狗のプチオンリ(インテ)、申し込んだので、何かしら‥薄ーい18禁のコピーとか出したいです。
久々に書くぞー*
もうホントにコイツら大好きだー、ふっふーん ♪
Lamento ‥
とりあえず、あとひとつマイナ寄りな雑文書いたら、ようやく本編のバルコノ ‥ (げふっ)
なんていうのか、マイナだったらサクサク書けるとか、でもバルコノは自分の中でサンクチュアリだから仕方ないんだ‥。(どーいう言い訳だ。笑)
悪魔さんたちも親世代もライもコノエも大好きなんだけども、やっぱりバルドさん‥*
あと、カガミノヒミツ、これもやってしまいたい。
お話自体はとっくに脳内で完結してけったんには話してあったり。(だいぶ前に)
もし、まだしばらく書かないでオチとか忘れたりしちゃったら、そのときは彼女の記憶が頼りです‥。(えー)
紅天 ‥
インテ新刊のネタ練り中です。
これが終わったら、また桜藍ネタとかやりたいなぁー*
雷藍とか桜藍て、本編とかFDとかって括りない方が書きやすいかもです。
FDをやって、ポンと素直にネタが浮かんだのが嘉祥と鷹比佐のルートだった。
あとは、ちょっとひねらないと無理なカンジで‥、いや、個人的な感想ですが。
あ、弧白は、弧藍というより、尸ネタやりたいんですけど、なかなか‥。
今はそこまで手が回らない。
たぶん、私とけったんは誰よりもおバカなネタを考えた。笑
拍手パチポチありがとうございました*
なかなかピッチを上げられませんが、ぼちぼちやっていきますー。
2010.10.30
543
:
風と木の名無しさん
:2010/11/08(月) 12:29:31
Memo >>小春日和。
今日はポカポカ、小春日和‥。
とか言ってる場合じゃなくて、もう11月になっちゃいましたっ!(ひえー)
もうあとの日にち数えるのが怖いです‥。
まだ、ほぼ真っ白‥。笑
なんだか、安易なネタに走りそうになって、イカンイカンと軌道修正中。
書くからにはまっすぐ。
攻め気で行きたいです!
通販‥。
お申込ありがとうございました*
11月5日までのご入金分につきましては、本日すべて発送いたしました!
一週間以内にお手元に届かない場合は、お知らせくださいませ。
在庫状況も少し変わりました。
〝続・あやかし〜〟の在庫は残り5を、〝狐妖〜〟の在庫は、残り10を切る数になりました。
それから〝羽織のおしごと〟について。
もともとあまりたくさん作る気がなかったのと‥、それでもスパークでは少し残るぐらいかと思っていたのですが‥。
結果は一冊も残りませんでした。
通販をお問い合わせくださった方には、本当に申し訳ありませんでした。
1月インテの再版時には、あらかじめ通販用にも少し置いておきます。
よし。
それでは、しばしまた、ネタを練り練りしてきます。
拍手ありがとうございました*
返事不要で励ましのお言葉も頂きました!!
ありがとうございます!笑
がんばるよー*
パチポチしてくださった方もまことにありがとうございましたvv
今月中に何か更新出来れば、と、思っております‥。
2010.11.06
544
:
風と木の名無しさん
:2010/11/11(木) 16:08:18
Memo >>ありがとうございました*
土曜の夜から未明にかけて、紅天の絵チャにお邪魔してきました。
主催のおがっさん(おがたさん。地のイントネーションだとこうなる‥ゴメン。笑)、ありがとうございました〜*
最初、入り口がわからなくて30分間ほど路頭に迷いましたが、(自分だけかと思ってツイッタ見たら、みんな迷ってた。笑)なんとか開いてよかったー。
ドSな上に焦らしプレイ‥流石おがっさん!!やるな!!!笑
絵師様たちの素敵絵と深夜テンションな喋りで、またまた腹よじれるほど笑ってきました。
楽しかったー!
遊んでくださった方々、ホントにありがとうございました!!
ログも楽しみにしてまっす!!
ちょっと前ですが、ニトキラの最新作情報、出ましたね。
もっと公開されたらいいのに。
あと、大メビも楽しみですが、発売時期はズレてほしい。笑
でもどっちも来年中に出ないかなぁーvv (贅沢な‥!)
