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スタンドスレ小説スレッド

1新手のスタンド使い:2003/11/08(土) 01:58
●このスレッドは『 2CHのキャラにスタンドを発現させるスレ 』の為の小説スレッドです。●

このスレでは本スレの本編に絡む物、本スレ内の独立した外伝・番外編に絡む物、
本スレには絡まないオリジナルのストーリーを問わずに
自由に小説を投稿する事が出来ます。

◆このスレでのお約束。

 ○本編及び外伝・番外編に絡ませるのは可。
   但し、本編の流れを変えてしまわない様に気を付けるのが望ましい。
   番外編に絡ませる場合は出来る限り作者に許可を取る事。
   特別な場合を除き、勝手に続き及び関連を作るのはトラブルの元になりかねない。

 ○AAを挿絵代わりに使うのは可(コピペ・オリジナルは問わない)。
   但し、AAと小説の割合が『 5 : 5 (目安として)』を超えてしまう
   場合は『 練習帳スレ 』に投稿するのが望ましい。

 ○原則的に『 2CHキャラクターにスタンドを発動させる 』事。
   オリジナルキャラクターの作成は自由だが、それのみで話を作るのは
   望ましくない。

 ○登場させるスタンドは本編の物・オリジナルの物一切を問わない。
   例えばギコなら本編では『 アンチ・クライスト・スーパースター 』を使用するが、
   小説中のギコにこのスタンドを発動させるのも、ギコにオリジナルのスタンドを
   発動させるのも自由。

 ★AA描きがこのスレの小説をAA化する際には、『 小説の作者に許可を取る事 』。
   そして、『 許可を取った後もなるべく二者間で話し合いをする 』のが望ましい。
   その際の話し合いは『 雑談所スレ 』で行う事。

263神々の遺産:2003/12/11(木) 00:33

「うっ・・・・・」
俺は目を覚ました。どうやら寝てしまったらしい。
頬が張っている。顔には時計の跡がついている。・・・・・格好悪い。
どうやらもう放課後らしい。時計を見て確認した。
「・・・・・どうして誰も起こしてくれないんだよ。」
俺は少し、悲しみと寂しさと涙が込み上げてきた。
教室には数人がいるだけで、閑散としている。
かばんを持って、ヨロヨロと立ち上がった。
「あっ、いたいた。ねぇ、黒耳君。」
その声を聞き、俺は振り向く。
声の主は、同じのクラスのしぃだった。
「ほらっ、何してるの?早く出てきなよ。」
そう言われて、もじもじしながらドアのところから出てきたのは、同じクラスのつーだった。
しぃとつーは姉妹だ。もっとも、血がつながっているわけではない。
しぃの両親が、孤児院にいたつーを引き取ったらしい。
「あの・・・その・・・・」
つーがもじもじしながら俺を見る。
俺に何かを用事があるようだが、もじもじしていて何を言いたいのかまったく分からない。
しぃの両親は出来た人らしく、しぃにもつーにも分け隔てなく育ててきたらしいのだが、
なぜか、つーはおとなしい性格になってしまったらしい。
まぁ、なんでこんなにつーのことに詳しいのかと言うと、俺としぃ達の両親は、昔から面識があったからだ。
つまり、幼馴染ってやつだ。
酒の席で、もっとも俺はいるだけだったが、色々聞かしてもらった。
「あの・・・その・・・」
つーはまだもじもじしている。
その様子にしぃが我慢ならんっと言った感じで
「あぁもう!つーが言わないんだったらあたしが言っちゃうよ!?」
「え・・・・、分かったよぉ、私から言うよ・・・・」
つーが俺のほうにくるっと向き直った。
「あ、あのね、こ、今度の日曜日、私の誕生日なんだけど・・・・・」
「あぁ、そういえばそうだな。」
「そ、それでね、今度、私のうちで誕生パーティーするんだけど・・・・・」
「それに俺に来い、と。」
「う、うん。ダメ・・・かな?」
つーの誕生パーティーか・・・別に行ってやらんこともないがしかし・・・
そういう誕生パーティーというものには、大概、男は誰もいなく、女の子だけと言う場合が多い。
そんな中、俺一人男と言うのは・・・・・かなりきつい。
「なぁ、それって男も来るのか?」
「ん?それなら安心だよ。あんたの他に、一応ギコも呼んであるけど。」
「ギコ?ギコも呼んであるのヴァ!?」
俺の背中に衝撃が走る。つーたちの顔が横に流れていく。
俺はそのまま、地面とキスをした。
「呼んだか?」
ギコは俺の背中に足を置いたまま、俺に聞いてきた。
一体どこから現れたんだ・・・・?
ギコはしぃ、つーと同じく、俺と同じクラスだ。
小さい頃、親が死んで、行く当てもなかったので、孤児院で暮らしているらしい。
ぞれにしても何故に蹴るんだ・・・?俺ってばなかなかひ弱なんだぞ?折れたらどうするんだ。
「いや、呼んでないぞ・・・」
俺は、俺の背中にある足を無理やりどけて立ち上がった。
「そうか?それならいいんだが。」
俺にわびる様子もなく、そのまま帰ろうとする。
「あっ、そうだ。お前、つーの誕生パーティーに行くのか?」
「あぁ、誘われたからな。もちろん行く。」
ギコはそっけなく返す。
そうか・・・ギコがいくのか。意外だな。
俺は内心、かなり驚いていた。
ギコは、教室の窓側のほうでよく小説を読んでいる、おとなしい(?)奴だ。
だから、こういう騒がしいパーティーみたいなものはあまり来たがらない。
「そうか、なら俺も行くよ。」
俺がそう答えた瞬間、つーの顔がぱっと明るくなった。
「ほ、ほんとぉ!?じゃ、じゃあ場所と時間は折り入って連絡するから!」
そのまま教室を走って出て行った。
一体何なんだ?
「ちょ、ちょっと待ってよ!」
しぃは、つーの後を追って教室を出て行った。
「さて・・・・・」
俺はかばんを持ち直して、ギコと一緒に教室を出て行った。

264神々の遺産:2003/12/11(木) 00:34

俺とギコが一緒に帰っていると、人が二人倒れているのを見つけた。
片方は腰の辺りまで伸びたロールが掛かった金髪の髪、フランス人形みたいな綺麗・・・と言うよりかわいい女の子。
来ている服もフリルやリボンの付いた可愛らしい服だ。
もう片方は、ロングコートを着ていて、帽子を深く被り、マスク、サングラスをしているので、顔が分からない。
まるで、身体がなるべく見えないようにしているみたいだ。
「うぅ・・・」
ロングコートの男が気づいたようだ。
「大丈夫か?」
俺たちは駆け寄った。
すると、ロングコートの男は酷く怯えて
「く、くるなぁ!!」
ロングコートの男は俺を睨んだ。
その瞬間、俺の頭の中に何かが入ってくるような感じがした。
頭の中を探られている。そんな気がする。
俺は、何が起こっているのか分からずに、困惑していると、ロングコートの男が突然ビクっとして
「そ、そうか。お前も『神々の遺産の』なのか・・・。頼む、この子をこれ以上悲しませないでくれ・・・・」
俺にそう告げて、ロングコートの男はまた気絶してしまった。
すると、何時の間にか頭の中の悪寒が消えていた。
「・・・どうする?」
俺はギコに聞いた。ギコは、大きなため息をついた。
「仕方がないだろう?とりあえず、どこかに運ぼう。」
俺は女の子を負ぶさって、俺の家に運んだ。
本当は、病院に運んだほうがよいと思うのだが、とギコに言ったら、
「何か分けありらしいから、とりあえず病院はよそう。」
と言う答えが返ってきたので、俺の家のほうが近いので、俺の家に運ぶことになった。
俺が女の子、ギコがロングコートの男を運んでいる。
情けないことに、三分も経たずに汗だくになった。
骨が軋んでいる気がする。
・・・・・俺ってこんなにひ弱だったかなぁ?

265神々の遺産:2003/12/11(木) 00:35

俺の家に着いた。
どこにでもありそうなフツーの家。
家には誰もいない。
俺の母親は死んでしまっていないし、
父親は海外で働いているので、当然といったら当然だ。
ロングコートの男と女の子は、まだ眠っている。
とりあえず、俺とギコはロングコートの男と女の子を床において、二人が目覚めるのを待った。
二十分後、女の子のほうが先に目を覚ました。
きょろきょろ周りを見回している。
俺と目が会うと、俺に向かって、やけに落ち着いた様子で、
「やっと会えたわね、『神の誤算』。」

この時、夢の中で出会った少女が歌っているのが頭に浮かんだ。
まるで、俺達の運命を慈しむように。
歌う歌う。運命を歌う。
回る回る。運命が回る。



  /└────────┬┐
. <   To Be Continued... | |
  \┌────────┴┘

266新手のスタンド使い:2003/12/11(木) 11:38
>>246の続き

ブラッドは男の家に連れて行かれていた。
所々壁が剥れかけている古臭いボロアパートだ。
(よかった・・・。どうやらホテルへGO!の展開は免れたようだな。)
「さ、中へどうぞ。」
そういって男はドアを開けた。
部屋はちょっと狭かったがなかなか綺麗に片付いていた。

男は上着を脱ぐと台所へと向かう。
「そういやあなたの名前聞いてなかったけど、なんて名前なの?」
「僕の名前はフェラーチョって言うんだ。」
そう言うとフェラーチョは冷蔵庫から食材を取り出し料理を始めた。
「君さっきお腹すいてるって言ってたよね。いま僕の特製カレー作るから
 ちょっと待ってて。」
「分かった。手短に頼むよ。」

しばらくして・・・。
「出来たよー。たっぷりと召し上がれー。」
フェラーチョは皿に大盛のカレーを持って来た。
「有難う。じゃあ頂まーす。」
ブラッドはカレーを一口口に含んだ。
(お、結構いけるじゃねーかこのカレー。バーモントのルーだけでもこんなに
 美味くなるなんて驚いたな。後で作り方を教わっておくか。)
美味いカレーと言うものは何杯でいけるもので、ブラッドは少なくとも5杯は平らげた。

だがこのカレーが普通のカレーでは無いことにブラッドはまだ気がついてなかった。

267新手のスタンド使い:2003/12/11(木) 12:02

異変に気がついたのは5杯目に突入した時だった。

ガリッ!

(イテッ!何だ?何かが舌に刺さったぞ。)
ブラッドは恐る恐る口から刺さったものを取り出した。
(これは・・・人間の爪?マニキュアが塗ってある所を見ると、女の爪の様だな。
 何でカレーにこんなのが入っているんだ?)
そんな事は気にも留めないで、5杯目も完食した。

「ご馳走様。じゃあ帰るね。」
そう言ってブラッドが帰ろうとした時だった。
「待って。折角だから一緒にお風呂でも・・。」
(きゃあ〜〜〜〜〜!ホテルでなくともこの展開が起きるのね〜!やばい!
 早くここを出ないと!)
慌ててドアノブに手をかけた瞬間。フェラーチョがボソッと呟いた。
「第二のスイッチ・・・押したね。」
だがブラッドにこの声は届いていなかった。

(くそー!焦っていてドアが開かねー!・・ん?)

ドクッ・・・ドクッ・・・

(こ・・この心拍数の上昇は・・!や、やばいまたあの時と同じ状況に!
 ああ、俺はノーマルなのに・・・。諦めるしかねーよ。)

268新手のスタンド使い:2003/12/11(木) 12:45

「おかしい!何かがおかしい!あのフェラーチョって奴に会った時からだ!
 あいつが元凶なんだ!きっとそうだ!」
ブラッドは独り言を言いながら脱衣場で服を脱いでいた。
その服も血液を固めて作った物なのだが。
風呂場に入るともうお湯がたまっていた。
「さ、入るとしますか。・・・で、当のフェラーチョ様は何処へ行ったかのかと。」
その時、ブラッドはいきなり何者かに後頭部を掴まれ、湯船に押し込められた。
「ゴボッ!ガバアッ!な、何が!?」
「ふふ・・・。君みたいな女の子は食べちゃいたい位好きなんだよね〜。
 そう、『食べちゃいたい』位にね。」
声の主はフェラーチョだった。手には何処にあったのか鋸が握られている。
「さ、君が死んだら解体作業を始めて・・」

グシャアア!!!
「ぐええっ!」
ブラッドの腕が180度回転してフェラーチョの顔面に拳を叩き込んだ。
体が元々液体だからこのような芸当もお手の物なのだ。
「ひいい!い、いったい・・・。」
「そうか、分かったぞ!さっきのカレーに入っていた爪の意味が!お前は
 俺みたいに女を誘い、そして今のように解体して食ってたんだな!」
変身能力を解除したブラッドがフェラーチョに詰め寄る。
「!お、お前は女じゃなかったのか!?」
その言葉でブラッドはふと気がついた。
「あ―――!俺の馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿―!最初から変身を解除してりゃあこんな事には
 ならなかったんじゃねーのかー!あ―――!」
「くそ!僕の秘密を知ったからには生かしちゃ置けない!」
「俺だってお前のことを許さない!そのパンチパーマーもこれが見納めだな!」
そう言って殴りかかろうとした時。
「第一のスイッチ・・。」

269新手のスタンド使い:2003/12/11(木) 13:29

ガクン!
「なっ!か、体が重い!」
いきなりブラッドは誰かにのしかかられたように身動きが取れなくなった。
「これは・・。てめえもスタンド能力者か!」
「御名答〜。だがもう遅いよ〜。」

フェラーチョは洗面所からドライヤーを持って来た。
「君は見たところ体が液体だから打撃系の攻撃は効かないみたいだねえ。
 だが、この漏電したヘアドライヤーを・・。どうすると思うね〜?
 乾かしてやるんじゃねーぞ!ひゃははは!」
フェラーチョは甲高い笑い声を上げている。
(くそ!ここまでか・・。)
そう諦めかけたときだった。

ドカアアアン!
「ぎゃあああ!」
フェラーチョがいきなり吹っ飛ばされた。
後頭部に回し蹴りの直撃を受けたようだ。
「まったく。探したんだぞお前。」
そこにいたのは・・・・。
「死んだはずのッ!」
そこにはアヒャが立っていた。
「マスター!」

「YES I AM!」

アヒャは、立てていた人差し指を真下に向けた。
そして、「チッ♪ チッ♪」と言いながら親指だけ立てた右手を振る。

「お、お前はいったい・・。」
「俺か?俺はコイツの本体。アヒャってよんでくれ。」
アヒャはフェラーチョの首根っこを掴むと茶の間にブン投げた
ガシャアアアン!!
ちゃぶ台が豪快な音をたてて割れた。
「お、お前僕達のこと尾行していたな!」
「尾行?俺はコイツを見失って探していただけさ。」
アヒャは風呂場で動けないブラッドを指して言った。
「なら、なぜここの位置が分かったんだ!?」
「ならば玄関をよ〜く見てみな。」
フェラーチョが玄関を見ると、血のついた足跡がべっとりと付いていた。
「ま、まさかこの後をたどって・・。」
「そ、そういうこと。」
「だが外はこの暗闇の中、どうやって見つけたんだ!?」
「悪い、俺んち肉屋でたまに手伝いで解体なんかやらされているから、
 血の臭いには敏感なんだよ!」
アヒャがボキボキと手を鳴らす。
「さ、罰としてその立派なパンチパーマーを取らして貰いましょうかね!」
その時ブラッドが叫んだ。
「そいつの髪を見ちゃだめだ〜!」

270新手のスタンド使い:2003/12/11(木) 14:21

アヒャの拳がフェラーチョを捕らえた。
パシイッ
「あれ?」
だが奇妙なことにパンチが平手一つで防がれている。
「フフ・・僕には勝てないよ・・。」
フェラーチョは懐から電動ドライバーを取り出した。
「これで君の目玉を取らせて貰うよ!」
そういってフェラーチョがアヒャに馬乗りになった。
「な、何だ!?ち、力が入らない!」
ギュイイイイイン!
ドライバーがアヒャのほほの皮膚を削っていく。
「うわあああ!く、ブラッド!何やってんだ!早く助けろ!」
「そんなこと言ったって俺動けないんだよ!こっちが助けてほしいよ!」

ブラッドが動けない?
その時、アヒャの頭にある疑問がうかんだ。
スタンドが動くことが出来ないなら、こちらも動けないはずだ、
だが、なぜスタンドだけが身動きがとれずにいて、
本体である自分が動けるのか?
もう一つ。
兄から聞いたが、スタンドは一人一能力のはず。
だが自分とブラッドに起きている現象は明らかに別のもの、
これはいったいどういうことか。

「フフフ・・君もしぶといね。さあ、これで終わりにするよ!」
フェラーチョの声が頭に響く。

ああ、俺は死ぬんだ。決定的に。
アヒャはそう思った。

人が死ぬ間際って、ドーパミンかなんかの作用で動きがゆっくりになる
って聞いたな。これもその一つか・・・。
テレビの音が何時もより大きく聞こえる。
最後に「笑っていいと」も見たかったな・・・。
タモさん・・・。

「恐るべし!ピグマリオンの暗示効果!」
テレビから聞こえていたのはこれか・・・。

・・・・・暗示!?

