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漫画講座論

533WS:2012/09/23(日) 04:19:30
――本当の物語は決して美談などではない、と。
 テレビドラマを見ているのは、女性なんです。日本の人口1億3000万人のうち、ドラマ人口は2000万人くらいではないでしょうか。大人の男は、あまりドラマを見ない。大河ドラマくらいではないですか。男の人は好きな人は好きですが、そんなにテレビドラマを見る大人の男は多くないと思います。
 そうなると、女性の視聴者ということになる。昔は、ドラマは35歳の主婦を対象に書け、と言われていました。でも、今は高齢化していますから、50歳くらいの女性でしょうか。
 今回はむめの夫人が主役になるわけですが、女性はそれを見て、私と同じだ、と思う人が多くないといけないわけですね(笑)。それだけ、単にいい人には描いていないということです。これは、幸之助さんも同じです。そうでないと、共感は得られないんですよ。

 実は欠点は魅力なんですよ。むしろ欠点がないと、人は魅力に感じないんです。欠点をどうエンジョイするか。それこそ実は人間には問われるんですね。
 僕は、欠点は直さないほうがいいと思っています。だって、欠点こそが魅力なんだから。そして人は劣等感を持っていますね。必ず持っているんです。では、劣等感は何かというと、それは欲望だと思うんですよ。何か劣等感があると、その人の欲望が見えてくるんです。劣等感は欲望の裏返しなんです。そしてそれは、誰にでも必ずある。
 美人女優さんだってそうですよ。出っ歯気味だから下から撮らないで、という人がいる。足が太いから足は撮らないで、という人がいる。左側は嫌だから撮らないで、という人もいる。美人女優ですらそうなんです。そういうところに、人間の面白さがある。
 伊達政宗は田舎大名で乱暴者で弟を斬り殺した過去を持っていました。生涯、それをコンプレックスにしていた。でも、だからこそ、出てくる人間的魅力があるわけですね。
 立派な人が立派なことを言っても、面白くもなんともないんです。それでは誰も見ない。妬みや恨み、劣等感や欲望、そういう人間臭いところこそが大事。ドラマは、そういうところにこそ潜んでいるし、それを多くの人に知ってほしいんですよ。

■ドラマは文学ではなく、力学です。時間芸術なんです。
 小説と違って、脚本は何を考えないといけないのかというと、制作予算なんですよ。予算をオーバーする台本を書くと、会社がつぶれてしまう(笑)。そうなると、ギャラがもらえなくなるわけですね(笑)。
 だから脚本家は、いかに予算を、登場人物を、セットを少なくできるか、を考えないといけないんです。それこそ、1000騎が山を下る、なんて書いたら、相手にしてもらえません(笑)。
 小説は心理描写できますが、ドラマは心理描写できないんです。俳優に任せるしかない。「ありがとう」というセリフも、「バカヤロー」という顔をして言ってほしい場合もあれば、心の底からありがとうと言ってほしいときもあるわけですね。言っていることと本音は違ったりする。それが人間でしょう。こういうことを、どこまで理解して演じてもらえるか。
 ドラマは文学ではなく、力学だと僕は言っています。時間芸術です。時間の中で強弱や抑揚をつけて、常に相乗効果を考える。この場面があって、次の場面があったら、かけ算になっていないといけない。その意味では、建築に似ていますね。設計図のようなものです。
 小説家は書けたら完成ですが、僕らは役者が演じて完成になる。役者に委ねなくちゃならない。何十人ものスタッフとの共同作業なんです。そのための設計図を書いているだけです。その設計図をうまく膨らませてくれる力もあれば、しぼむ場合もある。がっかりすることもありますよ、正直に言って。でも、うれしくなることもある。




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