最近、お知らせ以外でMemoを更新することがどんどん少なくなっているので、こちらにツイログのリンクを貼っておきます。
Twilog(ttp://twilog.org/bancha_may)
私のツイッターログがブログ形式でまとめて表示されます。
ぶっちゃけ、そちらがもう日記のようになってしまっているので‥。
くだらないことしか呟いてませんが、よろしければ覗いてやってください。笑
拍手パチポチありがとうございました*
立冬、過ぎました。
もうすぐ冬がきます、どうぞお体ご自愛くださいませ〜!!
2010.11.08
545
:
風と木の名無しさん
:2010/12/03(金) 14:22:39
Memo >>ありがとうございました。
「藍丸、夕餉の前にそんなに(金鍔を)食べて大丈夫なのか」
「大丈夫だ、問題ない」
とか‥
(大黒屋で‥)
「一番いい小豆で頼む」
とか‥‥、
そんなネタで原稿していたり‥。(していません!)
まぁ、ネタわかる人だけ呆れてください。笑
拍手をたくさん、ありがとうございました*
メッセージの御礼はこの下にありますので、ご覧頂けましたら幸いです。
(不要の方宛にもあります‥v)
パチポチしてくださった方も、まことにありがとうございました*
11/22
minori 様
はじめまして*(笑)
このたびはメッセージ、通販申込など、まことにありがとうございました!
紅天好きーさんがおひとり増えてとても嬉しいです。
SSも読んでくださってありがとうございます。
minoriさんに上げて頂いたその三つは、比較的短い時間でスルッと書けたものばかりなので、そう仰って頂けると喜びもひとしおです‥!
これからものんびりと、好きなように書いたり書かなかったり(え?)ですが、遊びに来てくださると嬉しいです。
ツイッターのフォローもして頂き、ありがとうございました*
こちらこそ、どうぞよろしくお願いします!
11/23
大風さん
レス不要とのことでしたが‥すみません、どうぞサラッと流す程度で‥!笑
こちらこそ、萌えなお題&お優しいお言葉ありがとうございます‥*
それなのに雷王が弱っていてごめんなさい。笑
そうなんですよ〜、藍丸はきっと抱っこも平気です!
ハタチ過ぎても平気で雷王の膝に乗るぐらいですから!!
ただ、怪我人(?)にほとんど怪我もしていない自分が抱っこされることに抵抗を感じたようです‥笑
もうおっしゃる通り、それは雷王の育児法の賜物というか、圧勝ですねvv
リクして頂いてから、お待たせしすぎて申し訳ありませんでした。
忘れてた、と言われなくてホッとしました!笑
このたびは本当に本当に、ありがとうございました*
11/24
要さん
こんばんは〜* おお!要さん!!(小躍り)
レス不要とのことでしたが‥、申し訳ありません、レスします!笑
こちらこそ、夏インテ以来ご無沙汰しております。
逆・膝枕、読んで頂け‥(恥!)あああ、恐縮です、感想、ありがとうございます‥*
そうですよね‥可愛い藍丸のためならなんでも自分の身に引き受けてしまうんですよね、雷王は‥!
最後の抱っこは、「甘えさせられるばかりではつまらぬ」という雷王の攻としてのプライド‥かもvv
雷王は、やっぱり藍丸を甘やかす方が性に合っているみたいです‥。
ありがとうございます、私も次の御本、楽しみにしておりますので‥!
またインテでお会いする際は、どうぞかまってやってくださいませ。
11/25
アルベさん
わぁー、ありがとうございます*
久々に紅天更新できました〜!
殺伐だけど、甘く‥vv
だって、雷藍ですから〜* 笑
2010.11.26
546
:
風と木の名無しさん
:2010/12/10(金) 13:22:33
Memo >>師走です。
あっという間に12月です。
仕事のほうも、年末の繁忙期でバタバタしております。
しかも、お正月にお休みとれるようにするため、年末は休みなしです。
というか、キレイにカレンダーどおりの出勤。
大晦日?何それ、美味しいの、っていう‥。笑
毎年のことですけれどね!
