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漫画講座論

878WS:2021/12/07(火) 10:09:20
>>868

・テーマについて。
『真のテーマは一つの単語ではなく、文で表される。明快で整然として、ストーリーの意図を余すところなく伝える文である。
私はこれを「統制概念」と呼んでいる。テーマと同様に、ストーリーの原点や中核概念を伝え、その役割を示すものだ。
一つの明快な考えに基づいてうまく作品を構築すると、観客はその作品から多くの意味を見いだし、その考えを自分の人生に採り入れてあらゆる側面に結びつける。
逆に、一つのストーリーに多くの概念を詰め込みすぎると、内部爆発が起こって、でたらめな考えが散らばり、何も伝わらなくなる。
統制概念は一つの文で表現できるものであり、冒頭の状況から最後の状況へ、人生がどんな理由でどのように変化するかを表す。
ストーリーを結末から冒頭へと逆にたどっていくと、登場人物の奥深いところに、その価値要素が存在するに至った原因を見つけることができる。
内容に富んだストーリーでは主人公がなぜその価値要素を持つに至ったか、その原因も描かれているはずだ。』

『ストーリーの結末を見て考えてみよう。クライマックスの行動によって主人公にもたらされる価値要素はプラスorマイナスだろうか。
次に、このクライマックスからストーリーを逆にたどって深く掘り下げよう。この価値要素を主人公にもたらしたのはどんな原因だっただろうか。
この二つの問いの答えとなる一文が統制概念だ。
言い換えれば、ストーリーがあなたに意味を教えるわけだ。あなたがストーリーの意味を決めるのではない。
考えから行動を引き出すのではなく。行動から考えを引き出すのである。』

『ビートシートとは、ストーリーをステップに分けて書いたものである。
各シーンで何が起こり、どう進展していくのかを一行から二行で簡潔に記す。
カードの裏には、そのシーンがストーリーの中で(少なくとも現時点で)、どんな役割を果たすためのものかを書く。
契機事件の引き金となるシーンはどれか。契機事件となるものは。第一幕のクライマックスは。第二幕、第三幕は。その先は。
美的感覚とこれまでの経験から、たとえ才能があっても、自分か書くものの九十パーセントはよく言っても平凡だとわかっている。
質の高い作品をひたすら追求する中で、使い切れないほどの題材を作り出しては壊していく。一つの場面を十通り以上は考えた上で、あらすじからその場面そのものを外すこともある。
一つのシークエンスや、一幕全てを没にすることもある。
自分の才能を信じている脚本家は、創造性が尽きることはないと知っているので、きらめき宝石のようなストーリーを書けるまで、自分のベストと思えるもの以外は全てゴミ箱行きにする。
あらゆる調査と想像力の産物で整理棚が埋まり、ストーリーがビートシートにまとめられていく。
そして、何週間か何ヶ月か経ったころ、ストーリー・クライマックスを思いつく。そらをもとに、エンディングから逆に辿って修正していく。こうしてストーリーが形を成す。』

『そこで、この大切な段階で自分のストーリーを語って聞かせ、テンポよくストーリーが展開するかどうか、他の人間の思考や感情にどう働きかけるかを見る。
相手の目に浮かぶ表情から、ストーリーの効力を読み取るのだ。こうして、ストーリーを聞かせながら反応を見ていく。
自分か作り出した契機事件に引き付けられたか。ストーリーに耳を傾けて、その世界に引き込まれているか。目は落ち着いているか。
ストーリーの展開についてきているか。そして、クライマックスで思い通りの強い反応を引き出せたか。
ビートシートをもとに語ったストーリーは、知的で感受性が豊かな人間の関心を引き、十分間のあいだ心を捉えて、有意義で感動的な体験をもたらすようでなくてはならない。
ジャンルに関わらず、十分で人の心を掴むことができないストーリーが百分で上手くいくだろうか。長くなれば上手くいくというものではない。
十分間で上手くいかないものは、映画になったら十倍悪くなる。
ストーリーを聞かせた相手の大半から熱狂的な反応が返らなければ、先へ進む意味はない。
「熱狂的な反応」といっても踊り上がるわけではない。むしろ、小さく感嘆の声をあげて、黙り込むはずだ。
優れた芸術作品(音楽、舞踏、絵画、ストーリー)は波立つ心を静め、異次元へと我々を誘う。
ビートシートから語ったストーリーが強い力を持ち、聞いた者が黙するようなら(意見も批判もなく、喜びの表情だけなら)それほど素晴らしいことはない。
そこまでの力がないストーリーなら、それ以上は時間の無駄だ。』




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