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ミッション『アンドロギュヌスの陰謀』

357七市 敬司『クリア・ザ・デックス』:2006/11/02(木) 01:52:36
>>311
交渉……決裂。しかも、質の悪いことにこれ以上の交渉の余地もほとんど無いらしい。
と、いうわけで副大統領も認める危険な男は現在攻撃態勢にある。

(なんだかんだで推理と洞察は深いようだな。だが……相変わらずな、このやり口が嫌いでね?)

そう考えて気づいた。正義のためならどんな『ワガママ』も通る、というどこかねじ曲がった理屈が。
自分は嫌いなんだ、と。それが直接辞めた理由にはならなくても、そう思った。

「スティーブ、これ以上の戦闘を俺は望まないが、まだ交渉の余地はあるか?」

火傷を負っていない方の足を立てて息を整えながら。まるで何かの拳法の構えのように。

「その『少し』動けなくなると言うのが、俺にとってどうであるかが問題でな。
『再起不能』なんてことになっては俺もやりきれないのでな?」

息を整え、痛みをこらえ拳を作る。拳の中に『2cm』の『クリア・ザ・デックス』を仕込む。

「だが、このままでは君の味方が来るのでね?ここでスティーブ、君と協定を結んでおきたいんだよ。」

拳法の心得は当然無い。警察学校自体に受けた訓練程度。そもそも我流の偽拳法、ブラフで充分だ。

「俺も君に『野放しにされない』かわりに、君も俺をある程度自由に動ける状態にして欲しい。」
 それだけだ。俺は元々『君達側』の人間だぞ?……まあ、それが出来ないというのなら」

威圧感があるなら、存分に発揮されてくれ。初見の恐怖も歓迎だ。

「……スティーブ、貴様は東洋の神秘というヤツを身をもって体験することになるぞ!」

相手の出方をその一瞬まで見極める。ここで折れてくれるならよし。
そうでないのなら、そうさせるまでだ。七市は反撃の機会をうかがう。


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