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スタンドスレ小説スレッド
1
:
新手のスタンド使い
:2003/11/08(土) 01:58
●このスレッドは『 2CHのキャラにスタンドを発現させるスレ 』の為の小説スレッドです。●
このスレでは本スレの本編に絡む物、本スレ内の独立した外伝・番外編に絡む物、
本スレには絡まないオリジナルのストーリーを問わずに
自由に小説を投稿する事が出来ます。
◆このスレでのお約束。
○本編及び外伝・番外編に絡ませるのは可。
但し、本編の流れを変えてしまわない様に気を付けるのが望ましい。
番外編に絡ませる場合は出来る限り作者に許可を取る事。
特別な場合を除き、勝手に続き及び関連を作るのはトラブルの元になりかねない。
○AAを挿絵代わりに使うのは可(コピペ・オリジナルは問わない)。
但し、AAと小説の割合が『 5 : 5 (目安として)』を超えてしまう
場合は『 練習帳スレ 』に投稿するのが望ましい。
○原則的に『 2CHキャラクターにスタンドを発動させる 』事。
オリジナルキャラクターの作成は自由だが、それのみで話を作るのは
望ましくない。
○登場させるスタンドは本編の物・オリジナルの物一切を問わない。
例えばギコなら本編では『 アンチ・クライスト・スーパースター 』を使用するが、
小説中のギコにこのスタンドを発動させるのも、ギコにオリジナルのスタンドを
発動させるのも自由。
★AA描きがこのスレの小説をAA化する際には、『 小説の作者に許可を取る事 』。
そして、『 許可を取った後もなるべく二者間で話し合いをする 』のが望ましい。
その際の話し合いは『 雑談所スレ 』で行う事。
2
:
さ
:2003/11/09(日) 10:09
では、前掲示板で消滅してしまった「モ夏」をもいっかい貼ります。
「9月15日・その1」から「9月17日・その3」までで、
かなり量が多いですがご容赦下さい。
3
:
さ
:2003/11/09(日) 10:10
「〜モナーの夏〜 9月15日・その1」
キーン コーン カーン コーン…
授業の終わりを告げる、無機質なチャイムが鳴り響いた。
俺は思う。なぜ、学校のチャイムはこんなに味のない音なのだろうか。
ベートーベンの第九や、FFの勝利ファンファーレなど、ふさわしい曲があるはずだ。
…などと考えているうちに、先生の姿は消えていた。にわかに周囲が騒がしくなる。
今は、6時間目が終わったところだ。
一般的に言えば、放課後である。もっとも、一般的に言わなくとも放課後だが。
「よぉ、モナー」ギコが話しかけてきた。「どうした? ボーッとして…」
俺は決してボーッしていた訳ではない。授業の終わりにふさわしい曲を選ぶという命題に取り組んでいたのだ。
だが、それをいちいち説明しても仕方がない。
俺はいつものように、「オマエモナー」とだけ返した。
「逝ってよし!」ギコは即答する。つくづく芸のない奴だ。
「まあまあ、マターリしようよ」モララーのヤツが近づいてきて言った。
一番マターリしていないヤツが何を言うか。
「黙れ、虐殺厨。」ギコは、モララーの方に顔を向けず吐き捨てた。
「それは心外だな…」モララーは憤慨したようだ。「確かに、虐殺行為を繰り返すモララーがいるのは認めよう。
でも、僕は僕。彼らは彼らだ。『虐殺厨』というレッテルを僕に貼るのは…」
「ほれ、前に借りたマンガ返すよ。」ギコはモララーの言葉を遮ると、俺に一冊のマンガを差し出した。
俺はマンガを受け取るり、カバンにしまってから訊ねた。「で、どうだったモナ?」
「ああ、おもしろかった」ギコは答えた。「たぶん、真のラスボスはひろゆきだな」
モララーが口を挟む。「分かってないな、ラスボスはやっぱり矢の男だよ。ひろゆきはあくまで第三勢力さ」
「二人とも、同じくらいの強さだと思うモナ」俺は自分の意見を述べた。
正直、語尾に「モナ」とつけるのは本意ではない。
俺はもともと理知的で聡明かつ思慮深いのだが、語尾に「モナ」とつけただけで、脳が軽そうな印象になる。
