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スタンドスレ小説スレッド

1新手のスタンド使い:2003/11/08(土) 01:58
●このスレッドは『 2CHのキャラにスタンドを発現させるスレ 』の為の小説スレッドです。●

このスレでは本スレの本編に絡む物、本スレ内の独立した外伝・番外編に絡む物、
本スレには絡まないオリジナルのストーリーを問わずに
自由に小説を投稿する事が出来ます。

◆このスレでのお約束。

 ○本編及び外伝・番外編に絡ませるのは可。
   但し、本編の流れを変えてしまわない様に気を付けるのが望ましい。
   番外編に絡ませる場合は出来る限り作者に許可を取る事。
   特別な場合を除き、勝手に続き及び関連を作るのはトラブルの元になりかねない。

 ○AAを挿絵代わりに使うのは可(コピペ・オリジナルは問わない)。
   但し、AAと小説の割合が『 5 : 5 (目安として)』を超えてしまう
   場合は『 練習帳スレ 』に投稿するのが望ましい。

 ○原則的に『 2CHキャラクターにスタンドを発動させる 』事。
   オリジナルキャラクターの作成は自由だが、それのみで話を作るのは
   望ましくない。

 ○登場させるスタンドは本編の物・オリジナルの物一切を問わない。
   例えばギコなら本編では『 アンチ・クライスト・スーパースター 』を使用するが、
   小説中のギコにこのスタンドを発動させるのも、ギコにオリジナルのスタンドを
   発動させるのも自由。

 ★AA描きがこのスレの小説をAA化する際には、『 小説の作者に許可を取る事 』。
   そして、『 許可を取った後もなるべく二者間で話し合いをする 』のが望ましい。
   その際の話し合いは『 雑談所スレ 』で行う事。

445N2:2003/12/25(木) 17:49

 「ところで、貴女は彼に何か用でもあるのですか?」
 「えゝ、さう/\、實は今日の御夕飯にと思つて作つた里芋の煮物がとても(゚д゚)ウマーく出來上がりましたから是非あの子にも、
 と思つて參りましたら、部屋の鍵だけ開て誰もいらつしやいませんから…」
 しまった。別にいいだろうと思って鍵を開け放しておいて失敗した。
 「…それが、実は彼が朝から出掛けてなかなか戻りませんでしたから、待っていても仕方が無いので私も鍵を掛けずに出掛けておって、
 丁度戻って来た時に貴女が部屋から出てきたものですから…」
 「あら/\、鍵も掛けずにお出掛けなさるなんて、隨分と無用心では御座いませんか」
 「…申し訳ありません。拙者の不注意でした。後で彼には詫びの言葉を入れることにします」
 本当なら鍵を残さなかった青年のことも言いたかったが、今更そんなことを言っても仕方が無い。
 モ蔵は女が自分のことを責めるだろうと思って平謝りしたが、彼女の反応は全くの予想外のものであった。
 「ウフフ、別にそんなにお堅くなられなくても良いぢやあゝりませんか。
 よく言ふでしよ、『友逹の友逹は友逹』つて。私逹もあの子を挾んだ知り合ひなんですもの、もう少し和やかにお話ししません?」
 女の方から自分に歩み寄って来てくれたお陰で、モ蔵も彼女に対して親近感を持ち始めた。
 「…では、お言葉に甘えて」
 「ほら/\、『分かりました』くらゐで構ひませんよ」
 「『分かりました』。…よろしいでしょうか?」
 「フフフ…モナ本様、でしたっけ?貴方、本當に面白い方ですわね」
 「面白い…拙者が?」
 面白い人などとこれまで呼ばれたことのなかったモ蔵は、女の思いも寄らない言葉に動揺した。
 これまで剣とスタンドの道にのみ生き、数多くの命を奪い、一方では「剣聖」と崇められながらも、また一方では「剣魔」と恐れられてきた。
 今まで、他者が自分を見る時は全て戦いにおいての面のみであり、その人間性については存在すら意識されなかった。
 「剣」そのもの。モ蔵は今まで、そういう存在だと思われてきた。そして彼自身にも。
 「えゝ、さうですわ。だつて本當にお堅い喋り方が染み付いておられて…。
 私、最初に話し掛けられた時に一體この方いつの時代からやつて來られたのかと考へてしまつたくらゐですもの」
 「それは、貴女が言えたことではありませんよ」
 あらさう言へば、女が口にすると、2人は何だかおかしくなってしまい、そのまま大笑いしてしまった。
 ここ最近心の底から笑うことの無かったモ蔵も、この時は本当に愉快な気持ちになった。
 それは単純に愉快だったからではなく、久々に人の温かみに触れたからでもあった。

 「そう言えば、貴女は先程彼のことを『あの子』と呼んでいらっしゃいましたね」
 一通り笑い終えてすっきりした後、モ蔵はふと先の女の言葉を聞いた時の疑問を思い出し、彼女にぶつけてみた。
 「ええ、こゝの初代モナー君とは昔から付き合ひが有りますの」
 「では一つお願いがあるのですが、彼のことについて色々とお聞かせ下さいませんか?」
 「あら、それはどうして?」
 「はい、実は彼が毎朝ランニングをしているという話を昨日聞いたのですが、私にはどうしてもそれが信じられなくて…。
 それだけではありません、彼も男の一人暮らしにしては割と部屋も片付いていますし、それに昨日彼が家事の分担を申し出たのですが、
 それも彼の方に大変な仕事が偏っていまして…。勿論、それだけならただの真面目な青年で片付けられるのですが、
 彼の言動があまりそういう風には見えないものですから…」
 それを聞いて、今まで明るい顔をしていた女の顔が急に厳しくなった。
 「それは、幾らなんでもモナ本樣の偏見と言ふしかありませんわ。彼は本當に心の底から正直で眞面目な子ですわ」
 突然語調を強めた女の反応に、モ蔵は深い理由を察した。
 「…しかし、私の見た限りではなかなかそういう者には見えないのが実際の所です。
 それとも、貴女が彼のことをそこまで真面目だと言い張るのには、何か理由が…」
 女の顔は、何か辛い決断をしたような表情であった。
 その顔を見て最後まで言い切れなくなったモ蔵を横目で見ると、女はしみじみと語り始めた。

446N2:2003/12/25(木) 17:50

 「…そうですわね、モナ本樣でしたらお話しゝても宜しいでせう。
 あの子の兩親と私は古くからの知り合ひでした。
 2人とも警察官で、この町の危險を守る爲にといつも危險な現場へと率先して出向くやうな人逹でした。
 2人は時として2週間以上も家を空けることもあり、あの子はその度に私の家に泊まりに來て居ました。
 私が危ないんぢやないの、あなた逹にもしもの事があつたら子供はどうするの、と言ふと、いつも決まつて
 『どんなに危險な現場であらうと、誰かゞ行かなければならないんです』と答へて居ました。
 そんな兩親をいつも見てゐたからなんでせうかね、あの子も隨分と生眞面目で融通の利かない子に育つていきましたわ。

 …でも、私の恐れてゐたことがとうたふ起こつて仕舞ひました。
 あの日、私は蟲の知らせがして、朝2人が出勤する前に會ひに行つたんです。
 2人はいつもと變はらない調子でおはやう、と答へました。
 でも私はその朝2人の後ろに黒い影が付き纒つてゐるのを感じたんです。
 そこで私は單刀直入に、あなた逹はひよつとして何か危險な事件に關はつてゐるんぢやないのと問ひました。
 2人は危險な事件に關はらない警察官などゐない、と言ひましたが、その後直ぐに、
 『若しも私逹に萬が一の事が有れば、其の時はあの子の事を頼みます』と言ひ直しました。
 それは2人の口癖でもありましたが、その時は何時にも増してその言葉が現實味を帶びて居ました。

 2人の訃報を聞いたのは、それから1月程經つてからでした。
 後で聞いた話ですが、2人は破壞活動を行ふ一團に潛入調査をして居たらしいのですが、
 正體がばれてしまひ始末されたらしかつたのです。
 2人の遺體が家に屆けられても、あの子は決して私逹の前で涙を見せることはありませんでした。
 私が泣かないの、悲しくないのと言ふと、あの子は『僕は警察官の親を持つた時點でかういふ日がいつか來るかも知れないとは思つて居ました。
 だから今こゝで泣いても仕方ない、それよりもこれからどうするかを考へなくてはいけない』と答へました。
 まだ10歳にも滿たない子供がですよ?
 きつとあの子も本當は氣の濟むまでずつと泣いてゐたかつたんでせうね。
 けれど、突然天涯孤獨の身になつてしまひ、頼れる者がほとんど居ない状態ではいつまでも悲しみに耽つてはいけない、
 自分でなんとかしなくてはと考へた…また兩親もあの子にさう育つやうに教育したんでせう。
 でも、あの子にとつての本當の辛さは、むしろこの先でした。

447N2:2003/12/25(木) 17:50

 あの子の兩親は、自分逹が死んだ時の事を考へ、彼の爲にある程度の生活費を遺して居ました。
 けれども今まで私逹が見たことも聞いたこともなひ2人の親族を名乘る心無い大人逹が、そのなけなしのお金をほとんど奪つていつてしまつたんです。
 その時は私も必死になつてそのお金の意義を主張しました、けれども彼らはどこかゝら辯護士を連れて來ると、
 難癖を付けて法律の上ではどうだかうだと言ひ張り、私逹の言ふ事には聞く耳も持つてくれはしませんでした。
 結局その大人逹はあの子からお金も、財産も、住む家さへも奪つてしまひました。
 そして更には行き場を失つたあの子をどこか遠い孤兒の施設へと入れて仕舞はうとさへしたのです。
 けれどもあの子は應じませんでした。
 大人逹が強引に連れて行かうとすると、あの子はかう言ひました。
 『僕は確かに兩親を失ひ、保護してくれる人間は誰も居なくなりました。
 だから確かに、あなた方にこれから先の僕の生活を選ばれてしまつてもそれはある意味では仕方の無い事だとは思ひます。
 けれども今の僕には、兩親が命を賭してまで守らうとしたこの町を、あなた逹の判斷で去らなくてはならないといふ現實を受け入れることが出來ません』
 それを聞いて、私もあの人逹に言つてやりましたわ。
 あなた逹はこの子から財産を全て奪つて、それだけでは飽き足らず今度は自分逹とこの子との關係を失くさうとこの町への『思ひ』さへも奪はうと言ふのですか。
 保護者がゐないと言ふなら、私が保護者にならうぢやないですか…つて。
 流石にそれを聞いてあの人逹もそれだけは勘辨してくれました。

 でもあの子は決して私逹大人の世話にならうとはしませんでした。
 それは遺産相續の件があつたからだけではなく、周圍の者逹には決して迷惑を掛けたくないといふ配慮の精神のみから來たものでした。
 私が一緒に暮らしませうと言ふと、あの子は『子供を1人抱へるだけでも小母さんの家計には大きな負擔になります、
 僕にはまだ僅かながら兩親の遺してくれた蓄へが有りますから、後は自分で何とかします』と言ひました。
 それからと言ふものはあの子は決して他人の世話にならず、いつも1人で生きて居ました。
 私の家の近所といふことでこゝに部屋を借りてからは、毎朝毎朝新聞を配逹して、牛乳を配逹して、學校が終はればバイトに明け暮れる日々…。
 そんな生活を繰り返すあの子を、確かに同情の目で見る者も少なく有りませんでしたが、けれども中には生意氣だとか、氣に食はないとかいふ者だつて居ました。
 中等部や高等部では、柄の惡い上級生や同級生は平氣でバイトをしてゐる彼を妬み、あるいは教師の中にも事情を知つてか知らずか偏見の目で見る者さへ居たと言ひます。
 決して口には出しませんでしたけど、あの子は相當酷い虐めを受けて居ました。
 いつも顏にはあざが殘って居ましたし、ずたぼろの制服で歸つてきたり、鞄を持たずに歸つてきた事さへ有りました。
 若しも私がそんな目に遭つたら、きつと自殺を考へてしまふでせう。
 …けれども、あの子はそんな酷い目に遭ひながらも、決して卑屈になつたりとか、荒れたりすることは有りませんでした。
 いつだつたか、あの子は言ひました。

448N2:2003/12/25(木) 17:50

 『小母さん、僕は小さい頃から町の爲に働く兩親の姿を見てきました。
 大人逹の中には殉職した兩親のことを惡く言ふ奴だつて居ますけど、僕は決してそんな事は無いと思ひます。
 兩親は死ぬ前にも、數多くのこの町の平和と安息を壞さんとする輩どもを潰滅してきました。
 葬儀の時も、兩親の上司は「君逹が居なかつたらこの町は今頃どうなつて居たか分からない」とまで仰つて下さいました。
 兩親が若し町の爲に命を捨てる覺悟をしてゐなければ、今の我々はこゝまで平和な生活を送れては居ないはずなのです。
 それなのに、今我々は彼らの働きによつて平和を得てゐるのに、その志半ばで倒れた兩親の事を惡く言ふ權利など我々にはあるのでせうか?
 俺は今でも兩親の事を誇りに思つて居ます。
 だから俺もいつか必ず、何かしらの形でこの町を守る仕事に就きたいと思つて居ます。』

 あの子は自分の夢を果たす爲に必死になつて勉強し、働きました。
 普通の子だつたら絶對に途中で倒れてしまふやうな、そんな過酷なスケジュールを毎日毎日こなしてきました。
 朝も早くから新聞や牛乳の配逹は勿論の事、學校が終はればすぐに仕事を2つも3つもこなして、家に歸るのはもう夜遲くになることばかりでした。
 聞くところでは工事現場とか色々氣性の荒い人逹の集まるバイトさへ經驗したと言ひますもの、少々言葉遣ひが荒くなるのも已むを得ないでせうね。
 そんな仕事をすれば身體は疲れ切つて居る筈なのに、あの子は大學に入る爲に寢る間も惜しんで勉學に勵み、
 ある時私の家に泊まつた時でさへ3時位まで起きて居ました。
 それでまた早朝から仕事が始まり、そんな日々が何日も何日も…。
 でもあの子は倒れるどころか、決して泣き言の一つさへ上げませんでした。
 でもいざ受驗といふ時になつて、どうしても上京して一人暮らしをするだけのお金が無いといふ事になつてしまひました。
 彼はまたずつと働いてゐればいつかはお金が貯まるでせうと氣樂さうには言つては居ましたが、
 彼の稼ぐお金から生活費を引いたらそれだけのお金を稼ぐのに何年かゝるのか分からないことは私逹にもはつきり分かつて居ました。
 このまゝではあの子の今までの頑張りが無駄になつてしまふ、さう思つた私は近所の人逹や彼の働き先の人逹に頼んで、募金を募りました。
 皆あの子がどれだけ苦しんでゐるのか分かつて居たんでせうか、どの方も澤山のお金を出して下さいました。
 それでそのお金を渡した時には、流石にあの子も泣いて喜んでくれました。
 それからもあの子は決して慢心することなく勉強し、それで東京ギコ大學に現役で合格して、この春卒業して戻つてきたばかりなんですわ」

449N2:2003/12/25(木) 17:51

 女の話を聞き終え、モ蔵は青年を表面的な部分だけを見て不真面目だと決め付けた自分の貧しい心を恥じた。
 女は、話の途中から感極まって涙を流していた。
 2人の間に沈黙が走る。
 モ蔵はこれまでの想像の上での青年の姿が頭の中で崩れてゆくのを感じていた。
 女は傷付きながらも弱音を吐かずに生きてきた青年の姿が走馬灯のように浮かんでいた。
 「…私がお話出來るのはこれだけですわ」
 女は気が付いたようにその静寂を破った。
 女はこれだけとは言ったが、青年はこの女が語った以上に辛い人生を歩んできていてもおかしくはない、とモ蔵は思った。
 「やはり私は彼に詫びねばなりませんね」
 「どうして?」唐突な男の言葉に女はその真意を尋ねずにはいられなかった。
 「私は先程も申しましたが、彼をその表面的な振る舞いだけできっと不真面目であるに違いない、むしろ多少の真面目そうな行いの方が
 何かの間違いだろうとまで考えてしまいました。
 しかし実際は彼は私の想像を絶する半生を歩んできていました。
 私は自分の偏見で彼の人間性を疑ってしまっていたのです。
 それを隠したままでこのままここに同居させて貰っては、それはまさしく彼に対する冒涜に等しいものです」

 モ蔵は青年と自分のこれまでの人生を重ね合わせていた。
 誰にも頼らず、自分の力だけで生きてきた日々。
 だが両者の間には決定的な違いがあった。
 自分は確かに父に痛めつけられてきたも同然ではあったが、そこには父なりの考えと愛情が感じ取れた。
 そのことが今のモ蔵の信念がこれまで折れずに保たれてきた一因であると彼は考える。
 しかし青年は、モ蔵が旅に出るよりも早くに両親を失い、更には人に頼るどころか、人から虐げられ、見下されて生きてきたのだ。
 その彼が両親の遺志をこれまで失わずにやって来れたのは、自分よりも遥かに強い精神があったからに他ならない。
 モ蔵は青年をある種の尊敬の眼差しで見るようになったと同時に、どうしても彼に詫びずにはいられなくなった。

450N2:2003/12/25(木) 17:52

 「モナ本樣のお考へは確かにごもつともですわ。…でも、出來ればそれは止めて下さいませんか?」
 モ蔵の告白に、女は意外な返事をした。
 「一体それは何故ですか?このままでは、私の気が治まりません」
 モ蔵の語調が少し強くなったのを女は感じたが、変わらず落ち着いた調子で答えた。
 「えゝ、モナ本樣の御氣持ちは私にも良く分かります。でも、正直なところを申しますと、あの子は今でも昔の事が心の傷になつて居るやうなんです。
 勿論あの子もそんな事はおくびにも出しませんけど、でも今でも昔の事は決して語らうとはしませんもの。
 …ですからモナ本樣、この事はどうか貴方の心の内にしまつて置いて、これからはさういふお氣持ちにあの子に接してやつて下さい。それで宜しいではありませんか」
 「しかし…!!」

 「おい、お前は斯くなる所で何をしたるるゝのだ」
 不意に男の低い声が割り込んできた。
 後ろを見ると、これまた明治・大正人のような格好をしたギコが廊下の端に立っていた。
 「あら、さういふあなたもどうしてこちらへ?」
 「否、散歩から歸つてきたらお前が居なかりしもの故に、きつと此方へ來てゐるならんと思ひて見に來たのだ」
 「…ださうですわ。彼れの人も本當に堪へ性のあらざる人ですわね。はい/\、其れでは今參りますわ。
 其れではモナ本樣、御機嫌やう」
 女は男の元へ行き、そのまま会釈をして2人で帰っていった。
 「…既婚者だったのか…」
 モ蔵の中では、青年の過去よりもそちらの方が驚きであった。



 青年が帰ってきたのはその日の7時過ぎであった。
 青年は昨日と変わらず、どこかとぼけた調子でモ蔵に接していた。
 モ蔵は余程頭を下げようと思ったが、それでも女の制止が頭に引っ掛かり、遂にその日は何も言わずに終わってしまった。

451N2:2003/12/25(木) 17:52

 夜道、もう明かりの付いている窓は見当たらない。
 夜空には右側が欠け始めた月が輝いている。
 道を歩く姿は無く、遥か遠くからは犬の遠吠えが響く。
 そこに遠くから響く足音。
 それは少しずつこちらへと近付いて来る。
 足音の正体は男。
 目には狂気が渦巻いていることは誰の目にも明らかである。
 「アーヒャヒャヒャヒャ!アノ男ノオ陰デ身ニ付イタ『スタンド』ッ!!マズハコノ町ヲ実験体ニシテヤルゼ!!
 アーッヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!!」