ぐいっ!
アヒャの腕に力がこもる。
「な、なにい!?」
「気が付いたぜぇ〜お前の能力!お前のスタンドは、対象に「暗示」をかける。
 ただし暗示をかける際なんかしらの「スイッチ」をスタンドで設定しとかなきゃ
 ならない・・・そうだろ!」
「くっ、なぜ僕の能力が分かった!?」
「テレビだよ。今テレビの特集で暗示についてやっていた。それを聞いて閃いたのさ。
 俺のスタンドが動けないのに俺が動けるのはおかしいと思ってさ。
 どうやら、対象がそれは「暗示」であることに気がついた瞬間、効果は失効するみたいだなあ。」
いつのまにかブラッドが茶の間にやってきていた。
「さんざん人を弄びやがって!ただじゃ済まねえぞ!」
「ひ、ひえええ!!デッドチャップリン!攻撃しろ!」
フェラーチョの体からスタンドが浮かび上がり、
ブラッドに向けて拳を放った。

ぺちっ・・・・・・

「・・あれ?な、なんで!?」
「ほほう。能力が強い分スタンドの格闘戦闘能力はかなり低めのようだな。
 俺だってコイツの能力に殺されかけたんだからなあ。」
「二ヒヒ。マスター。駄目押し、行きますか!」
「OK!」

「せいやああああああ!!!!!」
本体、スタンド、二人分のラッシュをフェラーチョに打ち込む。
「ウゲェフェエイ!!」
ドガシャアアアン!
フェラーチョは壁に叩き付けられ意識を失った
「ハブ ア ナイストリップ!」

世界のフィンガー「くたばりやがれ」日本式のポーズをとって
アヒャはそう言った。

フェラーチョ→騒ぎを聞きつけたお隣さんの通報で警察が。家の中を調べられた結果。女性の「一部」が見つかり
       タイ━━||Φ|(|・|≧|・|)|Φ|━ホ!!! 再起不能。

アヒャ&ブラッド→この事件に懲りたのかオヤジ狩りをやめる。戦利品、
         オヤジ達から計二十六万円。

271新手のスタンド使い:2003/12/11(木) 14:27
スタンド名:デッドチャップリン
本体:フェラーチョ

破壊力:E スピード:C 射程距離:(可変)スタンドそのものはE
持続力:B 精密動作:B(能力)スタンドそのものはD 成長性:C

能力:対象に「暗示」をかける。
スタンドが予め定めた「スイッチ」を踏むと、対象に暗示をかけることができる。
かける暗示は本体が考えたことがかかる。
スイッチの例。髪をじろじろと眺めた。家の内側のドアノブに触れたなど。
暗示のかかりかたは強力で、「目が見えない」と思い込まされれば本当に目が見えなくなり、
「自分では勝つことが出来ない」と思い込まされればそれに従って、行動を起こしてしまう。

ただし、対象がそれは「暗示」であることに気がついた瞬間、効果は失効する。
これは別に自分で悟らなくても、他人に「それは思い込みだ」ということを教えてもらい、対象が信じたらその時点で失効する。

弱点は、対策をとった人にはかなり情報を伝える手段が限定されること
スタンドの格闘戦闘能力はかなり低めであること、等があげられる。
ちなみに、「自己暗示」は使えない。

アイデアスレの>>238氏、提供有難うございます。

272新手のスタンド使い:2003/12/11(木) 14:30
※ブラッド女装イメージAA図

  /ノハヾ(ヽ
  (゚ヮ ゚ リシ
  ,<'lYl´llゝ    ←こんな感じ
  (/ノハヾ[l])
   ノ-ハ-l、

273新手のスタンド使い:2003/12/11(木) 16:39
>>272
(´Д`*)ハァハァ

274新手のスタンド使い:2003/12/11(木) 16:46
>>272
男と言う事をお忘れなく。

275新手のスタンド使い:2003/12/11(木) 16:51
>>274
でも変身中は完全に女型であろう、
本体も焦るくらいに…。

276新手のスタンド使い:2003/12/11(木) 17:45
                               ∧_∧
                             (゜∀゜ )  
                             /    ヽ
                        _/⌒  ||   イ |    
 .                       // /\ リ   | |    
                       /./ λ   ヽ   Λ  :..     
                  _ ,(⌒  /:::\__  _/::::: _)::..  
                 ( __ )ー'       ̄


NAME アヒャ

笑っていいとも好きの高校一年生。
犯罪歴:万引き、傷害、無賃乗車など
性格は深く考え込まない明朗快活な楽天家。
近所の人達からは、親しみを込めて「悪餓鬼」と呼ばれている。
『矢の男』に関しては別段詮索する気は無いらしい。

277新手のスタンド使い:2003/12/11(木) 18:17
高校生だとリアルタイムでいいとも見れないと思うんだが、
増刊号を欠かさず見てるのかな。それとも録画?
どっちにしてもかわいい・・・

278新手のスタンド使い:2003/12/11(木) 19:21
授業サボって職員室とか視聴覚室とか用務員室に忍び込んで見るくらいは
やりそうな気がするw

279:2003/12/11(木) 22:21

「―― モナーの愉快な冒険 ――   影・その10」


 半刻余りで、リナーは説明を終えた。
 リナー自身のこと。
 吸血鬼のこと。
 スタンド使いのこと。
 『アルカディア』のこと。
 『教会』のこと。
 ASAのこと。
 ただ、連続殺人の犯人がもう一人の俺であった事と、俺がじぃを殺した事は伏せていた。

「じぃは完全に吸血鬼になった為、『教会』が葬った」
 リナーは、皆にはそう説明した。
 しぃが泣き崩れる。
 そう言えば、しぃとじぃは親友だった。
 ギコとモララーもうつむいている。
 クラスメイトが死んだ。しかも、吸血鬼となって…
 彼らも、この非現実に足を踏み込んだのだ。
 俺は… 眩暈がした。胸の傷も痛い。
 じぃを思い出すたびに、俺はこの苦しみに襲われる。
 突然、ギコは顔を上げて叫んだ。
「何で、そんな事になったんだ…! アイツは、普通に生きていたはずだろうが!」
 かなり憤慨しているようだ。
 リナーは冷ややかに答える。
「原因は不明だ。だが、彼女は吸血鬼としては不可解な点が多かった。
 日光が平気だった代わりに、吸血鬼としての能力は著しく低い」
「んな事、どうだっていいんだよ!!」
 ギコは叫びながら立ち上がり…
「…悪い、あんたに言っても仕方なかったな…」
 冷静になって座った。
「それも、『アルカディア』って奴がやったっていう可能性は?」
 黙って腕を組んでいたモララーが言った。
 リナーが首を振る。
「分からん。だが、彼女を吸血鬼化したところで、『アルカディア』に得することもないだろうし…
 そんな個人単位の噂が『アルカディア』の耳に届くほどに流れたとも思えん」
 『じぃは吸血鬼の出来損ない』。
 そんな噂、当然だが耳にしたこともない。
 女同士の確執は大きいと耳にするが、そういう噂を立てたりするものだろうか?
 ふと、泣いているしぃに視線をやった。
 彼女の悲しみは本物である。
 黒い嘆きの感情が、視ようとしなくても伝わってくる。

「で、その『アルカディア』ってやつが、俺達の学校に潜伏してるかもしれないんだな?」
 ギコが、今度は幾分落ち着いたように言った。
「ああ…」
 リナーは力無く頷く。
「だが、さっき説明したとおり、ある吸血鬼の言葉からの類推だが…」
 いまいち、リナーも自信が持てないようだ。

『奴の居場所なんて、能力の性質を考えれば明らかじゃないか?
 「空想具現化」の力が存分に振るえる場所さ…!』

 あの吸血鬼は確かにそう言っていた。
「ふざけた話だな…!」
 ギコは再び憤慨しだした。
「俺達の町を、何だと思ってんだ…! アルカディア(理想郷)だと…、ふざけやがって!!」
 そして、立ち上がった。
「俺は手伝うぜ! 吸血鬼? 殺人鬼? 『矢の男』? そんな奴ら、関係ねぇ!!
 この町の誇りは、この町に住んでいる俺たちが守る!!」
 一気にまくし立てたギコに続いて、モララーが口を開いた。
「まあ、『矢の男』だった僕が言うのも何だけど…
 ここは、僕達の生まれ育った町なんだ。そんな危ない奴、放ってはおけないね…」
 どうやら、二人ともやる気のようだ。
「あの… 私も…!」
 しぃが声を上げた。もう泣き止んでいるようだ。
「学校とか道とかで怪しい人を見たら、すぐみんなに伝えるようにする…!」
「ああ、頼んだぜ。でも、絶対に危ない事はするなよな…」
 ギコは優しく言った。

280:2003/12/11(木) 22:22

「よく言うモナね。あんな夜中に二人で外をウロついてて。お熱いのは結構だけど…」
 俺は笑って言った。
 その俺の首に、日本刀が突きつけられている。
「すいません。もう言いません。このスタンドを引っ込めて下さいモナ…」
 着物を着た女性のヴィジョンは、刀を鞘に納めた。
 そして、ギコのもとへ戻っていく。
「そう言えば、スタンドに名前はつけたの?」
 モララーが訊ねた。
「ああ。これしかない、って名前があるぜ…」
 ギコは、少し言葉を置いた。

「『レイラ』だ…!」

 スタンドが女性型だけに、女の名前なのだろうか。
「由来は?」
 モララーが聞いた。
 ギコは、待ってましたとばかりに立ち上がる。
「デレク&ザ・ドミノスの名曲だ。デュアン・オールマンのギターのイントロがもう最高にカッコいいんだ。
 まあ、彼はバイクで事故って24歳で死んだんだがな…
 とにかくこの曲は、言わば『男の叫び』だ。親友をとるか、愛してしまった女をとるか、
 その苦痛、葛藤、悩みと言った感情が痛いほど伝わってくる激しい歌い方が最高に勃起モンで…」
「しぃちゃん。アレ、何とかしてほしいモナ」
 俺はしぃにこっそりと伝える。
 しぃは頷いて言った。
「それで、ギコ君なら親友をとるの? 愛してしまった女をとるの?」
 にっこり微笑むしぃ。
「おぉ!? あ… うう…」
 ギコはたちまち黙ってしまった。
 さすがだ。

「ところで、『矢』の事なんだけど…」
 モララーが口を開いた。
「そう言えば、あの『矢』はどこへ行ったモナ?」
 確かリナーがC4を仕掛けて、爆発に巻き込まれたはず…
「僕が持ってるよ」
 モララーは、見せびらかすように『矢』を取り出した。
 あの爆発でも無傷なんて、どれだけ頑丈な『矢』なんだ。
 もっとも、それはモララー自身にも言えたことだが。
「それは、どうするつもりだ?」
 リナーが訊ねる。
「嫌じゃないなら、君に預かっててもらいたいんだけどね。
 『矢の男』にとっては命より大切なんだろうけど、僕にとってはただの骨董品だ」
 モララーは嫌そうに言った。
 正直、見たくもないのだろう。
「分かった。私が保管しておこう。無駄にスタンド使いを増やすこの『矢』は危険すぎるからな…」
 リナーは『矢』を受け取ると、服の中にしまった。
 いつも思うのだが、あの服はどういう仕組みになっているのだろうが。
 是非、脱がしてみたいところだ。いや、変な意味じゃなく。

281:2003/12/11(木) 22:22

「最後に… 一つ、聞きたい事がある」
 ギコは、真剣な目でリナーを見据えて言った。
「何だ…?」
 リナーもギコの目を見返した。
 それを受け、ギコは口を開く。
「しぃ助教授と戦ってた時に使ってた銃、ひょっとしてCz75の初期型じゃないか…?」
 リナーの目が一瞬輝いたように見えた。
 懐にから銃を取り出すと、無言でギコに投げ渡す。
 それを一目見て、ギコは嬌声を上げた。
「ウオー! やっぱりそうだ!! この、まるで手に吸い付くようなグリップ…!」
 いきなり、俺の方を見るギコ。
「いいか、モナー。このCz75はな、チェコスロバキアの国営銃器工場が開発した9mm自動拳銃だ。
 その命中精度の高さもさる事ながら、人間工学を考慮したグリップは『まるで手に吸い付くよう』と評され、
 世界有数の名銃と称されたんだよ…!」
「そ、そうモナか…」
 俺は呆気に取られていた。
 リナーの同類がこんな身近なところにいたとは…
「銃とは、テクノロジーの産物でありながら芸術品だ。優れた銃というのは、洗練された機能美と様式美を併せ持っている」
 リナーは腕を組んで言った。
「あんた…話が分かるな…!」
 ギコは嬉しそうに言った。 「他には…! 持ってたら、見せてほしいんだが…」
「これなんかどうだ?」
 リナーはスカートから拳銃を取り出した。
 そして、ギコに渡したCz75とやらと交換する。
「おお! ザウエルP220!! しかも、自衛隊モデル!!」
 ギコは大はしゃぎしている。
 しぃとモララーも、口をポカーンと開けて固まっていた。
「そ、それもスゴいモナか…?」
 突っ込み役は俺しかいないようだ。
「スイスのシグ社とドイツのザウエル社が共同開発した軍・警察向けの自動拳銃だ。
 SEALで使用されるほど性能がいい。多くの特殊部隊でも扱っている逸品だ。
 改良型のP226は、『X−FI●E』のモ●ダー捜査官が使ってたので有名だな」
「変り種だと、これなんかどうだ?」
 リナーはさらにサブマシンガンを取り出した。
 あれは確か、車が『矢の男』に追われていた時、俺が迎撃に使用した銃だ。
「それも、有名な銃モナか?」
「何言ってんだ、ゴルァ! このP90は『拳銃弾より貫通力に優れ、突撃銃より取り回しの良い銃』っていうアメリカ陸軍の
 ニーズに応えてFN社が開発した名銃だぞ!!」
「そ、そうモナか…」
 俺はただ圧倒された。ギコの話はまだ続く。
「P90は専用に開発された新型弾を採用してる。この弾は、ライフル弾を小型化した様な鋭利な形状をしてるから
 貫通力に優れ、なおかつストッピングパワーにも優れてるんだ」
「欠点は、弾丸が高いということだな…」
 リナーは口を挟んだ。
 今の言葉は、何も考えずに撃ちまくった俺に対する当てつけだろうか。
「じゃあ、デザートイーグルなんてどうだ?」
 リナーは背中からバカでかい拳銃を取り出した。
「重っ! しかも、50AE弾モデル!!」
 それを受け取って大はしゃぎするギコ。
「1発だけなら撃ってもいいぞ」
 リナーは恐ろしい事を言い出した。
「ええっ! 本当か!!」
 ギコはガラガラと窓を開けると、空に向かってブッ放した。
 耳をつんざくような銃声。
「片腕で撃ったから肩が外れちまったよ! 最高だぜゴルァ!!」
 片腕をプラプラさせながらはしゃぐギコ。
 もう、こいつらにはついていけない。

「ところで、君は刀には興味があるか?」
 リナーは話を変えた…のか?
「そりゃもう。俺は剣士だぜ!?」
 ギコは銃をリナーに返しながら言った。
「じゃあ、これを君にやろう」
 リナーは、鞘に納まった一本の日本刀を差し出す。
「『一本』って何だ!! 刀は、『一振り』って数えるんだよゴルァ!!」
 ギコは、とうとう俺のモノローグにまで文句をつけ始めた。
 そして、厳かに受け取るギコ。
 軽く一礼して、刀を鞘から抜いた。何と言うか、刀を見る目がヤヴァイ。
「どうだ? 四つ胴の最上大業物だ」
 リナーは誇らしげに言った。
「本当に… もらってもよろしいのでしょうか…」
 なぜかギコは敬語だ。それに答えて無言で頷くリナー。

282:2003/12/11(木) 22:23

「おいモナー見てみろよ、この美しさを…」
 ひとしきりリナーに礼を言った後、ギコは言った。
 俺は、仕方なく刀身に顔を近づける。
「何すんだ、ゴルァ!!」
 いきなり、ギコのスタンド『レイラ』に棟打ちをかまされた。
 今のは罠か。
 見ろと言われたから見ただけなのに…
「刀身に息をかけるんじゃねえよ!!」
 ギコは大声を上げた。殴った理由はそれだったらしい。
「武士が刀を見る時、口に紙をくわえるだろ。あれは、刀身に息がかからないようにするためだ!!」
「それはごめんモナ…」
 俺はなぜか謝った。
「それにしても、いい刀だな… 四つ胴ともなると、輝きが違う…」
 ギコはうっとりと言った。
 そして、俺の方をチラリと見る。
「『四つ胴』というのは、切れ味を示す単位みたいなもんだ…」
 えー! 聞いてないのに、しゃべりだしたー!!
「まあ、死体を四つ重ねて真っ二つにできるって事だな。試し切りの指針でもある。
 最高記録は『七つ胴』なんだが、ここまで来ると使い手の腕の方が問われてくるな。
 もちろん現在は、そんな死体で試し切りなんてできないが…」
 ギコは刀身を見てニヤリと笑った。
 もしこの町に辻斬り事件が起きたら、犯人は間違いなくこいつだ。
 ふと見ると、モララーとしぃはすでに床に転がって眠っていた。
 よほど疲れていたのだろう。
 俺も、この2人につきあっていると無駄に疲れる。
 ふと時計を見る。もう、朝の6時だ。
 結局、一晩中起きていたことになる。
 そのまま身体を横たえた。
 たちまち、意識が遠のいていく。
 そして、俺は眠りに落ちていった。
 夢か現か、ギコの嬌声と銃声が遠くから何度も聞こえてきた…

283:2003/12/11(木) 22:24

 目が覚めた。
 何故か、自分の部屋のベッドで寝ていた。
 無意識に移動したのか、リナーに運んでもらったのか。
 俺は身体を動かそうとした。
「ウボァー!!」
 雷に打たれたように、全身に激痛が走る。
 昨日あれだけのダメージを受けたのだ。
 リナーに治療してもらったものの、肉体にかなりの負担がかかっているのだろう。
 時計を見ると、午後1時。
 あれから、7時間近く寝ていたことになる。
 まあ、今日は日曜日。特に問題は無い。
 そう言えば、ギコやしぃはどうしたんだろう。
 俺はフラフラと起き上がると、居間へ向かった。

 居間には、ガナーとしぃがいた。
 二人は、『ぷよぷよ』などという懐かしいゲームをやっている。
「あ、お邪魔してます!」
 しぃは、俺に気付くとペコリと頭を下げた。
 ああ。彼女はしぃじゃなくて、しぃの妹だ。
 ガナーと仲が良く、たまに家に遊びに来ている。
「ああ、いらっしゃいモナ」
 俺は居間を見回しながら言った。
 どうやら、ギコ、モララー、しぃは3人とも家に帰ったようだ。
 俺は欠伸をして目をこすった。
「兄さん… いくら日曜だからって、寝過ぎじゃないの?」
 うるさい。お前の誇るべきお兄様は馬鹿な友人のために夜の町を疾走していたのだ。
「リナーは?」
 俺は訊ねた。
「はあ… 起きるなりそれですか。お熱いですね…
 なんか『昨日の夜は久し振りに疲れた』って言って、部屋で寝てるみたいだけど…」
「リナーって誰?」
 しぃ妹は興味津々でガナーに訊ねた。
「ああ。兄さんの彼女で、今この家に住んでる人」
 ガナーはとんでもない回答をする。
 当然のごとく俺は慌てた。
「ちちち違うモナ!」
 ニヤけながら否定する俺。
「はー、そーですか…」
 その様子を見て、しぃ妹もニヤニヤしている。
 そして、思い出したように言った。
「そう言えば、お姉ちゃんも今日は朝帰りだったなぁ…
 帰ってくるなり、すぐ寝ちゃって… ギコさんと、どこで何やってきたんだか…」
 やはり、みんな疲れているのだろう。
 まあ、当然か。
 俺ももう少し眠ることにした。
 居間から出ようとする俺の背中に、ガナーは語りかけた。
「ところで兄さん。昨日の明け方、花火してる人いなかった? うるさくて目が覚めちゃった…」
「ああ、馬鹿はほっとくモナ」
 俺は部屋に戻ると、再び床についた。
 そう、夕食まで一眠りする予定だった。
 だが、思った以上に俺の身体は睡眠を欲していたのだろう。
 次に目を覚ましたのは、なんと月曜の朝だった。