だが、これはモナーとしてのアイデンティティ、「低脳」というレッテルも甘んじて受けようと思う。
「どうした? ボーッとして…」ギコが言った。
俺は決してボーッしていた訳ではない。モナーとしてのアイデンティティについて熟考していたのだ。
だが、それをいちいち説明しても仕方がない。
俺はただ、「オマエモナー」とだけ返した。
「逝ってよし!」ギコは即答する。芸のあるなし以前に、話がループしている。
「ほら、ケンカしないの。」
そこに割り込んできたのは、モララーではなかった。
「まったく、いつもケンカして…」しぃは呆れるように言った。
もっとも、俺達が本当にケンカしていた訳ではないという事は、しぃにも分かっているはずである。
俺達の会話は、いつでもあんな感じだ。
俺、ギコ、モララー、しぃ、おにぎりは仲が良いと言われている。
そして実際に仲がいいのだろう、休み時間や放課後にはいつも五人で集まってダベっている。
「そういえば、おにぎり君は?」しぃが訊ねた。
予断だが、しぃは半角カナでしゃべっている。俺が脳内変換しているだけだ。
「ほら、今だんじり祭りだろ?」ギコは答える。「あいつ、祭り好きだから…」
だんじり祭りは、相当荒っぽい祭りのはず。あの米頭は大丈夫だろうか…
4
:
さ
:2003/11/09(日) 10:10
「ギコ、今日は部活はいいモナ?」ふと、俺はギコに訪ねた。
「ああ、今日は休みだ。」ギコは答えた。
ギコはサッカー部に所属している。そして、当然のようにモテモテだ。
バレンタインデーなど、食べきれないほどのチョコを貰うらしい。
もっとも、モテモテ度では俺も負けていない。
ただ、俺に惚れる女はシャイなのだ。
チョコを作ったはいいが、恥ずかしくて渡せない…そんな女ばかりなのだろう。
何故か涙が出てきた。俺は自分自身を騙すことすらできない、ちっぽけな男だ。
とはいえ、俺もバレンタインに手作りチョコをもらったことくらいはある。
妹だ。
しかも、思い人に渡すものを作っていて、失敗したらしい。
さらに、渡す時のセリフが「惨めだから」。
そして俺は、どこの馬の骨とも分からぬ男の名が刻まれた失敗チョコを食べた。
トッピングは涙。
甘さと塩味が合うことを発見した、有意義な去年のバレンタイン…
「うおっ! 何泣いてんだ!」ギコの声が、俺を現実に引き戻した。
「モナーもサッカー部に入るモナ!」俺は叫んだ。
そして、鼻血を垂らしながら、「あー、今年もチョコ食べ過ぎたぜ…」などとのたまうのだ。
「そのブヨブヨの体で、サッカーは無理だゴルァ!」ギコは冷たく言う。
俺は大いに傷ついた。ブヨブヨとはなんだ。ちょっとポッチャリしているだけだ。
だいたい俺が痩せたら、別のキャラになってしまう。
「不純な動機で部活をやるのは駄目だよ」しぃまで、キツい事を言う。
しかも意図までバレている。こいつ、何気に鋭い。
「でも、サッカー部が休みって珍しいね」モララーが話題を変えた。
「ああ。この辺で、真夜中に女ばかりを狙った連続通り魔事件が起こってるだろ。練習があると、
帰りが遅くなるからな。しばらく、どの部も休みって話だ。」ギコは残念そうに言った。
「通り魔事件?」初耳だった。「そんなのが起きてるモナ?」
「何だよ、知らないのか?19人も殺されてるんだぞ?」
「毎日ニュースでやってるよ?」
「君はマターリしすぎだね。」
全員から一斉に集中砲火を受けた。
19人も犠牲者が出てるのか…
「大体、一ヶ月前くらいからだね…」聞いてもいないのに、モララーが語り出した。
「行方不明になってたどこかのOLがね、死体で見つかったんだよ。どうやら、夜にふらふらしていたところを、
通り魔に襲われたみたいなんだ。それから、毎日のように死体が見つかるんだよ。早朝、道に放置されてるのがね。
いずれも、前日の真夜中に殺されてるんだ。」
まったく知らなかった。
「まさか、矢のようなもので刺されていたとかはないモナ?」
俺は冗談交じりに言った。それは、さっきのマンガの話だ。
モララーは首を振る。
「まさか。ただね、手口が残酷なんだよ。腹をかっさばいて、内臓を引きずり出すらしい。」
モララーは嬉しそうに話す。こいつ、やっぱり虐殺厨だ。というか、こいつが犯人じゃないだろうな?
