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Sammy社立ギルティ専門高等学校二学期

71164:2005/05/30(月) 17:44:04 ID:Z4yI11Tc
>>691


燦々と照りつける太陽。背中がジリジリ熱い。
青い空に青い海。足元には白い砂浜。足の裏が焼ける。
目を閉じれば人の笑い声が聞こえる。寄せては返す波の音が聞こえる。潮風が頬を撫でていく。

「これが…ハワイ!」

俺たちはついにハワイの砂浜に足を踏み入れたのだ。

「いやっほーう!!」

早速生徒達が海に駆けて行く。

「ヴォルカニックヴァイパー!!」
「シッショーウ!!」
「テエヤー!テエヤー!テエヤー!テエヤー!テエヤー!テエヤー!」

無邪気にギルティの技を形態模写して遊ぶ生徒。(と言ってもチップ役はひたすら攻撃されているだけだ)

(おまえらは小学生か…)

「なにやってんだ!!早く戻れ!!」

雁田の怒号が飛ぶ。

「とりあえずホテルに行ってチェックインを済ませる。後は自由行動だ」

(遊び放題って訳か…)

早速現地のバスに乗り込んでホテルに向かった。

「部屋割りはこうなってるから、各班の班長、紙を取りに来い」

当然、部屋は男と女で分かれる。俺、郁瀬、永園、紙野の4人と聖、三綾の2人で分かれる形になる。
紙野はともかく、郁瀬と永園が心配だ。思えば紙野以外の男子は一癖も二癖もある野郎ばっかりだ。
 特 に 郁 瀬 。
空恐ろしい不安。急に寒気を覚える。

(大丈夫かな……大丈夫…じゃないよな…)

「どうしたの松瀬くん、顔色悪いよ?酔った?」
「な、なんでもない…」

・・・

ホテルは超が付くほど高級なものだった。本当にこの学校の財力は天井知らずだ。
俺たちの部屋は104号室。

「ザトー(10)様フォォォォォ(4)と覚えますかね」

今日の郁瀬はずっとこの調子だ。フォモード全開である。はっきりって怖い。と言うか恐ろしい。
郁瀬を無視してチェックインを済ませ、部屋に入る。

「すげーな…」

思わず声も出る。テレビ、エアコン、ベッド…生活に必要なものは一通り揃っている。
見るからに値段の高そうなソファーもある。スイートルームってヤツだろうか。

「永園もそう思うだろ?」
「……」

俺を無視する永園。永園はバスの中でも飛行機の中でも終始仏頂面だった。
ずっと1人で音楽を聴いているばかりだった。そして今も。
こんなんじゃ何のために同じ班に入れたのか分からない。

「何聴いてんだ?」

イヤホンを片方耳から外す。

「あ!何してんだテメェ!!」
「simple life か…意外だな」
「ぶっ殺す…!」
「や、やめろって!暴力はいかんですよ!!」
「るせェッ!」

修学旅行の班を決めた日から俺は永園と会話をするようになった。(一方的に)
でも永園は俺を煙たがる。なかなか打ち解けられない。当然といえば当然だ。
でもまだまだ時間はある。これからだ。

「2人とも仲良くなったね」
「ンだとォ!?」

紙野が火に油を注ぐ。

……これって打ち解けてるのって言えるのか?よくわかんねぇ…

「ここが俺と兄貴の愛の巣…」

早くも郁瀬が危ない雰囲気を出し始める。

「チッ…変態共が」
「俺は違うぞ!!」
「ハッ、どうだか」
「まぁまぁ…皆落ち着いてよ」

この先この4人でやっていけるのだろうか。不安だ。


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