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Sammy社立ギルティ専門高等学校二学期

1健二:2005/04/04(月) 17:31:05 ID:Y.fkKfAQ
前スレ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/772/1101664264/l100

339名無しさん@2周年半:2005/05/02(月) 00:21:30 ID:.PekR0FE
ビデオゲームは、もはや子供の玩具ではない―――。

そう断言しても過言ではない時代になりつつある。

しかし、ビデオゲームの社会的地位となると、ファミコン時代とさほど変化がないのではないのだろうか。
ほとんどの家に最低1台は存在し、大半の人間が1度は触れたことがあるであろうビデオゲーム。
だが、大人の趣味としてはまだまだ認められていないのが現状だ。
履歴書の趣味・特技欄に『TVゲーム』などと書いている人間は、企業からは全く相手にされないのが常であるし、
初めて会った相手に「趣味はTVゲームです」とでも言おうものなら、相手はドン引きである。
そう、これだけ世に浸透したにも関わらず、ビデオゲームの社会的地位は著しく低いのである。

そんな中、恐ろしい所業を成したものが現れた。
なんと、特定のビデオゲームを習いに行く高等学校を設立したのだ。
そのゲームとは、他とは一線を画したシステム、コンボ、グラフィックによりゲームセンターで大人気を博し、
多くの信者を生み出した格闘ゲーム『ギルティギア』シリーズ。
その所業を成し遂げた男の名は、右渡太輔。

御存知の方もいると思うが、高等学校はそんなに安易にホイホイと作れるものではない。
例え、私立高校と言えども一個人やそこらの企業が高校を設立するのは不可能だ。
私立高校を設置できるのは、私立学校法第3条で定められた学校法人のみである。
しかも、この学校は主旨からして学校教育法の第41条、第42条に違反していることは想像に難くない。
更に、例え私立であっても、高校の設立には都道府県知事の認可が必要なのだ。

右渡がどのようにしてこれらを掻い潜ったのかは定かではないが、
兎にも角にもギルティ専門高等学校は創立された。
そんな学校に生徒がいるわけ……いや、不思議なことに結構な数の生徒がいるらしい。
まあ、代々木アニメーション学院に入学する子供と、それを認可する親がいるような時代である。
たいした事象ではないのかもしれない。

これは、そんな一癖も二癖もある、非現実的な高校に集う若人達のお話―――。

340338:2005/05/02(月) 00:26:13 ID:.PekR0FE
「ふわ〜ぁ〜」
春の陽気で教室はポカポカとしていてとても気持ちいい。思わず、俺は1つ欠伸をした。
入学式はだるかった(右渡校長の話は面白かったけどな)。欠伸のひとつもしたくなる。

ここは、1年F組の教室だ。俺の席は真ん中の前から3つ目。何とも言い難い、非常に中途半端な位置である。
黒板には、『席順は決まってない。適当に座って待つように。』と白で大きく書かれている。
そういうのが一番困るんだ。出席番号順にでもしてくれればいいのに。

ふと、周りを見渡してみる。5列4行の机に、計20人の生徒が座っている。空席はない。
こうして見ると、どこにでもある教室の一室に見える。だが、きっと真相は違う。
一見、普通の高校生に見えるこいつらは、例外なく変わり者なのかもしれない。

何せ、ここはギルティ専門高等学校だ。

普通の高校生が来るような高校ではない。特定の格闘ゲームに特化した教育をする高校だ。
カルチャースクールならまだしも(いや、それでもありえないが)、
高校としてはありえないというほかないだろう。
学校教育法をまるで無視したこの学校がどのように設立されたのか――それは一学生である俺にはわからない。
そんな学校に俺が入学した、その理由は……。

ガラガラガラ!

おっと、先生が来たみたいだ。
辺りが一瞬で静寂に包まれる。……というか、元々静寂に包まれていた。
進学先が進学先なだけあって、友人と一緒に入学したという人間は俺以外にもほとんどいないのだろう。
みんな、雑談するにも話し相手がいないわけだ。

教室に入ってきた教師が静寂を破る。
「入学式お疲れさん。まずは出席取るぞ」

341338:2005/05/02(月) 00:35:43 ID:.PekR0FE
「よし、全員いるな。それでは、ホームルームを始める。
 そうだな……まずは俺の自己紹介から始めるか」
男性教師が言う。
身長は180cm近くありそうだ。割と引き締まった体に爽やかな笑顔。
どちらかと言えば、体育会系の容姿である。

「名前は矢野 義亜(やの ぎあ)。……語呂が悪いし、ちょっと変な名前だけど気にするな。
 趣味は勿論ギルティ。あとは、体を動かすことかな。
 スポーツジムに週3回ほど通っている。
 使用キャラはカイとポチョが主だが、一応全てのキャラを一通りは使える。
 教師としては、色々使えた方が何かと都合がいいんだよ。
 ほぼ、全てのキャラについて知識を有していると自負している。
 わからないことがあったら何でも聞いてくれ。
 ……ま、俺からはこんなところだ」

教師――矢野義亜先生が自己紹介を終える。
その体育会系の見た目からは推し量れないが、やはり彼はギル高の教師かつギルヲタらしい。
それにしてもギアって……すごい名前だな。
しかし、使用キャラが全然ギアじゃないっていうのはいかがなものか。
「それじゃ、君達にも簡単に自己紹介してもらおうかな。
 名前、使用キャラ、今後の意気込みくらいの簡単な自己紹介でいいぞ。
 じゃあ、左手前から順番にしてくれ」
矢野先生に促され、左手前――俺から見れば右手前だ――の生徒から自己紹介が始まった。
……ってことは俺は11番目か。
うーん、普通は自己紹介って言ったら趣味・特技とかを言うもんだと思うんだけどな。
ここはギル高なんだ、というのは実感せずにはいられない。


空気が一変したのは、4人目の自己紹介の時だった。

「神風 悟(かみかぜ さとる)。使用キャラはチップ・ザナフ。
 ま、ざっと見渡してみた感じじゃたいしたやつはいなそうだし、全員俺のチップでボコってやるよ。
 そんじゃ、よろしく」

茶髪を逆立てたその男――神風が不敵な笑いを浮かべながら席に座る。
いきなりクラス全員に喧嘩を売ってやがる……すごい奴だな。
真性DQNか?ただのビッグマウスか?それとも……。

微妙に不穏な空気を漂わせながらも、自己紹介は続いていく。
次は、俺の右隣にいる男の自己紹介だ。
彼は、至極落ち着いた感じの男で、男の俺から見ても美男子と呼べる容姿をしていた。

「剣野 騎士(つるぎの ないと)です。使用キャラはカイ・キスク。
 早く皆さんと対戦したいですね。
 対戦の際はお手柔らかに。よろしくお願いします 」

優雅な物腰で着席する。
ナイトって……TVでそういう名前を子につける親が増えてるって話は見たことあるが、
実際に同じクラスになる日が来るとは思わなかった。
しかし……容姿といい物腰といい、非の打ち所がないな。

そして、ついに俺の番がやってきた。


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