「じゃあ、私は帰るね。」しぃが立ち上がる。
「おう、じゃあな。」「また明日モナ。」「気をつけなよ。」
俺達は口々に別れの言葉を告げる。
「じゃあ、バイバイ」そう言って、しぃは教室から出て行った。
俺達は、その後も他愛ない話を続けた。
5分ほどして、ギコはカバンを持って立ち上がった。
「それじゃあ、俺も帰るわ。」
「バイバイモナ。」俺は手を振る。
「じゃあな。」ギコは、教室から立ち去った。
5
:
さ
:2003/11/09(日) 10:11
俺はたちどころにして見抜いた。これは時間差攻撃だ。
まず、しぃが先に帰った振りをする。それから少し後に、ギコが合流する。そして、二人で帰るのだ。
確かに周到な計画だ。だが、天は誤魔化せても、俺の目は誤魔化せない!!
「あいつら、デキてるね…」モララーが呟いた。下卑た表現だ。
「帰りに出会ったら気まずいから、図書館でも寄って帰るよ。」モララーは言った。
「モナーもそろそろ帰るモナ。」俺もカバンを持って立ち上がる。
そして俺達は教室を出た。
廊下でモララーと別れ、靴箱で靴を履き替える。
「モナーく〜ん! 一緒に帰ろ!」
背後から、聞き覚えのある声がした。
振り向くと、レモナが立っていた。
こいつは、確かに見た目は可愛らしい。そして、俺に惚れている。
だが………男だ。
女子生徒の格好をしていて、周囲には女で通っているが、俺は知っている。
「ノォォォォ!!モナーはノーマルモナー!!」俺は即効で駆け出した。
コイツのお陰で、俺は逃げ足だけは速いのだ。
3分ほど必死で走った。どうやら上手くまいたようだ。
それにしても、なんであんなのに好かれたんだろうか。
どうせなら、じぃちゃんと一緒に帰りたかったのに…
ちなみに、「じぃちゃん」とはわがクラスのアイドル「じぃ」のことで、決して俺の祖父のことではない。
じぃちゃんに想いを馳せながら歩いていると、道端に何かが倒れているのに気付いた。
あれは…人間?
そう、道端に誰かが倒れているのだ。
俺の頭の中に、通り魔事件の事がよぎった。
どうする!? ただちに警察に届けるべきか!?
普通なら、まず確認すべきだろう。
だが、俺は自他共に認めるチキンだ。死体など見ようものなら、三日はメシが食えなくなる。
さて、どうするべきか…
用心深い俺は、遠くから観察してみることにした。
大量の血などは出ていないようだ。少し安心して、距離を詰める。
どうやら、俺と同い年くらいの女のコだ。
その時、少し腕が動いた気がした。
息はあるようだ。
「ウホッ!」
顔が確認できるくらいの距離に近づいて、俺は思わず声を上げた。
かなりの美人だ。これは恩を売るに限る。いや、ここで恩を売らずして何が男か。
俺は、すぐ傍まで近寄った。苦しそうな顔をしている。
「あの…大丈夫モナ?」
取りあえず声をかけてみた。だが、苦悶の表情に変化はない。
意識は無いようだ。
どうしよう。
とりあえず、家も近いし、連れて帰るか。
いや、もちろん介抱するためだ。
不純な動機など、塵芥ほども存在しない。
救急車を呼ぶほどではないかもしれないし、何か事情がある人かもしれない。
倒れている人を自宅で解放して何が悪い?
ひとしきり自己弁護を終えると、俺は女を抱き起こした。
その時、女はこう呟いた。
「早く… ヤツを止めないと…」
「えっ!?」俺は聞き返した。
俺に言ったのではないようだ。ただのうわ言だろう。
「この町で、起きる事…」
何を言っているのだろうか。意味がさっぱり分からない。
女は、さらに理解不能な単語を口にした。
「空想具現化(マーブルファンタズム)・・・」
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