452新手のスタンド使い:2003/12/25(木) 19:58
乙彼ー。

453新手のスタンド使い:2003/12/25(木) 23:35
貼ります

454新手のスタンド使い:2003/12/25(木) 23:35
   救い無き世界
   第三話「出会い・その2」


「『デュアルショック』!!」
 マララーのスタンドの右拳が、俺に向かって迫ってくる。
 とてつもないスピード。
 反射的に、その場から飛びのく。
 間一髪、拳は空を切った。
 俺という目標を失った右拳は、代わりに壁にそれと同じ大きさの穴を開ける。
 冗談じゃない。
 こんなパンチ、生命保険に入ってても御免被りだ。
「どうした?何をやってる。来いよ。
 使わないのか?スタンドを。」
 うるせえ。
 使えるならとっくに使っている。
 だけど、どうする。
 どうすればいい。
 さっきは何とか避けれたが、あんなパンチ何度も同じようにかわせるとは思えない。
 もし次に連続で打ってこられたら完全にお手上げだ。
 スタンドとやらを使わないと、確実に、死ぬ。
 だが、どうやって。
 俺はどうやってあの時、スタンドを使ったんだ。
 思い出せ。
 思い出すんだ。
 俺はあの時何をどうやった。
「そっちから来ないなら、こっちから行くぜぇ!!!」
 マララーがパンチを繰り出す。
 まだスタンドの出し方は全く分からない。

 奴の拳が俺の顔面に到達するまであと二十センチ。

 みぃが悲鳴を上げるのが聞こえる。
 馬鹿が。
 そんな暇があるならさっさと逃げろ。

 あと十五センチ。

 駄目だ。
 避けられない。
 死・・・・・・・・・

      ドクン

 俺の体の内側から、覚えのある鼓動が伝わった。

 あと十センチ。

      ドクン ドクン

 そうだ、思い出した。
 あの時俺は

 あと五センチ

      ドクン ドクン ドクン ドクン

 この鼓動と同調して・・・

 一センチ


 肉と肉とがぶつかったことによる衝撃音。
 奴の攻撃は、異形と化した俺の腕にしっかりと受け止めていた。

 出せた。
 これが、スタンド。

455新手のスタンド使い:2003/12/25(木) 23:37

「・・・出しやがったな。」
 感心したようにマララーは言うと、
一旦俺から距離を取った。
「弟分達の言ってた通りだ。
 その奇妙な『腕』。
 それがお前のスタンドか。」
 違う。
 正確に言えば「俺の」ではない。
 俺の中にいる、俺とは別の「何か」の力だ。
 感覚で、それが分かる。
「しかし、妙な話だ・・・
 スタンドはスタンド使いにしか見たり、触れたり出来ない筈だ。
 にもかかわらず、あいつらはお前のその腕を『見た』という。
 これはどういう事なんだ・・・?」
 マララーはふと考え込むそぶりを見せた。
 知るか、そんな事。
 こっちが聞きたいくらいだ。
「まあ、いい。
 お前はどうせここで死ぬんだ。
 そんなことを考えることに、意味は無い。」
 マララーが俺に近寄って来た。
 俺はすぐに身構えて迎撃態勢を整える。
「もう手加減はしねえ。
 使わせてもらうぜ!!
 俺のスタンド、『デュアルショック』の能力を!!!」
 再び俺に右拳が迫ってくる。
 だが、今度はさっきみたいに怯んだりしない。
 見える。
 奴の攻撃がはっきりと。
 これもスタンドのおかげだろうか。
 これなら大丈夫だ。
 このパンチを左腕で受け止めたら、右をお返しに叩き込む。
 今の俺なら、出来る。
 来た。
 まずはこいつを左で受ける。

(!!!!!!!!!!!!!)
 その時信じられない事が起こった。
 俺の左腕が、激しい衝撃と共に奴のパンチに弾かれたのだ。
 左腕に激痛が走る。
 しかも奴の拳を受けた所だけでなく、腕全体に。
 何故だ!?
 さっき奴の攻撃を受けたとき、
 そんなにパワーの違いは感じなかった筈だ。
 奴はこれ程の力を隠していたとでもいうのか?
 いや、違う。
 今の衝撃は、単純な力だけのもののそれではない。

 そんな事を考えている間に、
 奴の返しの左が俺に襲い掛かる。
(まずい・・・・・・・!!!)
 必死にかわす。
 奴の拳が側頭部を掠った。
 大丈夫だ。
 ちょっと掠っただけで、ダメージは無い。
 すぐに、反撃を・・・

456新手のスタンド使い:2003/12/25(木) 23:37
 次の瞬間、俺は地面と熱い口付けを交わしていた。
 あれ?
 どういうことだ?
 これはどういうことだ?
 何で俺は倒れてる?
 何してんだ。
 急いで立たなくちゃ・・・

(・・・・・・・!?)
 足に力が入らない。
 視界が波打つ。
 頭が揺れる。
 酷い吐き気がする。
 駄目だ。
 立てない。

 みぃが俺に駆け寄って来た。
 しゃがみ込み、俺に向かって必死に何か言っているが
 意識が朦朧として、全く聞き取れない。
 何やってる。
 早く逃げろ。
 さっきも同じことを考えたぞ。

 だけど、何故だ?
 何故俺は倒れている?
 さっきのパンチか?
 有り得ない。
 確かにパンチは当たりはした。
 だけど、掠っただけだ。
 それだけで、ここまでなるわけがない。
 だけど、現実に俺はここに倒れている。
 何が、何が起こった!?
 俺に一体・・・

「一体何が起こったのか分かんないって所か?
 なあ、おい。」
 マララーの声だ
 かろうじて、音が聞き取れるようになったみたいだ。
「冥途の土産に教えてやるよ。
 何故ガードした腕が簡単に弾かれたのか。
 何故掠っただけでお前が倒れたのか。」
 マララーが勝ち誇ったように喋りだした。
「俺のスタンド『デュアルショック』の能力、
 それは触れたものを高速振動させる!
 これが手品のタネだ。」
 そうか、そういうことか。
 腕全体にダメージがあったのも、
 掠っただけで倒れたのも、そのせいか。
「こういう風に自分の能力をペラペラ喋るのは、
 スタンド使いにとって最も犯してはならないミスだが、今回は別だ。
 何故なら、俺の能力を知った奴は今、ここで、
 確実に始末するからだ!」
 奴のスタンドが、俺に止めを刺すために拳を振り上げる。
 糞が。
 ここまでか・・・・・・!!

457新手のスタンド使い:2003/12/25(木) 23:38

「止めて下さい・・・
 もう、十分でしょう・・・!!」
 みぃが、マララーの前に立ち塞がった。
 背後にスタンドを出している。
 しかし、みぃの体は恐怖からか小さく震えており、
 彼女にマララーと闘えるだけの力が無い事は端から見ても明らかだった。
「くくくく・・・はぁっはははははは!
 いや、美しい光景だねえ。
 身を挺してでも、そいつを守ろうってか。
 だけどな、下がってろ、お譲ちゃん
 お前は後だ。」
 マララーはみぃのことは完全に敵足りえるとは
 見なしていない様子だった。
 そして、ほぼ間違い無くその判断は正しい。
「出来ません・・・
 あなたみたいな人、この人には絶対に近づけさせはしません!」
 馬鹿。
 何故逃げない。
 お前がそいつに敵わないことぐらい分かるだろうが。
 自分で言ってたろ、私のスタンドには闘う力は無いと。
 なのに何故俺なんか守ろうとする。
 殺されるぞ。
「どけっつってんだよ!!!」
 案の定、ものの一撃でみぃは吹き飛ばされた。
 地面に倒れ込み、みぃは小さく苦悶の声を漏らす。
「・・・気が変わったぜ、女。
 まずてめえを、そこに転がってる男の前で、犯してやる。
 それから、ゆっくりと時間を掛けて、虐殺してやる。
 ネチネチと、てめえから殺してくれってお願いする程にな・・・」
 マララーが、みぃにゆっくりと歩み寄った。
 やめろ。
 お前の目当ては俺だろうが。
 みぃに手を出すな。
 やめろ。

     ドクン

 みぃに指一本触れてみやがれ。

      ドクン ドクン ドクン

 殺す

      ドクン ドクン ドクン ドクン ドクン ドクン

 殺す殺す殺す殺す壊せ殺す殺す殺す壊せ殺す殺す殺す殺す壊せ殺す

458新手のスタンド使い:2003/12/25(木) 23:39
「そこまでだょぅ!!」
 俺の体から「何か」が溢れ出ようとしたその刹那、
 裏路地に甲高い声が響いた。
 そこに、一人の男がいた。
「なんだぁ?お前。」
 マララーは男にうざった気に声を投げかけた。
「抵抗はするだけ無駄だょぅ。
 大人しく投降するょぅ。
 そうすれば危害は加えなぃょぅ。」
 助けが来たみたいだが、
 全くあてに出来そうになかった。
 なんたって相手はスタンド使いなのだ。
 一般人にどうこう出来るとは思えない。
「それは無理な相談だなぁ。」
 マララーがぃょぅに向かってスタンドによる攻撃を繰り出した。
 拳が吸い込まれるように頭へと伸びていく。
 駄目だ、殺られる・・・・・・!!

「『ザナドゥ』!!!」

 旋風――――
 吹き抜ける烈風が、マララーの体を宙へと舞い上げた。
「触れられさえしなければ、君のスタンドは恐くなぃょぅ。」
 マララーは訳が分からないといった表情で、
 今度は重力に導かれるまま地面へと落下していく。
 見ると、ぃょぅの傍にスタンドの姿が浮き出ていた。
「ぃょぃょぃょぃょぃょぃょぃょぃょぃょぃょぃょぃょぅ!!!!!」
 落下してくるマララーの体に、ぃょぅは猛烈なラッシュを叩き込んだ。
 マララーに次々と拳が打ち込まれていく。
「やっだああああーーーーー!!!ばああ!!!」
 マララーは下品な悲鳴を上げて再び宙を舞い、
 今度こそ地面に叩き付けられ、
 気を失ったのかピクリとも動かなくなった。
 それにしても、今のは、何だ。
 こいつもスタンド使いなのか?
「壁に耳あり障子に目あり。
 周りに他に誰も居ないと思い込んで、
 迂闊に自分の能力を喋ったのが、君の敗因だょぅ。」
 ぃょぅが誇らしげに言った。
 言うのは勝手だが、もう当の本人には聞こえていないと思うぞ。
「さて・・・君たち、大丈夫かょぅ。」
 ぃょぅがこちらを向いた。
 大丈夫じゃない事ぐらい、見りゃ分かるだろうと思ったが、
 助けてもらった立場上、余り強くは言えない。
「悪いけど、少しそこで待っててもらうょぅ。」
 そう言うとぃょぅは携帯電話を取り出し、
 何やら電話を掛け始めた。
 そして、電話の相手に向かってこう言った。
「こちらぃょぅだょぅ。スタンド使いを『三名確保した』ょぅ。
 直ちに事後処理班をよこして欲しぃょぅ。」


 TO BE CONTINUED・・・

45917:2003/12/25(木) 23:53
      乙です
>>457あのままぃょぅが来なかった場面も見てみたいもんだ

460新手のスタンド使い:2003/12/25(木) 23:58


461:2003/12/26(金) 00:20
>>428-429
              / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
              |  ハァハァ (´Д`*)
              \_   _______________
                 | / /
                  ∨  |   そんな事を言ってると埋め…
              日 ▽ Ⅱ\  _______________
              ≡≡≡≡≡| /   ∧∧  /
<カランカラン           Ⅲ  ∩  [] ∨目  (゚Д゚,,)<  いらっしゃ…!
                           |つ∽  \_________
               ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                (  ゚)  (  ゚)∇
              ―(428つ―.(429つ―――
               ━┳━) ━┳━)
                 ┃      ┃



              日 ▽ Ⅱ [] Ⅲ                          ┃
              ≡≡≡≡≡≡≡≡ ∧∧                         ┃
               Ⅲ ∩ []   目  (゚Д゚;)                        ┃
                           |つ∽                          ┃
               ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄                        ┃
              /´ ̄(†)ヽ   (゚  ;)∇                           ┃
              ,゙-ノノノ)))))―(429つ―――                       ┃
 ''⌒)          ノ  ル,,゚ -ノ  ━┳━)                               ┃
  ' ''') ⌒)         / くj_''(†),jつД`)┃                             ┃
≡≡≡;;;⌒)≡≡≡ん''く/_l| l|'(428つ                              ┃
     ;;;⌒) ⌒)     しヽ_) し し                              ┃

462:2003/12/26(金) 00:21
                                                 :::;;;;;;;;;;;;;;;;;:::
              日 ▽ Ⅱ [] Ⅲ                           :::;;;;;;;;;;;;;;;;;:::
              ≡≡≡≡≡≡≡≡ ∧∧                    :::;;;;;;;;;;;;;;;;;:::
               Ⅲ ∩ []   目  (;゚Д゚)                   :::;;;;;;;;;;;;;;;;;:::
                           |つ∽                    :::●;;.●:::
               ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄                   :::;;;;;;冊;;;;;:::
                      (;  ゚)∇                 /´ ̄(†)ヽ:::;;;;;;;;;;;;;;;;;:::
              ―――――(429つ―――             ,゙-ノノノ))))):::;;;;;;;;;;;;;;;;:::
               ━┳━  ━┳━     )'⌒)          ノ  ル,,゚ -ノ :::;;;;;;;;;;;;;;;;:::
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                              ≡≡≡;;;⌒)≡≡≡ん''く/_l| l|'(428:;;;;;;;;;;;;;;;;:::
                                   ;;;⌒) ⌒)     しヽ_) し ::;;;;;;;;;;;;;;;;:::
                                                  ブゥゥゥゥン!!


              日 ▽ Ⅱ [] Ⅲ                           ┃
              ≡≡≡≡≡≡≡≡ ∧∧                          ┃
               Ⅲ ∩ []   目  (゚Д゚;)                         ┃
                           |つ∽                           ┃
               ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄                   ┃
                    /´(†) ̄ヽτ├<っ                    ┃
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                 ┃('Д⊂i,(†)'_'j>  ゝ    (´⌒(´               ┃
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                   しし (_ノヽ)   (´⌒(´⌒;;            ⊂(。Д。 )┃

463:2003/12/26(金) 00:22

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ブゥゥゥゥン!!




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く  /     三三三∠⌒>▽ Ⅱ [] Ⅲ.... .   .:. .... ...:.. :.. .... ..く  /     三三三∠⌒>
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          /´(†) ̄ ヽ /////
         (((((((( -、,i
          |i、゚  ゚ 从从 スタスタスタ…

※ネタです。他意は(r

464新手のスタンド使い:2003/12/26(金) 00:39
>>461-463を見て
夜なのに大笑いしてしまった…
リナーハァハァ (´Д`*)で殺られましたか…

465新手のスタンド使い:2003/12/26(金) 09:13
キングオブファイターズを思い出した。

466新手のスタンド使い:2003/12/26(金) 10:35
モナーの脳内ウホッ!いい女ランキングが何故か知りたい…

467新手のスタンド使い:2003/12/26(金) 10:46
わーいリナーにヤられたー/ヽァ/ヽァ(´д`*)

468429:2003/12/26(金) 13:40
>>428ハイイケド 
な、何故に僕までkぎにゃぁあぁぁぁぁ!

469新手のスタンド使い:2003/12/26(金) 17:11
ミニスカートからすらりと伸びた綺麗な足/ヽァ/ヽァ(´д`*)

470新手のスタンド使い:2003/12/26(金) 19:17
小説スレッドが違う意味で進んでる…

471430:2003/12/26(金) 20:37
まだだ、まだ漏れは殺られていない!

472新手のスタンド使い:2003/12/26(金) 20:45
>>430
そんな事言っていると殺られますよ!
ひええええ〜俺は見逃してくださいいい〜!

473新手のスタンド使い:2003/12/26(金) 21:02
……モナー君がいっぱい

474新手のスタンド使い:2003/12/26(金) 21:09
『重複』と書かれた紙がいくつも…

475新手のスタンド使い:2003/12/26(金) 21:35
重複の意味が分からなかった・・。

476新手のスタンド使い:2003/12/26(金) 21:57
>>475
わからなかった‥、と言うことは
今は分かっているのだね。

477新手のスタンド使い:2003/12/26(金) 22:00
今も分かりません・・・。

478N2:2003/12/26(金) 22:17
>>477
「欲しい物がダブっている人がいます、この世に1つしかないものなので
1人を贔屓する事が出来ませんから我慢して下さい」
の意でしょう。
欲しい物が何かは…お分かりでしょう。

479新手のスタンド使い:2003/12/26(金) 22:21
(・∀・)ニヤニヤ

480新手のスタンド使い:2003/12/26(金) 22:24
  ・
今年も寂しいクリスマスだった…。

481新手のスタンド使い:2003/12/26(金) 23:45
『重複』はッ! このスレに居るモナーたちによってッ! 解決するッツ!

482新手のスタンド使い:2003/12/27(土) 00:43
袋に詰めておきました。

      ∧_∧   ∧_∧   ∧_∧
      ( ´∀`)  ( ´∀`)  ( ´∀`)
     / ̄ ̄ ̄ヽ  / ̄ ̄ ̄ヽ  / ̄ ̄ ̄ヽ
     |      |  |      |  |      |
     ヽ    /  ヽ    /  ヽ    / 
       ̄ ̄ ̄    ̄ ̄ ̄     ̄ ̄ ̄

483N2:2003/12/27(土) 06:45

/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| 実に今更だけど、『アナザー・ワールド』の名前がかぶっちゃったよ・・・
\_  ___________________________
   ∨
 ∩_∩
G|___|     ΛΛ
 (;・∀・)∬ ∬ (゚Д゚) リナー葬されるぞオイ
 (__   ⊃目 目⊂ ノ
  し__)┳━┳ (_っ

|;;::|∧::::... / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|:;;:|Д゚;)< スイマセンスイマセンスイ(ry
|::;;|::U .:::...\______
|::;:|;;;|:::.::::::.:...
|:;::|::U.:::::.::::::::::...