284:2003/12/11(木) 22:24

          @          @          @


 静かな夜の繁華街を2人の男が歩いていた。
 一人は作業服のようなツナギ。ハンサムの部類に入るのだろうが、異常なほど濃い顔をしている。
 もう一人は、ピエロのような奇抜な服装をしていた。服の赤と黄色のコーディネートが目に優しくない。
 また、真っ赤なアフロも不気味だ。
「平和だねェ…」
 ツナギの男は周囲を見回して言った。
「この町に吸血鬼が集まってるなんて、嘘みたいだ……な!」
「…」
 ピエロの扮装をした男の返事はない。
「まあ、昨日はあれだけの騒ぎがあったからな。人影もまばらか…」
「…」
 ピエロは横目で睨んだ。
「愛想ないねェ、『破壊者』さんよ。もうちょっとコミニュケーションを取ろうって気はないかい?
 男は度胸! 何でも試してみるのさ」
「黙ってろ、『調停者』」
 『破壊者』と呼ばれたピエロの男は、不機嫌そうに呟いた。
「やれやれ、つれないねぇ…」
 『調停者』と呼ばれたツナギの男は、軽く肩をすくめる。
「それにしても…最後に戦った場所は、ここからはるか遠い。よし、いい事思いついた。そこらの車に乗せてもらおうぜ」
「…そうしよう」
 『破壊者』も異論はなかったようだ。
「よしきた!」
 『調停者』は再び周囲を見回した。
 新車と思しきリムジンが目に止まる。
「ウホッ! いい外車…」
 『調停者』はそのリムジンに近付いていった。『破壊者』が後に続く。
 そして、『調停者』はリムジンの後部座席のドアを開けた。
「あの、そこの貴方… 何をしておられるのです…?」
 ガタイのいい男が、『調停者』の肩に優しく手を置いた。
「この車は、モナソン・モナップス上院議員の所有物です。そちら様にもいろいろ事情がおありでしょうが…」
 『調停者』の肩に手を置いた男は、顔に似合わず丁寧な口調でそう言った。
 見れば、右腕にギプスをはめている。
「いいのかい? 俺の肩に手なんか置いて…
 俺はノンケだってかまわず食っちまうような男なんだぜ…!」
「で、ですが…」
 男はなおも食い下がる。
 『破壊者』はその男の腕を掴むと、時計回りにねじった。
 バキバキと音を立てて砕ける男の骨。
「おおお、おどお……ぢゃ………ん」
 呻きながら、男はその場に崩れ落ちた。
「おお、ありがとさん」
 『調停者』と『破壊者』はそのまま後部座席に乗り込んだ。
 そこには初老の紳士が座っていた。何故か前歯が二本ほど欠けている。
「お前ら、表へ出ろ」
 『破壊者』は、紳士に向かって言った。
「おいおい、外へ出してどうするんだい」
 『調停者』が口を挟む。
「いい事思いついた。お前、運転しろ」
「はいィ! どこへなりとも、運転させて頂きマスゥ…!!」
 紳士は敬礼のポーズを取ると、運転席へ飛び乗った。
「このまま真っ直ぐだ。しっかり運転してくんな…」
 リムジンは、2人を乗せて走り出した。

285:2003/12/11(木) 22:25

「…この辺でいい」
 『破壊者』は車を止めた。
 2人は車から降りる。
「ウホッ! 大した有様だねェ…」
 『調停者』は思わず声を上げた。
 周囲のアスファルトは剥がれ、土が剥き出しになっている。
 ところどころにクレーターができ、木は一本残らずなぎ倒されていた。
「これだけ派手にやったんなら、『矢』もブッつぶれたんじゃないか?」
 『調停者』が周囲を見回す。
 『破壊者』が周りを調べようとした時、僅かな違和感を感じた。
 微かな空気の淀み。
 近くに、誰かがいる。
「――お前ら、表へ出ろ」
 『破壊者』は夜の闇に呼びかけた。
 闇から、青年が姿を現す。その青年は親しげに二人に声をかけた。
「久し振りですね。こんな極東で顔を合わすなんて、奇遇なこともあるものだ…」
 十字架が刻印された季節外れのロングコートに、『破壊者』は見覚えがあった。
「お前、『蒐集者』か…!」
 青年は笑みを浮かべる。
「ここには、もう何も残っていませんよ。『矢の男』もここで潰えた。あの『矢』も、『異端者』達が持ち去ったようです」
「チッ… あの女か…!」
 『破壊者』は舌打ちして呟いた。
「それより、あんたは何してるんだい?」
 『調停者』が言った。
「私ですか?」
 青年は可笑しそうに言った。
「『教会』を離反したあんたが、こんな辺境の国で何をしてるのか、って事さ」
 『調停者』の語気が荒くなる。
 それとは裏腹に、青年は微笑を浮かべた。
「…実験ですよ。この国は、私の実験場ですから」

「Dr.モローを気取ってるって訳かい…」
 『調停者』は鼻で笑う。 「でも、あんたにしゃしゃり出られると困るんだ…!」
 青年は軽く肩をすくめた。
「確かに私は『教会』から離れた身でが、完全に切れてしまった訳でもありませんよ。
 私の行っている『実験』は、『教会』にとっても有益だ。
 だからこそ、この国での私の行動がヴァチカンに黙認されてるんですよ」
 この男なら、黙認されようがされまいが関係なく『実験』とやらを行うだろう。
 『破壊者』はそう考えていた。
「さらに言うなら、この国のスタンド対策局の相手をしているのも私です。
 私の存在のおかげで、対策局の注意があなた達に向かないのをお忘れなく」
「ハッ!」
 『調停者』は再び鼻で笑った。
「色男さんよ。そういう、あんたの鼻につくところが気に入らないんだ。
 このままじゃおさまりがつかないんだよな…」
 『調停者』は一歩前に出た。
「やめとけ」
 『破壊者』は、『調停者』の肩を掴む。
「お前は知らんだろうが、こいつには誰も勝てん」
 『調停者』は振り向いて言った。
「でも、俺とアンタの二人がかりなら…」
「誰にも勝てんと言った。例えASAの三幹部と言えども、あいつを殺す事は絶対にできない」
 青年は二人の会話を楽しそうに聞いている。
 『調停者』はなおも言った。
「でも、『蒐集者』ってのは、吸血鬼の殲滅数は9人の代行者の中でも最下位だったじゃないか?」
 『破壊者』は首を振る。
「我々代行者の存在というのは、法王庁という組織内の暗部だ。その代行者の中のさらに暗部に関わった奴が、
 あの『蒐集者』だ。迂闊に触れると火傷じゃ済まん」
 普段無口のはずの『破壊者』が、やけに饒舌だ。
 それだけ、『蒐集者』と向かい合うというのは異常事態なのだろうか。
「分かった。そんなに言うならやめとくよ。俺はな…」
 『調停者』はようやく折れた。
「そう、かっては私達は仲間でした。穏便に行きましょう…」
 その言葉が、さらに『調停者』を苛つかせる。

286:2003/12/11(木) 22:25

「本来なら、今日辺りにあんたが『矢の男』を倒す予定だったんじゃないか?」
 話が途切れた隙を見て、『破壊者』はそう言った。
「その通りです。ですが、『異端者』とその一派が頑張ったおかげで、私の出番がなくなってしまった。
 まあ、それはそれで面白い。明日にでも、彼らと接触するとしましょうか。『矢の男』の力も、是非欲しいですしね…」
 青年は楽しそうに言った。
「そういう訳で、あなた達が上から指示されている『矢』の回収の任務は反故にして結構です。
 『教会』には私から話をつけますから。あなた達は当初通り、この町の吸血鬼殲滅に精を出して下さい」
「チッ!」
 『調停者』は、わざと青年に聞こえるように舌打ちした。

「最後に聞きたいんだが…」
 『破壊者』は口を開いた。 「あんたの最終目的は何だ?」
 少し考えて、青年は答えた。
「真実の探求ってとこですか…」
「真実?」
 『調停者』は聞き返す。
「『神は死んだ』んですが、その行く末を確かめたくてね…」
 青年は、代行者にとっての禁忌を口にした。
「それは、哲学者かぶれの言葉か? それとも、文字通りにとっていいのか?」
 『破壊者』は問い詰める。
「おっと、失言でした。あなた達は、カタチだけは聖職者でしたね」
 青年は笑顔を崩さずに言った。

 ―――この笑顔は作り物だ。 
 そう直感しつつ、『破壊者』は言った。
「お前は、神になるつもりなのか…?」
 首を振る青年。
「そんなものになる気はありませんよ。殺されるだけですからね」
 『破壊者』も、『調停者』も黙ってしまった。
 その言動は、明らかに狂気の色を帯びている。

 青年、いや『蒐集者』は両手を大きく広げた。
 ロングコートが風で大きくはためく。
「素晴らしくないですか? 被創世者が創世者を抹消する妙味。
 その存在領域を区切られ区切られ区切られ、ガリレオにダーウィンにフロイトに区切られ
 宇宙の中心の座を失い非直系という孤独に追いやり個々の支配という手綱さえ外され
 ホーキングにハートレに区切られ区切られ区切られ区切られ
 特異点を持たない『無境界宇宙』の存在で神はとうとう宇宙開闢の瞬間からも追いやられた。
 そう、『神は死んだ』。『ラプラスの悪魔』と共に神は死んだ。
 アルベルト・アインシュタインですら神を守れなかった。
 決定論に生きる神は、サイコロ遊びをしない亡霊だ!!
 おお、父よ。幾ら願えども、汝の御名すら崇められない!!
 残ったのは人間だけ …笑えるでしょう。今、神の名を口にするのは背信者のみ。
 なら、最後まで見届けるべきじゃないですか?
 『エデンの庭』を出てしまった人間が何を目にするのか。
 この胡乱な世界は、悪魔も神も介在しない世界はどこへ行くのかを…
 過程そのものが妙味。故に私は『蒐集』します。
 磐石をもって神にあらず、輪廻をもって神となす。
 そう、この国の神話にもありましたね。
 私は、認めませんがね…
 アハハハハ ハ ハ  ハ   ハ――――」

 狂ったように笑い続ける『蒐集者』
 ああ、この男は壊れているのか…
 『破壊者』はそう考えていた。


  /└────────┬┐
. <   To Be Continued... | |
  \┌────────┴┘

287:2003/12/11(木) 22:26

       | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
       |   『ツーチャンはシンデレラに憧れる』
       |   『阿部高和は恋をする』
       |   『逮捕されてしまったっス!』
   /´ ̄(†)ヽ.  『ラブホテルへ行こう!』
.  ,゙-ノノノ)))))   。           。   ∧_∧
  ノノ)ル;゚ -゚ノi /             \ (´∀` )
  /,ノノくj_''(†)jつ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ⊂    )
  ┌───┐                ┌───┐
  │      |                │      |
____∧___     ________∧____________
            \/   
私の喋るスペースが <  今後の予定モナ。順番は変わるかもしれないモナ
            /\
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

288新手のスタンド使い:2003/12/13(土) 09:06
乙です!銃の情報って何処で仕入れてくるんですか?
それにしてもモナソン・モナップス上院議員・・・。2度目でちょっと悲惨。

289新手のスタンド使い:2003/12/13(土) 11:38
さ 氏って銃の情報以外でもかなりいろいろ知ってるしな。
(シュレーディンガーの猫とか…、よう分からんが…。)

さいたま…おまえ物知り博士か?
とリキエルみたく言ってしまいそうなくらいに。

290新手のスタンド使い:2003/12/13(土) 13:02
ピエロ風の男ってドメルドかな。
顔文字板系のキャラが出てくるとは意外。

291:2003/12/13(土) 22:30
「モナーの愉快な冒険」のキャラ紹介です。あくまでこの作品内のみの設定であり、
実際の2chキャラの設定に介入するものではない事をお断りしときます。

:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
モナー :この話の主人公。男や人外に超モテモテの17歳。
     性格は穏やかだが、時々荒れる。
     別人格が存在し、6歳より前の記憶がない。

     スタンド名 『アウト・オブ・エデン』
     目に見えないものを『視る』ことができ、視えたものは破壊できる。
     ヴィジョンを持たないスタンド。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
ギコ :モナーのクラスメイトで、サッカー部に所属する武道マニア。
     スポーツ万能で頭も良く、女の子にモテモテ。
     しぃと付き合う前はかなり遊んでいたらしい。

     スタンド名 『レイラ』
     日本刀を所持した女性型スタンド。
     近距離パワー型で、特に能力は持たない。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
モララー:モナーのクラスメイト。モナーに思いを寄せるホモ。
      未成年にも関わらずBARに通っている。
      一時期『矢の男』だったが、克服したらしい。

     スタンド名 『アナザー・ワールド・エキストラ』
     近距離パワー型。
     量子力学的現象を顕在化させる。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
しぃ   :モナーのクラスメイトで、大人しく心優しい優等生。
      ギコとつきあっている。
      実は漫画好き。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
おにぎり:出番が少ない。弱いフーゴ。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
レモナ :最終兵器。モナーに思いを寄せている。
      積極的なアタックは実を結ぶか?
      エロ担当。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
つー  :性別不明のいたずらっ子。
      校則に「校内での対人地雷の使用を禁ずる」という項目を増やした原因。
      モナーに意地悪するのは愛ゆえか?
      DV担当。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
じぃ  :モナーのクラスメイトであり、クラスのアイドル。
     密かに、モナーに思いを寄せていたが…

292:2003/12/13(土) 22:32
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
ガナー :モナーと一つ違いの萌えない妹。
      年相応の普通の女の子。
      しぃ妹とはクラスメイトであり親友。
      居候しているリナーを「お義姉さん」として慕っている。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
しぃ妹  :しぃの妹。
      しぃに比べて活発。姉妹仲は悪くない。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
しぃ助教授:ASA三幹部の一人。
       年齢不詳だが、わざわざ虎の尾を踏む者もいない。
       理知的で温和に見えるが、怒らせると危ない。
       怒りの導火線もかなり短い。

       スタンド名不明
       近距離パワー型。
       「力」の指向性を操ることができる。
       この能力を本体の周囲の空間に使うと、物理的な攻撃が当たらなくなる。
       この鉄壁の防御を、本人は『サウンド・オブ・サイレンス』と呼称している。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
丸耳  :しぃ助教授のお付きの人。おそらく20代後半。
      主人の暴走を止めるのが主な仕事。
      ASAでも上位に位置する強力なスタンド使いらしい。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
リナー :『教会』の代行者。
      見た目は17歳程度だが、正確な年齢は不明。
      現在、モナーの家に居候中。
      隠し事が多い武器・兵器マニア。
      代行者としての称号は『異端者』。

      スタンド名 『エンジェル・ダスト』
     体内にのみ展開できるスタンドで、液体の「流れ」をコントロールできる。
     手で触れれば、他人の自然治癒力を促進させる事もできる。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
『アルカディア』:独立した意思を持ったスタンドで、本体だった吸血鬼はすでに死亡している。
          現在はモナーの住んでいる町に潜伏している。

          スタンド名:『アルカディア』
          他者の「望み」や「願い」を実現させることで糧を得る。
          基本的には個人の願いなどは扱わず、噂規模に発達した
          「無意識の願望」を具現化させる。
          スタンド単体の時は、噂を顕実化する能力のみだが、
          仮の本体を得た時は、完全な『空想具現化』が可能となる。

293:2003/12/13(土) 22:33
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
『蒐集者』:『教会』の元代行者。
       爽やかな青年の外見をしていて、夏でも黒のロングコートを愛用している。
       いろいろな場所に顔を出しては、不審な行動をとっている。
       『教会』から離反しているようだが、称号は使い続けている。

       スタンド名 不明
       ――――詳細不明。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
『調停者』:『教会』の代行者。
       普段はツナギを着てベンチに座っている。
       その称号は、スタンド能力を象徴していたり、組織内での立場を表していたりする。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
『破壊者』:『教会』の代行者。
       ピエロのような格好をしている。
       常に「お前ら、表へ出ろ」と口走り、周囲を威嚇している。
       ちなみに、称号は代替わりすることもあるらしい。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
局長   :警視庁警備局公安五課(スタンド犯罪対策局)の局長。
       スタンド関連では、この国で一番偉い人らしい。
       ASAからも勧誘を受けるほど優秀なスタンド使い。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
フサギコ:ある大きな武力組織の幹部らしい。
      スタンド能力を持っていない。
      その危険性から、スタンド使いを嫌悪している。
      局長とは古くからの付き合いだが、仲は決して良くない。
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
殺人鬼:モナーの別人格で、高い知能と戦闘能力を持つ。
     また、『アウト・オブ・エデン』の能力をモナー以上に引き出せる。
     『教会』と繋がりがあるようだが…
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

294:2003/12/13(土) 22:34
以上です。
まだ序盤なのに、登場人物がとんでもなく多く申し訳ないです。
後半の乱戦での対立構図の関係上、早めに出しとくべきキャラが多いもんで…
>288
ただの趣味です。

295新手のスタンド使い:2003/12/14(日) 02:11
>さ 氏

月姫好きでしょ。

296新手のスタンド使い:2003/12/14(日) 03:18
阿部高和とドメルド・・・あまりにも濃すぎる組み合わせだ・・・
この2人を使おうと思い立ったさいたま氏に敬意を表したい。

297新手のスタンド使い:2003/12/14(日) 08:58
調停者・・・。やらないかの人?