さて、お知らせというほどのこともないのですが、ちょこちょこと近況など‥。
このたび、ナビキラ様に登録させて頂きました。
新しく出来たキラル系の総合サーチ様です。
‥ありがたいです。ありがとうございます*
オフラインの方は、今のところ登録していません。
これから先、キラルの方でオフラインが活発になることがあれば、そのときには改めて登録申請させて頂こうと思っています。
1月のインテ。
ただいま絶賛原稿中です。
今回、咎狗の血のプチオンリーにも参加させて頂きます。
企画のペーパラリーも参加します。
紅天は一応、新刊発行する予定‥。(ちょっと自信ないですが)←え?
源シキはぺらいコピー(これもちょっと自信が‥)と、ペーパーラリー用のペーパー。
もしものときは‥、ペーパーラリー以外のどれかが落ちます。すみません!
(最悪、ペーパーラリー用ペーパーのみになる可能性がある‥)
発行物の目処がつきましたら、スペースのお知らせとともにオフラインページを更新します。
平日夜に原稿出来たらいいのにな。
リアルと萌え時間の切り替えが、どんどん下手になっていきます‥。
最後に。
拍手パチポチまことにありがとうございました*
いつも、パワーを頂いておりますvv
本当に寒くなってまいりましたので‥どうぞお風邪など召されませんよう、ご自愛くださいませ。
2010.12.09
547
:
風と木の名無しさん
:2010/12/27(月) 16:28:03
Memo >>Works 咎狗の血、更新しました。
師走も後半戦!
今年もいよいよあと十日余りとなりました‥。
本日は40000打記念リク第4弾、6つのうち唯一咎狗の血で頂いたリクエストSSをアップしました。
コメントにも書いたのですが、「源シキ」という指定以外ありませんでした、ので‥。
‥ま、まさかのイベントネタで‥、クリスマスネタで‥、書かせて頂きました。(笑)
約一年、お待たせいたしました。
改めまして、リクエストしてくださいました方、まことにありがとうございました*
どうかお心広くお納めいただけましたら幸いですvv
これで、残り2編となりました。
ひとつは紅天なのですが、こちらはもしかすると当サイト外の場でご披露させて頂くことになるかもしれません‥*
最後、Lamento につきましては、もうひとつだけ外堀を埋める雑文を書いてから本編(ラブラブバルコノ編w)へ。
も、申し訳ありませんー!
さらにさらにお待たせいたしますが、どうかのんびりとお待ち頂ければ幸いです。(笑)
さて。
インテでは、源シキのコピー誌を出す予定です。
コピーだけど、18禁‥にします、たぶん。
そして、紅天本はネタ作りの段階で派手に詰まってしまい、今回は発行を見送ることにいたしました。
書きかけている部分もあるので、この次‥、5月ぐらいには‥発行したいと思います。
インテでの紅天本は、10月のスパークでの新刊〝羽織のおしごと〟が、大阪初売りとなります。
プチオンリの告知サイト様の方で、1月のインテのスペースなど発表になる頃に、こちらでも発行物のことなど併せまして、詳細をお知らせさせて頂きます。
拍手パチポチありがとうございました*
いつも本当に励みになっております!
嬉しいです‥!!
ありがたや、ありがたや‥vv
2010.12.20
548
:
風と木の名無しさん
:2011/01/01(土) 15:38:02
Memo >>よいお年をvv
なんと、あと2日で年越しです!
そして、本日から冬コミが始まりましたね!
サークル&一般で参加される皆さま、お疲れさまです〜*
さて、当方はといえば、前にも書いたとおり、31日までは普通に会社行って仕事です。
そして原稿は‥これまた相変わらず、遅々として進まず。
毎年のことでわかっていることなのに、年末はどうしてもペース配分がうまくできず、何か調子が激しく狂ったままです。
今月に入って、再版分や新刊のことで何度かお問い合わせを頂くこともあり、恐縮しきりでございます‥。
なんとか‥なんとか、源シキのコピー本が出せますように‥!!
お正月休みは家に引き籠って頑張る所存です。
ありがとうございます‥*
今年は夏前まで体調を崩していたこともあり、本もあまり出せませんでした‥。
オンラインでも‥せっかく頂いた40000打のリクエストが、1年かかってまだ全部消化できていないというダメっぷりでございます。
本当にすみません!
