したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

Sammy社立ギルティ専門高等学校二学期

74864:2005/06/03(金) 17:50:40 ID:NlAuUQls
>>711


「では2回戦、チーム『見誤ったな』 VS チーム『レッドへイル』!!」

目の前のコートには見たことのある人物が2人。
1人はたしか赤井 雹ちゃん。先日の校内テストで対戦した。ちなみにぼくっ子。
そしてもう1人…雹ちゃんが「みっさー」って呼んでいた女の子。名前は知らない。

「サーブはチーム『見誤ったな』から!」
「聖ちゃんガンバって」
「任せて」

私は残念ながら超が付くほど運動音痴なので、なるべく聖ちゃんの足を引っ張らないようにしたい。

「雹、計算頼んだぞ」
「おっけい」

(計算…?何のことだろう?)

「いくわよ…」

聖ちゃんが腕を振りかぶる。オーバーサーブだ。

―――バシィッ!!

ピッ、と短く笛がなる。聖ちゃんに見惚れている間にボールはコーナーにピンポイントで決まっていた。

「は、速…」

そのあまりの球速に、チームメイトである私も驚いてしまう。
そしてコントロールも抜群。非の打ち所が無い。

「キャー!江辻様すてき〜〜〜〜〜〜!!!」

『江辻様ファンクラブ』とか『江辻様親衛隊』とか書いてある服を着た女子が騒ぎ出す。
当の聖ちゃんはその様子を見て顔を引きつらせている。

「あの細い体躯であんな速度のボールが打てるなんて……物理的じゃないなぁ…」
「計算狂った?」
「実際彼女が打ったボールの速度は大体分かったから…修正は容易…」
「まぁ…良くわかんないけど大丈夫なわけ?」
「うん」
「良し」

でも一番肝心な相手チームにはあまり動揺が見られない。手強そうだ。

「余裕ぶっこいてると一気に決めちゃうから……ねっ!」

―――バシィッ!!

(角度47.7度の放物線。運動エネルギーが……)

今度はさっきと逆のコーナーにボールが刺さる。
雹ちゃんが反応して腕を出したが、ボールはそのかなり下を通過していった。

(空気抵抗を計算に入れ忘れた…?いや、そんなミスはない。
 そうか、風か…?でもそれにしてはズレが大きい…?)

「大丈夫?雹」
「ん…。今度こそ完璧。ぼくがトスしたらツインテールの方を狙って。あっちの方が運動神経悪そうだから」
「あ、やっぱそう?金髪の方はちょっと人間離れしてる匂いがするよね」

う…私を狙ってくる気だ…どうしよう…

「あたしがフォローするから、そんなに気張らなくても大丈夫よ」
「う、うん…私も出来るだけがんばるよ」
「あたしがサーブで黙らせてやれば、そんな心配する必要も無いしね」

聖ちゃんなら本当にサーブだけで9点取りそうだ。でも相手チームもなにやら不穏な雰囲気を出している。
このまま終わりそうには無い。

「はっ!」

―――バシィッ!!

―――ぼんっ!

雹ちゃんがアンダートスでボールを反射させる。ネットのすぐそば、高さは丁度いい。
まるで落下地点が正確に分かっているかのような、素早い反応だった。

「良し!」

"みっさー"がボールに向かって飛ぶ。

「残念でした」
「あ!?」

―――バシィッ!!

"みっさー"がボールを打つ前に、聖ちゃんが一瞬でネット際まで出て来てボールを打った。
雹ちゃんの上げたボールはネットに近すぎた。
だからこちら側でも打てたのだ。3−0。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板