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第2回東方最萌トーナメント 16本目

485優しい兎の騙し方 2/7:2005/02/03(木) 03:40:18 ID:6zMOJdcc
ばたばた、わらわらとみんなが集まり始める。永琳は一足先に来て待っているようだけど・・・隣に見慣れない兎がいる。他の仲間とは明らかに違う、新種の妖怪だろうか?
「はい、全員揃った?うるさいわよ、騒がないの。今日はひとり仲間が増えた報告があって集めたの」
永琳に促されて隣の兎が前に出る。
「この兎は鈴仙。月の兎よ。今日からお前たちの仲間入りが決定したわ」
おー、とちょっと驚いた声があちこちからあがる。多分月の兎ってところに反応したんだろう。わたしも実物を見るのは初めてだった。
「本当の名前は鈴仙らしいけど、姫様の要請もあって私は優曇華院と名付けた。だがしかし姫様ご自身はやっぱりイナバとお呼びになる」
分かりにくいわい。
わたし含め、全員が一様に同じ表情でそう訴える。聞き届けられるはずもないけど。
「まあ好きに呼んでやって。あー、それから面倒はてゐが見るように」
「はーい」
さあ、何事も最初が肝心だ。ひょこっとみんなの中から飛び出す。できるだけ可愛らしく、とことこと歩いていき、月の兎に手を差し出す。
「わたしはてゐ、みんなのリーダーやってるの。よろしくね」
相手の背丈も考えて、ちょうどいい角度で上目遣いになるようにして挨拶する。気さくに話しかけたのもあって安心したのか、ほっとした様子で差し出した手を握り、握手してくれた。
「私は・・・ええっと、鈴仙・・・でもいいんですよね?地上のこと全然分からないけど、よろしくお願いね」
途中でわざわざ永琳のほうを振り返って確認する。構わない、と頷く永琳。だったら最初から別の名前なんかつけなければいいだろと思うんだけど。
「こっちこそ、月の兎に会うのは初めてだから色々教えて欲しいなあ。いいでしょ?」
手を胸の前で組んでおねだりする。少し考えてからいいよ、と微笑む鈴仙の後ろで、永琳が呆れたような顔をしている。どうせわたしが何をするかなんてお見通しなんだろうけど、経験上は余程のことをしない限り邪魔したりはしないはずだった。
「それじゃお屋敷案内するから、その間にお話聞かせてね」
「分かった、それじゃ師匠、行ってきます」
「ええ、しっかり身体で覚えてきなさい」
てゐの性格の悪さを、と声に出さずに付け足したのを唇の動きだけで読み取る。やっぱり分かってても邪魔はしないらしい。流石、付き合い長いだけある。




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