298新手のスタンド使い:2003/12/14(日) 10:19
破壊者…。

ttp://www.moonfactory.org/moe/src/up0155.jpg

299新手のスタンド使い:2003/12/14(日) 11:04
>>298
コーヒー吹き出した

300新手のスタンド使い:2003/12/14(日) 11:31
っていうか月姫と、一歩間違えれば確実に厨臭くなる叩かれやすい内容なのに
ここまで批判が無く、それ以上に上手いと言われるのは文章が上手いからだろうな。
確かに上手い。っていうかこの小説スレの中じゃ群を抜いている。




でも俺はさいたまの奇妙な冒険書いてるときのほうが好きだったかな・・・
気兼ねなく取っ付ける面白い話だったし、こっちの小説が小難しい説明多かったりして
読みづらい&さいたま編とのギャップで。
別に批判できる立場じゃあないけど1月以降楽しみに待ってます。

301:2003/12/14(日) 12:44
>295
yes。
月姫に限らず、吸血鬼モノは大概好きです。
月姫ネタは、知ってる人だけがニヤリとするつもりで入れたんですが、
意外と知名度が高いですね。
他にも、いろいろ分かる人にだけ分かるネタを仕込んでますが、
全部分かった人は凄いです。

>300
明るい話はAAの方で、暗く入り組んだ話は小説の方でやるつもりです。
同じようなノリでやるのなら、異なるジャンルでやる意味がないですし。


今後の路線は、ヘル●ングのように派手に町をうわなんだおまえやめr

302新手のスタンド使い:2003/12/14(日) 23:59
>>301
どうせなら例のデンドロもどき兵器も出してくだsギャッ!・・・・・・イエ、ナンデモアリマセン。

303新手のスタンド使い:2003/12/15(月) 03:26
いや、「空想具現化」をまんま出しちゃうのはちょっと引いた・・・
でもまぁ、そこだけ。

304新手のスタンド使い:2003/12/15(月) 18:39

合言葉はwell kill them!(仮)第四話―ウワアアンはトイレに嫌われる


「ちくしょう・・・・ちくしょう・・・・。」
無機質な鉄でできた迷路の中、一人の男が道に迷っていた。

自分も一度巨大迷路と言うものに挑戦した事があるが、あれはヤバイ。
いくら道を覚えていたつもりでも、ふと後ろを振り向くともう駄目。
自分がどの位置にいるのか分からなくなってしまう。
この男もきっとこの状況にはまってしまったのだろう。

「なんでだよ・・・。なんで『トイレ』に入っただけでこんな事に・・・。」

男は腹を押さえ、その場にうずくまった。額からは汗がだらだらと流れ落ちている。
「も・・・、『もう限界』だ・・・。」
男はそうつぶやいた。
そのとたん。迷路の壁から二本の腕が伸びてきて、男の体を通り過ぎた。
「う、うわあああああああ!!!」

ジャアアアアア・・・・・ゴボゴボ・・・・。


          @          @          @


「は〜、今日も平和だな〜。」
「そんな事ないよ。町の中心部では、連続殺人事件が起きてるってニュースで
 やってたぞ。それもすべて『矢』のようなもので一突きだってさ。怖いねぇ〜。」
「じゃあ、もしお前がその事件の犯人に出くわしたらどうしますか?」
「問答無用で逃げる、これ最強。」
「やっぱりな。お前はまだ餓鬼だからな。」
「酷いよあんちゃん!俺のこと餓鬼扱いすんなよ!」

二人の少年が笑いながら歩いている。
一人はアヒャ。そしてもう一人がアヒャの財布をパクった張本人、ウワアアンだ。
二人はこの前の事件をきっかけに仲良くなり、たまに二人で万引きするようになったのだ。

「それにしてもこの「のしいか太郎」なかなかいけるよな。」
「なにいってんだよ!男は黙って「ンまい棒」が通じゃねーか!」
二人ともさっき駄菓子屋「福ちゃん」でパクった戦利品を食べている。

「ンまい棒だったらお前は何味が好きなんだ?俺はチョコ味だけど。」
「納豆。以上」
「げ!んなもん好きなのかよお前は、ちょっと引いたぞ・・・。」
二人が一段と高い笑い声を出したので、おばちゃんが怪訝そうな顔をして通り過ぎていった。

だけど、平気で万引きする子はカーズ様・・・いや、神様が許すわけありません。
案の定、二人にはこの後天罰が下りました。

305新手のスタンド使い:2003/12/15(月) 19:05

ぎゅるるるるる・・・・。

「・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・。」

初めは騒がしかった二人だったが、時が経つにつれて段々無口になっていった。

「おい、ウワアアン、お前もなのか・・・・・?」
「・・・・・・コクリ・・・・・・。」
ウワアアンは黙ってうなずいた。

「・・・なあ、福ちゃんに寄るだいぶ前に、駄菓子屋シャンゼリゼってとこで
 ポカリスエットパクったよな・・・・。あれ、なんか妙に酸っぱかったよな・・?」
「・・・・・うん・・・・・。」
「あれがまずかったのか・・・・・?」
「・・・そうみたい・・・・・。」
二人とも冷や汗を額から流し始めた。

ぎゅるるるるる・・・・。

「ぐああっ!やっぱりそうだ!あのポカリが原因だ、間違いない!
 あれが腐っていたせいで腹が痛くなって・・・。」
「あんちゃん・・・おれも段々と腹が痛くなってきているよ〜。」
「何だよあの店!店に平然と腐った商品なんか置いておいて・・・
 あんなんで客が来るかっつ〜のよ!ぐああああ・・・・・。」
まったく、自分達が盗んでおいてこの言い方はないでしょう。

「このままじゃ家までもたねえ・・は、早く『トイレ』を見つけないと・・。」
二人は腹を抱えて歩き始めた。


数分後・・・。

「あった・・・。仮設トイレだ!」
二人はやっとトイレを見つけることができた。
少々汚れているが、今はそんな事言っている場合ではない。
「お、俺が先に入るからお前は待ってろ・・・。」
そういってアヒャがトイレに入ろうとした時だった。

「ドント・レット・ミー・ダウン!俺の靴の裏の『摩擦を0』にしろ!」

バシュッ!
スタンド能力で加速したウワアアンがアヒャの脇をすり抜け、トイレに駆け込んだ。

「あ!卑怯だぞお前!」
「何事も早い者勝ちなんだよ。そんじゃ!」
そういってウワアアンはトイレのドアをしめた。

306新手のスタンド使い:2003/12/15(月) 19:31

「・・・・あれ?何で俺こんな所に?」
ウワアアンは呆気にとられた様な顔をしている。

驚くのも無理はない。
彼はトイレに入ったはずだ。
だが彼の目の前には無機質な鉄でできた迷路が広がっている。
幅は4〜5メートル。高さは6メートル以上あるだろうか。
天井にはガラス球で覆われたランプが灯されており、
ウワアアンの真上のランプは壊れて火が消えていた。

「おっかしいな〜俺の目の錯覚か!?」
驚きのあまり、ウワアアンは腹が痛かったことさえ忘れていた。

「Welcome Welcome・・・ようこそ我が幻覚世界の中へ・・。」
いきなり床から一本の腕が伸びてきた。手にはスピーカーが握られていて、
そこから声が出ている。
「な、何だよお前は!?」
「おっと自己紹介が遅れました・・・。私の名前はデス・トイレ。スタンドです。」
「スタンド!?お前の本体は何処に居るんだ!」
「残念ながら私の本体は亡くなっており、私だけが生き残った・・。いわゆる
 一人歩き方のスタンドです。そんな事よりせっかくこのトイレに来た事ですし、
 ちょっとしたゲームをしませんか?」
「ゲーム?」
「ルールはいたってシンプル。この迷路の何処かにある便器に到達し水を流せば、
 あなたは元の世界に戻れます。ただし、もし途中で諦めたりしたら、あなたの
 魂を頂戴いたします・・・。」
ウワアアンは少し考えてこう言った。
「つまり、どう足掻こうとゴールにたどり着けなきゃここから一生出られない
 って事だな?」
「exactly(その通りだ)それでは…its show time!」
そう言い残し、スピーカーと腕が引っ込んだ。

「くっそ〜!なんで俺がこんな目に合わなくちゃならないんだ!
 とりあえずゴールを探すぞ!」

  /└────────┬┐
. <   To Be Continued... | |
  \┌────────┴┘

307新手のスタンド使い:2003/12/15(月) 19:35

スタンド名:ドント・レット・ミー・ダウン
本体名:ウワアアン

破壊力 - C スピード - D 射程距離 - D
持続力 - A 精密動作性 - D 成長性 - B

スタンドが触れた場所の摩擦の大きさを変える。
摩擦を限界まで小さくすると0、最大にすると全く滑らなくなる。
最大にすると/←くらいの坂(?)も上れるようになる。
地面と本体のすぐ前にスタンドを配置し、空気と地面の摩擦を0にす
れば、半永久的に(死ぬまで)滑り続けることもできる。

308新手のスタンド使い:2003/12/15(月) 20:22
乙!

309新手のスタンド使い:2003/12/16(火) 18:32
すいません、月姫ってマンガですか?
非常に興味をそそられるんですが

310新手のスタンド使い:2003/12/16(火) 19:02
乙!!何か自分が考えたアイディアが使われるのってすごいうれしい

311新手のスタンド使い:2003/12/16(火) 19:09
>>309ぐぐれ

312:2003/12/16(火) 22:03

作品内の武器紹介

    /´ ̄(†)ヽ                   ビシュ!!
   ,゙-ノノノ)))))  バラララ…          ∧_∧,,;; ;''
   ノノ)ル,,゚ -゚ノi ,、 ヽ从/            (・∀・".)・∵"< アアン
  /,ノノ(⊇二∩ヲ]i===:;, :;.             ( ・. ・.);";"
 ん〜''く/_l|ハゝ^  /Wヽ            | |・,|∴;";"
      し'ノ                   (__.(__)ビシュ!!`'''
                          ビシュ!!
P90
ボディアーマーを装着した相手にも通用し、なおかつ携帯性に優れる銃。
専用弾を採用していて、その性質はライフル弾に近い。
1996年のペルー日本大使館占拠事件において突入部隊が使用し、成功を収めた。
室内戦闘が多い特殊部隊用の火器としても注目されている。


                               ∧_,,, ・´;.>
    /´ ̄(†)ヽ      pan!!!            (・∀・ );,:..< アアン
   ,゙-ノノノ)))))       、,、!'             ...,;,:.:,.,:,.:´..
   ノノ)ル,,゚ -゚ノiy'二二iiニニl;;;'、        、__,.,:ィ,:;,:.;∵,:,,:.;.
  /,ノノくj_''(†)jlつ_/" ̄    'v`         ( ・. ・);";"
 ん〜''く/_l|ハゝ                 | |・,|∴;";"
      し'ノ                   (__.(__)`'''
SPAS12
イタリアのフランキ社が開発したコンバット・ショッガン。
散弾銃としては珍しく軍用に開発されたため、オート射撃が可能。
セミオートとポンプアクションの切替えが可能な反面、かなりの重量を誇る。

313神々の遺産:2003/12/16(火) 22:04

>>256の続き

「久しぶりね、『神の誤算』。」
久しぶり?久しぶりって・・・・・一度も会ったことないのに!?
「お、おい・・・、俺、君に会ったことなんか一度も・・・・・。」
女の子はポンっと手を叩く。
「あぁ、そうか。『この時代』では初めてだったね。」
俺の頭の中にまた?マークが浮かぶ。
この時代?じゃあ俺って明治とか江戸時代の人なのか?
「そうそう、まだ名前を言ってなかったね。あたしの名前は・・・・・」
「『パンドラ』、だ。」
ロングコートの男が起き上がって、女の子の名前(?)を答えた。
「ちょっとぉ、そう呼ばれるの、あたし嫌いなんだけど、『ビナー』さん。」
「・・・・・知ったことか。」
ロングコートの男が、素っ気なく返す。
「で、なんでその『パンドラ』は道で倒れていたんだ?」
ギコが口をはさむ。
「それは・・・・今はいえない。」
女の子の表情が暗くなる。何かいやなことでもあったのだろうか?
「それに、そう呼ばれるの嫌いっていったよね?」
女の子がギコにずいっと詰め寄る。
「じゃあ、なんと呼べばいいんだ?」
「『ソフィア』。そう呼んで。」
ソフィアちゃんかぁ・・・・・なかなか可愛い名前だな。
「とにかく!今あなた達と会えたのは不幸中の幸いだったわ。」
ソフィアはピンっと人差し指をたて、俺に向ける。
「今、この町で何が起こっているのか分かる?」
はぁ?この町で起こっていること?
今やっているのは町内清掃ぐらいかなぁ。
「・・・・・町内清掃?」
俺は、思ったことを率直に述べた。
ソフィアがはぁ、とため息をついた。
「・・・・・馬鹿?」
「だ、だって今この町で起こっていることって言っただろ?」
「そんなこと聞いてどうするのよ!
 とにかく!今この町で起こっているのは、町がごみで溢れかえることよりもっと重要なこと!」
そんなこと言われてもなぁ・・・・・
ソフィアがまた指をピンっと伸ばす。
「スタンド使いが増えているの。」
・・・・スタンド?スタンドって何だ?
あれか?車とかにガソリンを入れたりするやつか?いや、それはガソリンスタンド。近いけど、違うな。
「スタンド?ってなんだ?」
ソフィアがまたため息をつく。
「あんたねぇ・・・・・、仮にも『神の誤算』って付く位だからそれくらい・・・」
「ソフィア。」
ロングコートの男がソフィアの言葉をさえぎる。
「こいつらは知らなくて当然だ。俺とお前みたいに『記憶』までは受け継がれていない。」
一体こいつらは何を話しているんだ?
スタンドとか記憶を受け継ぐとか・・・・一体何なんだ?

314神々の遺産:2003/12/16(火) 22:04

「うわぁぁぁぁぁぁぁ!?」

その時、外から悲鳴が聞こえた。
「な、なんだ!?」
俺達は外へ出る。すると、そこには、ちびギコ・・・いやミニギコの男の子と、モララー族の男がいた。
まさか、虐待でもされているのだろうか?
しかし、現状は、俺が考えているほど甘くはなかった。
モララー族の男が、ミニギコに酷く怯えていた。
ミニギコが、モララー族の男にじりじり詰め寄る。
モララー族の男は、こちらに気づいた様子でこちらに走って来た。
「た、助けてくれ!」
「助けるって・・・、相手はミニギコだろう?」
「そ、そうなんだ。相手はミニギコなんだ!だけど、そのミニギコに俺の友達はやられてしまったんだ!」
モララー族の男はミニギコの足元にある白い粉を指差した。
「俺達が、ミニギコにぶつかったんだ。少しムシャクシャしてて。
 そしたら、俺の友達がいきなり宙に浮かんで、足先から白くなって粉になっちまったんだ!」
・・・・何言ってんだこいつ?電波か?
「ほ、本当なんだ!信じてくれよぉ!?」
モララー族の男は必死で訴えかけてくる。
その様子をミニギコはじっと見ている。
すると、話を静かに聞いていたソフィアがモララー族の男に優しく話し掛けた。
「そう。もう大丈夫だから。安心して。」
すると、あれほど混乱していたモララー族の男は、急におとなしくなった。
「残念だけど・・・・、あなたの友達はもうもとには戻らないわ。ここは私達に任せて。」
モララ-族の男は、泣き崩れてしまった。
「お、おい。」
俺はソフィアに話し掛けた。
ソフィアがくるっとこちらに振り向いた。
「なんであんなに混乱していたのに急におとなしくなったんだ?」
「セリーヌ・ディオン。」
「はぁ?」
「それがあたしの『スタンド』の名前。」
ソフィアの背後がぼやけて見える。その形は人の形をしているように見える。
「な、何だそれは!?」
ギコがソフィアに向かって怒鳴る。
どうやら、俺にはぼやけているものがギコにははっきりと見えるらしい。
「あら、あなたはもう使えるようになっていたのね。『スタンド』。」
ソフィアは、ギコに歩み寄り、ギコの手を取る。
「じゃあ、あのミニギコ、お願いね。」
ソフィアがギコに微笑んだ。
すると、ギコの雰囲気が一変した。
ギロっとギコはミニギコを睨む。
明らかにミニギコに殺意を向けていた。
ミニギコは、無表情のままだった。
次の瞬間、ギコはミニギコの目の前にいた。
何時の間に!?
ギコはミニギコに殴りかかる。
しかし、その拳は、俺に見えない何かに阻まれ、ミニギコには届かなかった。
それでもギコは殴り掛かる。
ミニギコは、そのラッシュを何とか防御する。
「・・・・くらえ。」
今度はミニギコがギコに殴り掛かる。
ギコは難なく避ける。しかし、
「ぐわぁぁぁ!?」
ギコが避けた、ミニギコの拳の先には、さっきまでここで泣きじゃくっていたモララー族の男がいた。
モララー族の男が宙に浮く。モララー族の男は、頭を押さえてじたばたする。頭を掴まれたようだ。
すると、モララー族の男の足元から少しずつ白くなっていく。
「いかん!!」
ロングコートの男がモララー族の男を助けるために走った。
しかし、もうモララ-族の男の身体はもうほとんど真っ白になってしまっていた。
「う・・・ぁ・・・・」
モララ-族の男は苦しそうに声を出す。
ミニギコがにやりと笑う。
すると、モララ-族の男を身体がみるみるうちに白い粉になっていく。
あいつの言っていることは本当だった。
「さぁて、今度はおまえ達の番だ。」

315神々の遺産:2003/12/16(火) 22:05

ミニギコがこちらにゆっくりと歩み寄ってくる。
ギコが後ろから蹴りかかる。
しかし、それも止められてしまう。
ミニギコはそのままギコの足を掴み、投げ捨てる。
ギコは、壁に穴をあけ、そのまま気絶してしまった。
「さぁて、これで守ってくれる人はいないぞ。」
ミニギコがにやりと笑う。
見た目は子供なのに、雰囲気がぜんぜんヤバイ。
「さぁ、『ゾハル』の居場所を吐け!」
ミニギコがソフィアに向かって言った。
・・・『ゾハル』?何だ?それ?
今日は何だかわけのわからないばかり聞くなぁ。
「・・・・・あたし達も今探しているの。」
ちっとミニギコが舌打ちする。本当に子供なのか?
見たところ、レッサーギコ種でないようだが・・・・・
「おーい!ミニギクォォォォ、どこだぁぁぁ!?」
遠くのほうから声がする。
「ちっ、『あいつ』が来やがった。いいか、今度会うまでに『ゾハル』を見つけておくんだな。
 そしたらお前達だけは生かしておいてやる。」
そう言って、ミニギコは、声のするほうにかけていった。
ミニギコが残していった死体のようなものが風に吹かれて消えていった。
『神の誤算』、『スタンド』、『ゾハル』
一体この町で何が始まろうといているんだ?

