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灰羽連盟SSスレ
47
:
3/17
:2003/08/21(木) 17:08
「……なにしてるの?」
燃えるゴミを両手に抱えたハナがボクたちに訊いた。
ボクとダイはごみすてばで鳥を追いまわして落ちる羽を拾い集めていた。ダイがホウキで鳥を追いまわす役。ボクは落ちた羽を拾い集める役。自分でいうのもなんだけど、ハナから見たらものすごくバカみたいなかっこうに見えるだろうなあ。
すぐにダイがホウキを置いてハナにボクたちがやっていることをはなし始めた。鼻の穴が大きい。ちょっとだけ顔が赤い。ダイはハナのことがスキらしい。まえにダイがボクに話してくれた。しょーらいはけっこんするんだそうだ。ぼくはよくわからない。あ、この話はダイにクチドメされてるんだった。あぶないあぶない、気をつけよう。
「あたしもやる」
ダイの話を聴いたハナが目を輝かせていた。ダイは少しとまどっていたようだったけれど、すぐにまあ、いいかといった風にハナの参加を認めた。
ひみつのけーかくの参加者は三人になった。
ハナが入ったせいかどうかはわからないけれど、予定の量の羽は二,三日ですぐに集まった。
「次は布だ」
ダイの鼻の穴はいっそう大きくなっていた。鼻息が荒い。
これはけっこう簡単だった。オールドホームの空き部屋を回って使われてないカーテンを破って一箇所に集めた。オトナたちに見つからないようにしんちょうにしんちょうに。
そして、集めた布にのりで羽を一つづつ貼り付けていった。これはタイヘンだった。単純な作業だから飽きっぽいダイが最初にやめた。いいだしっぺはダイなのに。次にハナがさじを投げた。ボクは一人で羽を布にくっつけっていった。地味な作業で途中なんども辞めそうになったけど、ボクもレキに会いたかったから一人で続けた。一人で続けていたボクを見てハナが戻ってきた。ハナはやさしい。きっといいお嫁さんになるだろうな。ボクがハナと二人っきりでいたのが気にくわなかったのかダイが戻ってきた。ダイはぶつくさ文句をいいながら羽をのりで布にくっつけていった。
そうしてボクたちの羽は出来上がった。
ボクたちの『羽』はマントような形をしていた。おとぎばなしのヒーローがみにつけているようなおおきなマント。違うのはそのマントの一面に羽がくっついているということだ。もとのカーテンの布地が見えないほどびっしりと羽をしきつめた。
これがボクたちの羽。
つくっているときはわからなかったけどなんだか『羽』を見ていると本当にとべるような気がしてきた。壁の向こうにとんでいって笑顔のレキに会えるような気がした。
出来上がった『羽』を眺めながら、ボクたち三人はそれぞれみつめあった。
そして、
笑った。
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