あと二つ、頑張る!(笑)
そして、お気づきかもしれませんが、サイトの4周年記念日が実は先月にあったのですが、ご覧のとおりの体たらくなので、50000打に引き続き企画を自粛いたしました。
しかしながら、どちらのことも、ここに遊びに来てくださる方あってのことなので。
日が過ぎてはいますが、改めて御礼申し上げます。
ありがとうございました*
55555打のときには‥ひとつふたつ、またリクエストをお受けしようかな、と思っていますので!
その際にはまた、おつきあい頂ければ嬉しいです!
拍手‥*
たくさんパチポチして頂き、まことにありがとうございました*
返事不要のRさまv
わーい、久々かつまさかの源シキイベントネタに反応してくださって、ありがとうございますvv
新刊コピーもなんとか頑張ってみますので‥、どうぞ見捨てないでやってくださいませ〜* (笑)
今年1年、遊びに来てくださった方、拍手やメールを通じて励ましてくださった方、本当に本当にありがとうございました*
この年末は、どうやら寒波が猛威をふるうようであります。
どうぞ皆様も、お風邪など召されませんように。
お身体をご自愛のうえ、楽しい年末年始をお過ごしくださいませ。
それでは、よいお年を〜*
2010.12.29
549
:
風と木の名無しさん
:2011/01/14(金) 12:59:13
Memo >>あけきりまして‥
新年明けきりまして、おめでとうございます*
今年も、どうぞよろしくお願いいたします!
うう‥、もっと早くご挨拶したかったのですが‥すみません。
色々、ギリギリになってしまいましたが、週末のインテのことで、取り急ぎ上がってきました。
昨年最後の日記にも書きましたが、先月から何件か、お取り置きのお問い合わせを頂いております。(ありがとうございます!)
そして、現在(7日の22時30分)までに頂いた分で、「続・あやかし長屋奇譚」の在庫がすべてなくなる形となりました。
したがって、インテ当日に頒布する紅天本は「狐妖艶恋情話」と「羽織のおしごと」(再版分)のみとなりますので、その点あらかじめご了承くださいますよう、よろしくお願いいたします。
なお、お取り置きのお問い合わせは、本日で一旦終了とさせて頂きます。
通販のお問い合わせなどございましたら、申し訳ありませんが、インテの翌日10日から、よろしくお願いします。
インテでは、咎狗の血プチオンリーにも参加します。
イグラのペーパーラリーにも参戦します。(詳細はプチオンリーサイト様でご確認ください)
配布するペーパーの内容は源シキのシリアスな掌編です。
お話と呼べるシロモノではありませんが、雰囲気をお楽しみ頂ければ、と。
昔からサイト上ではよくやってた設定なので、もしかしたら「懐かしい」と思ってくださる方がいるかも、いないかも??
18禁ではありませんが、よろしければ貰ってやってくださいませ〜*
そして、源シキの薄い18禁な新刊コピー‥もしかしたら‥落ち‥!
ま、まだこれからギリギリまで足掻いてきますが‥。
最悪、無配冊子ぐらいにはなるか‥な。
どちらにせよ、Offlineの更新はイベントの前日になります‥申し訳ありません‥。
在庫のお問い合わせ頂いた方には、通販方法など順次返信させて頂いています。
(本日受け付けた方にも、のちほどメールさせて頂きますのでお待ちください)
通販処理の再開は、10日からさせて頂きますので、返信メールに記載している手順でお申込頂けましたら幸いです。
拍手パチポチ、まことにありがとうございました*
いつも元気を頂いています!
なかには「日記ぐらい書けよしっかりやれよこの野郎」のお叱りもあるのかもしれませんが‥。笑
取り急ぎのご連絡でした〜!
それでは、戻ります!!
2011.01.07
550
:
風と木の名無しさん
:2011/01/14(金) 13:00:07
Memo >>脱稿しました!
昨日のMemoを書いてる時点では、本当に自信なかったんですけど。笑
なんとか‥書きあげました。
インテでは、源シキのコピー本が出ます!
