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【場所】『小道』

105『我々は皆運命に選ばれた兵士』:2006/10/24(火) 08:14:24
105  沢渡 亮  2006/06/16(Fri) 22:14

眠りから覚めたかの様に、ゆっくりと目をあける。

「実に奇妙な場所ですね。」

暫く、ボクは自分が何故此処に居るのかを理解出来なかった。

眠りから覚めれば、いつもの街と空虚な日々が待っていると

思っていた。

「ボクは生き残れなかったんですね。」

結局ボクも死んだ兄と同じ、愛する人を泣かせる事になってしまった。

彼女に最後に会った日、兄の墓参りに一緒に行く約束をして別れた。

彼女はこの世にいない愛する人・・ボクの兄の事を一日たりとも

忘れる事はなかったとボクに言った。

だからボクの想いが彼女に届く事はなかった。

それでもよかった。

傍であの笑顔を見つめられるだけで幸せだった。

そしていつか、ボクの方を見てくれる日が来る事を願って・・・

こんな形で去るボクの事を、彼女は怒りもせずに

黙って見送ってくれるだろうか?

それとも、小言のひとつでも言って叱ってくれるだろうか?

彼女は知らない。

死者が通るこの場所の事を。

だからボクは彼女が来るのを待つ様な事はしない。

『いつか貴女を護れる人間が現れる事を祈っている』


かけていた眼鏡を外して、小道の脇にそっと置いて

ボクは『振り向いた』


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