草原の中で、ワンピース姿の少女が一人。
少女が微笑む。満たされる。そんな気がする。
少女が口を開く。
その声を聞くと、癒される。そんな気がする。
「愛しい痛みに引き裂かれる、あなたは天使もうらやむ青い目と白い翼を持っている。」
少女はまた微笑む。
まるで、人々の行く道を案じるように。



  /└────────┬┐
. <   To Be Continued... | |
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316:2003/12/16(火) 22:07
>>302
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 拠点防衛用長々距離砲撃戦装備モナコンネンII


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317:2003/12/16(火) 22:08

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        ノノ)ル,,゚ -゚ノi <いいかも・・・      |: |
       /,ノノくj_''(†)jlつ                    |: |
      ん〜''く/_l|ハゝ              ,_,,_|; |,_ 、
           し'ノ              /::::::::;;:::: ::ヽ ,、
""""  """"""""""   """"""" """"""" """"""""""""ヾ

※ネタです。他意はありません。

318新手のスタンド使い:2003/12/16(火) 22:09
さ氏割り込みスマソ

319:2003/12/16(火) 22:11
>>318
‐- 、           ,. -‐-...| す 気 |
::::::::::ヽ        /::::::::::::::::! る に│
:::::::::i^、i      /::,.、::::ハ::;ィ;:.| な   |
:::::::::`li `      レノv ┃ ┃ メ、__/
::::,iハlノ  f~ヽ    l  r─、 /'::::::`、
:/ ア    \_j`- ,,/::`':.、ー ',.イゝ::::::::`、
~,-`ヽ    `-、::::::l::::::i〈<H>〉/::::\:::::ヽ

320新手のスタンド使い:2003/12/18(木) 17:19
合言葉はwell kill them!(仮)第四話―ウワアアンはトイレに嫌われる


「何時までも立ち止ったままじゃあ何も始まらないな。とりあえず歩きますか。」
ウワアアンは最初は意気揚々と歩き始めた。最初はすぐにゴール出来るだろうと
軽い気持ちで望んだのだろう。だが現実はそう甘くはない。

分かれ道を左に曲がれば同じ風景。右に曲がってもこれまた同じ風景。
戻ろうとして後ろを向けばまた同じ風景。何処もかしこも同じ壁、壁、壁・・・・。
迷路とは元々人が迷うように作られた物で、誰でも簡単にゴールに着いたら
お話にもなりゃしない。

ギリシア神話の一つにミノタウロスと言う怪物が出てくるが、こいつは物語の中では
どんな人でも絶対に迷って出ることが出来ない迷路の中に閉じ込められていて、
最後に迷路に入った勇者に倒されてしまう。その勇者は毛糸玉を持っていて毛糸の
端を入り口に括り付けて、出る時に糸をたどったので迷わなかった。
だが、ウワアアンが毛糸玉など持っているはずがない。
そこで彼は、独自の方法で迷路を攻略しようとしていた。

迷路の壁と言っても、どれも完全には同じではない。
傷が付いている物、へこんでいる物、汚れている物など様々で、
それを覚えて頭の中に地図を作りながら歩いていたのだ。
ウワアアンは結構記憶力がいい方で、その特技を使って茂名王町全土の至る所に有る
独自の逃走ルート(勿論、K察に追われた時用の)を覚えている。

「今度はこっちに行って見るか。・・・駄目だ、あの人の顔に見える壁はさっき
 通った所じゃねーか。」
こんな特技が有ったとしても、急いでゴールしなくてはならない。
先程デス・トイレに出くわした時のショックで治まっていた腹痛がまた襲ってきたのだ。

ぎゅるるるるる・・・・。

「あ〜、また来た〜。さっさとゴールに着かないと・・・。」
ウワアアンは少し歩みを早めた。

ガッ!
「うわっ!」
何かに足が引っかかり、顔から地面に叩き付けられた。
痛みをこらえて足元を見ると、数cmほどの段差になっていた。
「ちっくしょ〜。ついてねーな。」
ふと顔を上げて、ウワアアンは青ざめた。
さっき転んだせいで、覚えていた地図が頭から抜けていた。

しまった!迷った!

321新手のスタンド使い:2003/12/18(木) 17:55

ここは一体どの辺りだろう?

見回してみてもどの壁も同じように見える。
腹の痛みも段々と激しくなってくる。
ウワアアンは無我夢中で走り始めた。もう道順を忘れた以上とにかく走るしかない。
彼はそう考えていた。だが迷路の中でパニックになる事が最も危険なのだ。

走るときの振動が直に腹部に伝わり痛みの激しさが増してくる。
いっそのこと諦めてしまおうか?しかしデス・トイレの言葉が頭をよぎる。
『もし途中で諦めたりしたら、あなたの魂を頂戴いたします・・・。』
これを思い出したおかげで何とか思いとどまれた。
「くそっ!こんな所で諦められるか!」
思い切り叫んだので、少しは冷静になる事は出来た。
いくら走ってもゴールできなきゃ意味がない。取り合えずこの場所から
また地図を描き始めよう。そう思って辺りを見回してみると、ある物が
目に飛び込んできた。

それは天井に吊るしてある壊れて火が消えていたランプだった。
そう。この迷路のスタート地点!ウワアアンがデス・トイレに出くわした場所!
見る見るうちに彼の頭に先程の地図が浮かんできた。
「やった!思い出したぞ!」
喜んでいる暇は無い。とにかく先を急がないと。

ここに来て30分以上が経っただろうか。
今度は転ぶまいと注意しながら壁を覚えていく。
「ここは前にも来たな・・・・今度はこっちか・・・・・また駄目だ・・。」
腹の痛みを堪えられるのもそろそろ辛くなって来る。
腹を抑えながら突き当たりの壁を曲がってみた。

ウワアアンは一瞬目を疑った。

便器がある。
何度も目をこすってみた。間違いない、幻覚ではなく便器がある。
助かった!万歳!
痛みを忘れて便器に駆け寄った。その時だった。

ボグシャアアッ
「ぐほっ!」
壁から腕が伸びてウワアアンのわき腹を捕らえた。
あまりの衝撃に彼は壁にぶつかった。

322新手のスタンド使い:2003/12/18(木) 18:37

「ブラボー、おおブラボー!よくぞゴールまでたどり着きました。だがここで終わりです。
 貴方は私に倒されるからだ!」
壁からデス・トイレが姿を現した。丁度便器の前を塞ぐ様に立っていた。
「て、てめえ何のつもりだ!?」
「この便器の水を流せば貴方は元の世界に戻れる。しかしそうすれば私も一緒に
 流されて消滅してしまう・・・。そうなるのはご免です。どうしても流すと言うのなら
 この私を倒す事ですね!」
デス・トイレがラッシュを放ってきた。
「ドント・レット・ミー・ダウン!俺の身を守れ!」
ウワアアンのスタンドがラッシュを受け止めた。
「ちっ、パワーが違いすぎる!」
「ほう、貴方もスタンド使いだったとは・・・。しかし貴方のスタンドは私に比べて
 パワーが劣っている・・・。私の勝ちですね。」
デス・トイレがもう一度ラッシュを放ってきた。
「ならばこっちも!」
ウワアアンのスタンドもラッシュを放つ。
しかし圧倒的に向こうのほうが強く、案の定吹き飛ばされて、またもや壁に
叩き付けられてしまった。
…効く。強烈だ。
「ぐああっ!く・・・・・。」
「フフフ・・・もうお終いですよ・・・。これで終わりにしましょう!」
駄目だ、ウワアアンは隙だらけ。
デス・トイレのラッシュも先程とは桁違いの早さだ!
拳が完全にウワアアンの体を捕らえた。
だが・・・・。

つるっ!
拳はウワアアンの体の上を滑るばかり
「な、何だ!?何が起こった!?」
デス・トイレは事態を飲み込めてないようだ。
「フフ・・・俺のドント・レット・ミー・ダウンの能力は、触れた場所の摩擦の大きさを変える!
 さっきのラッシュの打ち合いの時、お前の拳の摩擦を0にしておいた。ついでに俺の体の表面の摩擦も
 0にしておいたけどな!」
デス・トイレの動きが止まった。今!
ウワアアンがデス・トイレの脇をすり抜け、水を流した。
「しまった――――!」
デス・トイレの体が、どんどんトイレに流されていく。
「そしてお前は『俺が負けるはずが…』と言う!」
ウワアアンが言い放った。
「こ、この私が・・・この私が――――!!!!!」
ジャアアアアア・・・・・ゴボゴボ・・・・。

「・・・・外しちゃったよ・・・・。」

323新手のスタンド使い:2003/12/18(木) 18:46

「お前長かったなー。10分以上入ってたぞ。」
トイレの外でアヒャが待っていた。
どうやら幻覚世界と現実世界では時間の進み方が違うらしい。
「わりーわりー。ちょっと緊急事態が有ってな。さ、どうぞお入りに・・。」
「いや、その必要はない。」
「・・・・へ?」
「この仮設トイレの近くに公衆トイレ見つけてさ、そっちの方が綺麗だったぞ。
 ほら、あそこに・・・。」
アヒャが指差した方向には、たしかに公衆トイレがあった。

(・・・・・じゃあ、俺の苦労はいったい・・・。)

ウワアアンはがっくりと肩を落とした。

  /└────────┬┐
. <   To Be Continued... | |
  \┌────────┴┘

324新手のスタンド使い:2003/12/18(木) 19:13
スタンド名・・・『デス・トイレ』
本体・・・不明

破壊力−A スピード−C 射程距離−なし
持続力−A 精密動作性−B 成長性−完成

能力:本体は既に死亡しており、スタンドだけが『トイレ』に寄生している
   寄生しているトイレに入った者は、迷路の幻覚を見せられる。
   その者が「もうだめぽ・・・」「限界だゴルァ・・」などと諦めてしまった時
   魂はスタンドに吸収され、本体は流される。
   そして最後にはそのスタンドと戦い
   そしてみごとに便器に到達し水を流せた時、『デス・トイレ』も流され
   ようやく用を足す事ができる
   『デス・トイレ』は、何も知らずに入ってきた人間の魂をエネルギーにして
   生きてきたが、ウワアアンとの戦いで流され消滅。

325新手のスタンド使い:2003/12/18(木) 19:21
キャラ紹介№2

                             ┌(`Д´) 
                             ≡/\丿>  キコキコキコキコキコキコ…  
                             ≡\/≡  
                             /     

NAME ウワアアン

母親が万引きの常習犯、父親が現役の泥棒と言う家庭で育った
4人兄弟の末っ子で、現在小学校4年生。両親から窃盗のイロハを教え込まれ、
スリ、引ったくり、万引き何でもござれ。逃げ足だけなら世界一。
アヒャとは万引き仲間。

326新手のスタンド使い:2003/12/18(木) 19:32
乙?
書き貼りはもし次に貼りたいと思っている人がいても、
なかなか貼れないからやめたほうがいいよ。

327新手のスタンド使い:2003/12/19(金) 02:40
貼ります

328新手のスタンド使い:2003/12/19(金) 02:40
 救い無き世界
第一話「終わりの始まり」



「目障りなんだよ!!この糞でぃが!!!」
その言葉と共に腹部に蹴りが叩き込まれた。俺はその場に倒れこみ、うずくまる。
「どうした?悲鳴の一つでも上げてみろよ?」
今度は別の男に頭を蹴られた。無茶な事を言う。
俺の声帯はでぃになった時にいかれてしまっている。
声を出そうにも、小さく「キィ・・・」と呻くのが関の山だ。
そんな事を考えていると、三人目の男に胸ぐらを掴まれ、強引に引き起こされた。
「おいおい、もっと恐怖に顔を引きつらせてくんないと、
こっちにも張り合いってもんがねぇんだけどよお。」
それも無理な話だ。
俺には笑ったり怒ったりといったように顔の筋肉を自由に動かすことなどできない。
一生無表情のままだ。
「何とか言えよ!!」
次の瞬間俺の顔の形は男の拳で強引に歪められた。
だから無理なんだって。声を出すのは。
「氏ね!氏ね!氏ね!氏ね!氏ね!」
「ゴルァ!ゴルァ!ゴルァ!ゴルァ!ゴルァ!」
「逝ってよし!逝ってよし!逝ってよし!逝ってよし!逝ってよし!」
殴られ蹴られ、倒れた所をさらに踏みつけられ、
踏みつけるのに飽きたら引きずり起こされ、また殴られ蹴られる。
こんな風に罵声と暴力を浴びせられるのは何回目だろうか。
あまりにも多すぎてもはや数えられない。
全身を叩かれて、体のあちこちが痛みという名の悲鳴を上げる。
だけどそんなことはもはやどうでもいい。
だいぶ前からそんなことは気にならなくなった。

「まったく、お前みたいなゴミはさっさと死んじまいな!!」
一人の男が去り際、唾と共にその言葉を俺に浴びせた。
俺がゴミか。
成る程それは大正解だ。百点をあげてもいい。
まだ小さい子供だった頃、大きな事故のせいで俺はでぃになった。
それから一ヶ月もしないうちに、
両親は俺を置き去りにして何処かへ消えた。
でぃなんか自分たちの子供に要らなかったんだろう。
俺は両親に必要とされずに捨てられたのだ。
そして、この町でも俺を必用としている者などいやしない。
さっきのが良い例だ。
つまり、俺はこの町からも捨てられたことになる。
だから、俺はゴミだ。
だって、必要が無くて捨てられるものなんて、ゴミ以外に無いじゃないか。
「あらやだ!あんな所に汚いでぃが転がってるわょぅ。」
「ほんと。早くあんなゴミ、業者が駆除してくれないかしらょぅ。」
 通りかかったおばさん達がわざと俺に聞こえるように言った。
好きなだけ言っているがいいさ。
心の痛みとやらも、俺はもう感じない。

329新手のスタンド使い:2003/12/19(金) 02:41
その日の夜、俺はボロボロになった体を引きずりながら
ゴミ箱から夕食の残飯を漁っていた。
大した期待はしていなかったが、
なんとその日は全くといっていい程手のつけられていない弁当を
二箱も見つけることができた。
これで明日必死に残飯を漁らなくても良いと考えると、最高にハイってやつだった。
 せっかくの食事を邪魔されては敵わないので、
人気の無い路地裏で弁当を食べることにした。
飲み物は捨てられていた空き缶に公園の水道を汲んだものだ。
早速食べようと弁当の蓋を開けた時、近くに何かの気配を感じた。
「・・・・・・!!」
 俺は一瞬全身を強張らせたが、次の瞬間その緊張はほぐれた。
「にゃあ・・・・・」
 そこにいたのは一匹の猫だった。おそらく腹を空かせているのだろう、
足取りに力が無い。
なにより、弁当を食おうとしている俺に対する目が尋常ではない。
 俺は戸惑った。
確かに腹を空かせているのはかわいそうだとは思うし、
何とかしてやりたいとも思う。
だが、俺だって生きるのに必死だ。
明日も今日と同じように首尾よく食料を見つけられる保障などどこにも無い。
俺には他人を助けるような余裕などこれっぽっちも無いのだ。
気の毒だが、この猫にはあきらめて帰ってもら・・・
「にゃあ・・・・・」
 この猫め。すがりつくような猫なで声を出しやがって。
そんなものでこの俺をどうにかできるとでも思ったか。
何があろうと駄目なものは駄目・・・

「にゃあ、にゃあ、にゃあ」 
俺は猫と一緒に弁当を食べていた。何故、こんな事になってしまったのか。
こんな事をしても何にもなりはしないのに。猫に対する同情だろうか。
おかしな話だ。ゴミが野良猫に同情なんて。
(どうすんだ、大切な食い物を野良猫なんぞにやっちまって。
恩返しにこの猫が助けてくれるなんて、
おとぎ話でしか有り得ないような事でも考えか?
小さな命を助けて善人気取りかよ。)
 俺は軽い自己嫌悪と後悔にさいなまれた。が、さっさと忘れることにした。
後悔しても弁当が帰って来る訳でもない。

「にゃあ。」
 猫は弁当を食い終わると、丁寧に深々と御辞儀をし、
くるりと回って闇夜へと消えていった。
案の定、食うだけ食って猫はさっさとどっかへ行った。
まあしかたがない。野良猫に何か見返りを求めるほうがどうかしている。
でも、少しだけ、ほんの少しだけ俺は心が何かで満たされるのを感じていた。
(下らない。偽善をなして自己満足に浸っているだけだ。
そんなもんでお前の人生は何一つ変わりやしないぞ。)
 そうだ、その通りだ。何を俺は勘違いしていたのだろう。
俺に救いなんてもたらされやしないってことぐらい、
とっくの昔から判りきっていた事じゃないか。
こんな便所紙程度にも役に立たない満足感など、
弁当箱の空と一緒に捨ててしまうことにする。

330新手のスタンド使い:2003/12/19(金) 02:42
ふと、近くで物音がした。
さっきの猫かと思ってそちらを向いたが、そこにいたのは中年のおっさんだった。
が、何やら様子がおかしい。
おっさんは酔っ払っているのか体はフラフラだし、目の焦点も定まっていない。
すると、おっさんはいきなり膝を着いてうずくまり、何やら叫び始めた。
「出てけ!!俺から出て行ってくれえええええ!!!!」
 次の瞬間、俺は信じられない光景を目にした。
おっさんの体が、みるみるうちに崩れていくのだ。
「・・・この体も、私の器には相応しくなかったか・・・・・・」
 俺はさらに自分の目を疑った。
崩れていくおっさんの体から、変なものが現れたのだ。
そいつは一応人のような姿はしていたが、到底普通の存在とは思えなかった。
何だ、これは?
俺の目の前で、いったい何が起こっている?
俺は逃げることも忘れて、ただ呆然としていた。
「丁度良い・・・そこのお前、体を貰うぞ・・・・・・」
 そいつと、目が合った。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!」
 もし声を出すことが出来たなら、俺はこの島中に響く声で叫んでいただろう。
いつもリンチを受けている島のチンピラとは次元の違う、圧倒的なプレッシャー。
すぐさま振り返り、逃げようとする。
だが、あまりの恐怖により足をもつれさせその場で倒れた。
急いで立ち上がろうとする。出来ない。腰が抜けてしまった。
ヤバい。奴はどんどん近づいてくる。逃げないと・・・死ぬ!!
「何を怯えているんだ?出会ったばかりなのに、
そんなに邪険にすることも無いだろう?」
 ついに奴は目の前まで迫ってきた。俺に向かってゆっくりと腕を伸ばす。
(やめろ!
来るな!!
来ないでくれ!!!
やめろ!!!!
いやだあああああああ!!!!!)
 俺の意識は、そこで途切れた。

