したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

灰羽連盟SSスレ

4110/11:2003/07/27(日) 04:59
 はずだった。
 でも神代さんは手を離さなかった。
 神代さんが離したのは右手ではなく左手だ。
 私の足首を掴んでいる右手ではなく柵を掴んでいる左手だ。
 私と神代さんの身体は空に舞った。
 落ちていく。
 どんどんどんどん落ちていく。
 ただまっすぐに落ちていく。
 ふたりで一緒に落ちていく
 落ちていく途中ようやく私は理解した。
 結局、一緒だったんだね、私たち。
 弱くて、情けなくて、さびしくて。
 孤独で、おびえてて、ちっぽけで。
 ごめん、神代さん。
 私に勇気があったらよかったのに。
 私にもうちょっとだけ勇気があったらよかったのに。
 ぐんぐん地面は近づいてくる。
 地面はもうすくそこだ。
 頭の上に地面が見える。
 地面と触れる直前、私は目を閉じて神代さんの身体を強く抱きしめた。
 神代さんの体温が伝わってくる。
 あったかい。
 私、
 私―


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板