484N2:2003/12/27(土) 06:46

感染拡大.com

ふと手持ちの時計を見ると、もう8時を回っていた。
相棒を見つけた時には、まさかこんな事になるだなんて予想だにしなかった。
倉庫の中での惨劇、相棒との戦い、あの『矢』を持つ男、空条モナ太郎さん、それに初めて存在を知ったギコの兄貴…。
この3,4時間の間に、何だか1年分位の驚きを受けたような感じだ。
それはともかく、オレ達は今ギコの案内で敵のアジトへ向かっている。
そこにギコの兄貴は捕らえられているというが…、オレ達…オレタチ?オレンジとカラタチの配合種…。
「ところで相棒に一つ聞きたいんだが」
「何だいギコ。今家でミカンは切らしているけど?」
「…ハァ? 何を突然ワケワカランこと言い出してんだお前は」
「…それはともかく、質問って何さ?」
「さっきお前が俺と戦った時、お前は自分や俺の身体を分解したりはしたが、何で俺のスタンドは分解しなかったんだ?
それさえしてりゃ俺がガードしても簡単に崩せるんだからとっとと決着も付いただろうに…」
「それなんだけどさ、実はクリアランス・セールが発現してすぐ、一体分解能力がどこまで使えるのか試してみたんだ。
自分の身の回りにある物は片っ端から試したし、自分の身体でも試してみた。そしたら全部上手くいったんだけど、どうしてもスタンド自身だけは無理だったんだ」
モナ太郎さんがここで口を挟んだ。
「つまりはこの世で質量のあるもの限定ということだな」
なるほど、その道のプロの言う事は説得力がある。
質量があるとかないとかで何が違うかなんて全然分かんないけど…。

「ここが、兄貴の捕まってる場所だ」
ギコがオレ達を案内したのは、人目に付かない廃ビルだった。
「確かにここなら誰かに入られる心配もないな。しかもこの雰囲気、まさしく吸血鬼が潜むには相応しいな」
辺りには街灯も無く、ただ月の光だけが頼りである。
きっと向こうはオレ達が来る事は予想しているに違いない。
一体どんなスタンド使いがどれだけ襲って来ることであろうか。
「相棒、怖気付いたのか?身体が痙攣してるぞ」
「チッチッチッ、甘いな少年。人はこれを武者震いと言うのだ」
「…要するに、怖いだけだろ」
ず、図星ッ!!
「2人とも、遊んでないで早く入るぞ」
モナ太郎さんのお叱りが飛んで来た。
…どうでもいいが、そういや何でこの人がいつの間にかリーダー格になってんだ!?
オレがリーダーになるべきなのにッ!
何故かって?だって僕は、主人公だから。
「ギコ屋、ギコ、先導を頼む。私は後ろからの攻撃に備える」
って無視かい!
てかオレ達が前かよ!!
「ちょっと空条さん、確かに俺はここの内装を承知してはいますけどね、でもこういう時こそ皆で仲良く…」
ギコも不満らしい。
「言っておくが、スタンドバトルは正々堂々と正面から挑むようなスポーツとは違う。
騙し、不意打ち、とにかく相手を倒すためには何でもあり…それがスタンド使い同士での戦いだ。
だからこそ私は、一番危険な背後を担当させてもらう」
…確かにごもっともな意見だ。
空条さんは今日初めて会ったオレ達の事をそこまで…。
「…って結局前に出たくないだけだろゴルァ!」
…それもそうだ。
tu−kaまんまと騙されるところだったじゃん!
「細かい事は気にするな…行くぞ」
「無視かい!」
「ギコ…もうここは覚悟を決めるしかないよ」
もうこの人は何言っても無理そうだ。
流石にギコももう諦めが付いたらしい、何かぶつくさ言ってはいたがオレと共に扉の前に並んだ。

485N2:2003/12/27(土) 06:46

「…それじゃ一発」
「ド派手にかますぞゴルァ!!」

「クラァッ!!」「ゴルァッ!!」
オレの蹴りとギコの正拳を受けた扉は、変形しながら吹っ飛び地に落ちても滑り続けてようやく壁にぶつかって静止した。
「…君達は、普通にドアを開けると言う事を知らないのか?」
「閉じてるドアを見つけたら」
「蹴り飛ばすのが世の情け」
「…決まった…」

「こんなに音を立てたら、中にいる者達に丸分かりだな」
…完全スルーだ。
この人、実はクールなんじゃなくて本当はただのイヤミか!?

…と、相棒が何かに気付いた。
「おい、ドアの所…よく見てみろ」
さっき吹っ飛ばしたドア…見てみると、何だか動いているようだ。
「…アサルトドアーッ!?まずい、9ディメンジョンがあッ、キマイラブレインがあ――――ッ!!」
「すいません空条さん、こいつ少し妄想癖がありましてね…。
(おいッ、相棒ッ!!ドアの下だ、下!!)
ドアの下…?
よく見ると…何かがうごめいているッ!?
「まずいッ、奴は既にキマイラブレインを召還していたのかァ―――(ドグシャア)ぐはァッ」

「…あのドアに突き飛ばされて下敷きになって意識があるとは…」
「まずいな…空条さん、こいつはちとヤバい奴が警護に就いちまってますね…」
「はッ!あ、アサルトドアーはッ?(ドガッ)ぐハっ」
「相棒、お前にはどこをどうすれは奴が融合モンスターに見えるんだ?」
…奴ってもしや、キマイラブレ…ってあれ?
よく見ると…しぃ…じゃないな、片耳が黒い。
つーことは…何者だあいつ?
「何だか知らんが、とにかくオレ達の邪魔する奴らは片っ端から分解してやるぞ、クラァッ!!」
「待て、相棒ッ!奴には接近戦はまずいッ!まずは対策を…」
「知るかッ、いくぜ、『クリアランス・セ――――ル』ッッッ!!」
「・・・ダマッテレバ カタミミダケデ スマセテオイテアゲタノニ・・・」
片耳だけで済ます…?
「オレは言われなくても全身を分解してやるぜッ!クラクラクラクラクラクラクラクラァ――――ッ!!」
「相棒ォ――――――――――――ッッッッ!!!!」

486N2:2003/12/27(土) 06:48

「『シック・ポップ・パラサイト』ッ!」
予想通り、やはりこいつもスタンド使いだったか!
「ミィッ!!」
オレのラッシュに対抗し、向こうも負けじとラッシュを放ってくる。
だが…そのパンチはオレの物に比べれば明らかにパワーでもスピードでも負けている。
向こうの全身は、あっと言う間にオレのラッシュの嵐にさらされた。
「はッ!こいつ、言うほど強くないじゃないか!」
このまま押し切って、分解し尽す!
だが…この殴られても苦痛1つ感じていなさそうな表情は何だ?
それにこのオレを嘲る様な笑みは一体…?
「ソウダヨ・・・ソウヤッテ ミィヲイクラデモ ナグッテテイイヨ・・・デモ ソレハミィノ ケイサンノウチ・・・スコシズツ スコシズツ・・・コノミィノセカイニ ヒキズリコンデアゲルヨ」
少シズつ・・・スコしズツ・・・おレモ ミぃノセカイヘ・・・

「相棒ォ――――――ッ!!」
はッ!!
オレは一体どうしていたんだ?
何だか途中から自分の意識が違う物に変化したような…
「相棒ッ、そこの鏡で自分の頭を見ろッ!!」
頭…?オレの頭が一体どうし…
「…ってな、なんじゃこりゃぁ――ッ!」
か、片耳が真っ黒にッ…!?
「奴はな、確かに純粋なスタンドの強さだったら明らかにお前の方が勝ってはいる!
だが奴の恐ろしさはそんなもんじゃない、奴のスタンドは微細なウィルスを身体に培養し、触れた者をそのウィルスに皮膚感染させ
喰らった奴は徐々に侵食されて最終的に奴と同化させられるんだァ―――ッ!!」
「ってそれスタンドの意味無いやん」
「ともかく、そこまで感染したんじゃ耳ちょん切らんと全身に転移するぞッ!」
「モウ オソイヨ・・・ソコマデカンセンシタラ アトハ ノトナレ ヤマトナレ・・・サァ、コワガラナイデ・・・コッチノセカイハ タノシイヨ・・・」
怖ッ!てかキモッ!
「そんなのッ!嫌だァ―――ッ!!『クリアランス・セール』ッ!!」
「!?何をする気だ、相棒ッ!」
「…なるほどな」
「・・・?」
「自分のッ、身体をッ!分解するゥ―――ッ!!」
オレの身体は、跡形も無く分解された。

487N2:2003/12/27(土) 06:48

「…相棒は一体何を…」
十数秒、オレが今の所分解出来る限界の時間。
急に意識が戻り、改めて自分が生きていることを認識する。
「相棒ッ、その耳はどうした、その耳は!」
ギコに言われて鏡を見ると、案の定感染は治っていた。
「・・・ソンナ バカナ・・・ミィノカンセンハ ゼッタイヨ!」
「確かにお前の感染はヤバい…ヤバ過ぎるよ…。但し、オレも馬鹿じゃあなくてね。
ウィルスの中には空気中に放出させると数秒で死んでしまうものがあると聞いたことがある。
だから、自分の身体『だけ』を分解し、ウィルスを残しておけば、もしそういうタイプのものだったら戻った時には再び感染することはないって訳さ。
…尤も、もしそのウィルスが空気中でもずっとピンピン出来るようなものだったらオレもお前の仲間入りだったんだろうけど、
ここはオレの作戦勝ちってところだな!!」
「・・・コノ コシャクナ サンリュウショウバイニンメ・・・」
「どうだ相棒、オレってやっぱ凄いだろ!」
「…それさ、お前が以前『風俗に通うんだったらやっぱりエイズには気を付けないとな!』とか言ってHIVウィルスの勉強した結果だろうが!!」
「う、うるせー!!」
「モウ ユルサナイヨ・・・コウナッタラ スタンドノウィルスダケジャナクテ ミィジシンノ ドウカノウリョクヲ カイホウシテアゲル・・・
ソウナッタラ モウブンカイシテモ タスカラナイ・・・ココマデ ミィヲオコラセタ キミタチガワルインダヨ・・・」
「おい、2人とも、とうとう向こうも本気を出しそうな雰囲気だぞ…。
ちっ、私の『スタープラモナ・ザ・2ちゃんねる』ならどうにかなりそうだが…。
ギコ屋、私がもし奴のウィルスに感染したら、その時はよろしく頼むぞ」
「で、でも奴は今度は分解じゃ治せないと…!!」
「…ならここは俺が行くぜ!」
ギコ!!
「…大丈夫なのか?奴の攻撃はもう一撃たりとも喰らう事は許されないぞ」
「大丈夫だって、へっちゃらさ!」
何てウソ臭さだ…。

488新手のスタンド使い:2003/12/27(土) 19:43
気になったんだが『エンジェル・ダスト』って
漫画のシ○ィー・ハ○ターで出ていた薬物に
効果も名前も似てるきがするんだが気のせいか?

489:2003/12/27(土) 20:39
>>488
残念ながら、シテ○ー・ハン○ーの方は知りません。


エンジェル・ダスト【Angel Dust】

①『フェイス・ノー・モア』というグループが出したアルバム。

②実在するドラッグの名称。PCP(フェンサイクリディン)の数ある俗称の一つで、
 サイケデリック系(幻覚剤系)では、おそらく最強の破壊力。
 睡眠薬を投与した象とかを目覚めさせるために合成された本当の意味での"覚醒剤"で、
 これを薄めて人間に使用しようと考えたとんでもないアホにより広まった。
 その作用は酩酊から譫妄に至り、感覚麻痺や精神錯乱を引き起こす。
 トリップの時間は6時間程度で、粉状の為に用途も広い。

③ア○デル○ン神父の異名。


民明書房『よくわかるスタンド名の由来』より抜粋。

490:2003/12/27(土) 20:40
>>430
    /´ ̄(†)ヽ.  ∧_∧
    ,゙-ノノノ)))))  (´∀` ) 右手出てるモナよ…
   ノノ)ル,,゚ -゚ノi  /   ⌒i
  /,ノノ/j_''(†)/ ̄ ̄ ̄ ̄/ |
 ん〜(__ニつ/. 教会製 ./ | |
   ̄ ̄ \/____/ (u ⊃ ̄



430 名前: 新手のスタンド使い 投稿日: 2003/12/24(水) 23:15
絶対に着ないとか言いつつ着たうえに持ち帰ってるリナー萌え(´Д`*)



  何これ……?
    /´ ̄(†)ヽ.  ∧_∧
    ,゙-ノノノ)))))  (´∀`; )
   ノノ)ル,,゚ -゚ノi  /   ⌒i
  /,ノノ/j_''(†)/ ̄ ̄ ̄ ̄/ |
 ん〜(__ニつ/. 教会製 ./ | |
   ̄ ̄ \/____/ (u ⊃ ̄

491:2003/12/27(土) 20:41
    _________________
  /
  |  このチンピラが! 私をナメてんのかッ!
  |  何回埋めりゃ理解できんだコラァ!
  \
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

              /´ ̄(†)ヽ
              ,゙-ノノノ)))))        ∧_∧
 ''⌒)          ノ  ル,,゚ -ノ           (´∀` )
  ' ''') ⌒)         / くj_''(†),jつ        ( 430 .)
≡≡≡;;;⌒)≡≡≡ん''く/_l| ハゝ        | | |
     ;;;⌒) ⌒)     しヽ_)         (__.(__)



                /´ ̄(†)ヽ
               ,゙-ノノノ)))))   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
               ノ∩ル,,゚ -゚ノi  < 萌えるなって言ってんのに、
              / ヽヾ_''(†)jl_∧ \__なんで萌えるんだ、この…
             ん〜''く/_l|∩Д`;)
                 (ヽ__)__)



           \ヽ
            \\ヽ/´ ̄(†)ヽ
          \ \mヽ,゙-ノノノ)))))   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
          \ヽ(m\mル,,゚ -゚ノi  < ド低脳がァ――ッ!!
              /\mヽ\m\mヽ:,.,:,.:´  ・´;.>____
             ん〜m\ヽ m∩Д`∴;"')
                 (ヽ__)_,:.;∵,:,,_)


::::::::::::..   (___ )(___ ) ::::。::::::::::::::::: ゜
:.:::::::::::::: _ i/ = =ヽi :::::::::::::。::::::::::: .
:.☆彡//[||    」  ||] >430::::::゜:::::::
.::::: / ヘ | |  ____,ヽ | | :::::::::::.... .... ..
 /ヽ ノ    ヽ__/  ....... . .::::::  .
く  /     三三三∠⌒>:........ ..::::.....:::
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.   |: |           ::::。::::::::::::::::: ゜
.二二X二二)         :........ ..::::.....:::
.   |: |               :::::゜:::::::
.   |: |
 ,_,,_|; |,_ 、 埋葬完了…
/::::::::;;::/´ ̄(†)ヽ.  ∧_∧
    ,゙-ノノノ)))))  (´∀`; ) ………
   ノノ)ル,,゚ -゚ノi  /   ⌒i
  /,ノノ/j_''(†)/ ̄ ̄ ̄ ̄/ |
 ん〜(__ニつ/. 教会製 ./ | |
   ̄ ̄ \/____/ (u ⊃ ̄

※あくまでネタです。
 この埋めネタを、このスレでやると迷惑なのでは…って気がする。
 かと言って、小説スレから出るのもどうかと…

492新手のスタンド使い:2003/12/27(土) 20:53
………犠牲者が

493新手のスタンド使い:2003/12/27(土) 20:55
小説スレの感想スレを立てればいいじゃない(マリー

494488:2003/12/27(土) 20:57
さいたま氏私の勘違いに貴重な時間を
使わせてしまってすいません

495新手のスタンド使い:2003/12/27(土) 20:58
今<<493がいい事言った

496新手のスタンド使い:2003/12/28(日) 02:19
立ててきますがかまいませんねっ!

497丸耳達のビート:2003/12/28(日) 22:01



       外の世界を夢に視て 叶わぬ夢と悲しんで

       動けぬ体を嘆けども いかなる言葉も知らぬまま

       硝子の壁に爪を立て 己の指を傷付ける

       何も聞かず 何も見ず 何も食べず 何も触れず

       何も感じず 何も成さず 何もせず

498丸耳達のビート:2003/12/28(日) 22:02
「せー…のっ!」
 ぐっ、と両足に力を入れる。ゆっくりと、体が車イスから持ち上がった。
 私がこの診療所に来てから四日目。マルミミ君も茂名さんも、私にとても良くしてくれている。
治療も順調に進み、あとはリハビリを残すだけとなった。
抜糸も終えて、傷はよく見ないとわからないくらい小さな痕しか残っていない。
「ほら、頑張れー」
 数メートル先で、マルミミ君の呑気そうな声。
そんなことを言われても、ベッドの上で鈍った足には体を支えるだけでも結構な重労働だった。
「こっちまで来てみてー。はい、いち、にー。いち、にー」
ああもう他人事みたいに…って基本的には他人事なのか。
 考え事で集中が途切れ、右足が左足に引っかかった。
『あ』
 マルミミ君の声と私の声が綺麗にハモり、スローモーションのように私の体が倒れていく。
この部屋には倒れても大丈夫なように布団が敷かれているので、転んでも大丈夫の筈。
 さすがに、布団を敷かれた部屋に案内された時にはかなり引いたけ

ゴヅッ!!バタバタバタッ!

 一瞬の思考を止める凄い音。予想を上回る凄い衝撃。そして激痛。更に色々な物が顔に降ってきた。
「ぅあ痛ー…」
 呟いたのはマルミミ君の声。当の私は痛みで意味のある言葉を話すどころじゃない。
「〜〜〜〜〜〜ッ! !! !?」
「タンスに当たったねー。コブできてる」
 呑気そうな声。そして頭に再び激痛。
「〜〜!!!!!痛!痛!触らないで〜!!」
「あ、ごめん。かなり見事なコブだったから。氷持ってくるよ」
そう言い残して、部屋を出て行った。

499丸耳達のビート:2003/12/28(日) 22:04
 部屋に一人残された私は、とりあえず両手を使って身を起こす。
「痛たた…ん…?」
 頭のコブをさすっていると、フォトスタンドに入れられた一枚の写真が目に入った。
先程私の顔面に落ちてきた色々のうちの一つ。
色白の女の人と、色黒の男の人、そして小さな男の子が映っている。
抜けるように白い女の人と、真っ黒に焼けた男の人が対照的だった。
全員丸耳系のモナー族で、幸せそうに笑っている。
「おまたせー。はい、氷」
 氷嚢を持って、マルミミ君が戻ってきた。流石は病院育ちだけあって早い。
「あ、マルミミ君。これ…」
氷嚢を受け取りながら、写真を差し出す。
「ん?ああ、懐かしい物が出てきたね」
「親御さん?」
「うん。父さんが海外飛び回ってたから黒くて、んで母さんは皮膚が弱くて太陽当たれないから白いの」
マルミミ君も、日本に住んでる割に色が白い。お母さん似なのだろうか。
「今はどこの国にいるの?」
 少し躊躇い、答えが返ってきた答えに私は息を呑んだ。
「んー…多分天国」
 私の驚きに気付いたのか、慌ててフォローを入れてきた。
「いや、気にしなくていいよ。もう十年くらい前のことなんだし」
「…ごめんなさい」
「だからいいって。…もうこんな時間だね。ご飯にしようか。作っておくよ」
 あからさまに話題をそらしたのが、私にもわかった。
これ以上両親の話を続けたくないのか、そう言うとまた部屋を出て行ってしまった。
(駄目だなー…私…)
ただでさえ世話になりっぱなしなのに、これ以上迷惑かけてどうするんだろう。
 閉められたドアを眺めて、しょんぼりと下を向く。
車イスによじ登る作業が、ひどく重い。
自分がひどく、ちっぽけな存在に思えた。

500丸耳達のビート:2003/12/28(日) 22:06
「ご飯だよー」
 15分ほどして、マルミミ君の呑気そうな声が聞こえてきた。
「ありがと。もうお粥じゃないの?」
 マルミミ君が持っているのは、魚のフライにスープにパン。
「とっても病院らしいしみったれたメニューだけど、結構美味しいよ。調子が良くなって来たから、もう固体食でも大丈夫」
「そっか。アレはアレで美味しかったけどな」
 固体食が食べられるのは嬉しかったけど、あのお粥が食べられなくなるのは少し寂しい気がした。
そんな私の心情を察したのか、薄く微笑んで人差し指を立てた。
「あのお粥はベビーフードにも使えるからね。しぃがお母さんになれば作ってあげればいいよ。
 ベビーフードを上手く作れるお母さんの子は将来好き嫌い無く育つってさ。しぃならきっといいお母さんになれるよ」
「…ありがと」
 ちり、と胸が痛んだ。
        AA
私みたいな人間…しぃ族で、しかも戸籍のない奴が生きるためには、体でも売らなきゃのたれ死ぬしかない。
                ビッチ
どこに行こうが私みたいな淫売を好きになる奴なんているわけがないのに。
「…なれるの、かな。私なんかに」
 だけど、けれど、でもしかし、それでもほんの少しだけ―――――
「なれるよ。絶対」
ほんの少しだけ、信じてもいいと思った。
 私に向けられた、彼の優しい微笑みを。