331新手のスタンド使い:2003/12/19(金) 02:43
俺は真っ黒な空間を漂っていた。
どこまでも続く、漆黒の世界。
決して光の差し込まない、暗闇の底。
ゴミの俺に相応しい、最下層の掃き溜め。
その世界の中心には、周りの闇よりもさらに昏い、
総てを飲み込むような巨大な何かが渦巻いていた。
そっとそのうねりの中に手を差し込んでみる。

殺す殺す焼き尽くす殺すコロス殺す消えろころす殺す俺を捨てた世界など殺す朽ち果て
るがいい許さない殺す一人残らず痛いのは嫌だ皆殺しに殺す倍返しだ殺す踏み躙る捨てら
れたくない死んじまえ殺す壊す消し炭にしてやる死にたくない消えて無くなれ殺す殺す

おぞましいほど歪にねじれた不の感情が、溢れんばかりになだれ込んでくる。
そうか。分かった。分かったぞ。俺はここが何処だか知っている。
ここは、そう、ここは、俺の心の中だ。

あれ?待てよ。何だ?何か居る。うねりの中に何か居るぞ。
何だ、あれは?何なんだ、あれは?
ああ、あいつは、あいつには見覚えがある。おっさんの中の人だ。
何でこんな所に?何の為に?何をしているんだ?
喰ってる。何かを喰っている。何を食っている?
まさか。あいつが喰っているのは、まさか。
いや、間違いない。あいつが喰っているのは、俺の、俺の・・・・・・
 
 
目が覚めた。
すでに日は昇っている。
周りを見渡す。どうやら、昨日と同じ場所みたいだ。
(生き・・・てる・・・・・・?)
 自分の体を見て調べてみる。
足は付いているから幽霊にはなっていないらしい。いつもと同じ、醜い体だ。
 昨日おっさんが崩れていった場所を見てみる。そこには、何も無かった。
(・・・・・・夢・・・?)
 いや、それにしては余りに鮮明に記憶が残っている。
昨日ここで起こったことは、間違いなく「現実」だ。
だけど、俺の体には見た所何も異常は無い。
あの変な奴は、結局俺に何もせず去ったのだろうか。でも、何故?
 俺は考えるのをやめた。考えたところで、俺に何かが分かるとも思えない。
気にするだけ、時間の無駄だ。
 俺は、今日の食い物を探すことにした。

332新手のスタンド使い:2003/12/19(金) 02:44
(ろくなものが見つからないな・・・)
 あれから一時間以上ゴミ箱のあさってみたが、食い物はなかなか見つからなかった。
 俺は昨日猫に弁当をあげた事を、今更ながら後悔していた。
 本当に何であんな事をしてしまったのか。こうなる事は目に見えていたじゃないか。
「はははは。見ろよ、必死こいて逃げようとしてるぜ。」
「おお、本当だ。こりゃあ傑作だな。」
「これだから虐待は止められないよな。」
 通りの向こうから、聞き覚えのある声が聞こえた。
 視線をそちらに移してみる。
声の主は、昨日俺がリンチを受けた三人組だった。
 一体、今度は何を虐めているのか。暇な奴らだ。
「にゃあああああ!!にゃああああああ!!!」
 その泣き声にも、聞き覚えがあった。
 昨日の、野良猫だった。
尻尾を掴まれて逃げられないところを、ライターの火であぶられていた。
 運の悪い奴だ。あんな奴らに目を付けられるなんて。
 弁当を食うだけ食って大した礼もせずに消えるから、罰が当たったんだ。
 俺には関係無い。俺まで巻き込まれないようにさっさと逃げるに限る。
「にゃああああああ!!!にゃああああああああ!!!!」
 俺には関係無い。関係・・・無いんだ。
 
 気が付いたときには、俺は奴らに向かって突っ込んでいた。
 猫の尻尾を掴んでいる奴に体当たりをぶちかます。
 いきなりの不意打ちで男は体勢を崩し、その拍子で猫の尻尾を持つ手を離した。
「何するんだ、手前ぇ!!」
「おい、こいつ昨日のでぃだぜ。」
「どうやらまだ殴られ足りないようだなぁ。」
 すぐさま奴らの攻撃対象は俺へと移された。
 昨日よりさらに激しい暴力。
 容赦ない仕打ちの雨霰。
打撃で意識が遠のきそうになる度に、更なる打撃で無理やり叩き起こされる。
(何やってんだ、俺は。)
 俺は自分の馬鹿さ加減にうんざりしていた。
 弁当を分けてやるのとは訳が違うって事ぐらい、分かってたじゃないか。
 だから、見て見ぬふりして、逃げようとした。
 それが俺にとって最善の手段だって事ぐらい赤ん坊でも分かることじゃないか。
 糞、糞、糞。
 何だって俺がこんな目に。何だって俺はあんな事を。
「ほらどうしたぁ!もうお寝んねかぁ!?」
「勝手にくたばってんじゃねぇぞ!」
 男達の暴力は、さらに苛烈になる一方だった。
 思い切り踏み付けられた右手には、もう殆ど感覚が無い。
 肋も何本か折れてるみたいだ。
 ふと、視界の片隅にあの猫の姿が入ってきた。
 怯えきった目で、こっちを見ている。
 お前、まだそんな所に居たのか。さっさと逃げろ
 お前がまた捕まりでもしたら、俺がこんな目にあってる意味が無くなる。
 そうなったら、俺は唯の阿呆じゃないか。
 おい、何をやっている。そっちじゃない。向かう方向が逆だ。
 こっちに近づいて来てどうする。
 違う。さっさと尻尾巻いて逃げろ。分かってるのか。
 おい、一体何を・・・
「いってええええええぇぇぇぇぇぇ!!!」
 あろうことか、猫は男達に跳びかかり、一人の顔面を爪で引っ掻いた。
 馬鹿か、あいつは。
 俺が作ったせっかくの逃亡のチャンスを無駄にしやがって。
 救いようの無い大馬鹿だ。
「この糞猫がああああああああ!!ぶっ殺してやるぁ!!!」
 男は怒髪天を突く勢いで逆上した。
 懐に手を入れてナイフを取り出す。手の先が鈍い輝きを放つ。
 ヤバいぞ。猫、さっさと逃げろ。本当に殺されるぞ。
 何やってる。早くしろ。死ぬぞ。
 駄目だ。このままじゃ、刺し殺され・・・・・・

333新手のスタンド使い:2003/12/19(金) 02:45
腹部に突き刺さる強烈な異物感。
 最初に感じたのは、熱いという感覚だった。
 熱さはすぐに鋭い痛みへと変わり、今度は体中が一気に寒くなる。
 刺された場所から、血が大量に失われていくのが分かった。
 猫は・・・どうやら大丈夫みたいだ。
「何だ、こいつ!?いきなり前に飛び出してきやがった!」
 救いようの無い大馬鹿は、どうやら俺の方だったみたいだ。
 他人を庇って命を落とし、天国へと召されましょう、てか。
 お目出てーな。
 そんな事を考えてる場合じゃない。
体からどんどん力が抜けていく。指一本動かせない。
「おいおいおい、どーするよ。やべーんじゃねーの。」
「大丈夫だろ。こんなゴミ、死んだ所で誰も気にしやしない。
 寧ろ、道端のゴミを掃除したって褒めてもらいたいぐらいだぜ。」
「ははは、違いねえや。
 それよりまだ生きてるみたいだし、早く殺っちまおうぜ。」
 男達はそう言うとじゃんけんを始めた。
 誰が俺に止めを刺すのか、決めているのだろう。
 今までのことが、走馬灯として浮かびあがる。
 だが、そこには何一つ楽しかった事、嬉しかった事など無い。

死ぬのか。
 俺はここで死ぬのか。
 こんな奴らに殺されるのか。
 生きるものとして何の尊厳も認められる事もなく、
 ゴミのように。
 俺が死んだら、この町の奴らはさぞかしせいせいすることだろう。
 奴らの笑い顔が目に浮かぶ。
嫌だ。
 俺は死にたくない。
 生きていたいんだ。
 普通に笑って暮らしたいんだ。
 何故、何で俺はこんな目に会わねばならない。
俺には生きる資格さえ無いというのか。
 俺はそれ程の罪を犯したとでもいうのか。
 でぃであることは、それだけで罪なのか。
 俺だって、好き好んででぃになった訳じゃない。
畜生、畜生。
 嫌だ、死にたくない。
 嫌だ。
 嫌だ。
      
      ドクン

 体の中で、何かが動いた。
 何だ?
 今のは何なんだ?

       ドクン

 俺の内に、何かが居る・・・?

334新手のスタンド使い:2003/12/19(金) 02:46
「よーし、俺の勝ち!」
「ちっ、しょうがねえなあ。」
「今度奢れよ。」
 男達がこちらを向いた。
どうやら、死刑執行人が決まったようだ。
「さーてと。それじゃ、殺りますか。」
 俺の体に向かってナイフが振り下ろされる。
 その光景が何だかひどくスローモーに見えた。
 
       ドクン
 
まただ。
 
      ドクンドクンドクンドクンドクンドクン
 
胎動が、速くなる。
俺の体がそのリズムと少しずつ重なっていく。
何て、心地良い。
 ナイフがみるみる迫って来る。
 俺は、ゆっくりと腕を伸ばした。

「うぎゃああああああああああああ!!!!!」
 気がつくと、ナイフを振り下ろしていた筈の男が吹っ飛んでいた。
 何だ?
 何が起こった?
「どうした!!大丈夫か!?」
「おっおい、見ろよあいつ!!マトモじゃねえよ!!!」
 男達はひどく慌てている様子だった。
 一体、何だというんだ。
「やべーぞ!!逃げろぉ!!!」
 吹き飛んで倒れた男を抱えて、三人は一目散に逃げて行った。
 俺は訳が分からなかった。
 瀕死の俺を前にして、何故あいつらは血相変えて逃げたのだろう。
 俺はただ、腕を少し動かしただけ・・・

335新手のスタンド使い:2003/12/19(金) 02:46
(!!!!!!!!!!)
 俺は思わず目を剥いた。
 俺の腕が、見たことも無い形に変わっているのだ。
 何だ、何だこの腕は。
 いや違う。俺はこの腕を見たことがある。
 これは、昨日会った、あの「化け物」の・・・
 
急に意識が朦朧とした。
 腹に穴が開いて血がそこから流れ出ているのだから、
当然といえば当然と言える。
 自分の腕が別の何かに変わるという信じられない出来事による
精神的ショックも、大きな原因の一つだろう。
目が霞み、視界がぼやける。
抗い難い睡魔が、俺を襲う。
瞼が落ちる。
駄目だ、このまま目をつぶっていたら死ぬぞ。
目を開けろ。
だが、必死の抵抗も空しく思考はそこで断絶し、
俺の意識は暗い闇の底へと沈んでいった・・・


TO BE CONTINUED

336新手のスタンド使い:2003/12/19(金) 21:24
乙!

337ギガバイト:2003/12/19(金) 22:04
>>292
アルカディアの能力って・・・

ペルソナから取りました?

338:2003/12/19(金) 22:38
>>337
ニャル+タタリ

339:2003/12/19(金) 22:38

「―― モナーの愉快な冒険 ――   ツーチャンはシンデレラに憧れる・その1」

 
 まさに、惨状という表現がふさわしい。
 焼け焦げて、屑鉄となり果てたヘリが民家に刺さっている。
 ヘリの尾部は、鋭利な刃物で切り取られたかのように消滅していた。
 さらに、周囲の家屋は悉く倒壊している。
 大きなクレーターが、かって道路であった場所に形成されていた。
 死者が出なかったのは奇跡に近い。
 よほど、避難誘導及び救護が的確だったのだろう。

「これは、自衛隊のヘリがエンジントラブルを起こし墜落した事故です」
 ポケットに手を突っ込んでヘリを見上げていた局長が、不意に口を開いた。
 そう報道機関には根回ししておくように、という事だろう。
 局員は携帯を取り出すと、部下にそう指示した。

「まったく…せっかくの日曜がぶち壊しですよ…」
 局長は舌打ちして呟いた。
 そして、局員の方を横目で見る。
「ASAの連中は?」
「事情説明を終えて、引き上げました」
 局員は、何やら疲れきった顔をした丸耳の姿を思い出した。
 上司に振り回される組織人の顔だ。そう、自分と同じ。
「では、そのASA職員の事情説明とやらを反芻してみなさい」
 局員は、丸耳の説明を思い返す。
「この町に、危険性の高いスタンド使いが出現。偵察時に民間人に被害者が出たため、止む終えず戦闘。
 車を強奪して逃げるスタンド使いを、そのまま抹殺…という事ですが」
 局長は頷いて言った。
「で、その話の矛盾点は?」
「まず、民間人の被害者とやらが確認できません。戦火に巻き込まれた住民は多いですが、直接スタンド使いに
 危害を加えられた人というのは、特定できませんでした。また、偵察任務という割にはヘリは重装備です」
 局員は、そこで言葉を切る。局長が後を継いだ。
「そもそも、RAH−66はASAにとっても貴重な装備。偵察などには使わないでしょう。
 また、危険なスタンド使いとやらが車を強奪して逃げた、というのも目撃証言と食い違います。
 車を奪うところを目撃されたのは、モナー族の男性、奇抜な服装の女性、怪我をしたギコ族一人としぃ族が一人。
 この4人は、一緒に行動していたようです」
 その通り。証言によれば、彼らが車を奪ってその場から逃走したようだ。
 局長は話を続ける。
「他には、ハンマーを持った女性も目撃されているが、彼女には心当たりがあります」
 局員自身も、ASAの三幹部の一人が、自分の身長以上のハンマーを振り回すという話は聞いたことがあった。
 だが、それほどの重要人物が直接戦闘に関わるものだろうか?
「そして、ハンマー女と4人のグループが会話を交わしていた、という証言もある。
 この5人はASA側、もしくは協力する者とみて間違いないでしょう」
 すると、危険なスタンド使いが車を奪って逃げた、というASAの説明に矛盾が出てくる。
「では、その危険なスタンド使いとは誰だったのか…」
 局長は言葉を切ると、局員の顔を見た。
「『奇妙な男』、という証言が採れています」
 局員は答えた。
 ―――『奇妙な男』。
 目撃者は、そう口を揃えていた。
 顔は暗くて見えなかったが、とにかく不気味な男だったと。

340:2003/12/19(金) 22:39

 そこへ突然、車が突っ込んできた。
 どう贔屓目に見てもスクラップ一歩手前のボロ車だ。
 その車は2人の手前で止まった。
 運転席から、1人の男が降りてくる。
「ああ、遅かったですね」
 局長は、男に呼びかけた。
「黙れよ、役人」
 男は不機嫌そうに答える。いや、実際に不機嫌なのだろう。
 局員は、この男に見覚えがあった。
 ―――フサギコ。
 この国で唯一、集団的自衛権を行使できる組織の幕僚幹部である。
「あなただって公務員でしょう…?」
 局長が口を開く。
「俺は公僕だが、役人じゃない」
 フサギコはそう答えると、先程の局長のように墜落したヘリを見上げた。
「で、今日は公務で…?」
 局長は訊ねる。
「そんな訳ないだろ」 フサギコは吐き捨てた。
「明日、この件で閣議に呼ばれる。現場くらい見ときたくてな…」
「で、どうです?」
 局長は、様子を伺うようにフサギコの顔を見た。
「シッポの部分が綺麗にブッ飛んでるな。あんな断面を作るのは、既存の兵器では不可能だ…」
 そして、フサギコは空を見上げた。まるで、飛んでいたはずのヘリを見るように。
「そもそも、墜落原因が問題だな。空中でシッポが切断されて、安定性に問題が出たんだろう。
 テイルローターの制御が出来なくなると、ヘリは旋回して墜落する。ちょうどあんな感じにな」
 フサギコの見解は、目撃証言と一致する。
 墜落時、ヘリは激しく旋回していたらしい。
「すると…ホバリングしてるヘリを、兵器を使わずにあんな風にした奴がいる、って事になる。
 そいつは間違いなくバケモンだ。後は、お前達の仕事だろ?」
「私達の仕事でもありませんよ」
 局長は、フサギコの言葉を受けて素早く答えた。 「もう、ASAによって片がつきましたから」
 フサギコは、局長を睨む。
「俺が閣議に呼ばれたのも、そのせいなんだよ…」
「と、言うと?」
 理解しているにも関わらず、局長は問いかけた。
「ASAの連中、この法治国家でドンパチやらかしやがって…この国をナメてるとしか思えねぇな!」
 フサギコの不機嫌の理由は、そこにあったようだ。
 まあ、彼の立場からすれば当然の反応だろう。
「…ったく、スタンド使いって奴等は…!」
 フサギコは憎々しげに呟く。
「たった一人のスタンド使いを討伐するためだけに、武装ヘリで飛び回りやがって…
 ASAも、同じ穴の狢だ! この国にスタンド使いなんざいらないんだよ!」
 感情を爆発させたフサギコを見て、局員は思い出した。
 この男は、ずっと前からスタンド使いを敵視してきたのだ。
 しかし、スタンド対策局の人間がこれだけ周囲にいる中で、こんな事を豪語するとは…
 フサギコの度胸も大したものだ。
 局員は、無骨なこの男に少しだけ好感を持った。
 それに、局員自身もスタンド使いでありながら、フサギコの主張に怒りは感じなかった。
 フサギコのようなスタンドを持たない人間にとって、スタンド使いである我々は、
 不気味な力を持った存在としかその目に映らないだろう。
 人は、得体の知れないモノに強い恐怖心を持つ。
 そう。フサギコは、スタンド使いが社会に及ぼす影響を恐れているのだ。
「ハハッ、またお得意のスタンド使い不要論ですか…」
 局長は笑って言った。
 その様子から察するに、何度も聞いているのだろう。
「好きでスタンド使いになった人間なんて、この世にはいませんよ。
 『弓と矢』なんて民間伝承のようなものだし、今存在するスタンド使いは、ほぼ全員が生まれつきだ。
 その生まれつきのスタンド使いでも、自分の能力に気付く人間は少ない。
 さらに、他のスタンド使いに出会う可能性はさらに少ない。
 スタンド使いですら、我々公安五課の存在を知っている者は少ないですからね…」
 『スタンド使い同士はひかれあう』という言葉を、局員は思い出していた。
 スタンドそのものが引き合うのか、無意識による同能力者の共感なのか、それとも『運命』のなせるワザなのか…
 確かに、そういう事もままある。
 だが、そもそもスタンド使いの絶対数は少ないのだから、スタンド使い同士の出会いは少ない。
 そういう自分も、警視庁捜査一課から引き抜かれるまで、同じような能力を持つものがいるとは思ってもみなかった。

