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Sammy社立ギルティ専門高等学校二学期

80064:2005/06/08(水) 18:16:44 ID:IrFv4z8Q
>>773



「オラァッ!!」

今大会初となる永園のオーバーサーブ。球威はそこそこ、球速もまぁまぁ。早い話が中途半端なサーブ。
これならいくら疲労が溜まってるとは言え、楽に返せる。

「あっ!?」

と思った。しかし返せなかった。ボールはあたしの目の前までやってくると左に逃げていった。
さては左右の変化球か…。

「すげー!?アイツのサーブめっちゃ曲ってるぞ!?」

ギャラリーが見てもすぐに分かるくらい変化の幅が大きい。これを攻略するには骨が折れそうだ。

「よくやった永園!その調子だ!!」
「テメェは調子に乗ってんじゃねェよ。役立たずが」

しかし敵はチームプレイに難ありの模様。これなら上手く行けば勝てる。

「永園、俺の見たところ聖はもう体力が尽きかけてる。狙うなら聖の方だ」

緒土…こいつは勘が鋭い。洞察力も判断力も一流。身体能力に乏しいのがせめてもの救いと言っていい。
味方なら頼もしいが、敵になるとこれ以上厄介な相手はいない。

「…ふん…これぐらいの疲れ、アンタ達には丁度いいハンデよ」
「ぬかせ」

再び永園がオーバーサーブを放つ。右か、左か。

「くっ!」

左に飛ぶ。しかしボールは右へ。読みが外れてしまった。2−0。
……今度こそ見切る。
別にこのボールはランダムで曲るわけじゃないし、
ましてや抗鬱音階のように撃った後で任意に曲げることが出来るわけでもない。
回転という物理現象に依存しているだけの話。
要は右回転なのか左回転なのかを見切ればいいんだ。

「オラァッ!!」

目を凝らしてボールを見る。

(右…かな…?)

右に飛ぶ。ボールも右に曲る。でも―――

(届かない…!)

予想以上にボールの変化が激しい。腕を精一杯伸ばしてもボールが外へ逃げていく。
随分と厄介なサーブを打ってくる。
もう体力も残ってないから、変化前を叩くとか言った荒技も出来そうに無い。

「これは追わない方がいいわね…」
「先読み?」
「そういうこと。俣奈はコートの左側をお願い。あたしは右をカバーするから。絶対ボールは追わないで」

左右に割れる。

「オラッ!!」

疲労のせいで頭の回転まで鈍ってしまったのだろうか。
左右に割れれば真ん中に無回転のストレートサーブを放ってくるに決まっていた。
変化球を意識しすぎていて全く反応できなかった。4−0。

「聖ちゃん」
「ん…?なに?」

……ごにょごにょ

「なるほど…うん。分かった。やってみる」


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