501丸耳達のビート:2003/12/28(日) 22:08
 目をこらす。どんな変化も見逃すまいと。
腕の神経に精神の全てを集中する。コンマ0.001秒たりとも狂うまいと。
タイミングを計り―――――拳を、落とした。
ガッ、ガッ、ガッ。
 軽い音。拳の上に目を向けると、パチンコ台のスロットに見事なスリーセブンが揃っていた。
『五八番台、確変です』
「よし!非常―――によしっ!」
 フィーバーを讃える女性のアナウンスに、茂名がガッツポーズを作った。
ジャラジャラと音を立てて、見る見るうちに球が台に落ちてくる。
 ドル箱七杯の球を景品と交換し、両手の紙袋一杯に缶詰やら菓子やらジュースやらを詰め込んで意気揚々と店を出た。
波紋使いの動体視力と反射神経なら、フィーバーの二つや三つ簡単に叩き出すことが出来る。
 店に目を付けられるので滅多にやらないが、たまの息抜きにはちょうどいい。
「甘い物が食べたいと言っとったからの。お嬢さんも喜ぶじゃろ」
 嬉しそうに呟いて、角を曲がる。普通ならまっすぐ家に帰るところだったが、ふと思うところがあって商店街へと足を向けた。
「あらやだ!茂名さんじゃないの〜。買い物帰り?」
「えー、ま、そんなもんです」
「あらやだ!茂名さん、いつもありがとうねぇ。今夜煮物持って行くから」
「や、そりゃありがたいですな。いただきます」
「あらやだょ〜ぅ。茂名さん、アナタの薬息子の風邪にすっごく効いたょぅ」
「そりゃ良かった。お大事に」
 入って数歩も歩かない内に、近所のオバさん達に囲まれた。
「いや、あの、失礼、少し、急がんと、いかんので」
「あらやだ、ちょっとくらいいいじゃないの。ねぇ?」
「いえ、ほんとに、お構い、無くッ」
ずるずるとオバさん達の間を通り抜け、路地へと入っていく。
「あらやだ。茂名さんあんな所で何するつもりなのかしら?」
「近道じゃないの?そんなことより、後五分でタイムセールよ!」
「あらやだ!急がないと!」
数人のオバさんが訝しげに眉をひそめていたが、すぐに興味を失っていった。

502丸耳達のビート:2003/12/28(日) 22:11
 路地へ入ると、騒がしい商店街の空気ががらりと変わる。
そのまま奥へと進み、四日前に彼女が虐殺されていた路地へと出る。
 結局あの後虐殺されていたと思われるしぃは見つからず、昏睡状態の二人も病院からいなくなった。
警察も度重なる虐殺で人手が足りず、この事件も早いうちに忘れ去られるだろう。
                  AA
 最近はしぃやモララー族の人間のみならず、ヒッキーやさいたま等の種族も手酷い虐待を受けているという。
彼等の処理で、警察の事件処理も飽和状態にあるらしい。
「…昔は良かった…長編板もモナー板も活気が溢れて、幾多の名スレが生まれておった。
 この世界…『2ちゃんねる』が一番輝いていた時期だったように思える。
 荒らす者も虐殺する者も少なかった。マターリスレがあっても、誰も荒らそうとはしなかった。
 そして…この街ですら表通りを外れれば虐殺を受けてもおかしくはない。
 いつからだったろうかのぉ…貴様等のような者が現れ始めたのは」
 
 両手の紙袋を道の端に放り、静かに、だが威圧感を伴って振り返る。
「尾行していたのは最初から気付いておる。望み通り人気のないところに来てやったぞ?」
「チッ…気付いてやがったか…」
「生憎、な」
 路地の影から、モララー族の男達が顔を出した。
四日前に昏睡状態にしてやった、あの二人だ。
「…何故目覚めたのかは知らんが―――貴様のような奴を生かしておくわけにはいかん。今度は『永眠』してもらうぞ」
静かな殺気を込めた声で宣言し、戦闘態勢を取った。
 両足を肩幅より少し広めに広げ、均等に体重をかける。左手は拳を作り、鳩尾の前に。右手は手刀の形にして、胸の前に。
Cooooo………!
息を吸い、吐く、独特の呼吸音。呼吸法によって蓄積された生命のパワーが、緩やかに、そして徐々に早く体内を巡りだした。
チベットから伝えられた波紋法に、日本の古流武術を組み合わせた『茂名式波紋法』。
「行くぞ」
張りつめた空気が途切れ―――――二人が動いた。

503丸耳達のビート:2003/12/28(日) 22:15
           ∩ ∩ 
          (  ´o) Coooooo…… 
           (つ  つ
           ( )ヽヽ
              (_) (___)
  
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃  能力名   ハモン・オーバードライヴ                  ┃
┃  本体名  茂名 初                                 ┃
┣━━━━━━━━┳━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━┫
┃  パワー - B    ┃  スピード - B    ┃ 射程距離 - E〜C ┃
┣━━━━━━━━╋━━━━━━━━━╋━━━━━━━━━┫
┃  持続力 - C.    ┃ 精密動作性 - B  ┃   成長性 - E.     ┃
┣━━━━━━━━┻━━━━━━━━━┻━━━━━━━━━┫
┃ 呼吸法によって、生命のエネルギー『波紋』を操る。            ┃
┃ 壁に張り付いたり水の上に立ったりと、結構汎用性は高い。  .   ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

504新手のスタンド使い:2003/12/28(日) 23:08
新作来た!!
乙カレ様です

505N2:2003/12/29(月) 22:30

          (⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒
           ( HDDが逝って1作品丸々書き直すのがこんなに立ち直るのに
          O (   精神力を必要とするなんて思わなかったよ
        ο    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
    ∩_∩。
_ G|___|__
   ( ・∀・)
――(    )―┘、          マツデチ!!    キャッキャッ!!
‐――┐ ) )――┐         ≡≡∧,,∧   ≡≡∧ ∧
    (__ノ__ノ    . |         ≡≡ミ,,>∀<ミ ≡≡(,,・∀・)
                     ≡≡ミ_u,,uノ  ≡≡ミ_u,,uノ
                   "~"    """  :::     "~""~"
                """    :::

506N2:2003/12/29(月) 22:30

狂気の町の巻 (クレイジー・キャットとフィーリング・メーカー その③)

暗闇に包まれた部屋の中には、壁に掛けられた時計が時を刻む音だけが響いていた。
針は3時近くを指し、男達は既に眠りに就いている。
こんな質素な部屋に似合わないはずの柱時計が存在しているのは、それは青年が手元に残しておけた数少ない両親の遺品だからだろう。
2人はただ静かに、それぞれの抱える事情の深刻さが窺えぬほど安らかな顔で眠っていた。

その静寂を破ったのは、けたたましく鳴り響くドアを叩く音であった。
何度も何度も、力強く繰り返されるその音に2人は目を覚ました。
「…何なんだ一体?こんな真夜中に人の家ののドアを叩きまくるなんて、どこのどいつだ?」
温和な青年もそのしつこさには苛立ちを隠せなかった。
それでもドアを叩く音はいつまで経っても止む気配を見せない。
青年もとうとうその音を我慢し切れなくなった。
「…おっさん、ちょっと見て来る」
そう言って起き上がろうとする青年を、モ蔵は制止した。
「待て、私が行こう」
不意な願い出に青年は少々驚いた。
「いいよおっさん、ここは俺の家だからさ、こういう問題まで別に関わらなくてもいいからさ」
「…嫌な予感がするんだ。ここは私に行かせてくれ。お前は部屋の中で万一の場合の準備をしておきなさい」
「全く、大袈裟だなぁおっさんも」
そう言いながらも、青年は部屋に置いてあった木刀を手元に置いた。
モ蔵は青年を尻目に部屋を後にし、襖を閉めると「サムライ・スピリット」を発現させた。
未だに止むことを知らないドアの音は、そこに不吉な雰囲気を漂わせていた。
モ蔵は万が一外にいる者が出会い頭に襲って来た時の事を考え、万全の姿勢で構えてからドアを勢い良く開けた。

「何者だ!!」
だがドアの外には銃口を向ける刺客も、血に飢えた猛獣も、あるいはスタンドさえもおらず、
ただしぃ族の女だけが1人、怯えたように震えながら座っているだけだった。
暗闇でその姿が最初はよく見えなかったが、すぐにそれが昼間の女であることが分かった。
「どうなさったんですか、こんな真夜中に。何か用があるならそうと言って下されば良かったのに…」
女は返事をせず、その目は全くこちらを向いてはいない。
…様子がおかしい。
「どうされたんですか、一体!!何かあったんですか!!」
モ蔵がしゃがみ女の肩を揺らすと、彼女は少しずつ目線を上げ始めた。
「モ…モナ本樣…わたし…わたし…」
「奥さん!しっかりして下さい!!何があったんですか!!」
だが女の目は少しずつ横へと逸れていった。
「あ…あ…」
モ蔵がその視線の先を見ると、1人の男が今まさに自分たちへと斬りかかろうとしていた。

507N2:2003/12/29(月) 22:31

一閃。
モ蔵の一撃により一瞬で勝負は付いた。
男が自分達を斬り付けるよりも早く、モ蔵の剣が男の首に当たった。
と言っても殺した訳ではない。
「サムライ・スピリット」はその硬度・切れ味を自在に変化させられるので、今のはさしずめ竹刀程度と言ったところか。
だが瞬間的な速度で振られた「竹刀」は、男の気を失わせるのには十分な威力であった。
「この私に不意打ちを食らわせようなど10年早い」
そう言ってモ蔵が男の顔を持ち上げると、その顔にはどこか見覚えがあった。
「この男…どこかで…?」
すると隣では、男のぐったりとした様子と死んだような顔をした女が泣き崩れていた。
「あ…あなた…あなたァ――――ッ!!」
そうであった。この男は夕方、モ蔵と立ち話をしていた女を迎えに来た彼女の夫である。
だが一体何故こんな真似をしたのかは皆目見当が付かない。
昼間の様子から見ても精神分裂症とか、情緒不安定とかには見えなかった。
「モナ本樣…あなたは…しゆ、主人を…」
と、男の行動について考えていたモ蔵に、完全に勘違いをしている女の目線が突き刺さった。
このまま夫の仇と思われていては堪らない。モ蔵はすぐに弁明をした。
「いや、奥さん落ち着いて。私は確かにご主人を攻撃はしましたが、命を奪ってはいません。
先程のは…まあ…峰打ちのようなものです。しばらく放っておけばその内目を覚ますでしょう」
その言葉を聞いて女は一瞬安堵の表情を見せたが、ところがすぐにその顔は恐怖の色で塗り潰された。
「だ…駄目です!主人が目を覺ましてはいけません!」
「奥さん、本当に一体何があったのですか?あなたがこんな深夜に我々を訪ねてきた理由、今のご主人の行動、
それが把握できなければ私としてもあなたに何をどう答えればよいか分かりません」
女はそれを告げること――と言うよりもそれを思い出すことに恐怖心を抱いているようであったが、ついに決心してモ蔵に全てを打ち明けた。

508N2:2003/12/29(月) 22:33

「…私逹が眠りに就いてゐる時の事でした。ふと家の何處からか大きな物音がしたのです。私逹はその音で目を覺ましました。
主人は『私が見て來やう』と樣子を見に行きました。ところが何時まで經つても戻つて來ないのです。私が不安に刈られてゐると、主人が戻つて來ました。
ところが樣子がをかしかつたのです。目は白目を剥き、手には疱丁を持つてゐました。そして私を見るなり…、笑ひながら私を切りつけたのです。
幸ひ疱丁は腕をかすめたゞけで濟みました。
…氣が付いたら、私は無意識の内に此處を目指して走つてゐました。何故此處を選んだのかは分かりませんが、此處だつたら助かるやうな氣がしたのです。
けれども必死になつて夜道を走つてゐると、主人の樣に疱丁を持つた人逹で一杯で、しかも遠くから澤山の笑ひ聲が響きあつて、私まで氣がをかしくなつて仕舞ひさうでした…」
女は途中で涙ぐみ始めた。夫に切りつけられ、狂人達の中を走ってきたのだ、無理もない。
「奥さん、落ち着いてください。とにかくいつまでもここにはいられません、まずはどこかへ避難…」
そう言ってモ蔵が廊下の先に目をやると、そこには10人以上の男がこちらへ向かって少しずつ少しずつ歩いて来ていた。
白目を剥き、手には包丁…アヒャ笑い…
1人残さず完全にアヒャっていた。
(参ったな…)
とその時、部屋のドアが激しい勢いで開き、青年が飛び出して来た。
「くそっ!!」
青年は飛び出すなり出てきたドアをすぐに蹴り閉じ、持っていた鍵を掛けた。
「初代モナー君!無事だつたのね、良かつた…」
女は知人の無事に安堵したが、当の本人は大量の冷や汗を流しながらモ蔵に訴えた。
「大変だおっさん!部屋にいたら包丁を持ったアヒャ達がガラスを割って乗り込んできたんだ!
とりあえず応戦したけど押さえ切れない!早くここから逃げるぞ!!」
「ああ…そうしたいのは山々なんだが…」
モ蔵の指差す先には10人以上のアヒャ達が、先程までよりも更に近くまで寄って来ていた。
「さて参ったな、部屋には入れず、廊下は塞がれた。近くには窓も無いし、一体どうしたものか…」
「…となると、どうやらこれしかないらしいな」
青年は手に持っていた木刀を掲げた。モ蔵はその意味をすぐに理解した。
「待て、お前は奥さんの護衛をしろ。私がまず先陣を切る」
「OK、それじゃおっさん、頼むぜ!」
「行くぞッ!!」
モ蔵は腰に差した刀を逆手に握ると、男達の中へ飛び込んだ。
多勢に無勢ではあったが、所詮素人集団ではモ蔵の敵ではなかった。
男達を皆気絶させ、外に飛び出すとそこはまさにアヒャの巣窟と化していた。
(これはまずいな、これら全てを相手にしたのでは到底私の体が持たない)
明らかに特異な状況はまず間違いなくスタンド攻撃によるものである。
となると、この状況を打破するためには本体を倒さなくてはならないのだが、
このような不特定多数の人間に影響を及ぼすスタンドは必ずしも現場のすぐ傍にいなくてはならない訳ではない。
むしろ、どこか遠くでこちらの様子を傍観したり、あるいは何も知らないように悠々と過ごしていることの方が多い。
確かにモ蔵1人だけだったならば本体を見つけ出すのは無理な作業ではない。
しかし今彼は自称武術が得意な青年と、戦いには全く縁の無さそうな女を同時に守らなくてはならないのだ。
果たして守り切れるか…
(…仕方ない、ここは一旦安全な場所へと逃れて、体勢を立て直してから次の作戦を考えよう)
「おいっ、まずは一度安全を確保しよう!私について来い!」
そう言ってモ蔵は走り出した。
「じゃあおばさん、俺達も行こう」
青年は恐怖心で足のすくんでいる女に促した。
「…本當に大丈夫なのかしら…?」
女はどこか不安そうな表情を浮かべた。
「大丈夫だって、俺だって1日一緒に過ごして悪い人じゃなさそうだって確信があるんだからさ、さあ、行こう」
「…不安だわ」
青年の説得に女も渋々応じ、3人は出来るだけアヒャのいない、安全そうな道を選んで逃げていった。

509N2:2003/12/29(月) 22:34

モ蔵が自分達が罠にはめられたことに気が付いたのは、彼らが「茂名王グランドホテル」の前に到着した時だった。
自分達は少しでも安全な道を選ぼうと、アヒャの少ない道を選んでいった。
だが考えてみれば、その多い道と少ない道の差が余りにも激しかった。
となると、自分達は安全な道を通ったつもりで、実は追い詰められていたことになる。
(くそっ!私としたことが…)
アヒャ達は、自分達のためにヴァージンロードを築いているようであった。
間違い無く、このまま進めば自分達の負けだ。
「仕方ない、2人とも、まずは私がこの者達を殲滅する!初代モナー、お前は何としても奥さんを守るんだ!」
「分かった!」
「…應じかねますわ」
女は突然、2人の作戦に異を唱えた。
「ちょっとおばさん、何を急に…」
「見て御覽なさい、今このアヒヤ逹は都合良く逃げ道を作つてゐるではありませんか。
なのにわざ/\敵陣を崩して逃げ道を開くなんて、其方のはうが餘程危險ですわ!…私、1人で行かせて頂きますわ」
「おばさん!いい加減にしてくれ!!」
「好い加減にするのは貴方の方よ!第一つい2、3日前に出會つた人のことを其處まで信用するなんて、貴方の方が餘程どうかしてゐるわ!」
女はそう言い残して1人でホテルへと走っていった。
「ちょっと、おばさん…」
「來ないで!」
青年は今まで親しかった大人が急に自分を突き放つような発言をしたことに大きなショックを受けていた。
彼にはただ、女の姿をみていることしか出来なかった。
「おい、何をしているんだ!早く追うぞ!」
モ蔵の声にも、青年は反応し切れていないようであった。
「あ…ああ…分かったよ」
2人は女の後を追ってホテルへと潜入した。



ホテルの自動ドアは開き切っており、その中も既にアヒャで埋め尽くされていた。
しかし彼らはモ蔵達に興味を示さず、ただ階段へ続く一本道を形成していた。
後ろからは外にいたアヒャ達が迫り、地下へと続く下りの階段も同じであった。
「くそっ、面倒な真似をしてくれたものだな!」
「その事なんだけど、おっさん…」
「何だ!?」
モ蔵は完全に怒りきっており、その件についてはもう耳にしたくないと言わんばかりであった。
「そりゃ俺だっておっさんの事を完全に信用し切ったかと言えば…まだそうでもないってのが本音だ。
でも1晩一緒に過ごして、ああ、この人は良い人なんだな、って思ったんだ。
それは別に何かおっさんがしてくれたからとか、そんなんじゃなくて、何となく伝わって来ただけなんだけどさ」
「…本来なら、自分以外の人間と深く交際するなど暗殺者として失格の行為だがな」
「俺は昔色々あってさ、一時期他人が全然信用出来なかったんだ。それでどんな奴であってもいつも敵意を剥き出しにして…、
気が付いたら、俺の周りには敵しかいなくなってたんだ。けど、『どんな人でも必ず1つは良い所がある、それを信じてまずは自分から動け』って言葉を聞いて、
それで何とか今では人間不信を克服出来たんだ。そして、その言葉を掛けてくれたのは他でもない、あのおばさんなんだ」
「…確かにな、私も彼女の発言には不審な点があると思っていた。彼女には今日の夕方初めて会ったのだが、
最初でこそ怪しいと思っていたが最後には親しみを持って話をしてくれていた。それが今になって『どうかしてる』とはな…
とにかく、その理由が何であれまずは奥さんを見つけることが先決だ」
「ああ!」
2人は階段を駆け上がって行った。
途中の階へ続くドアの向こうからはどれも不気味な笑い声が響いていた。
2人は、必然的に屋上まで上らざるを得なかった。