341:2003/12/19(金) 22:40

 局長はフサギコに言った。
「そういえば、貴方の嫌いなASAが大挙して我が国に押し寄せてきたようですよ?」
「…何だと、いつからだ?」
 フサギコは局長を睨む。
「昨日、専用輸送機で30人が入国しました。この騒ぎを起こした連中ですね。
 討伐隊にしては多いと思ってたんですが… それでも、先遣隊に過ぎなかったようです。
 今日の早朝には、一般旅客機で220人が入国しました」
「ASAの奴等が250人だと…!?」
 フサギコは驚きの声を上げる。
「そう。『教会』の代行者に続いて、今度はASAまでこのちっぽけな町に集まってきました。
 あいつらは、何の意図があってこの町に集まってくるんでしょうね…」
 局長がため息をついた。
 局長は、すでに多くの情報を掴んでいるはず。
 白々しい素振りだ。
「で、そのASAの奴等はどこに潜伏してるんだ?」
 フサギコは訊ねる。
「潜伏も何もないですよ。駅前に、一夜にして巨大な高層ビルが出現しました。
 これも何らかの能力なんでしょうが、とにかくそこが奴等の根城です」
 フサギコは、その言葉で我慢の限界を超えたようだ。
「ASAの奴等… この国でミサイルをぶっ放すだけじゃ飽き足らず、根城まで構えやがったのか!!」
「何なら、見てきたらどうです?」
 局長は可笑しそうに言った。
「よし、見てこよう」
 フサギコはいきなり車に乗り込むと、そのまま走り去っていった。
 局員は、呆気に取られて局長の顔を見る。
「敵情視察のつもりでしょうかねぇ…」
 局長はそう呟いていた。
 いくら敵意を持っていても、まさかいきなり乗り込んだりはしないだろう。
 とにかく彼は、スタンド使いが大嫌いなのだ。
 局員は、フサギコの態度からつくづくそれを実感した。


          @          @          @


 俺は、呆然としつつ時計を見た。
 …7時。
 今は午前? 午後?
 いや、午後の7時にしては明るすぎる。
 間違いなく朝の7時だ。
 すると、俺は楽しい日曜日をほぼ寝て過ごしたのか…?
 ゆっくりと身体を起こす。
 まだ、体中が痛い。
 今日は月曜日。最悪の週明けだ。

 台所では、リナーが朝食を食べていた。
 ガナーは部活の朝練の為、すでに学校に行ったようだ。
 例の連続殺人で部活が遅くまで練習できないようになったので、どこの部活も朝練が活発らしい。
 俺は用意されていたパンを食べる。
 コーヒーも、冷めているものの他に異常はない。
 食べ終えて一息つくと、俺は新聞を広げた。
『自衛隊機、住宅街へ墜落』という文字が目に入る。
 昨日のアレか…

「でも、どうして自衛隊が出てくるモナ?」
 俺は、既に新聞を読んでいるであろうリナーに訊ねた。
「隠蔽工作だ。事実をそのまま伝えるわけにもいかんだろう」
「ふーん」
 俺は、新聞を流し読みした。
 不意に、この町の名が目に入る。

『あの連続殺人の町で、新たな犠牲者!?』

 ―――!!
 記事を読み進める。
 深夜の12時、路上で24歳の男性の遺体が発見されたようだ。
 もう一人の俺は、男は狙わないはず…
 死因は…失血死。
 首筋に牙の跡のような傷が見つかり、獣害も考慮に入れて捜査しているとあるが…

 …失血死。
 …首筋に牙の跡。
 間違いない。
「リナー! これは…」
 俺は新聞を無造作に畳むと、リナーを見た。
「ああ。吸血鬼だ」
 リナーは、あっさりと断言した。
 
 奴等、とうとう町の人間の血を…
 絶対に許せない。
 目を見開いて握り拳をつくった俺を見て、リナーは言った。
「だが、吸血鬼を一匹一匹狩っていったところでキリがない。元を断たねばな…」
 『アルカディア』…
 そう、この町に潜む諸悪の根源を倒さなければならない。
「しかも、この事件が『吸血鬼による殺人』としてセンセーショナルに報道される事は目に見えている。
 そうなれば、吸血鬼の噂が囁かれ…」
 人々の想像する吸血鬼像が、そのまま具現化してしまう訳か。
 一刻も早く、『アルカディア』を倒さないと…
「それで、モナは何をしたらいいモナ?」
 俺は逸る気持ちを抑えて、リナーに訊ねた。
「何もする必要はない。君に、この町の調査ができるのか?」
 その通り。俺は調査に関しては素人なのだ。
 もっとも、戦いに関しても玄人には遥かに遠いが。
 まあいい。ここまで関わってしまった俺を、リナーは除け者にしないだろう。
 それより、もう家を出る時間だ。

342:2003/12/19(金) 22:41

 玄関を出ると、目の前のブロック塀にもたれて腕を組んでいる男の姿が目に入った。
 眼鏡をかけていて、その眼は意志の強さを感じさせる。
 七三に分けられた髪は、右側で軽くカールしていた。
 また、着ているセーターは異様にダサい。
 その男は、じっと俺を注視していた。
「あの…何ですかモナ?」
「『教会』の者だよ…」
 男は言った。
 俺は衝撃を受ける。つまり、リナーの仲間か?
「そう緊張しなくていい。俺の名はキバ…いや、『解読者』だ。君も知っての通り、代行者の通り名だよ」
「そうですか。モナーですモナ…」
 俺は頭を下げながら、用心深く男を見た。
 『教会』の中でも、暗殺技術と強力なスタンド能力の両方を持っているもののみ、代行者としての
 通り名を持つことが許されるとリナーに聞いた。
 確かに、目の前のこの男も、かなり強そうだ。
 さっき名乗りかけていた「牙」という名前も、戦場でついた異名だろう。
 俺に接触して何を企んでいるのだろうか。
「モナー君か…」
 『解読者』は、口に手をあてて何やら考え込んで…

「――――わかったぞ!!」

 不意に、男はアップになって言った。

  ヽ、.三 ミニ、_ ___ _,. ‐'´//-─=====-、ヾ       /ヽ
        ,.‐'´ `''‐- 、._ヽ   /.i ∠,. -─;==:- 、ゝ‐;----// ヾ.、
       [ |、!  /' ̄r'bゝ}二. {`´ '´__ (_Y_),. |.r-'‐┬‐l l⌒ | }
        ゙l |`} ..:ヽ--゙‐´リ ̄ヽd、 ''''   ̄ ̄  |l   !ニ! !⌒ //
.         i.! l .:::::     ソ;;:..  ヽ、._     _,ノ'     ゞ)ノ./

「まず、「モナー」をローマ字にする。(monar)
 次に、今日が9月21日であることを考え末尾に「ノストラダムス」を加える。(monarノストラダムス)
 そして最後に意味不明な文字「monar」。
 アルファベットが混じっているのは不自然なので、削除し残りの文字を取り出す。
 するとできあがる言葉は……「ノストラダムス」。
 モナーとは、ノストラダムスを表す言葉だったんだよ!!」

 な、なんだってー!!
 さらに、『解読者』は言葉を続けた。

「時空を超えて、あなたは一体何度――――
 我々の前に立ちはだかってくるというのだ! ノストラダムス!!」

 学校に遅刻してしまう。
 俺は、急いで学校へ向かった。

343:2003/12/19(金) 22:42

 普段なら走るところだが、どうにも体が痛い。
 まあ、1時間目に間に合えばいいか。
 そう思いつつ学校に到着した。
 教室に入った時には、すでにHRは終わっていた。

「ふぅ」
 俺は席に着く。
 不思議なことに、ギコもモララーもしぃも見当たらない。
 俺の机に、奴が後ろから近付いてくる。
「よぉ、重役出勤とは大したモンだな!」
 俺は振り向いた。
「お前は…久し振りに登場した、おにぎりィ!!」
「『さん』をつけろよ、デコ助野郎ォ!!」
「で、ギコやモララーやしぃはどうしたモナ?」
 俺は、久し振りに登場したおにぎりに訊ねた。
「ああ? 風邪ひいてダウウンらしーぞ?」
 全員ダウン?
 みんな、そこまでダメージが大きかったのか?
 俺は携帯を取り出して、ギコに掛けてみた。
「もしもし…」
 ギコの声だ。
「モナーモナ。どうしたモナ?」
「やっぱ、無理しすぎたようだ。土日に暴れ回ったせいで、体が動かねぇ… ま、明日は行くけどな。
 それと、しぃもヘタれてるみたいだ。疲れてるみたいだったし、じぃの事も相当こたえてるんじゃないか…」
「そうモナ。お大事にモナ」
 じぃの名を聞いて、俺は慌てて電話を切った。
 次に、モララーに掛けてみる。
「モナー君! 僕のこと心配なんだね…!! でも…」
 俺は電話を切った。
 元気であることが分かれば、もういい。
 どうやら、学校に来れるほど体力があったのは俺だけだったようだ。
 そうしているうちに、1時間目の授業が始まった。


 たちまち、昼休み。
 食堂へ行く途中に、レモナに捕まった。
 追っ払うのも可哀想なので、一緒に学食へ行く事になった。
 パンを買って、適当に椅子に座る。
 レモナは俺の隣に座った。
「つーちゃん、土日が空けてもまだ休みなんだって…」
 今日も休み?
 いくらなんでも欠席日数が長すぎる。
 さすがのレモナもちょっと心配そうだ。
 まあ、あのつーちゃんが5日近くも音沙汰がないとなれば、当然か。
「今日学校が終わってからでも、様子を見に行ってみるモナ?」
 俺は提案した。
「そうねぇ… つーちゃんの住んでるマンションなら大体分かるし、行ってみよっか」
 つーちゃんは、意外にもマンション暮らしだったのか。
 と言うか、家族構成とかはどうなってるんだろう。
 とにかく、学校が終わったらレモナと二人でつーちゃんの家を訪ねる事になった。


  /└────────┬┐
. <   To Be Continued... | |
  \┌────────┴┘

344新手のスタンド使い:2003/12/19(金) 23:59
乙!

345新手のスタンド使い:2003/12/20(土) 18:44
乙です。まさかキバヤシが出てくるとは・・・・。
俺も自分の作品中に波heギャッ!・・・・・・イエ、ナンデモアリマセン。

346新手のスタンド使い:2003/12/20(土) 18:55
キバヤシ…

347:2003/12/21(日) 20:18
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    /´ ̄(†)ヽ
   ,゙-ノノノ)))))     少女に与えられたのは、
   ノノ)ル,,゚ -゚ノi  ∩    大きな銃と小さな幸せ。
  /,ノノくj_''(†)jlつ[( )
 ん〜''く/_l|ハゝ((_)
      し'ノ     ̄
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  ∧_∧   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ( ;・∀・)< …少女?
 (    )  \______
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 (__)_)

      /´ ̄(†)ヽ
     ,゙-ノノノ))))) <!!
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             /´ ̄(†)ヽ ヽ   lヽ/レ
            ,゙-ノノノ)))))`ヽヽ  V ガッ!! Z
            ノノ)ル#゚ -゚ノi  ∩   レvヘ/
           /,ノノくj_''(†)jlつ[( )☆
          ん〜''く/_l|ハゝ((_)∧_∧
               し'ノ    ☆(;・∀・)つ <アアン
                      /ヽ_) /
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                     /´ ̄(†)ヽ
                    ,゙-ノノノ)))))  バラララ…     ビシュ!!
                    ノノ)ル#゚ -゚ノi ,、 ヽ从/      ∧_∧,,;; ;''
               ∩    /,ノノ(⊇二∩ヲ]i===:;, :;.    (;・∀・)つ・∵"< アアン
                [( )  ん〜''く/_l|ハゝ^  /Wヽ    /ヽ_)・/∴;";"
             ((_)      し'ノ            ビシュ!!`'''
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                            (     ,,:;,;;)     |          ..|
                              ヽ| |/;,,,ノ      |    『 教会 』    |
                  /´ ̄(†)ヽ        | |'        |_________|
                 ,゙-ノノノ)))))⌒ヽ   ,,| | ,,         ,    ||
                 ノノ)ル,,゚ -゚ノ    )  ノノ从ヽ、            ||
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               ん〜''く/_l|ハゝ           ,,             ||
                    (_ノヽ_)                        ||、,
       「―― モナーの愉快な冒険 ――   ツーチャンはシンデレラに憧れる・その2」
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

348:2003/12/21(日) 20:19

 6時間目、世界史。
 今日はこの授業で終わりだ。
 そういえば、前回の世界史の授業は自習だった。
 その理由は、なんと世界史の先生が失踪してしまったかららしい。
 今日から、新しい先生が来るという。
 若くてかっこいい男だと、女子が噂していた。
 まあ、俺は寝るだけだから関係ないが。

 教室の戸が開き、そいつが入ってくる。
 その姿を見て、俺は寒気がした。

 ―――真っ黒。

 全身が真っ黒に視える。
 塗り潰されたような漆黒。
 気持ち悪いほどの黒。
 余りにも黒過ぎて、身体の輪郭しか判別できない。
 何なんだ、あいつは?
 あれでも人間か?
 そもそも、俺は「視る」つもりなどなかったはずなのに。
 無理やり、『アウト・オブ・エデン』を解除した。
 素の俺の目に映ったのは、教師と言うには若すぎる青年である。
 季節に合わないロングコートを着用していた。とても教師の服装ではない。

「―――です。よろしく」
 その青年は、黒板に自分の名前を書いた。
 どうせ、偽名だ。
「えーと、こんな中途半端な時期ですが、一生懸命頑張りますので…」
 バケモノが何か言っている。
 こいつは何者だ?
 確かに人間である。それは分かる。
 そして、おそらくスタンド使いだ。
 『アウト・オブ・エデン』は、発動していないスタンドをも視ることができる。
 だが、なんで奴自身が真っ黒に視えるんだ?

『さあ、何故でしょうね…』

 何だ、今のは…!?
 俺は周囲を見回す。
 一瞬、その教師と目が合った。
 彼は口の端に微笑を浮かべていた。
 今のは、奴の思念…?

『その通りです。貴方のスタンドは、思念すら視覚化できるんでしょう?』
「では時間もないので、教科書の――」

 また聞こえた。
 間違いない。奴は、俺の『エンド・オブ・エデン』で拾えるくらい強い思念を送っている。
 こいつ、俺の能力を知っている…!

『久し振りです。いや、貴方とは始めまして…かな?」
「では、120ページ。とりあえず、前に進んでいた中世から――」
 奴は、何食わぬ善人顔で授業を続けている。
『私の事は、『蒐集者』と呼んで下さい。心配しなくても、こんな場所で事を起こそうとは考えていませんよ…』
 また、代行者か。
 だがこいつは、人間離れの度合いが、リナーや朝に会った『解読者』とは桁が違う。
 『矢の男』の内部は空っぽで何も視えなかったが、こいつは黒すぎて何も視えない。
 あくまで視覚化したイメージに過ぎないが、それでも異常すぎる。
 そもそも、『教会』の人間が俺の学校に何の用だ?
『あなた達と同じですよ。『アルカディア』を追っているんです』
 嘘だ。
 単なる直感だが、こいつは虚偽を語っている。
 俺の思考は、奴に伝わったようだ。
『そう敵意を持たないで下さいよ。私のスタンドはとても弱いんです。
 たぶん、生身の人間との殴り合いですら負ける。もっとも、人間にスタンドは触れませんがね…』
 そんな事、信用できるか…!
 『教会』だって、何をやっているか分からないような組織だ。
 俺の失われた過去に関わっているのも、おそらく『教会』のはず。
『では、少しだけ真実を語りましょう。私は沢山の実験をしています。そのうち幾つかは君にも関連がある』
 何だって!?
『2体の実験体のうち、1体はファージの伝播が上手くいかず失敗しました。
 ですが、もう一体は完全に成功です。素体が優れていたというのが最も大きな要因でしょうが、
 それだと汎用性に欠ける、という事にもなる。何しろ量産が前提ですからね…』
 何が真実を語る、だ。
 理解できない言葉で語るなら、何も言わないのと同じだ。
『まあ、そういう訳です。実際のところ、貴方にはまだ用はありません。せいぜい、勉学に励んでおきなさい』
 …あ、ちょっと待て! おい!!

「という訳で、1096年には…」
 奴の思念は視えなくなってしまった。
 平然と授業を続けている『蒐集者』。
 俺は何回も心の中で呼びかけたが、返事はなかった。
 そのまま、授業の終わりのチャイムが鳴る。
 『蒐集者』は俺に一瞥すると、笑みを浮かべて教室から出て行った。

349:2003/12/21(日) 20:20

 とにかく、放課後である。
 『蒐集者』の事は、帰ってリナーにでも聞くとしよう。
 とりあえず、レモナと一緒につーちゃんの家に行くという約束がある。
 レモナの教室へ行こうと思ったが、その前にレモナの方から迎えに来た。
「じゃあモナーくん、れっつご〜」
「はいはいモナ…」
 俺とレモナは学校を出た。

 校門の前に、見た事のある奴が立っている。
 あれは、『解読者』…!
 あのダサいセーターは間違いない。
 『解読者』は、顔を上げて俺の方を見た。
「やあ、偶然だな。人類は滅亡する!」
「レモナ、急ぐモナ…」
 俺はレモナを急かす。
「まあ待て。俺は君の味方だよ」
 『解読者』は、後ろから俺の肩に手を乗せた。
 仕方がない。話だけは聞いてやろう。
 無視したら、この先も付きまとわれそうだ。
「あの、レモナ… 先に行っといてほしいモナ。モナもすぐ行くモナ」
 つーちゃんの住んでいるマンションの場所は、さっきレモナに聞いた。
「うん。じゃあ、また後でねー!」
 レモナは、その場から走り去った。

 さて…
「モナに何の用モナ?」
 『解読者』はメガネの位置を直す。
「君に、伝えたい事と聞きたい事と、そして頼みたい事があってね。
 まず質問からいこう。今日、君は『蒐集者』に会ったのではないか?」
 とりあえず、正直に答えておく事にした。
「会ったモナ。教師として赴任してきたモナよ」
 『解読者』は悔しげにうつむく。
「そうか… 我々人類は、何もかも遅かったようだ…」
 やはり言動がアッチの人だ。
 だが、何故『蒐集者』の事を俺に聞く?
 『蒐集者』はこいつの仲間じゃないのか?

