レス数が1スレッドの最大レス数(1000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。
漫画講座論
-
>>868
『観客が予想していることを予想するためには、自分のジャンルとその約束事に精通しなくてはならない。
映画の宣伝がしっかりなされていれば、観客は期待を胸に劇場へやってくる。
マーケティング業界で言う「ポジショニング」が行われた訳だ。
観客が何の思い入れも期待も持たず、ぼんやりと作品を見に来るのでは困る。鑑賞にあたっての予備知識の説明に最初の二十分を費やすことになる。
観客には、こちらの狙い通りの期待感を持って着席してもらいたい。
シェイクスピアは「ハムレット」ではなく「デンマークの王子 ハムレットの悲劇」とした。喜劇には「空騒ぎ」や「終わりよければすべてよし」と題名をつけた。
午後のグローブ座へ向かうエリザベス朝の観客たちは、泣くか笑うかの心づもりができていたのだ。
巧みなマーケティングはジャンルへの期待を生み出す。
好きなタイプの映画を期待してやってきた観客には、期待通りのものを見せなくてはいけない。
約束事を省略したり誤用したりでジャンルを軽んじると、観客はすぐに察知して作品を酷評する。』
『長年にわたる演技や演出を通して、わたしは夜ごと、観客とその反応力に畏敬の念を抱いてきた。
映画を観ていると、スクリーンに映っている物事をじれったく感じることはないだろうか。
あるいは、登場人物が実際に動くよりも先に何をするか予想がついたり、かなり前に結末がわかったりしないだろうか。
観客はただ頭が良いどころか、ほとんどの映画よりも賢明だが、スクリーンの向こうの作り手側へ移動しても、その事実は変わらない。
脚本家にできるのは、自分が習得した技巧を余すことなく使い、集中した観客の鋭い知覚の一歩先を行くことだけだ。
観客の反応や期待を理解していなければ、どんな映画も成功させることができない。ストーリーは書き手の思いを表現しつつ、観客の望みを満たすことも考えて書かなくてはならない。
ストーリー設計において、観客はほかのどの要素にも劣らない重みを持つ。観客がいなければ、創作そのものが意味を持たない。』
『ストーリーは観客がそれ以上のものを思いつけない決定的な結末を作り上げなくてはならない。
映画が終わって館外へ出た観客がストーリーを書き換えたくなるようではまずい。
エンディングの前か後ろにこんなシーンがあるべきだったと思いながら出口へ向かうことは映画ファンにとって幸福なことではない。
脚本家は観客より優れた書き手であるべきで、観客は極限ギリギリまで連れて行ってもらうことを願っている。全ての疑問が解消され、全ての感情が満たされて、おしまいとなることを。』
|
|
|
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板