510N2:2003/12/29(月) 22:36

「あ…あ…」
屋上まで辿り着いた女は絶望した。
屋上は、完全にアヒャで埋め尽くされていた。
「そんな…」
その大群の中から1人、異質な雰囲気を放つ者が出て来た。
「アーッヒャッヒャッヒャ、オマエハ ジブンノ『イシ』デ ココマデ タドリツイタンダヨ。
サア、オマエモ オレタチト イッショニ タノシモウジャナイカ!アーッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャ!!」
「い…嫌ァ――――ッ!」
「奥さん!」
モ蔵達がそこへと到着した。
「ホウ…ヨウヤク シンウチノ オデマシッテ ワケカ…。オマエハナア、 アノヤヲモッタ オトコカラ ジキジキニ シマツスルヨウニ タノマレタンダゼ!」
「何だと…!?」
予期せぬ所で『矢の男』の名を聞き、モ蔵は驚愕した。
一体この男と奴とに何の関係があるというのだろうか。
「ダガナ、ソノマエニ オマエタチニハ オレニタテツクコトガ ドンナニオロカナコトカ オシエテヤルゼッ!マズハ!オレノ ノウリョクノ オソロシサヲ トクト アジワイナァッ!!」
中心核の男は、手下達に女を囲ませた。
「な、何をするの!」
「ヤレ…」
男が命じると、大群の内の1人が押さえ付けられた女に包丁を向けた。
「止めろッ!」
「おばさァ―――んッ!!」
2人の叫びも空しく、包丁は女の胸に落とされた。
「アーッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャ!!ヨクヤッタナ!ジョウデキダゾ!」
「…貴様ァァ――――!!」
青年は逆上して走り出そうとした。
「止めろ、今突っ込んでも彼女の二の舞になるだけだ!」
「…でも……!!」
「ソウダゼ、ソイツノ イウトオリダ。ソレニ オンナハ シンジャイナイゼ。ヨク ミテミナ!」
「何だって…?」
男の言う通り、確かに女は無事であった。
彼女は胸に負ったはずの傷も、出血も無く、何事も無かったかのように立ち上がった。
だが、青年が「良かった」と言葉を発する前に、2人は彼女の異変に気が付いた。
目が…白い。
口元が笑っている。
そして…手には無かったはずの包丁が…。
「貴様…おばさんに何をしたァ――ッ!!」
「ナニモカニモナイサ!コレガ オレガテニイレタ 『チョウノウリョク』ッ!コレサエアレバ、コノクソミテエナ セカイダッテ
オレノ『ラクエン』ヘト カエラレルゼェッ!
サア、アキラメナ!マズハソコノマルミミ!テメエヲコッチノセカイヘ ヒキズリコンデカラ モサシ!キサマノ クビヲ トッテヤルゼェ!
アーッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャ!!!!」
「まずいことになったな…こうなったら仕方ない、多大な犠牲を払うことにはなるが…」
モ蔵がもう1本の剣を抜こうとすると、青年が言った。
「…待って下さい、おっさん。奴は今、『超能力』と言いましたね?」
「…ああ、そうだが」
「ならば任せて下さい、これからちょっと信じられないような事が起こるかも知れませんが、気にしないで下さい」
「おい、初代モナー!お前は一体何を…」
「…アヒャよ、貴様は自分の快楽の為だけにこれだけ多くの人達を傷付けた。その罪は、決して許し難いものだ」
「ユルス ヒツヨウナンテ ナイゼ!ドッチミチ テメエモ アヒャッチマウンダカラナ!アヒャヒャ!」
「…『フィーリング・メーカー』ッ!」
叫び声と共に、青年の身体からスタンドが飛び出した。
「…テメエモ オレトオナジ チカラノ モチヌシカ…」
(…なっ、まさか彼もスタンド使いだったとは…)
「ならば俺は両親の誇りに掛けて、貴様をこの手で裁いてくれる!」
アヒャは簡単に片が付くと思っていた勝負がそうでもなさそうであると知ってか不機嫌そうになったが、すぐにその顔には不気味な笑みがこぼれた。
「…ナンダカ シラネエガナァ…、ダガヨクミテミロ、テメエノマワリニャ オレノ チュウジツナ『ブカ』タチガ イルンダゼ!マサカ ソイツラヲ ヌッコロスツモリジャ ネエヨナァー?」
だが、青年はそれに怯むことなく逆に笑い返した。
「…貴様の敗因はただ1つ、俺に手の内を晒し過ぎたことだ」
「…ナンダッテ?」
「行くぞ、覚悟しな!!」

511N2:2003/12/29(月) 22:37
以上です。

512新手のスタンド使い:2003/12/30(火) 00:00
乙。ひっぱらせるねぇ

513新手のスタンド使い:2003/12/30(火) 19:45
合言葉はwell kill them!(仮)第六話―姿の見えない変質者その①

キーン コーン カーン コーン…

授業の終わりを告げる、チャイムが鳴り響いた。
この音を聞くとやっと授業から開放された気分になる。
今は、6時間目が終わったところで、皆帰り支度を始めている。
「やっと終わった〜。疲れた〜。」
「さー部活へいくぞー!」
そんな声が至る所から聞こえてきた。
「さーてと、俺も帰ろうかなっと。」
俺はサブバックを担ぐと教室を後にした。帰宅部は楽でいい。
下駄箱の所で喫茶店「豆」にでも立ち寄ろうかなと考えていた時だった。
「お〜い。アヒャ〜!」
同じクラスの田中だ。いったい何の用だ?
「どうしたんだよ?」
「八先生が呼んでいたぞ。職員室に来いってさ。」
そう言い残すと田中は何処かへと走っていった。
(何で俺が呼び出されなきゃならないんだ?)
俺は思い当る事を考えてみた。

授業中に持ち込んだ小型テレビでいいとも見てさぼっていた。
パソコン室のパソの一台で2ちゃん見ていてブラクラ踏んで壊した。
夜の学校に侵入して打ち上げ花火をぶっ放した。
食堂の厨房にブラッドを侵入させておかずを失敬した。
などなど・・・・・。

「はあ〜とりあえず行って見ますか。」
俺はため息をつきながらつぶやいた。
          *          *          *

「おお〜よく来たな。お前の事だから来ないと思っていたぞ〜。」
職員室のドアを開けたとたん八の声が飛んできた。
机がまるで大掃除の途中のように書類やお菓子なんかが山積みされている。
自分で呼んでおいて来ないと思ったはないでしょうが。
「で、何の用ですか?」
俺は恐る恐る尋ねた。
「実はお前に頼みたいことが有るんだけど。」
なんだ。てっきり説教されるのかと思ったじゃあないか。
俺はホッと胸を撫で下ろした。
「で、頼みって何です?」
「うちのクラスの級長いるじゃない。名前はえっとー、いいや忘れたから。とにかく女子の級長。」
おいおい、自分の受け持ちのクラスの級長の名前を忘れんなよ・・・・。
俺も忘れたが。
「ああ、あいつがどうかしたんですか?」
「最近学校に来なくなる回数が多くなってね。親にも連絡したんだけど理由が分からないって言っていた。そこでだ。
 悪いけどお前に様子を見に行ってほしいんだよ。」
「はあ!?何で俺が?」
「地図で見たらお前の家が近かったからな。んじゃ、そういうことで。」
「お前自分の生徒だろ!自分で行けよ!」
「俺が行っても理由を話してくれるとは思えないからな。だからお前に頼むんだよ。」
なるほど。たしかに八先生が頼りになるとは思えない。
授業中生徒に混じって居眠りしたり、痴漢と間違えられて危うく逮捕されかけた先生なんてコイツだけだからな。
「分かりましたよ。学校に来いって言えばいいんですね。」
「よろしくな〜。」

514新手のスタンド使い:2003/12/30(火) 19:45
「ここか・・・。」
俺はやっとの思いで級長の家を探し当てた。
5回も道を間違えこんな住宅街で遭難するかと思ったのは内緒だ。

ピンポーン

「は〜い。どちらさまですか?」
級長の母親だろうか。
「すいませ〜ん。同じクラスのアヒャって言うんですけど。ちょっと級長居ますか?」
「あ、レモナのクラスメートね。ちょっと呼んでくるから。」
しばらくたってから扉が開いた。
「あ・・・アヒャ君。」
顔をのぞかせたのはうちのクラスの級長。名前はレモナ。
何故か知らないが少しばかりやつれて見える。
「よっ。八先生がお前の事心配してたぞ。どうしたんだよ?体の具合でも悪いのか?」
「・・・とりあえずここで話すのもなんだから私の部屋に来ない?相談したいことがあるんだ。」
え? マジ?
俺は耳を疑った。
やばいよ・・・・。俺女の子の部屋なんて入ったことねーよ。・・・どうすりゃいいんだよー。
そんな考えが頭の中を駆け巡った。
「あ、ああ。だったら遠慮なくお邪魔するぜ・・・。」
考えても仕方ない。ここは流れに任せるとしよう。

「な、なんだって〜!?ストーカー!?」
「うん。一ヶ月前からずっとつき回されているんだ・・・。」
レモナは俺にこう話してくれた。
だいたい二週間ぐらい前だろうか。レモナの下駄箱に一通の封筒が置いてあった。
最初は自分宛のラブレターかと思っていたが。家に帰って空けて見て驚いた。
そこには写真が何枚か入っていて、全部自分の姿を撮られていたという。
しかも通学途中の写真ならまだしも、授業中や食堂で食事している写真まであり、
写真の他にあった手紙には、「僕はずっと君の事を見ているからね。」
など気味の悪いことが書かれていた。
俺は実際にその封筒の中身を見せてもらった。
「ちょっと待てよオイ!こんな大事なこと何で先生や親に言わないんだよ!」
「だって・・・この手紙の裏見てよ・・。」
言われるがままに見てみると、
「注意。もし誰かに僕のことしゃべったら君の事殺しちゃうかもね。(はあと」
などと書き足されていた。
「くそっ!なんてヤローだ!とにかく安心しな。俺たちで何とかするから。」
「・・本当?」
「ああ、俺は困っている奴は放っておけない性質なんでね!」

515新手のスタンド使い:2003/12/30(火) 19:47
翌日。

「なるほど。それが原因だったのか。」
俺は八先生とたまたま部屋に来ていたヅーに事の真相を話した。
「ひどい・・・そんな事許せないのだ!」
ヅーは級長とは結構仲がよく。彼女が学校に来る回数が減ったことを真っ先に心配していた。
「とにかく何とかしてそのストーカー野郎を気付かれる前に見つけ出さないと。奴はこの学校の中に
 何かしらの方法で潜入しているんだ。それが分かればなぁ。」
その時ふいに八先生が口を開いた。
「それだったら俺の『能力』が使えるかもしれないな・・・。」
俺とヅーは一瞬顔を見合わせた。
「せ、先生も『スタンド能力』が使えるのか!?」
「ああ、前に仕事からの帰り道『矢』みたいなもので撃たれたんだ。その時から使えるようになったかな。
 とにかく撃ってきた奴が訳の分からない奴なんだ。マントで顔と体を隠していて、しゃべり方から男と分かった。」
マントで顔と体を隠している男・・・。もしかして俺の能力を引き出してくれた『矢の男』の事じゃないか!?
アヒャはそう考えた。
「とにかく行動開始だ!」
八先生の体からスタンドのヴィジョンが飛び出た。
てんとう虫の様なすがたをしていてメカニックなデザイン。
体から突き出した六本の足には車輪のようなものが付いて、スタンドの周りを衛星らしきものが飛んでいる。
すると突然、衛星がパカッと開き、カメラのようなものが突き出た。
「じゃ、ちゃっちゃと行ってきちゃって。」
先生が指示を出すと、そいつはラジコンのような動きをして職員室から出て行った。
「さてと、何か物体が映りそうなもの無い?」
映る物・・・。
「校長の頭?」
「馬鹿かお前は。」
すかさず先生が突っ込みをいれる。
するとヅーが手鏡を持ってきた。
「他の先生が使っていたのを借りてきたのだ。これで大丈夫?」
「ああ、それで十分だ。」
手鏡を受け取ると先生が何やら細工をほどこした。
「おい。見てみろ。」
俺たちが鏡をのぞいた時、思わずあっと叫びそうになった。
鏡には学校の廊下が映っていて、そこを通る生徒達の顔や声などがはっきりと聞こえる。
「これが・・・先生の能力か。」
「そう。俺のスタンド『ワールド・イン・マイ・アイズ』は、どんな出来事も見逃さないッ!これで犯人を見つけ出す!」
やれやれ、こんな担任でも役に立つことがあるんだな・・・。
アヒャはそう思った。


  /└────────┬┐
. <   To Be Continued... | |
  \┌────────┴┘

516新手のスタンド使い:2003/12/30(火) 20:23
乙!ですよ

517:2003/12/30(火) 21:12
 ※留守番中。
             /´ ̄(†)ヽ
            ,゙-ノノノ)))))
            ノノ)ル,,゚ -゚ノi!
       ___/,ノくj_''日と)__
      / \ (´::)     ___\
     .<\※ \______|i\___ヽ.
        ヽ\ ※ ※ ※|i i|.====B|i.ヽ < ボスケテ!!
        \`ー──-.|\.|___|__◎_|_i‐>
          ̄ ̄ ̄ ̄| .| ̄ ̄ ̄ ̄|
               \|        |〜

「―― モナーの愉快な冒険 ――   ツーチャンはシンデレラに憧れる・その3」



          @          @          @



「神は世界と相互作用しない――」

 『蒐集者』は呟く。
「そう結論するのは、神の不在証明が破られてからではないですか?」
 局長は、そう言い放った。

「神のアリバイを問うとは、なかなかに面白い…」
 『蒐集者』ベッドから身体を起こす。
 目の前には、公安五課・スタンド対策局の局長の姿がある。
 ベッドの周囲はスーツ姿の男に取り囲まれていた。
 その数、約6人。
 スタンド対策局の局長であり、全員がスタンド使い。
「また、大勢でお越しで…」
 『蒐集者』はため息をつく。
 局長は腕を組んだ。
「このマンションは完全に包囲しています」
「それはそれは…」
 『蒐集者』はロングコートの襟を正す。
 その様子を見て、局長は言った。
「忠告ですが…寝る時は、コートなど着ないほうがいい。シワになります」
「それはどうも」
 ベッドから降りて、大きく伸びをする『蒐集者』。
 周囲を取り囲んでいる6人の顔に、緊張が走る。
 局長は左手を軽く後ろに振る。
 6人は1歩ずつ下がった。
 局長は口を開く。
「あなたは近距離パワー型のスタンド使い。能力は、無機物・有機物の区別なしに物体同士を接合させる事…」
「ああ。前の三人の死体を回収・解析しましたか…、それで?」
「あなたと相性の悪いスタンド使いを用意させてもらいました。
 こっちも公務なんで、これ以上犠牲を出すわけに行かないんですよ」
 『蒐集者』は全員の顔をゆっくりと見回した。
「外にも配置してますよ。射撃班と遠距離型スタンド使いをね」
「それは、用意のいい事ですねぇ…」
 『蒐集者』は、局長に一歩近付いた。
 2人の局員が、局長をかばうように前に出る。
「『矢の男』の能力を知っていますか?」
 『蒐集者』は局長に語りかけた。
「我が課の「鑑識」が分析しました。大体のところは分かっています」
 『蒐集者』はロングコートの形を直しながら口を開いた。
「世の中には、人智を超えたスタンド使いがいる… 今までにも、私は幾人ものスタンド使いを目にしました。
 時間を操作するスタンド、光速を越えるスピードを持つスタンド、ブラックホールを作り出すスタンド、
 反物質を精製するスタンド… もちろん、全て片付けましたが。その中でも、『矢の男』の能力は特異です。破滅的ですらある」
「だからどうしました? この国のスタンド使いは、我々公安五課が対応します。あなたに出る幕はない…」
 余裕がありすぎる。異常だ。
 ただの馬鹿か? それとも…
「私は、たまに思うんですよ。『シュレーディンガーの猫』は、いないんじゃないか、ってね…
 そう、最初から箱の中に猫などいなかった」
 局長は手で合図を出した。
 何人かが、『蒐集者』の背後に回り込む。
 その様子に構わず、『蒐集者』は語り続けた。
「あの『矢』もそうです。存在そのものが虚偽。こうなる事を見越して作成された捏造。
 にも関わらず、この世に存在してしまった…」

「攻撃!!」
 局長は叫ぶ。
 6体のスタンドの拳が、それぞれの方向から同時に『蒐集者』に放たれた。
 それを避けようともしない『蒐集者』。
 顔面、背中、腹部、後頭部、頸部2箇所に打撃を食らい、『蒐集者』の身体はひしゃげ、押し潰された。
 骨の砕ける音。捻じ切れた肉から噴き出す血。
 それでも、『蒐集者』の顔は笑っている。

518:2003/12/30(火) 21:14

「OVER KILL! 原型を留めるな…!」
 局長の命令に従って、6人のスタンド使いは高速で拳を叩き込む。
 6方向からの攻撃を食らった『蒐集者』の肉体は、地面に倒れる事もできない。
 打撃音が、徐々に濁った音に変化する。硬い部分はほぼ砕けたのだろう。
「よし! もういい!」
 局長が号令を出す。
 局員達は素早くスタンドを引っ込めた。
 びちゃり、という音。
 『蒐集者』であった肉体が、フローリングに崩れ落ちる。
 赤黒く崩れグズグズになった肉塊からは、ところどころ白いものがのぞいていた。
 
「これを見た後は、ミートソースのパスタは食べれませんね…」
 軽口を叩く局長。
 先程までの緊張を払拭し、局員の一人が笑顔で応答しようとした時…

「うわぁぁぁぁぁ!!」
 背後から悲鳴が上がる。
 全員の注意が、『蒐集者』であった肉塊に集中した。

 まるで映像を巻き戻しているように、『蒐集者』の体が再生していく。
 砕けていた骨が接合し、散乱していた血が集まり、筋肉が形成され、人としての形を取る。
 筋肉を露出させたまま、ニヤリと笑う『蒐集者』。
「随分と派手にやったものだ…」
 その声には、ゴボゴボという音が混じっている。
 『蒐集者』は、ゆっくりと立ち上がった。
 内臓や骨、血管が露出している。まるで、人体標本のような姿。
「き、吸血鬼…?」
 局員の一人が口走った。
 『蒐集者』は笑みを見せる。
 頭蓋骨に薄い筋肉が張っただけの姿で見せる笑みは、これ以上ないほど気味が悪い。
「いえいえ、違いますよ。私はれっきとした人間です」

「攻撃だ!!」
 右手を掲げて指示を出す局長。
 局員達6人は、再びスタンドを発動した。

 攻撃してどうなる? 
 局長は自問自答していた。
 あれほど攻撃したのに、完膚なきまでに肉体を破壊したのに、あのザマだ。
 奴は、ただの近距離パワー型のスタンドではない。
 物質を結合させる能力、と断定したのは早計だった。
 こちらは、奴を殺すのには圧倒的に火力が足りない。
 ならば…!
「総員、攻撃態勢を維持しつつ退避ッ!」

 局員達の意識が局長の言葉に逸れた瞬間…
 『蒐集者』は、一人の腕を掴んだ。
「な…!」
 その局員の言葉は続かない。
 一瞬で塵と化す局員の身体。
 その情景を、局長は凝視していた。
 何だ、今のは…!? スタンド能力か?
「ちィッ!!」
 局長は、出口の方へ駆け出す。

「…『アヴェ・マリア』…!!」
 『蒐集者』の体から浮かび上がる不気味な亜人型のヴィジョン。
 その全身から、炎が噴き出した。
 異常な熱に包まれる『蒐集者』の肉体。
 その狙いを出口の方向に定める。
「行きますよ…!」
 移動線上に存在する物を焼き尽くしながら、『蒐集者』の体は火球となって出口へ突っ込んだ。

「くッ!!」
 出口から廊下に飛び出そうとしていた局長は、咄嗟に真横に飛び退いた。
 轟音と共に壁が崩れ落ちる。
 その衝撃で、局長の身体は後ろに弾き飛ばされた。
 体を反転させ、壁を蹴って着地する局長。
 瓦礫と炎で、出口は埋まってしまった。
「…」 
 局長は生唾を飲み込む。
 驚くべきものを見てしまったからだ。
 『蒐集者』の高速移動に巻き込まれて、3人もの局員の身体が生命ごと焼き尽くされる姿を。

「なかなかに、いい反射神経ですね…」
 『蒐集者』が、一歩一歩こちらへ向かってくる。
 その身体は、先程よりも再生していた。
「どういう事だ? スタンド能力は一つのはず…」
 局長は、真っ直ぐに『蒐集者』を見定めた。
 背後には窓がある。ここは7階だが、そこから飛び降りるしかない…!
「一つですよ。私の能力はね…」
 そう言いながら近付いてくる『蒐集者』。
 簡単に逃がしてくれるとは思えない。

