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メインストーリーⅣ『桜月召喚』

84GM ◆lor4BkqD86:2005/11/11(金) 00:34:56

◆ ◆ ◆

「おおっ、それはグッドアイディア!」
コミカルな仕草で、ポンと手を叩く。
美青年然とした相貌に全然似合っていないのだが、それが妙な親しみやすさを醸し出している。

(ちっ、7、8歳でも、女ならコイツを選んじまいそうだよな……。
まあ、目の前の『かぐや姫』が、ふつーのヤツだったらだが)
一時的に隠蔽を解いたシアは、無言で少女を見つめる。

「クスクス、良く解らないけれど、あなた達面白いわね」
あどけなく笑う姿は、どこから見ても幼い少女。
ルナである気配すら無い、一般人の少女だった。

「それで、姫様はどちらの騎士をお望みですか?――いや、俺は騎士というより道化かなぁ」
ぽりぽり、あくまで軽い態度を崩さないダグディ

少女――あまりにも「月宮かぐや」に似ている―は、艶やかに微笑む。
そう…こんな少女の姿でさえ、ルナである兆候が全く無くとも。
その笑みは強い魅力を感じさせる。

「可愛い女の子の方に」
つっと視線をシアに。

「……おい、それは私のことか?」

明らかに年下の少女に『可愛い女の子』呼ばわりされて、
シアは憮然と自分を指差した。

「ええ、勿論。綺麗な瞳ね、あなた。
――それに…大勢の方が、楽しいのでは無くて?」

いつもは人気の無い路地裏に。
既に、襲撃・防御に赴ていた月の傭兵達が姿をみせつつあった。

「あーあ、振られちまったい。
ま、道化は振られてもフラフラとお姫様の笑顔を求めて歩むもの――おっと、怖い顔しないでくれって。
ちょっと離れて歩くからさぁ」
相変わらずのダグディが、シアと、周囲の面々へおどけてみせた。


少女は楽しそうに、月の傭兵達を眺めると…鈴の鳴るような声で、こう尋ねた。

「綺麗な瞳をした人達。
――あなた達は…私をどこに連れて行ってくれるのかしら?」


メインストーリー『屍魔襲撃』へ続く。


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