>>58
神話生物
古のもの(いにしえのもの、英:Old One, Great Old One)
詳細は「古のもの」を参照
樽状の胴体と五芒星形の頭部を持つ半動物・半植物的な地球外生命体。生命体がまだ存在しなかった太古の地球に到来して文明を築いた。『ネクロノミコン』には、彼らがふざけてか誤ってか、地球の生命体を創造したと記されている。生物としては生命力が極めて強く、また、水陸双方の環境に適応する。超常的な力は持たないが、科学技術が非常に発達していた。南極大陸は彼らが宇宙から最初に降り立った場所である。
「旧支配者」とも呼ばれる。後続作家たちによって体系化されたクトゥルフ神話においては、他の作品でElder Thing(邦:古のもの)と名付けられて、そちらの名前で定着する。同じ呼称であるが、邪神の総称としての旧支配者(オールド・ワン、グレート・オールド・ワン)とは異なる。固有名詞ですらないので、本作中においてさえOld One/Great Old Oneが統一されておらず、さらにこの種族を指す呼称は作者によって異なる。
クルウルウの末裔(英:Star-spawn of Cthulhu, Spawn of Cthulhu)
「クトゥルフ」も参照
「クルウルウ」は、ラヴクラフト作品における "Cthulhu" の大瀧啓裕による日本語訳名であり、より広く知られている名は「クトゥルフ」である。
古のものよりもさらに遠い世界から現れたと思われる地球外生命体。外見上は蛸に似ているが、身体が我々とは異なる物質によって構成されており、変身や体組織の再生が可能である。遅れて地球に到来し、地上の支配を巡って古のものと激しく争った。この戦いでは一時的に全ての古のものを海に追い落としている。のちに和戦がなされて領土を分け合ったが、突如として本拠地のルルイエもろとも海に沈んだ。
ラヴクラフト宇宙観の総決算
神性を具えているクルウルウ(クトゥルフ)とは異なり、本作に登場する「クルウルウの末裔」は、神格というより、ミ=ゴと同列の宇宙生命体のような扱いで、「陸棲種族」「蛸に似た宇宙生命体」などと表されている[1][注 1]。これに関して、翻訳者・大瀧は、善悪二元論的なクトゥルフ神話との根本的な違いとして、ラヴクラフトの宇宙観が元になった(人間の視点とは異なる)超越的視点を挙げており[2]、特に本作は、『時間からの影(英:The Shadow Out of Time )』(1934-1935年に執筆、1936年刊行)とともに「幻想宇宙年代記」[2]とも表現し、「ラヴクラフト宇宙観の総決算」[3]としている。