「この…野郎!!」
 『蒐集者』の背後から殴りかかる、二人の局員のスタンド。
 しかし『蒐集者』が軽く指を鳴らしただけで、二人のスタンドは本体ごとバラバラになった。
 空中で輪切りになって、ゴトゴトと床に落ちる二人の身体。

519:2003/12/30(火) 21:15

「何をした…? 貴様、どういう能力だ…?」
 後ずさる局長。
 窓まで、あと10m。
 
「貴方だけ、スタンドも見せずに逃げるつもりですか? 殉職した部下達に失礼でしょう…?」
 『蒐集者』はこちらに迫ってくる。
 もう一歩下がる局長。
「そっちこそ、失礼な言動だな。私のスタンドは、既に見せている…」
「何…?」
 『蒐集者』の頭上の天井に、8本の腕を持った女型のスタンドが張り付いていた。
 ギギギ…と顔を『蒐集者』に向ける局長のスタンド。
「喰らい尽くせ!! 『アルケルメス』!!」
 局長のスタンド、『アルケルメス』は『蒐集者』の頭上から攻撃をしかけた。

「ふん… 『アヴェ・マリア』!!」
 『蒐集者』のスタンドが、『アルケルメス』に拳を振るう。
 その攻撃は、『アルケルメス』の腹部を貫いた…はずだった。
 その瞬間、『アルケルメス』は『蒐集者』の背後へ移動した。
 いや、違う。
 局長のスタンドは動いてはいない。『蒐集者』の位置が変わったのだ。

「今のが、貴方の能力ですか…」
 ゆっくりと振り向いて、局長の顔を凝視する『蒐集者』。
 局長は、もう一歩退いた。
「確かに、貴方のスタンドの腹を貫いたはず。そのはずが… 私が後ろに立っていた。
 時間を飛ばした…? いや、それもどこか違う…」
 『蒐集者』は、顎に手を当てた。
 …今だ!!
 局長は、窓に体当たりをした。
 砕け散るガラス。
 局長の体は、窓の外へ飛び出した。
「…逃がしません」
 それを追って、『蒐集者』も窓の外へ飛び出す。
「B班!! 今だ!!」
 局長は、向かいのビルの屋上で待機していたスタンド使い達に指示を出した。
「くっ…!!」
 一直線に突っ込んでくる遠距離型スタンドの攻撃を受け、マンションの壁に叩きつけられる『蒐集者』。
「射撃班!! 撃て!!」
 向かいのビルに立っていたスーツの男が、重火器を構える。
 FIM−92スティンガー低高度地対空ミサイル・システム。
 通称、スティンガー。
 航空機、ヘリ、巡航ミサイル等の破壊を目的とした、個人携帯用の対空ミサイル兵器である。
 射撃班の男は、マンションの壁に激突した『蒐集者』めがけて、ミサイルを発射した。
 赤外線で誘導された弾頭は、『蒐集者』の身体にブチ当たる。

 轟音が響き、激しい爆発が起こった
 爆風・破片炸薬1kg分の大爆発。
 しかし、局長にそれを気にしている暇はない。
 『アルケルメス』で落下の衝撃に備えなければ…

 突然、身体が反転する。
 局長の身体が、マンションの壁に激突した。
 何が起きた…?
 局長は体を起こす。
「なっ…!!」
 局長は、マンションの壁に立っていた。
 足元には、たくさんの窓。
 視線の先には、壁のようにそびえたつ地面。

「貴方の周囲だけ、重力の方向を90度ズラしました…」
 背後から、『蒐集者』の声がした。
 スティンガーの直撃を受けたはずの『蒐集者』は、爆煙の中から姿を現す。
 今の局長と同じく、マンションの壁に垂直に立っていた。
 左腕は完全に消滅し、右腕も肘から先がない。
 胸部も腹部も無残に抉れ、頭部も半分ほどしかない。
 頭蓋からは脳漿がこぼれている。
 それでも、『蒐集者』はこちらへ歩み寄ってくる。

520:2003/12/30(火) 21:15

「貴様… 本当にスタンド使いか?」
 近付いてくる『蒐集者』に、局長は言った。
 こいつは、スタンド使いの範疇に収まる生物とは思えない。

「何度言わせるんです? 私はただの人間で、ちっぽけなスタンド使いですよ…」
 一歩一歩近付いてくる『蒐集者』。
 その体は徐々に再生していく。

「馬鹿を言うなよ… お前の耐久性は、戦車以上か?」
 スティンガーの直撃を受けて無事という事は、事実上そういう事だ。
 いや、無事とは少し異なる。確かにダメージは受けているのだ。
 だが、奴は回復してしまう。
 吸血鬼ですら、あそこまで脳が破壊されれば再生は不可能だ。
 それにも関わらず、奴はなぜ…!

「そろそろ、チェックメイトですね…」
 『蒐集者』のスタンド・『アヴェ・マリア』が、熱を放ちだした。
 高熱によって周囲が歪む。
 また、あれが来る…!
 『蒐集者』の体が火球となって、局長に突っ込んでくる。
 その攻撃が確かに局長の体に直撃した瞬間、何もなかったかのように通り過ぎた。
 やはり、局長は無事である。
「また、それですか。そんなものが、何度も通用するとでも…!」
 その刹那、『蒐集者』の頭上から何かが高速で突っ込んできた。
 上空から高熱を放ちながら突っ込んできたのは、先程の『蒐集者』そのものだった。
「これはッ…!」 
 その直撃を食らって、『蒐集者』は地面であるマンションの壁にめり込んだ。
 
 今だ…!
 局長は地面目掛けて走り出す。
 その瞬間、足元から腕が生えてきた。
 マンションの壁から唐突に生えた腕は、局長の足を掴む。
 腕は1本ではない。
 20本以上の手が壁から突き出して、局長の足を掴む。
「くっ… 『アルケルメス』!!」
 局長のスタンドは、8本の腕を振るって足を掴むコンクリートの手を破壊した。
 その間に、『蒐集者』は追いついてきた。
 『蒐集者』は口を開く。
「なるほど… 貴方の能力が分かりました。『カット&ペースト』ですね…?」
 口か喉の部分の再生が上手くいっていないらしく、少し歪んだ声だ。

 …気付かれたか。
 まあ、あそこまで能力を見せてしまえば仕方がない。
 カットだけならともかく、それをペーストしたのは本当に久し振りだ。
 そう。それだけ自分は追い詰められている。

 『蒐集者』はズレた顎の位置を直した。体はほぼ再生している。
 仕方がない。時間稼ぎと行くか…
 局長は口を開く。
「その通り。私のスタンドは、時間をカットできる。つまり、任意の時間を、我々の時間軸から切り取ることができる。
 さっきは、貴様の攻撃が私の体に当たる時間だけをカットした」
 『蒐集者』も、時間稼ぎであることに気付いているはずだ。
 それにも関わらず、大人しく聞いているという事は…
「そして切り取った時間は、貼り付ける事ができる。貴様が言った『カット&ペースト』そのものだ…」
「素晴らしい…」
 『蒐集者』は感嘆の呟きを漏らした。
「素晴らしい能力だ。その能力も、是非欲しい…!」

 ――今、こいつは何と言った?
 『その能力も、是非欲しい…!』
 そうか、こいつのスタンド能力は…

521:2003/12/30(火) 21:16

 車のクラクションがした。高速で車が近付いてくる。
 ――やっと来たか。
「ここまでだ! 私の部下が、この状況を見て呆としてるほどの役立たずだと思ったか!?」
 局長は地面目掛けて走り出した。
「局長!!」
 後部座席のドアが開く。しかし、車のスピードは落とさない。
 重力が90度傾いているこの状態で、車に飛び乗るのは多少キツいが、文句は言っていられない。
 足元の感覚が変わった。
 コンクリートの壁面が、ぐにゃりと歪む。
 足元が柔らかい。
「なんだと…!?」
 底なし沼に踏み込んだように、足がマンションの壁面に沈み込んだ。

「…最後の最後で、当てが外れましたね…!」
 『蒐集者』は素早く接近すると、『アヴェ・マリア』の腕で局長の顔面を掴んだ。

「…影響しない…」 局長は呟く。
「カットされた時間は、我々の時間軸とは異なる… そこで起きた事は、この時空に影響しない…」

「そうでしょうね…」
 『蒐集者』は笑みを浮かべた。
「だからこそ、カットされてもいいようにこの状態に持ち込ませてもらったんですよ。
 今から貴方の顔面を握り潰します。どうせ、その瞬間をカットするでしょうが… 
 その次の瞬間に、再び貴方の顔面を握り潰す。これを何度も繰り返します。あなたのスタンドパワーが尽きるまでね…」
 『蒐集者』は、局長の頭を握り潰した。

「影響しないと言ったはずだ…」
 全くの別方向から、局長の声が聞こえた。
「な…!」
 車の中。局長を迎えに来た車の中に、既に彼は乗っていた。
 同時に、『アヴェ・マリア』に顔面を掴まれていた局長の姿が蜃気楼のように消え去る。
「なるほど、そういう事か…」
 『蒐集者』は舌打ちをした。
「…自分自身をカットして、ここに貼り付けておいたんですね。
 当の貴方自身は、とっくに脱出済みという訳ですか」
 局長は『蒐集者』を一瞥した。
 猛スピードで走っている車は、すぐにその場から離れていった。


 ――自分は負けた。
 その言葉が、局長にのしかかる。
 部下をあれだけ犠牲にして、利益はほとんどなかった。
 逃げるのがやっとだとは…

 局長は、無言で車の窓ガラスを殴りつけた。
 粉末状になって砕け散るガラス。
「どうしたんです!?」
 運転席の局員が、驚きの声を上げてこちらを見た。
「…何でもありません」
 口調を戻して、局長は言った。
 何なんだ、さっきまでの必死なザマは…!
 局長は、自分自身を嫌悪する。そして心に刻んだ。

 『蒐集者』は必ず私が葬る。公安五課がこのまま引き下がりはしない…!



          @          @          @

522:2003/12/30(火) 21:16

 俺達は、つーのマンションの前に立っていた。
 なかなか高級そうなマンションだ。
「確か、ここの3階のはずだな…」
 『解読者』… いや、キバヤシは手許のメモを確認しながら言った。
「じゃあ、行くモナ」
 俺は入り口に足を踏み出す。
「待て」
 俺の背中に、キバヤシは語りかけた。
「状況を考えるに、俺は居ない方が効率が良さそうだ」
 キバヤシは、急にしおらしい事を言い出した。
 俺は慌てて弁解する。
「いや、多少デンパが入ってても、そこまで自分を卑下する事はないモナよ。
 妙な発言を抑えれば、調査とかフィールドワークとかも出来るようになるモナ…
 変なセーターを何とかすれば、怪しい雰囲気も払拭されると思うモナ」

 キバヤシは不服そうな目で俺を睨む。
「親しい人間のみの方が情報を引き出せる、という意味で言ったんだがな。俺は…」

 …しまった。
 そのまま、不機嫌な表情を崩さないキバヤシ。
「とにかく、君一人で行ってくれ。俺は外から様子を見張っている。聞く事は、最近の体調の変化についてだ」
「…体調の変化?」
 俺は首を捻る。
「『蒐集者』の部屋にあったメモに、つーの生活習慣や健康状態に関する事細かなメモがあった。
 奴は、バイオテクノロジーに精通している。また、生体兵器を研究していた機関と懇意にしていた事もある…」
 不意にキバヤシの顔がアップになった。

「俺の予想が正しければ、『蒐集者』はつーに人体実験を施している…!!」

 な、何だってー!!
 という風にあしらうには、『蒐集者』の話と符号しすぎている。
「確かに、『蒐集者』は実験をしているとか言ってたモナ!!」
 俺は声を荒げた。
「内容については、何か言っていなかったか?」
「実験体が2体いて、1体はファージの何たらが上手くいかなかったとか…
 もう1体は、素体がよかったから成功したとか…」
 俺は、『蒐集者』の話を思い出す。
「そうか…」
 キバヤシは口に手を当て、視線を泳がせた。
「何か分かったのか、キバヤシ!?」
 俺はキバヤシに言う。
「お前たち、『ファージ』とは何か知っているか?」
 俺は首を左右に振った。
 『お前たち』と呼びかけられたものの、俺一人しかいないという事はこの際無視だ。
「ファージとは… バクテリオファージの通称で、細菌に感染するウイルスの事だ。
 言わば、自然界の遺伝子組み換えだ。
 『蒐集者』はそれを利用して、人体に『何か』を適合しやすいように埋め込んだんだよ!」
「じゃあ、奴はつーの身体に…! でも、埋め込んだとは限らないんじゃ…」
「いや…」
 キバヤシは視線を落とす。
 そして、クワッと目を見開いた。
「『蒐集者』は、民衆の意思が統制された社会を作ろうとしているんだよ!!」
 キバヤシは一歩歩いて、流し目で俺の方を見た。
「考えても見ろ、その埋め込んだ『何か』が感情に影響を与えるものだとしたら…
 俺達の意思までが、埋め込んだ奴に操作される事になる!!
 こうして、奴は理想の社会を作り上げようとしているんだ…! それが…」
 キバヤシは少し間を置く。 そして、アップになった。
「全人類総洗脳計画だよ!!」
「な、何だってー!!」
 俺は驚きを隠せない… ような素振りを見せた。
「いまや地球の人口は爆発的に増え続けている。 だが、支配者層がこの技術を応用すれば…
 人口統制の」ため、群発自殺を引き起こす事が出来るんだよ!!」
 キバヤシはアップになりすぎて、目しか見えない。

523:2003/12/30(火) 21:17

「そんな… なぜそんな事が分かるんだモナ!!」
「その謎を解く鍵は…」
 キバヤシはセーターの中に手を突っ込んだ。
 そこから、ブ厚い本を取り出す。
「この『諸世紀』の中に、集団洗脳による危機を示唆する詩があるんだよ!!」
 代行者は、服の中に物をしまうのが習慣なのか?
 キバヤシは、ノストラダムスの預言書を広げた。
「第一章六十四詩だが…」

『真夜中に 彼らは 太陽を見るだろう
 半人半豚を 目にする時 
 雑音、絶叫、空の戦いが見えるだろう
 獣の語らいが 聞こえるだろう』

「彼らというのは、一般民衆を指している。太陽というのは空にあるやつだ。
 そして、この『半人半豚を 目にする時』というのは、例のファージを応用して
 脳に何かが埋め込まれるという事なんだよ!!」
「…キ、キバヤシ!!」
 特にコメントもないので、とりあえず名前を呼んでおいた。
「そして後半の詩は、人々が集団自殺に導かれる様子をあらわしている。
 つまり最初から――ノストラダムスは全てを預言していたんだよ!!」
 キバヤシばかりか、ノストラダムスの顔までアップになっている。

「時空を超えて、あなたは一体何度――――
 我々の前に立ちはだかってくるというのだ! ノストラダムス!!」

 俺は驚愕していた。
 仮説のはずが、いつしか当然のように扱われ、それを前提としたトンデモ説が構成される。
 そのトンデモ説は、さらに大きな陰謀論を導いてしまい、ノストラダムスに帰結する。
 そして、いつしかノストラダムスが当初の仮説を裏付けたと主張する循環論法。
 ――これが、キバヤシスパイラル…!!

 さて、この場に来てからもう20分も経つ。
「イッちゃってるとこ悪いけど、そろそろ中に入るモナ…」
「そうだなモナヤ。では、俺は外から見張っていよう」
 キバヤシは、その場から離れようとして、俺の方をチラリと見た。
「…セーターは脱いでおこう」
 ボソッ言い放った後、マンションの裏側の方に消えていくキバヤシ。
 変なセーターと言った事を根に持っているようだ。

524:2003/12/30(火) 21:17

 つーの部屋の前まで来た。
 レモナが先に来ているはずなので、俺の来訪も知っているだろう。
 チャイムを押した。
 ピンポーンという音が中から聞こえる。
「ハイ!?」
 乱暴に扉が開く。
 つーだ。
 何だ、元気そうではないか。
「モナー ジャネェカ!! ナニシニ キタンダ!?」
 俺の姿を見て、ただでさえ丸い目をさらに丸くするつー。
「つーちゃんが体を壊したって聞いたから、お見舞いに来たモナよ」
「ソリャ、ワザワザ ワルイナ… トリアエズ、アガレヨ、アヒャ!」
 何故か普段よりしおらしいつー。
 俺は、部屋に上がることにする。
 果たして、あのつーの部屋とはどんなんだろうか…?


「意外と普通モナね…」
 部屋の真ん中に突っ立って、俺は思わず呟いた。
 普通に女の子の部屋だ。
「そういえば、レモナは?」
「レモナ…?」
 つーはきょとんとした表情を浮かべる。
「あれ? レモナが先に来てるはずモナ?」
「ソンナネカマ、キテネーゾ?」
 おかしい。
 俺とキバヤシで話し込んでいた時間を含めれば、30分ほど前には来ているはず。
 どこかで事故にでもあったのだろうか。
 いや、あのレモナに限ってそれは…

「ソコデ スワッテテクレ。ココアデモ イレテクルワ。アヒャヒャヒャ…」
 台所に姿を消すつー。
 俺はテーブルの椅子に腰を下ろした。
 そして、周囲を見回す。
 何も異常な点はない。
 いや、あのつーが女の子っぽい部屋に住んでいる事自体が異常と言えば異常だ。
 もっと血がしたたっていたり、地雷が仕掛けられていたりするのかと思っていたが。

 …ポタリ。

 何か、水の滴るような音が聞こえた。
 本当に血でもしたたっているのか?
 いや、そんなはずはない。雨漏りでもしているのだろうか。
「アッ! オシイレノ ナカヲ ノゾクナヨ!!」
 台所から、つーの声が聞こえる。
 いくら俺が礼儀知らずでも、他人の家の押入れを覗いたりはしない。

525:2003/12/30(火) 21:18

「ホレ、ノメ。」
 しばらくして、つーが2人分のココアを運んできた。
 まさか、ヤバい薬が入ってるとかはないだろうな?
 俺は『アウト・オブ・エデン』を発動させ、構成成分を視た。
 食物繊維、ポリフェノール、ミネラル、テオブロミン、カカオFAA、IP6、ギャバ・アミノ酸…
 うん。普通の美味しそうなココアだ。
「…ナンダ?」
 つーは急に周囲を見回し始めた。
「どうしたモナ?」
「サッキ、ヘンナニオイガ… イマハ キエテルンダケドナ…」
 俺は、特に何も感じなかった。

「このココア、本当につーちゃんが淹れたモナ?」
 俺は訊ねた。
「ソウダケド… オレイガイニ ダレカ イルカ?」
 つーは怪訝そうな表情を浮かべる。
「もしかして、つーちゃんって料理とかも得意モナ?」
「マ、マア、ヒトリグラシ ダカラナ…」
 つーはそう言って黙ってしまった。
「ふうん… じゃ、頂きますモナ」
 俺はテーブルに置かれたカップを手に取ると、温かいココアを喉に流し込んだ。
 普通に美味い。

 …ポタリ。

 ん? また、さっきの音だ。

 …ズルズル…

 何かを引き摺るような音まで聞こえる。
「これは、何の音モナ?」
 俺はつーに訊ねた。
「アマモリ ジャネーカ?」
 特に気にしないつー。
 まあいい、そろそろ本題に入るか…
「つーちゃんは、ずっと風邪ひいてたモナ?」
 ココアを飲んでいたつーは目線を上げた。
「チョット タイチョウヲ クズシテテナ… モウ、ダイジョウブダ… アッヒャー!」
 こうして見る限り、つーは健康そうだ。
 念のため、『アウト・オブ・エデン』でつーの身体を視てみる。
 …とくに問題はない。異常も無さそうだ。

「!?」
 急につーが周囲をキョロキョロし始めた。
 俺は慌てて『アウト・オブ・エデン』を解除する。
「ど、どうしたモナ…?」
「ナンカ、ミラレテル カンジガシテナ…」
 不審気に、周囲を見回すつー。
 『アウト・オブ・エデン』の視線に反応した事は間違いない。
 なんて知覚力が高いんだ…
 まあ、体に異常はないことははっきりした。
 どうやら、キバヤシの杞憂だったらしい。
 ところでキバヤシは…

 ブーッ!!