興味のある方は、どうぞよろしくお願いします*
Offline も更新しました。
詳細はそちらをご覧頂けましたら幸いです。
紅天本の既刊につきましては、昨日申し上げたとおりですので、よろしくお願いします。
明日は‥お天気はどうなのでしょうか。
参加される皆様、体調管理を万全にして、どうかお気をつけていらしてくださいませ*
それではそれでは、これからコピーと製本作業に行ってきます。
2011.01.08
551
:
風と木の名無しさん
:2011/01/14(金) 13:00:46
Memo >>インテ、ありがとうございました*
9日のインテで、当スペースにお越しくださった方、本をお手にとってくださいました方、まことにありがとうございました*
かまってくださった方、お声かけてくださった方、差し入れをくださった方も、ありがとうございましたvvv
いつも本当に恐縮です‥。
名物やおねだり品(ねだるな!)も頂戴しまして‥。
なのに自分はワンパタなモノばかりなので‥申し訳ない、次回こそ何か、新機軸を‥!(と、いつも思ってはいるわけです。笑)
お天気もよく‥、1月のインテは人が多くて当たり前なんですが、昨日はなんだか‥異様な人出だったような気がします。
全体的に大盛況だったのではないでしょうか‥?
咎狗スペースも、プチオンリの影響で、景気がよかったようなvv
うぅ‥よかった!久々に賑やかなスペ周りでしたー!(笑)
私も久々に猫(Lamento)充してきました*
バルド〜* ライコノ〜*
悪魔系イロモノも大好きだー!!(笑)
個人的に、LamentoはBLGで一番いいゲームだと思っているよ!
何だろうなぁ‥ストーリー的に自分好みっていうのが最たる理由なんだろうけど、でもあのクオリティはすごい‥。
色々ハントしてきまして、結果を見ればいろんなジャンルのアンソロとか再録ばっかり買って(きてもらって)ました。
分厚い本がいっぱい‥*
しばらくは、ぬくぬくしながら眠れそう‥*
しかし、紅天本を買えなかったのは残念だ。
自分も新刊出せなかったので言えないんですが、それはちょっとさびしかった‥!(笑)
そのかわり、冬コミの大メビ無配本、頂きました‥!
ありがとうございます‥!!
わぁ、ホントに新作楽しみになってきました!
キラルもラブデリも、今年中に発売されないかな‥!!
イベントのあとは、紅天サイトの管理人さんたちとアフターに行ってきました!
お話したかった人たちとたくさんお話できて、ちょっとしたサプライズ(あたるママンの粋な計らいで‥v笑)もあって本当に楽しかった!
ありがとうございました〜*
心が充実しました‥vv
そして在庫の件。
当日合わせの源シキコピー本「addict」 ですが、お取り置き分を除き、在庫はもう虫の息です‥。
今、この日記を書いている時点(10日21時30分)で、あと2冊‥。
こちらは今回のプチオンリー用に作ったものですので、申し訳ありませんが、無くなり次第終了とさせて頂きます。
お取り置きや通販のお申込をしてくださった方には、イグラのペーパー(サイトに再録予定はありません)も強制的につけさせて頂きますので、その点よろしくご了承くださいませ!(笑)
あと「再生」と「CRISIS」は完売いたしました*
これまでお手に取って頂いた方、まことにありがとうございました*
紅天の嘉藍コピー本、再版分ですが。
こちらは、3月のイベントにも持って行けたらいいなと思って作ってあるので、少し余裕あります。
これも無くなり次第、頒布終了とさせて頂きますので、よろしくお願いします。
さて、少し休んだら次の原稿にかかります。
今年前半はまた紅天で‥、後半はまだわかりませんが‥、何か新しいものに出会えていたらいいなぁ、と思います。
拍手パチポチありがとうございました*
押してくださるお気持ちに、感謝です‥!
2011.01.10
552
:
風と木の名無しさん
:2011/01/14(金) 13:04:55
ttp://ttw218.exblog.jp/
553
:
風と木の名無しさん
:2011/01/16(日) 13:45:13
Memo >>通販のご連絡。
通販のお申込、ありがとうございます!
