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スタンドスレ小説スレッド
5
:
さ
:2003/11/09(日) 10:11
俺はたちどころにして見抜いた。これは時間差攻撃だ。
まず、しぃが先に帰った振りをする。それから少し後に、ギコが合流する。そして、二人で帰るのだ。
確かに周到な計画だ。だが、天は誤魔化せても、俺の目は誤魔化せない!!
「あいつら、デキてるね…」モララーが呟いた。下卑た表現だ。
「帰りに出会ったら気まずいから、図書館でも寄って帰るよ。」モララーは言った。
「モナーもそろそろ帰るモナ。」俺もカバンを持って立ち上がる。
そして俺達は教室を出た。
廊下でモララーと別れ、靴箱で靴を履き替える。
「モナーく〜ん! 一緒に帰ろ!」
背後から、聞き覚えのある声がした。
振り向くと、レモナが立っていた。
こいつは、確かに見た目は可愛らしい。そして、俺に惚れている。
だが………男だ。
女子生徒の格好をしていて、周囲には女で通っているが、俺は知っている。
「ノォォォォ!!モナーはノーマルモナー!!」俺は即効で駆け出した。
コイツのお陰で、俺は逃げ足だけは速いのだ。
3分ほど必死で走った。どうやら上手くまいたようだ。
それにしても、なんであんなのに好かれたんだろうか。
どうせなら、じぃちゃんと一緒に帰りたかったのに…
ちなみに、「じぃちゃん」とはわがクラスのアイドル「じぃ」のことで、決して俺の祖父のことではない。
じぃちゃんに想いを馳せながら歩いていると、道端に何かが倒れているのに気付いた。
あれは…人間?
そう、道端に誰かが倒れているのだ。
俺の頭の中に、通り魔事件の事がよぎった。
どうする!? ただちに警察に届けるべきか!?
普通なら、まず確認すべきだろう。
だが、俺は自他共に認めるチキンだ。死体など見ようものなら、三日はメシが食えなくなる。
さて、どうするべきか…
用心深い俺は、遠くから観察してみることにした。
大量の血などは出ていないようだ。少し安心して、距離を詰める。
どうやら、俺と同い年くらいの女のコだ。
その時、少し腕が動いた気がした。
息はあるようだ。
「ウホッ!」
顔が確認できるくらいの距離に近づいて、俺は思わず声を上げた。
かなりの美人だ。これは恩を売るに限る。いや、ここで恩を売らずして何が男か。
俺は、すぐ傍まで近寄った。苦しそうな顔をしている。
「あの…大丈夫モナ?」
取りあえず声をかけてみた。だが、苦悶の表情に変化はない。
意識は無いようだ。
どうしよう。
とりあえず、家も近いし、連れて帰るか。
いや、もちろん介抱するためだ。
不純な動機など、塵芥ほども存在しない。
救急車を呼ぶほどではないかもしれないし、何か事情がある人かもしれない。
倒れている人を自宅で解放して何が悪い?
ひとしきり自己弁護を終えると、俺は女を抱き起こした。
その時、女はこう呟いた。
「早く… ヤツを止めないと…」
「えっ!?」俺は聞き返した。
俺に言ったのではないようだ。ただのうわ言だろう。
「この町で、起きる事…」
何を言っているのだろうか。意味がさっぱり分からない。
女は、さらに理解不能な単語を口にした。
「空想具現化(マーブルファンタズム)・・・」
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. < To Be Continued... | |
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