350:2003/12/21(日) 20:21

「『教会』の代行者といっても、一枚岩じゃないんだよ!!」
 『解読者』は無駄に声を張り上げる。
「代行者は9人いるが、それぞれ思想や考えが異なるんだよ。ただでさえ、異能の集団なんだ。
 良く言えば個性的。悪く言えば、全員ぶっ飛んでいる。俺を除いてはな…」
 いや、こいつも充分ぶっ飛んでいる。
「さらに言うなら、『蒐集者』は『教会』を離反したも同然なんだよ。だから俺達代行者は、奴を快く思っていない」
 なるほど。『教会』内でも、いろいろあるという事だ…
「で、伝える事ってのは何モナ?」
「…奴には関わるな」
 『解読者』は一言で答えた。
 『蒐集者』の異常性は、一目見たときから承知している。
 こちらも、係わり合いになろうとは思わない。
「で、頼みたい事ってのは何モナ?」
 俺は訊ねた。代行者が、俺に何を頼む気なんだ?
「簡単なことだ。君の家にいる『異端者』に伝言を頼みたい。
 『守護者』が倒れた。彼女は律儀に要求に応えている。ほどほどにしておけ、とな」
 『異端者』とは、確かリナーの代行者としての名前だ。
 伝言くらいなら別に構わないが、内容が大いに気になる。
「『守護者』が倒れたって…どういう事モナ?」
 俺は『解読者』に訊ねた。
 彼はアゴに手を当てる。
「聞いて分かる通り、『守護者』も代行者の一人で、心優しい女性だ。
 その仕事は、吸血鬼殲滅が任務の我らとは違う。法儀式というものを知っているか?」
 知っている…と言うか、法儀式済みの武器を今も持ち歩いている。
「その法儀式は、『守護者』の手によるものなんだよ!!」
 『解読者』はアップになって叫んだ。
 どうやらこの『解読者』は、説明が好きなようだ。
「どんな波紋の達人でも、無機物に波紋を流す場合、常に手で触れていなければならない。
 だが、『守護者』は違う。彼女は、波紋を物質に固着させるスタンド能力を持っている」
 波紋を物質に固着…?
 俺は、思わず胸ポケットに入っているバヨネットのグリップを強く握った。
「そして、波紋を武器に固着させる作業を法儀式と称する。
 それは、『守護者』のスタンド『シスター・スレッジ』があってこそ可能なんだ。
 『シスター・スレッジ』は、訓練を積んだ波紋使いよりも様々な『波紋』が使える。
 そもそもスタンド自身『幽波紋』と呼ばれるくらいだからな、その波紋力も絶大だ…、とはいえ限界がある。
 千発以上の銃弾と六十本のバヨネットに法儀式を施して潜伏先に送れ、と電話で無茶を言ってきた女がいてな。
 『守護者』も律儀にその要求に応じたものだから、体力の限界で倒れてしまったんだよ」
 リナー…。
 事情は分かった。リナーに注意しておこう。
 どうせ、聞きやしないだろうが…
「分かったモナ。じゃあ、モナはこれで…」
 俺は『解読者』に背を向けて、その場から離れようとした。
「待て!!」
 『解読者』は俺の肩を掴む。
「俺と同盟を組まないか?」
 『解読者』は、意外な言葉を口にした。
 一体、どういうつもりだ?
「同盟…?」
「そうだ。俺と組んで、世界を滅ぼそうとする奴等に立ち向かおう」
 普通なら、だが断るところだが…
 『教会』側の情報が入ってくるというのは美味い話だ。
 だが、『解読者』が何かを企んでいる可能性というのも捨てられない。
 そもそも向こうにとって、俺と協力する事にメリットはないと思うが。
「モナは無力モナ。協力したって、そっちにいい事はないと思うモナ…」
 俺はそう言ってみる。
 『解読者』は、真っ直ぐに俺の瞳を見た。
「俺は、大きな権力に真っ向から対立するヤツを黙って見ていられないんだよ…
 そう、かっての俺を見ているようでな…」
 その言葉は嘘ではなさそうだ。
 涼やかな外見に似合わず、実は熱い男なのかもしれない。
 よし、俺の心は決まった!
 俺は『解読者』に右手を差し出す。
「じゃあ、協力するモナ。よろしくモナ」
「ああ、新生MMR結成だ!!」
 俺は『解読者』と熱い握手を交わした。
 何やら、不穏な単語を耳にした気がするが…

351:2003/12/21(日) 20:21

「じゃあ、俺の事はキバヤシと呼んでくれ。君はモナヤだ」
 モ、モナ屋…!?
「では行くぞ、モナヤ! MMR出動だ!!」
 どこへ行く気だ、キバヤシ!!
 状況についていけない俺に、キバヤシは言った。
「とりあえず、つーとやらの家に行くぞ!」
 …!?
 なんで、キバヤシがつーの事を知ってるんだ?
 彼の前でレモナと会話した時にも、つーの名前は出していない。
「なんで、つーちゃんの事を知ってるモナ…?」
「何!? もしかして、知り合いなのか?」
 キバヤシは意外そうに言った。
 どうやら、向こうにとっても意外な事実だったらしい。
「モナの友達で、ずっと学校を休んでるモナ…」
「ふむ…」
 キバヤシは口に手を当てる。
「これは、調査する必要があるな… 実は、昨日『蒐集者』のマンションからメモを何枚か入手したのだが…」
 それは窃盗だ。
 MMRとは犯罪組織なのか。
「そこに、つーとやらの名前や住所などのデータがあってな。とりあえず会ってみようと思ったんだが…
 君が知り合いなら話は早い。行くぞ、モナヤ!」
「おう、キバヤシ!」
 こうして俺達は、つーちゃんのマンションに向かった。


                         `ヽ.      . .; : ’                          ' ,:‘.
       N│ ヽ. `                 ヽ        _,,.-‐-..,,_       _,,..--v--..,_,:‘.      +
..' ,:‘.   N.ヽ.ヽ、            ,        }.. ' ,:‘. /     `''.v'ν Σ´        `、_,.-'""`´""ヽ  . ...:: ’‘
’‘ .;.   ヽヽ.\         ,.ィイハ       |’‘    i'   / ̄""''--i 7   | ,.イi,i,i,、 、,、 Σ          ヽ
      ヾニー __ _ -=_彡ソノ  _\ヽ、   |     !ヘ /‐- 、 .   |'     |ノ-、 ' ` `,_` | /i'i^iヘ、 ,、、   |    。
.  。     ゙̄r=<‐モミ、ニr;==ェ;ュ<_ゞ-=7´ヽ.    |'' !゙ i.oニ'ー'〈ュニ!     iiヽ~oj.`'<_o.7 !'.__ ' ' ``_,,....、 .|
 '+。.       l    ̄リーh ` ー‐‐' l‐''´冫)'./ '+。,  `|        ..ゝ!     ‖  .j     (} 'o〉 `''o'ヽ |',`i
          ゙iー- イ'__ ヽ、..___ノ   トr‐'  _,,..-<:::::\   ー- /      !  `ー フ  / |  7   ̄  |i'/.. ' ,:‘.
:: ...        l   `          ./│:: .... .. . |、 \:::::\ '' /        \ '' /〃.ヽ `''ー フ  , 'v>、.. ' ,:‘.
  ,  ,:‘.  . ヽ.   ー--‐'    ./  ト,  ,  !、\  \. , ̄        γ/| ̄ 〃   \二-‐' //`
            >、   ̄´  ./  / |ヽ            + ,,.. . /└────────┬┐ +       ’。
 ,:‘.。 .. . . ::: _,./| ヽ`ー--‐ _´.. ‐''´   ./  \、 ,:‘. 。   .. . <   To Be Continued... | |。  , .. .    +
                                        \┌────────┴┘

352丸耳作者:2003/12/22(月) 00:12
乙。
レベル高い上にペース早いですなー。
私もがんばりまつ。

353新手のスタンド使い:2003/12/22(月) 00:13
エンド・オブ・エデン

いや、なんでもない。乙。
毎回楽しみにしてますよ。

354新手のスタンド使い:2003/12/22(月) 00:52
MMRってあるじゃないですか
あれ初めて読んだとき、なんていうかその…下品なんですが…
…勃起…しちゃいましてね…






                       キバヤシ/ヽァ/ヽァ(´д`*)

355:2003/12/22(月) 01:58
>>353
○エンド・オブ・エデン

   /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〈
   |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
   ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〈
    i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
   _ノ::::::::::::/´ ̄(†)ヽ:::::::::::::::::|ボウッ!!
 _)::::::::::::,゙-ノノノ)))))::::::::::::/                     ∧_∧  / ̄ ̄ ̄ ̄
 \::::::::::::ノ  ル,,゚ -゚ノi 、::::(_ < 受けてみよ!       (´∀` )<  ・・・・・・
 __)::::::::/   くj_''(†)jlつ _ゝ:::/   我が力をッ!!     ( 353 .)  \____
 ヽ::::::::ん〜''く/_l|ハゝ'´:::::::::(                 | | |
  `ヽ、::::::::::::::::し'ノ:::::::::::::::/                 (__.(__)

※都合により、全身タイツは着用しておりません。

                                      从
         ‥…─────     i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/λ,.;.;;;;)
       ‥…━━━━━      _ノ:::::::::/´ ̄(†)ヽ:::::::::::::|)''':,''::,;")
        ‥…─────   _)::::::::::,゙-ノノノ))))):::::::/)∧_∧.;;)ゴォォォォ!!
       ‥…━━━━━    \:::::::::::ノ  ル,,゚ -ノi:::::::((,",:,';,;;Д`)(
         ‥…─────  __):::::::/ くj_''(†)つ:::::/.,:';:,( つ つ_).,:
       ‥…━━━━━    ヽ::::::ん''く/_l| l|'´::::::( .,::,''::,ゝ ) )';:,'"
          ‥…─────  `ヽ、:::::::しヽ_):::::::/ :,'':::,;":し し';:,'"

356:2003/12/22(月) 01:58

                   i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/    人ノ゙';:⌒ヽ
                  _ノ:::::::::/´ ̄(†)ヽ:::::::::::::|  .,,从.ノ';:,''::,;":;.';:)
                _)::::::::::,゙-ノノノ))))):::::::;`'"..,,从.、;;:∧';:,''::,":;.';:彡
                \:::::::::::ノ  ル,,゚ -ノi:::::_,,..、;;:〜-:''Д`';:,''::,;":;.';:ミ
                __):::::::/ くj_''(†)つ、'.".;;`;゙゙;~"~;;;~"つ';:,''::,;":;.';:)
                ヽ::::::ん''く/_l| l|'´::::::~~〜~;;彡⌒〜;;~〜 彡''"
                 `ヽ、:::::::::し'ノ:::::::/ :,'':::,;":し し'';:,'"シュゥゥゥゥゥ!!



:::::::...... ....:::::::゜::::::::::..   (___ )(___ ) ::::。::::::::::::::::: ゜ (___ )(___ ):::::::
:. :。:..... . .::::::::::::::::: _ i/ = =ヽi :::::::::::::。:::::::::::_ i/ = =ヽi ..__.:.... .... ..
:::: ::..:☆彡::::   //[||    」  ||] ::::::゜:::::::::::://[||    」  ||]::: . . .
 :::::::: . . . ..: :::: / ヘ | |  ____,ヽ | | :::::::.... ..../ ヘ | |  ____,ヽ | |::.゜. .::::::
:::::.゜. .::::::  /ヽ ノ    ヽ__/  .......  /ヽ ノ    ヽ__/:........ ..::::
:.... .... ..   く  /     三三三∠⌒>: く  /     三三三∠⌒>.... ....
:::::::::::    ....::::::::::::。..::::.::>302 :::::.     __..::::::::::::::.__ >353  :::.............
::::::::.....  :::::::::::::::::::::      .... ...::: ::: :::: : |: | .... .:::::|; |
:::::::::::........   ..::/´ ̄(†)ヽ:::......      ::::::...:|; |....... : ::::|; |:::
        ,゙-ノノノ)))))         O二二X 二二二X二二)    ;`'"..,
        ノノ)ル,,゚ -゚ノi <・・・       |: |     .|: |    ';:,'"::,'":;.
       /,ノノくj_''(†)jlつ              |: |     .|: | ';:,''::,;":;.';:シュゥゥゥゥ…
      ん〜''く/_l|ハゝ           ,_,_|; |,_ ,_,,_,,_.|; |';:,'"::,'":;.
           し'ノ          /::::::::;;:::: :::::::::;;:::: ::ヽ ,
""""  """"""""""   """"""" """"""" """"""""""""ヾ

※ネタです。他意はありません。

357新手のスタンド使い:2003/12/22(月) 13:04
墓が増えてゆく…

358353:2003/12/22(月) 20:33
さいたま氏に埋められるなら本望よ。

よくわからない人は348を参照

359新手のスタンド使い:2003/12/22(月) 20:57
>>358
君の意思、確かに伝わったぞ。

360N2:2003/12/22(月) 23:37

          (⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒
           ( 一ヶ月以上新作小説の制作からドロン!していたのに復帰早々
          O ( 「オレ達のスタンドヴィジョン募集中だよ〜!」なんて言えないよなあ、、、
        ο    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
    ∩_∩。
_ G|___|___
   ( ; ・∀・)
――(    )―┘、          コノフトドキモノ!!   N2ヒッシダナw
‐――┐ ) )――┐         ≡≡∧,,∧   ≡≡∧ ∧
    (__ノ__ノ    . |         ≡≡ミ,,>∀<ミ ≡≡(,,・∀・)
                     ≡≡ミ_u,,uノ  ≡≡ミ_u,,uノ
                   "~"    """  :::     "~""~"
                """    :::

361N2:2003/12/22(月) 23:39

 Rising・Sun

 最強のスタンドとは何か?
 今まで数多くのスタンド使いがこの難問に頭を悩ませたことであろう。
 ある男は、かつてこう言った。
 「適材適所」
 スタンドバトルにおいて、全ての局面において優位に立てるスタンド使いなど
 そうそう存在するものではない。
 全くのヴィジョンを持たぬスタンドであっても、勢いに乗りさえすれば
 近距離パワー型のスタンドを接近戦でも簡単に打ち崩すことが出来る。
 要は相性、そして状況次第なのだ。
 最強など、本来人のこじ付けにしか過ぎないのだ。

 されど、「力」を手にした者は、自ずとその呪縛へと捕らわれてしまう。
 これも、強大な「力」を手にする上での一つの宿命なのであろうか。

362N2:2003/12/22(月) 23:41

 「お前には色々と聞きたいことがある…かつてDIOが所有していた『矢』を一体どんな経緯で入手し、何の目的で使っているのか…。
 そして何より、お前は一体どこで『石仮面』を被った?スピードモナゴン財団の者として、お前には色々と喋ってもらわなくちゃならない」
 大柄の男――空条モナ太郎は冷酷に黒マントに身を包んだ男を睨み付けた。
 モナ太郎のスタンドによって多大なるダメージを受け、黒マントの男はその場に寝転がったまま、立ち上がろうとしない。
 「どうした?白を切るつもりか?それともここで私を殺そうとでも考えているのか?」
 「私を殺す」、この言葉に反応して、黒マントの男は立ち上がった。
 先程の傷はもう癒えかけている。
 「陽が沈むまで陰からは現れようとせず、更にはその治癒能力…これでお前が吸血鬼であることが
 完全に証明されたわけだ。さあ、お前は一体、いつどこで『石仮面』を被った!?
 答えないならもっと再生のしようが無い位に叩きのめすことになるぞ」
 そう言ってモナ太郎は彼のスタンド――スタープラモナを出した。
 その力が一体どんなものであるか…それはもうスタンド使い同士の間では非常に有名な話であるし、
 もちろんこの男も承知していた。いや、むしろ彼にとっては絶対に承知せざるを得ないのだが。

 スタープラモナは典型的な近距離パワー型スタンドである。
 圧倒的なパワーとスピード、それに絶対的な正確さを誇る精密動作で敵を圧倒する。
 だが、彼のスタンドの本当の恐ろしさはこんなものではない。
 スタープラモナは、この世の時を2秒ほど停止させられるのだ。
 これによって、如何なるスタンド使いもこの間は全くの無防備となり、為す術も無く彼の前に倒れるばかりである。
                                   ザ・ワールド
 そして、彼と全く同じ能力を持った吸血鬼・DIOのスタンド『世界』を十数年前に倒したことで、
 その道では彼が今世界最強のスタンド使いなのではないか?という声が自然と耳に入る、それほどのスタンドなのだ。

 圧倒的な力が目の前に具現化したことで、黒マントの男は圧倒された。
 そして…笑い始めた。
 「クックックック…ハハハハハ、ハァーッハッハッハッハ!!」
 目の前の男が壊れ始めたのを見て、モナ太郎は怪しむよりもむしろ不気味に思った。
 そして、厳しい口調で問いただした。
 「…何がおかしい?私の質問がそんなに面白かったか?」
 「ハハハ…いや、貴様の考えが随分私のそれから大きく逸脱しているのでね…」
 「…何だと?」
 挑発的にセリフに、冷静に男と向かい合っていたモナ太郎も流石に苛立ちを感じた。
 黒マントの男は、そんなことお構いなしに話を続ける。
 「私は別に貴様を殺そうなんて考えてはいない…むしろその逆だ。貴様にこんな所で対面して、正直殺されることへの恐れで
 頭の中は一杯だ。私の能力などでは決して貴様に敵いはしない」
 「…なら大して笑うことではない」
 「…ただし、それは今現在の話だ」
 「…何?」


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