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スタンドスレ小説スレッド

263神々の遺産:2003/12/11(木) 00:33

「うっ・・・・・」
俺は目を覚ました。どうやら寝てしまったらしい。
頬が張っている。顔には時計の跡がついている。・・・・・格好悪い。
どうやらもう放課後らしい。時計を見て確認した。
「・・・・・どうして誰も起こしてくれないんだよ。」
俺は少し、悲しみと寂しさと涙が込み上げてきた。
教室には数人がいるだけで、閑散としている。
かばんを持って、ヨロヨロと立ち上がった。
「あっ、いたいた。ねぇ、黒耳君。」
その声を聞き、俺は振り向く。
声の主は、同じのクラスのしぃだった。
「ほらっ、何してるの?早く出てきなよ。」
そう言われて、もじもじしながらドアのところから出てきたのは、同じクラスのつーだった。
しぃとつーは姉妹だ。もっとも、血がつながっているわけではない。
しぃの両親が、孤児院にいたつーを引き取ったらしい。
「あの・・・その・・・・」
つーがもじもじしながら俺を見る。
俺に何かを用事があるようだが、もじもじしていて何を言いたいのかまったく分からない。
しぃの両親は出来た人らしく、しぃにもつーにも分け隔てなく育ててきたらしいのだが、
なぜか、つーはおとなしい性格になってしまったらしい。
まぁ、なんでこんなにつーのことに詳しいのかと言うと、俺としぃ達の両親は、昔から面識があったからだ。
つまり、幼馴染ってやつだ。
酒の席で、もっとも俺はいるだけだったが、色々聞かしてもらった。
「あの・・・その・・・」
つーはまだもじもじしている。
その様子にしぃが我慢ならんっと言った感じで
「あぁもう!つーが言わないんだったらあたしが言っちゃうよ!?」
「え・・・・、分かったよぉ、私から言うよ・・・・」
つーが俺のほうにくるっと向き直った。
「あ、あのね、こ、今度の日曜日、私の誕生日なんだけど・・・・・」
「あぁ、そういえばそうだな。」
「そ、それでね、今度、私のうちで誕生パーティーするんだけど・・・・・」
「それに俺に来い、と。」
「う、うん。ダメ・・・かな?」
つーの誕生パーティーか・・・別に行ってやらんこともないがしかし・・・
そういう誕生パーティーというものには、大概、男は誰もいなく、女の子だけと言う場合が多い。
そんな中、俺一人男と言うのは・・・・・かなりきつい。
「なぁ、それって男も来るのか?」
「ん?それなら安心だよ。あんたの他に、一応ギコも呼んであるけど。」
「ギコ?ギコも呼んであるのヴァ!?」
俺の背中に衝撃が走る。つーたちの顔が横に流れていく。
俺はそのまま、地面とキスをした。
「呼んだか?」
ギコは俺の背中に足を置いたまま、俺に聞いてきた。
一体どこから現れたんだ・・・・?
ギコはしぃ、つーと同じく、俺と同じクラスだ。
小さい頃、親が死んで、行く当てもなかったので、孤児院で暮らしているらしい。
ぞれにしても何故に蹴るんだ・・・?俺ってばなかなかひ弱なんだぞ?折れたらどうするんだ。
「いや、呼んでないぞ・・・」
俺は、俺の背中にある足を無理やりどけて立ち上がった。
「そうか?それならいいんだが。」
俺にわびる様子もなく、そのまま帰ろうとする。
「あっ、そうだ。お前、つーの誕生パーティーに行くのか?」
「あぁ、誘われたからな。もちろん行く。」
ギコはそっけなく返す。
そうか・・・ギコがいくのか。意外だな。
俺は内心、かなり驚いていた。
ギコは、教室の窓側のほうでよく小説を読んでいる、おとなしい(?)奴だ。
だから、こういう騒がしいパーティーみたいなものはあまり来たがらない。
「そうか、なら俺も行くよ。」
俺がそう答えた瞬間、つーの顔がぱっと明るくなった。
「ほ、ほんとぉ!?じゃ、じゃあ場所と時間は折り入って連絡するから!」
そのまま教室を走って出て行った。
一体何なんだ?
「ちょ、ちょっと待ってよ!」
しぃは、つーの後を追って教室を出て行った。
「さて・・・・・」
俺はかばんを持ち直して、ギコと一緒に教室を出て行った。


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