 俺は飲んでいたココアを噴き出した。
 正面の窓から、キバヤシの顔が覗いている。
 さすがに代行者、完璧に気配は消えている。
 だが、ここは3階。
 マンションの壁に張り付く変態的なキバヤシの姿は、外から大いに目立つはずだ。
 ターゲットにバレなければ、何をしてもいい訳じゃないと思うが…
 キバヤシは、さっきの言葉どおりセーターは脱いでいた。
 『MMR』の文字が大きく刻印された怪しいTシャツ姿である。

「ン? ナニカイルノカ…?」
 俺の視線を追って、窓の方を見るつー。
 キバヤシの頭は素早く引っ込んだ。
「ナニモ イネージャネーカ…」
 つーは苛立たしげに言った。
「いや、今日はいい天気だなーと思ってモナ…!」
「イイテンキ ダッタラ、オマエハ ココアヲ フキダスノカ!!」
 怒られてしまった。

 …ズルズル…

 まだ、不気味な音はする。
 どうも、押入れの方から音がしているような気がするんだが…
 だが、『アウト・オブ・エデン』を使うわけにもいかない。
 つーの感受性は並外れているのだ。
 こうなったら、つーが席を外した隙にこっそり確認するしかない。

526:2003/12/30(火) 21:18

「…デ、ガッコウハ タノシイカ?」
 つーは不意に言った。
 つまり、自分がいなかった間での学校の話を聞きたいのだ。
 そこらへんが素直に言えないなんて、意外と可愛いヤツだ。
 俺は微笑んでカップをテーブルに置いた。
「つーちゃんがいなくなって、みんな意外と心配してるモナよ」
「『イガイト』ッテ ナンダ…!」
 つーは、天井から釣り下がっていた怪しげな紐を引っ張った。
 俺の足元の床がカパッと開く。
 俺は、椅子ごとその穴に落ちた。
「うわぁぁぁぁ!!」

 いつものクセで叫び声を上げてみたものの…意外と浅い。
 70cmほどの深さだ。
 流石にマンションなので、大穴を開けるには無理があったのだろう。
 それにしても、自分の部屋にまでワナを作るとは…

「あいたたた…」
 腰を強打した俺は、穴から這い出した。
 つーが紐を離すと、元通り床が閉じた。

 …あ。椅子、中だ。
 仕方ない。立ったままで我慢するか。
 ふと、つーの右手に撒いている包帯が目に入った。
「つーちゃん、怪我でもしたモナか!?」
 俺はつーに駆け寄る。
「ア、アア… ナンカ、ヒフニ ブツブツガデキテナ。スグ ナオルト オモウケド…」
「そりゃよかったモナ。何か大きい怪我でもしたと思ったモナよ!」
「ソ、ソウカ…」
 何か動揺したような様子を見せるつー。
「まったく… (多分)女の子なんだから、体を大切にしないと駄目モナよ」
「ソ、ソウカナ…」
 つーは落ち着きなく動き回っている。
「ただでさえ乱暴でオヨメの貰い手も少なそうなのに、キズモノにでもなったら…」

 ――殺気!
 つーが手許のボタンを押した。
 前方から突っ込んでくるコンペイトウ型の鉄球。
「ヤッダーバァァァァァァ…」
 直撃を受けて、吹っ飛ぶ俺の体。
 つーは、俺以外の人間をトラップに嵌めているところなど見た事がない。
 そのつーの家に、トラップが配置してあるという事は…
 …トラップは趣味だということか…!
 俺は地面に激突して、そのまま気を失った。


 目覚めた時、布団に寝かされていた。
 10分ほど気絶していたらしい。
 頭を振りながら、ゆっくりと体を起こした。
「アヒャ!ヤット オキタカ!」
 台所の方から、つーがやって来た。
 なんと、エプロンをしている。
 意外に似合っているが、その性格を考慮に入れると違和感バクハツだ。
 まあ、これ以上トラップを喰らいたくはないので、エプロン姿の感想は口にしない。
「アノクライデ キゼツスルナンテ、ヤワナ カラダダナ!アヒャ!」
「ああ、寝かせてもらったモナね… すまないモナ」
 例を言うべきかどうか微妙なところだが、とりあえず謝っておいた。
「ベツニ イーヨ。ソウダ!バンメシ クッテケ!」
 晩飯だって!?
 夕食にはまだ早いが、腹は減っている。
 俺は、その提案に甘える事にした。
 つーが何を作ってくれるのかにも興味がある。
「ナラ、デキルマデ ネテロ。ソウダ、ドラヤキ クウカ?」
「食べるモナ!」
 俺はヨダレを流して答えた。
「タヌキハ ドラヤキガ スキダカラナ、アヒャヒャ…」
 捨て台詞を残して、台所に姿を消すつー。
「モナも某猫型ロボットもタヌキじゃないモナ!」
 俺は、その背中に向かって悲痛に訴えていた。

527:2003/12/30(火) 21:19

 何だかんだ言いつつも、ドラやきは美味しかった。
 俺は布団の上に寝っ転がる。
 ふと、窓の外を見た。
 キバヤシと目が合う。気マズい事この上ない。

「フンフンフーン フフフーン♪」
 台所から、つーの鼻歌が聞こえる。『天国の階段』のメロディだ。

 …ポタリ。
 …ズルズル…

 また、例の音。
 やはり、押し入れから聞こえる。
 俺は、チラリと台所のほうを見た。
 つーは、こちらの様子を気にしてはいない。

 俺は、ゆっくりと押入れに近付いた。
 水が滴る音と引き摺るような音は徐々に大きくなる。
 間違いなく、この中からの音だ。
「…」
 生唾を飲み込む。
 変わらないつーの鼻歌。こちらの様子には気付いていない。

 俺は押入れに手をかけると、ゆっくりと開け放った。

 一面の赤。
 引き裂かれた肉体。
 手や足は、まだ原型を留めていた。
 もっとも、胴体からは引き離されていたが。
 その頭部は、こちらを向いていた。
 まるで見られる事を恥ずかしがるように、手の残骸が顔の半分を隠している。
 その、よく見知った顔を。

 ――あれはレモナだ。
 押入れの中には、手足をバラバラに引き裂かれたレモナが入っていた。
 
「うわぁぁぁぁ!!」
 俺はその場にへたり込んで、悲鳴を上げた。

 レモナの頭部が僅かに動くと、その口が開いた。
「やだ、恥ずかしい… モナーくんに、こんなみっともない姿を見せちゃうなんて…」

「ぎゃあああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
 俺は、さっきより大きい悲鳴を上げる。
 レモナの腕は、胴から切断されたにも関わらずズルズルと這い回っていた。
 首から垂れた血が、ポタリという音を立てて落ちる。

「モナーくん! 後ろ!!」
 レモナの頭部が、鋭い声を上げた。
 俺はゆっくりと後ろを振り向く。
 そこには、つーが無表情で立っていた。
 さっきのエプロンをしたままで…

528:2003/12/30(火) 21:19

「ミタナ…!」
 ゆっくりと、こちらへ近付いてくるつー。
「ひぃぃ…」
 腰を抜かしたまま、俺は後ずさった。
「ジャア、コレヲ ミロヨ…」
 つーは、スルスルと右手に巻かれていた包帯を外す。
 何か、湿疹のようなものができているようだが…

「それはッ!!」

 不意に窓に張り付いていたキバヤシが大声を上げた。
「!!」
 つーの視線がそちらへ向く。
「しまったバレた!!」
 キバヤシは大声で叫ぶ。

「ナンダ、オマエ…!」
 つーは呟いた。
 凶悪な視線だ。確実に、殺意がこもっている。
 こうなったら…俺は関係ないと、とぼけきってやる!!

「どうするモナー! 見つかってしまったぞ!!」
 俺の方を見て叫ぶキバヤシ。
 何でこういう時だけ本名で呼ぶ!?

「ソウカ… オマエラ、グルデ オレヲ ミハッテタンダナ…」
 つーの様子がおかしい。
 小刻みに痙攣している。
 俺は、『アウト・オブ・エデン』を発動させた。
 心臓の鼓動が異常なほど早い。
 先程まで普通の人間と何ら変わりのなかったつーの肉体が、大きく変化している。
 …いや、変貌を遂げようとしているのだ。

 ――麻酔作用開始!

 その目が大きく開き、額の皮膚が裂ける。

 ――瞳孔散大! 平滑筋弛緩!

 ひび割れたように皮膚が剥がれ落ち、その下からメタリックな肌が姿を現す。

 ――皮膚を特殊なプロテクターに変える!

 鋭い爪。満ち溢れる力。
 筋組織も完全に変化している。

 ――筋肉・骨格・腱に強力なパワーを与えるッ!

 変化は収まったようだ。エプロンは破けて、形も残っていない。
 つーの体は、異形の肉体へと変貌を遂げていた。

 ――そいつに触れることは死を意味するッ!


「マズい事になったな…」
 いつの間にか、キバヤシが隣に来ている。
 いや、事態の大半はあんたのせいだ。
 とにかくこの状況を何とかしなければ、俺の命も危ういかもしれない…



  /└────────┬┐
. <   To Be Continued... | |
  \┌────────┴┘

529新手のスタンド使い:2003/12/30(火) 21:45
もう何てコメントしていいか言葉が見つからないので
乙ッ!!とだけ言わせてもらいますね

530新手のスタンド使い:2003/12/30(火) 22:34
喰われながら生きているレモナにワロ他。

531新手のスタンド使い:2003/12/30(火) 23:28
ボスケテはすごいよマサルさんですかな?

532新手のスタンド使い:2003/12/30(火) 23:58
「ボス 決して走らず急いで歩いてきて
そして早く僕らを助けて」の略

533N2:2003/12/31(水) 20:39
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      ヽ::××_)⊃ ∧ ∧   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
        )::○_:: ヽ:::: (::  ,,)  < んなこと言ってると鬼が笑うぞゴルァ!!
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 ::::::::::| 来年は週1で連載やっていけるのかな…?
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      ヽ::××_)⊃∧ ∧   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
        )::○_:: ヽ:::: (:: ;)  < ……
       (::)ノ (::::_):: /::: /U   \_____
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  ::::::::::::::

534N2:2003/12/31(水) 20:40

絶対包囲.com

「よし、それじゃ行ってくるぞ!」
ギコ、本当に大丈夫なのか…?
はっきり言って、虚勢を張っているようにしか見えない。
「…モナ太郎さんッ、あいつ本当に大丈夫なんでしょうか?」
「彼もスタンドが発現してもう何日か経っているのだ、きっと彼なりに策があるのだろう」
モナ太郎さんも随分と楽観的な意見だし…当てにならない。
「でももし駄目だったとしたら…」
オレが押さえ切れない不安をぶつけると、モナ太郎さんは気まずそうに目線をオレから逸らした。
「その時は…諦めろ」
な なんだってー!(AA略)
「言っておくがなギコ屋、戦いの世界においてはいざと言う時には自分の身内さえも見捨てて生き延びなくてはならないこともある。
私としても確かに彼を易々と見捨てたくはないが、もしそれで駄目だったら我々だけでも逃げて策を練り直すしかない」
「そんな…」
そりゃ確かにこの人の言うことは正論だ。
でも…オレにそんな事が出来るのだろうか?
もしギコが危機に陥ったなら、オレがどんな行動に出るか…はっきり言って自分でも予測出来ない。
とにかく今は、ギコの無事と勝利を祈るしかない。
「ギコ、絶対負けるなよ!!」
ミィの元へと向かう相棒はオレの声を聞いて一瞬立ち止まり、( ̄ー ̄) ニヤリと笑ってこちらを振り向いた。
「OK牧場」
…古い。お前何歳だ。

「ギコクン、マズハ キミカラ ミィノナカマニ ナリタイヨウダネ」
ミィと対峙したギコを、彼女は純粋無垢な笑顔を浮かべながら嘲笑った。
顔と言ってる事のギャップが大きすぎる。やっぱり怖い。
「…誰が手前なんかと同類になりたいと思うか、ゴルァ!」
ギコも負けじと言い返す。誰だってそー思う。オレもそー思う。
「激しく同意!!」
しかし彼女は尚も言い放った。
「・・・アーア、キミモ オトナシク センノウニ カカッタママノホウガ シアワセダッタノニネ・・・。 アノカタハ コレカラ セカイサイキョウノ AAトシテ コノヨニ クンリンナサルノヨ。
ソレナノニ ヤスヤスト ギコヤニ センノウヲトカレテ、ソレデ サイゴハ ワタシノチカラデ シンジャウンダカラ」
「…言っとくがな、俺は奴を最強になんかさせるつもりはねえ!多大なる犠牲を払ってまで強さが欲しいのか!?」
「おかしいぞ!ぜったいおかしい!!」
「ツヨサトハ タタカイヲモッテ シメサレルモノ、ヘイワトハ タダイナル ギセイニヨッテ カチエラレルモノヨ」
いきなりミィが思想的な話を持ち出した。これまでが感情論だったのに、御都合主義も甚だしい。
「ふざけるな、奴は別に世界平和の為にやってるんじゃねえ、ただの自己満足の為に人を殺しているだけだ!」
「そーだそーだ!」
明らかにあの男を侮蔑した発言に一瞬ミィの表情が乱れたが、じきにもう付き合っていられないと言いたげな顔をした。
「・・・モウ キミニハ カエスコトバモ ナイワ。サア、オトナシク ミィトオナジセカイノ ジュウニンニナリナサイ! テイコウシナケレバ ラクニイケルヨ」
「やってみな、手前の攻撃は俺には通用しない!」
「ソレジャア エンリョナク・・・ ダッコ♪」
ミィは自分が飛びかかる形でギコに接近し、スタンドで抱き付こうとした。
「ギコッ!!」
だがギコは全く抵抗しようとしない。
いや、むしろ全てを受け入れようとしているようにさえ見える。
そしてとうとう彼女のスタンドはギコをその腕の中に抱き込んだ。
「サア・・・ネムリナサイ。
・・・ツカレキッタ、カラダヲォーナゲダシテ♪」
ミィは自分のセリフが某歌謡曲の一節である事に気付き、調子に乗って途中から歌い始めた。
…やっぱり古い。こいつも何歳だ。
それでも相棒は何もせず、ただじっと目をつぶっていた。
…やる気が感じられない。こいつホントに死ぬ気か!?
「コーノーマチワー、センジョオーダカラ、オトコーハミンナ、キズヲ、オッタ、センシ♪」
「ギコ、何やってんだ!お前、遂におかしくなったのかァ―――ッ!?」
しかしギコはオレの言葉にさえも全く応じようとしない。

535N2:2003/12/31(水) 20:41

だがここでモナ太郎さんがある事に気付いた。
「ギコ屋よ、ちょっと彼を見ておかしいとは思わないか?」
おかしいって言っても…全然何も変わった様子は無い。
「失礼ですけど、何にもいつもと変わった様子はありませんよ」
「…その事自体がおかしいとは思わないか?」
その事自体が、って言っても、別にギコの顔に何か付いてる訳でも…。
…ってあれ?
「そう言えば何でミィのスタンドに抱きつかれて平気なんだ!?」
ギコの耳は全くいつもと変わり無く、また変化する兆しすら見られない。
「だが一体どうして…。彼には一体まだどんな能力が備わっているというのだ?」
よく見ると、ミィの表情に余裕が無くなっている。彼女もまたこの異変に気が付いたようだ。
「ドウゾーココロノ! イタミヲー! ヌグウッッテェーチイサナコドモノ! ムカシニ! カエェッテ! アツイムネーニー! アマエェーテェー!!」
もう歌もやけくそになっている。…失礼だが、さっきまでと大して変わっていないような気もするのだが。
そうして一番を聞き終えると、ようやくギコは目を開けて喋り出した。
「…どうだ?やっぱり手前の攻撃は俺には通用しないだろ?」
そう言ってギコは、今まで見えてなかったスタンドを出した。
「『バーニング・レイン』!ゴルァ!!」
ギコのスタンドの一振りは、呆気に取られていたミィの顔面に綺麗に入った。
高速で吹っ飛ばされたミィは壁に衝突し、見事にそこには穴が開いたが、それでも彼女は瓦礫の中から這い上がってきた。
言ってる事の不気味さにも増して、このタフネスさはバイオ級の恐怖だ。
「…推進力を加えたってのにまだ立ち上がれるとは…」
ミィの顔面はモウ ミテランナイ有様だったが、少しずつ再生しているようであった。
戻る様がまたグロテスクだ。
「・・・ドウシテ? ドウシテ ミィノウィルスガ キカナイノ? ドウシテ? ダレカオシエテ・・・」
彼女は半分錯乱しているようである。
ギコはちょっと勝ち誇ったような顔をして、ミィに言い放った。
「手前はこの音に聞き覚えはあるか?」
そう言ってギコは目をつぶり深呼吸をした。
Coooooo…という呼吸音には、オレも聞き覚えがあった。
この呼吸音は…、確か倉庫で戦った時にも聞いたはずだ。
そしてモナ太郎さんも知っているのか、相当に驚いているようだった。
「馬鹿な…この呼吸はッ!じじいのッ!!」
「どうしたんですか、一体!?あの呼吸は…?」
モナ太郎さんが答える前にギコが口を挟んだ。
「これは『波紋』と言ってな…特殊な呼吸によって生み出されるエネルギーであり、その力は言うなれば太陽のエネルギー…」
ああ、何だあれが波紋か。
「ギコ、波紋の事はもうモナ太郎さんから聞いたから…」
自信満々に知識の披露をしようとしていたギコは、突然知らされた驚愕の事実に唖然とした。
「もしかして説明不要ですかーッ!?」
「YES!YES!YES!“OH MY GOD”]
「…どこかでこんな会話を聞いたような…」
モナ太郎さんはデジャヴュにでもあったかのような顔をした。
一方ギコは最初はいじけているようだったが、急に何かを思い立ったのか立ち上がった。
「…それはともかく、俺も元々はこの能力が身に付いていた訳じゃなかった。
しかし、あの男は俺に波紋の才能があると見抜き、ちょっとしたトレーニングを課した。
奴もあの時は洗脳によって俺が完全服従していたからな、吸血鬼にとっては忌むべき存在の波紋使いを自分で生み出すことにはなるが、俺が更に強力な部下となる事の方が得に思えたんだろう。
…ところが俺に取り憑かせた霊魂が出来損ないの奴で、その内俺が奴を倒して自分こそが最強になろうと目論見始めたもんだから、
それで目障りになって奴はお前に俺を始末させようとしたんだ」
「なるほどな、自分で生み出してしまった波紋使いを始末するのは危険が伴うからか」
「そして俺のスタンド『バーニング・レイン』は本来エネルギーを司る能力!波紋が無ければその捻出には相当苦労したんだろうが、
今の俺には幾らでもエネルギーを作ることは出来るぞ!」