以下、お心当たりのある方はご確認をお願いいたします。
15日正午までに頂いたメールにつきましては、すべて返信が完了しています。
まだ届いていないという方は、お手数ですがご連絡ください。
14日夜の時点でご入金が確認出来た方には本日、クロネコメール便で発送いたしました。
1週間以上経ってもお手元に到着しない場合は、お手数ですが管理人までお知らせください。
今回はいろいろ重なってしまって、管理人にとっても予想外の事態でした。
わけても、嘉藍の再版分をお待たせしてしまったことについては本当に申し訳ありませんでした‥。
辺境の鄙サイト(しかも嘉藍なんてどマイナー)と、高を括っていたことも裏目に出ました。
FD効果‥というか、羽織×羽織効果か?(笑)
こんなことはそうそうないことだとわかっていても、今回はかなり焦りました。
やっぱり、通販は毎回どんなに少量であっても、こちらが冷静に対応させて頂けるよう、以前のようにちゃんと期間を設けてやったほうがいいのかもしれません‥ね(反省)。
あと、源シキ本のお問い合わせも‥、今更ないわと完全に油断していたのですが、多少はあのアニメ効果があった‥???(え)
あ、そうだ、プチオンリー効果か!!
み、認めたくないわけじゃないんですが‥だってあのアニメにしろ、源シキとか、全然関係ないですもんね‥(笑)
そんなわけで、今頂いているお問い合わせ、お申込分が落ち着きましたら、改めて通販の方法を考えます。
いろいろ余裕なくて、本当にすみません。
そして、本当に本当にありがとうございました*
(そういや今回一条さん大人気!とか、今更はしゃいでみます‥しーん)
2011.01.15
554
:
風と木の名無しさん
:2011/02/02(水) 12:11:56
Memo
>>24
日までの通販ご連絡&絵チャお知らせ。
本日24日までにご入金の確認できた方には、クロネコメール便にて発送の処理をさせて頂きました。
万が一、1週間以上経ってもお手元に到着しない場合は、お手数ですが管理人までお申し出くださいませ。
Top でも告知いたしましたが、2月5日に紅天の絵チャをします!
時間等はまた、日が近くなりましたらお知らせします。
絵描きさんだけでなく、字だけでの参加も勿論OKです*
紅天がお好きな方であれば、どなたでも!
ただし、完全にROMのみという参加はお断りします‥あしからず。
拍手パチポチしてくださった方、まことにありがとうございました*
返事不要でご報告くださったM様、ありがとうございます!
恐縮です‥。
更新‥も。
相変わらずまったりで申し訳ありません。
せめて月イチを目指そうと思います。
今月中に、一編‥!
がんばります。
2011.01.24
555
:
風と木の名無しさん
:2011/02/02(水) 12:12:36
Memo >>サイト一時休止のお知らせ。
2月1日〜28日まで、サイト改装およびコンテンツの整理のため、Works等を休止させて頂きます。
あしからず、ご了承くださいませ。
絵チャは予定通り2月5日に開催しますので、参加をお考え下さっている方はTopページをチェックして頂けましたら幸いです*
尚、自家通販の受付は、年末からお取り置きをさせて頂いている方など未処理の方を除き、いったん終了とさせて頂きます。
(こちらからの返信メールの要領どおりにお申込頂けましたら、休止の間でも対応させて頂きます)
これまで当サイトの通販にて拙本をお手にとってくださいました方、まことにありがとうございました*
改装‥!
整理‥!!
ここ何ヶ月もの間、ずっとずっとやりたかったんですけど‥!!!(サイトいじるの大好き‥)
これまではそんな時間がとれなかったので‥、いきなりなんですが、思い立ったが吉日、ということで。笑
比較的時間に余裕のある今、実行することにいたしました。
次の原稿準備なども始めつつ、ボチボチ作業したいと思います。
今の自分の生活ペースに見合う活動をするため、現コンテンツについては若干の縮小傾向になることも否めないですが‥。
その点もどうかご理解頂けますと幸いです*
それと‥、Web拍手ですが、御礼&お返事をさせて頂くこちらのMemoも期間中は更新しませんので、一時的に外すことにいたしました。
その間、管理人に御用のある方は、お手数ですがメールフォームよりお願いいたします。
メアドをご存じの方は直接PCかケータイのメールで、ツイッターのフォロワーさんはそちらでご連絡頂ければ、それはもう簡単に捕まります‥。笑
サイトの再開予定は、3月1日です。
どうぞよろしくお願いいたします*
最後に‥。
拍手パチポチ、まことにありがとうございました*
更新‥亀並みで、しかも日記すら上げていない有様で‥いつもいつも本当にありがとうございます。
返事不要で到着のお知らせをくださいましたS様、ありがとうございました!
無事にお手元に届いたようで、よかったです*
それではしばしの間、御無礼仕ります‥。
2011.01.31
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