536N2:2003/12/31(水) 20:42

再びギコは『波紋の呼吸』をした。するとみるみるうちにスタンドの手には赤い光がともり、その輝きはますます強くなっていった。
       バーニング・ショット
「喰らいなッ、『火炎弾』!!」
そうギコが叫ぶと、「バーニング・レイン」の掌からは無数の紅い色をした銃弾が放たれた。
マシンガンかのような銃撃を受けたミィは、その傷口から炎が吹き出ていた。
「さて、これだけやればいい加減くたばるはずなんだが…」
しかしそれでもミィは生きていた。
しかもその表情には余裕すら感じられる。余計不気味だ。
「ギコクン・・・ミヤブッタワ、アナタノ ケッテイテキナ ジャクテンヲ。 ワタシヲ ココマデ イタメツケタカラニハ モウユルサナイ・・・ モウトリカエシノツカナイ ハイジンニシテクレルワ!」
「何だと!?手前まだ減らず口を利くなら今度は完全に冷やし切った後に粉々に粉砕してやるぜ!」
「・・・アナタ、ドウシテ スタンドノ カタテシカ ツカワナイノ?」
その指摘にギコははっと驚いた。一体何がまずいのだろう。
「アナタノ ハモンジュツナラ タシカニ ワタシノウィルストカモ フセゲル・・・ケドソレハ コキュウダケデハ フカンゼン。
アナタハ スタンドノカタテヲ ジブンノタイナイニ イレルコトノヨッテ! ジカニ ハモンヲナガシテ ワタシノウィルスヲフセグノニ ジュウブンナハモンヲ ナガシテイルノネ!!」
…えーと、読みづらい。
「くそッ、まさかネタがばれちまうとは…」
「だからネタって何だよ!?」
「ソウトワカレバ! スタンドト ワタシジシン! ソノダブルコウゲキデ マズハアナタヲ イタメツケテアゲル! アノカタハ「バーニング・レイン」ハ スピードニトッカシタ スタンドダト オッシャッテイタワ。
タシカニ アナタハカタテデ ワタシノスタンドニハ ジュウブンタイショデキルワ。 デモテカズガフエレバ・・・ドウカシラ?」
ああもう何を言っているのやら。
と困惑するオレには全く関心を持たずにミィはスタンドと共にギコへと突っ込んだ。
「なら手前自身をぶっ潰すまでよ!」
ギコの攻撃は完全に相手の本体狙いだった。
しかし、攻撃を入れども入れども向こうは平然としている。
「ギコクン、アナタハ ホントウニ ツヨイオトコダワ・・・。ケド アイテガワルカッタワネ、 ワタシハナニヲサレテモ ゼッタイニシナナイ 『フジミキャラ』。
ワタシニハ カテナクテ トウゼンナノ。 ソレニキヅイテイナガラモ メサキノアンゼンヲモトメテ ホンタイネライスルナンテ・・・ アナタハ スタンドツカイトシテ マダマダワネ
ホントウハ コレカラ アナタノセイチョウヲ ミタカッタノダケレド・・・ アノカタニハ カンゼンニ シマツシロト イワレテイルシ、 ワタシヲココマデ キヅツケタウラミハ アナタノシヲモッテ ツグナッテモラウシカナイワ。
・・・ソロソロ オワリニシマショウ」

537N2:2003/12/31(水) 20:45

ギコが完全に無視していた「シック・ポップ・パラサイト」の一撃ががら空きの胴に入った。
ウィルスには感染せずとも、もろに喰らった攻撃は戦況を完全にミィ優勢のものとしてしまった。
ギコは血を吐きながら吹っ飛び、そのまま壁を破っても尚その勢いは収まらなかった。
すぐにプールに人が飛び込むような音がした。
「・・・オフロバマデ フキトンダヨウネ。 デモ イマノイチゲキデ モウアナタニハ タタカウヨリョクハ ノコサレテイナイ!
サア! マズハアナタヲ キノスムマデ イタメツケ、 ソシテ ジックリトジックリト ウィルスニオカシ、 ソノイシキガ ウシナワレルスンゼンデ クビヲ オトシテクレルワ!」
ギコ、絶体絶命である。
「ちっ、この距離では時を止めても彼を救えない…。ギコ屋、逃げる準備をした方が良さそうだな。さもないと全滅の可能性がある」
「そんな…! …おいッ、ミィ!お前の相手はオレがするぜ!」
戦闘に関して三流と言われるかも知れない。でもオレにはとても相棒を見捨てることなんて出来ない。
気が付いたら、口から勝手に言葉が飛び出していた。
「待て、死にたいのかッ!?」
モナ太郎さんの制止を振り切り、オレはミィ目がけて突っ走った。
しかし、彼女は全くオレには目も触れなかった。
「ワタシモ アノカタニ オツカエシテ モウ5ネン・・・ イママデ カズオオクノ シュラバヲクグリヌケ、 トキニハナカマヲ ミステサエモシタワ。
ケレド、 ソレハワタシニトッテハ ムシロセントウニオイテ ヨリテキカクナハンダンヲクダス ダイジナカテトナッタワ! アナタノ ヤスッポイチョウハツニノルホド ワタシハアマクナイワ!!」
距離の差はおよそ5m。オレのスタンドでは届かない距離だ。
「カクゴシナサイ、ギコッ! コレガ アノカタニ サカラウモノノ ケツマツヨッ!!」
スタンドのパンチが浴槽目がけて振り下ろされる。
「うおおおおォ――――ッ!!!!」
「クリアランス・セール」を全力で飛び出させる。しかし、射程が足りない。
「・・・オワッタワネ」

538N2:2003/12/31(水) 20:45

「…波紋の扱いが精密に行える者は、例えば水なんかに波紋を流して自在に形を操れるんだ」
相棒が浴槽の中から立ち上がった。その中にはまだ沢山残っているはずの湯が無い。
…否、それはギコの手の内で四角い形を帯びて存在していた。
「どおおりゃああぁ――――ッ!!」
ギコの手に持たれた水がスタンドによってミィに叩きつけようとされた。
確かに先手はミィの方であった。
しかしギコの「バーニング・レイン」はオレよりも更に数段上のスピードを誇っている。
ミィは水を真正面からぶつけられると、そのままその中へと閉じ込められた。
「・・・ゴボッ!? ガバゴボゴボゲボ!!」
「そして波紋にも通しやすい物と通しにくい物があってな、水とか油なんかは非常に伝導率が高いんだ。
例え不死身の貴様であっても水中に閉じ込められて俺の全力波紋を受けて無事でいられるかァ――ッ!?」
「ゴボゴボゴボゴボ!!!!」
        レモンイエローオーバードライブ
「喰らいなッ、『黄蘖色の波紋疾走』ッ!!」
スタンドの手から放たれた鮮やかな黄色をした波紋は、激しい放電音と共にミィを電流で包み込んだ。
「ガバ-------ッ!!!!」

数秒の後、ギコが波紋を解除すると形を失った水の中から黒焦げになったミィが力なく落ちてきた。
もう全く動く気配は無い。
「…やったのか、ギコ!!」
「いや分からん、こいつが『不死身キャラ』である以上は全く安心出来ん。だが今こいつが倒れている内に、早く兄貴を助けて目を覚ます前に逃げるぞ!」
ギコはそう言うとすぐに走り出して俺達を誘導した。
正直こいつを放置しておくのは不安極まりないが、かと言って連れて行った方が余計危ない。
オレは横たわるミィを尻目にギコを追って階段を上った。

539N2:2003/12/31(水) 20:47

廃ビルの3階。そこにギコの兄貴は捕まっていた。
俺たちがそこに着くと、その男は天井からロープで吊るされていた。
「兄貴ぃ――――ッ」
相棒ギコの姿を見たギコ兄貴は、最初はその光景が信じられないような顔をしていた。
「…お、お前は弟か!?弟なのか!!」
「兄貴、助けに来たぜ!!」
「…そうか、お兄ちゃんはお前が必ず来てくれるものだと信じていたぞ…」
…一人称が「お兄ちゃん」…。相当なブラコンと見た。
「嬉しいぜ、兄貴!俺のことを信じていてくれたなんて…」
それを平気で受け入れる相棒も然りだ。
「よし、あのミィが目を覚ます前に逃げるぜッ!!」
「あのミィって、あいつのことか?」
「…へ?」
ギコ兄貴が指差す先には、黒焦げになり立つことすらおぼつかないようだが、壁に寄り掛かりながらもまだ闘志を燃やすミィがいた。
「シツコクミィキタ━━━━━(゚∀゚;)━━━━━!!!!」
「何てこった…。これじゃあ何をやっても無駄じゃないか!!」
うろたえる俺たちの声が耳に入っていないのか、ミィは1人で喋り出した。
「・・・ニガサナイ・・・ケッシテ・・・ワタシハフジミ・・・ケッシテアナタタチニナゾ・・・」
「くそっ、こうなったら奴を分解してその隙に逃げるっきゃねぇ―――ッ!!」
「で、でもそれでもこいつが生きている限りはいつまでも追ってくるぞ!!」
「うろたえるな、弟、ギコ屋。既に決着は付いた」
「…は?」
理解不能のオレ達にギコ兄は語り始めた。
「よく見ていろ、あいつの顔を。どういう変化をするのかしっかりとその目で見届けろ」
「…?」
変化…と言ってもミィの顔は相変わらず怨念と闘志に満ちている。
…が、心なしか表情がさっきよりも穏やかなような…と思うと、みるみる無表情になっていった。
「おい、こりゃどうなってんだ!ミィ、手前一体…」
「・・・ヒガシ」
「はぁ?」
「ヒガシ・・・イカナキャ・・・ ヒガシ・・・ドコ?」
何だあれは。
あれは最早ミィとは呼べない。ミィの皮を被ったでぃだ。
「な…何なんだよこりゃ!?兄貴、一体何したんだ!?」
自分を揺さぶる弟を一見してからミィの方を向くと、ギコ兄はスタンドを発現させた。
「ってあんたまでスタンド使いかいッ!」
「私の能力『カタパルト』はスタンドによって分析した物質を材料から複製することが出来る。
今私はあのミィの脳細胞の一部から奴に気付かれぬうちに「でぃの脳細胞」を複製してそのまま埋め込んだのだ。
でぃ族の要素が少しでも加われば、しぃ族は呆気なく堕ちてゆく…。彼女は一生あのまま東を目指し続けるだろうな」
流石にちょっとやり過ぎのような気がするが…、でもこうしなけりゃオレ達が死んでいたのだ。
これが勝負の世界の掟なのだろうか。

540N2:2003/12/31(水) 20:48

モナ太郎が不審に気が付いたのは、3人が戦いを終え小休止している時であった。
蛍光灯の光が、おかしい。さっきから急に明るくなったり暗くなったりを繰り返している。
(…まさかッ!?)
3人は全く異変に気が付いていない。今から口で言っても間に合わない。
「スタープラモナ・ザ・2ちゃんねる」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

(ドォ――――――ン)
モナ太郎は3人をスタンドで掴むと、窓の方へと勢い良くぶん投げた。
そしてすぐに彼自身も窓へ向け駆け出し、まさに飛び込もうとしている時に時間が切れた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

4人がガラス窓を破って外へ出た次の瞬間、つい一瞬前までいた廃ビルは雷の如き電流に包まれた。
「………!!!!!!??????」
3人は時の止まる前後の状況の余り変化に全く思考がついていかなかった。
「って何じゃゴルァァ――――ッ!!」
「…なっ、これは一体…!?」
「うわああああああ!!!!」
建物は見るも無残に崩れ去っていった。
もしモナ太郎が何も気付かずにあのまま建物の中にいたら、命は無かっただろう。
着地した時には、もう廃ビルは完全に原型を留めていなかった。

541N2:2003/12/31(水) 20:49

「…酷い真似を…」
ギコは廃墟を見つめながら1人呟いていた。
ミィはあの電撃で焼失したのだろう。
確かに自分を殺そうとした相手ではあったし、あのまま生きていたとしても決して幸福な人生を歩んでいたとは思えないが、
それでもギコは突然の惨劇に憤りを感じずにいられないようであった。
ギコ兄はそんな弟を尻目に「カタパルト」をコンクリートの山に登らせていた。
「…『カタパルト』でこの瓦礫の山を視たのだが、炭素反応は確かにあるがどれも微塵に分散している。
ましてや、生体は全く存在していないな」
ミィの結末を、ギコ兄は確かなデータから証明付けた。
それをギコは、ガラスを爪で擦る音を聞くような顔で聞いていた。

でも、一体誰がこんな真似をしたというのだろう?
これが単なる事故のはずなんてない。
何者かがオレ達を始末するためにやった事に違いない。
「…モナ太郎さん、これは一体どういう事なんでしょう?」
この事態に気付いたのはモナ太郎さんだけだ。
彼に聞けば何か知っているかもしれない。
「…分からんな。ただこれがスタンド攻撃であることは間違い無いのだが…」
オレの期待も空しく、モナ太郎さんも何も知らないらしい。

542N2:2003/12/31(水) 20:50

「…そんなの、奴の仕業に決まっているさ。
…言っとくが、俺たちを今暗殺しようとしても無駄だ…止めておけ」
突然ギコは右の拳で左の掌を叩いた。
そこから高速で銃弾が飛び出す。
それは近くのビルの壁にぶつかって反射し、その先には…人!?
いや違う、あれは人ではなく、人の形をした…光?
その右手には相当な大きさの金色に光る球が乗っている。
その光る人は自分に迫る弾を左手で指さすと、バリッ!という音と共に放電してかき消した。
「やはりな、ビル1つ崩壊させる電気を使えるスタンドと言ったら、奴の部下では手前だけだ」
自分の目論見を見破られたことを知っても、そいつは余裕のある含み笑いをしながらギコを見下ろした。
「流石だよギコ。奇襲から見事に逃れた時点で作戦が失敗したことは分かっていたが、私の行動をここまで見破るとは思いもしなかった」
「作戦が失敗した…って言っときながらその手にある電気の塊は何だ?」
ってあれは電気の塊だったのか。
もしあんなもん落とされてたら真っ黒焦げじゃ済まされない。
ギコが気付いていなかったら今度こそ命が無かっただろう。
「ハハ、失礼失礼。まあ、これ以上ここに居座っていてもしょうがないから、そろそろ帰らせて貰うよ」
電気の男はそう言って手の上の光を消滅させた。
「…待て、貴様どうして自分の仲間さえも巻き添えにした?」
作戦も失敗し、いざ帰ろうとする男をギコは呼び止めた。
「…元々君の兄上は君たちを全滅させる為の囮だったのさ。本当はビルに入った途端に殺しても良かったんだけど、
そういうのは私の美学に反するんでね…。元々それはあの方直々の作戦だったんだけど、ミィの奴はそんな事も知らずに見張り役になると言い出してね、ハハ、笑っちゃうよ」
…こいつ、自分の仲間が死ぬと分かっていながら…!
「手前、分かってたんならそうだと言ってやれば良かったじゃねえか!それなのに何で見殺しに…」
怒るギコを呆れたような顔で男は見た。
「そもそもあの方はあいつを前々から鬱陶しく思われていてね、不死身の肉体に危険なウィルスのスタンド、
自分の言いなりになっている内は良いが、もし離反でもしたなら脅威になりかねないからね。
あの方をそれを前々から私に漏らしていたから、事のついでに奴を始末したって訳だ。ハハッ、哀れな女だよ。
まさか奴も自分が見捨てられる側に立つなんて思っちゃいなかっただろうに」
…こいつぁーメチャ許せんよなあー!
「おいッ、電気!お前幾ら何でもひどすぎだぞ!!」
ギコ兄はそんなオレを見て疲れたような顔をしながら言った。
「…お前はもう少し冷静になれないのか?」
「…ハアッ!?」
「奴らとて馬鹿じゃないんだ、そういう『粛清』も時として必要になるものなのだろう」
「でもッ、だからってあいつのやった事は…」
「まあ待て、私が言ったのは一般論だ。大きい組織を維持する為には時には無実の人間を始末する必要も出てくる。
…但し、こんな自分勝手な人間の我儘に付き合うような男にそんな事をする権利があるとは私は思わん」
何だ、ギコ兄も冷静な風で結構分かってるじゃん。
「だから既に鉄筋を寄せ集めて槍に作り変えた。喰らえッ!」
ギコ兄は背後に回りこませたスタンドに鉄槍を投げさせた。
だが、相手はそんな攻撃にはお構いなしであった。
「…そろそろ時間だ。いい加減スタンドを遠征させたままではあの方の電気マッサージの時間に間に合わなくなる。
今日はこの辺で帰ることにしよう」
電気の男はそう言い残すと、辺りは雷の落ちたような光に包まれた。
…見ると、もうあいつの姿は無かった。
「畜生、逃げやがったか!」
「この周辺には異常なイオンの流れは見つからない…、どうやら本当に逃げたらしい」
悔しいが、今日の所は勝負はお預けのようだ。

543N2:2003/12/31(水) 20:51



「…でも不安ですよ、あなたが帰っちゃうなんて」
アナウンスが聞こえてくる。モナ太郎さんが乗る飛行機の搭乗の時間が近いらしい。
「本当は私もまだここにいたいのだがな、私も財団の関係者である以上どうしても世界各地を回らなくてはならないのだ」
モナ太郎さんがいなくなってしまって、果たしてオレ達は大丈夫なんだろうか?
「心配すんな相棒!この人がいなくたって俺がいるじゃねえか、ゴルァ!」
「そうだ、君には心強い仲間がいるじゃないか」
…そうだ、そうだよな。
オレにはギコというこの世で最高の相棒がいるじゃないか。
こいつさえいてくれれば、どんな奴が出てきたって大丈夫…のような気がする。
「それじゃあ、元気でな。私も暇を見つけ次第なるべくこの町に来るよう心掛ける」
そう言ってモナ太郎さんは去って行った。

「よーし、ギコ!絶対にあいつらをブッ倒すぞ!!2人で頑張ろう!!」
そう意気込むオレを、ギコは不安そうな顔で見てくる。
「何だよ、いきなり怖気付いて!さっき大丈夫って言ったのはお前の方だろ?」
「…いや…さ…、何だか俺の後ろから鋭い視線が…」
後ろ…?
ギコの後ろにあるものと言ったら電柱くらいしかない。
とその陰に何かが見える。
…あ。
「…ギコ屋よ、貴様のせいで弟は危険に晒されているのだぞ…」
うわあ。黒いオーラと共に発せられる言葉には凄みがあるッ!
「だがな、弟が貴様如きにわざわざ力を貸すと言っているのだ、私もこの戦いに協力しよう…。
但しッ!それはあくまで弟に対してだ、お前にではないッ!!」
オレもそこまで邪険に扱われるとは…。
「…私はいつも最寄の電柱の陰から『お前』を暖かく見守っているぞ。
…それとギコ屋。…二度と私のことを忘れるな」
無視されたことを相当根に持っているらしい。何て陰湿な性格なんだ。
「ああ、だから友達がいないからいつまで経っても弟離れ出来ずに…」
ふと気が付くと、さっきまで近くに停めてあった自動車5,6台が無くなっていた。

「ロードローラーだッ!!
ウリイイイイヤアアアッーぶっつぶれよォォッ」
だが着地した時にはもうオレとギコは遠くを歩いていた。
「なあギコ、今日は大分遅くなっちゃったけど晩ご飯は何にする?」
「そうだな、じゃあ奮発して外食にするかゴルァ」
「よーしパパ奮発しちゃうぞー」

「弟にまでスルーされた…」
ギコ兄には夜風がより一層冷たく感じられた。

544N2:2003/12/31(水) 20:51



この町で起こるあの男の野望をめぐる戦い。
オレ達はこの戦いが奴の凶行を食い止める為のものでしかないと思っていた。
しかしそれがこの町のものだけではない、
この時はまだ存在も知らなかった町「茂名王町」で起こっている争いにまで関わっているなど、
オレ達は、いやあの男でさえも知る由は無かった。
夜空に輝く月は不気味に紅く染まっていた。
まるでこれから起こる血で血を洗うような戦いを予言するかのように。

この町に渦巻いているのは、あの男の陰謀だけではなかった。



  /└────────┬┐
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