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漫画講座論

242WS:2011/01/25(火) 21:00:27
ピクサーの「脚本の書き方講座」
http://d.hatena.ne.jp/morisawajun/20110124/1295865901

最新作『トイ・ストーリー3』のブルーレイ版にも豪華な特典映像がたっぷり付いていたが、その中のひとつ「脚本の書き方講座」が、映像をまじえてとてもわかりやすく作られており、非常に面白いものだった。

まず前提として、ハリウッドの娯楽映画の多くは「映画の尺の1/4が第1幕(発端)、1/2が第2幕(葛藤)、残りの1/4が第3幕(解決)」という3幕で構成されている。ピクサー作品の場合「脚本はおおよそ100ページで、3幕の配分は25/50/25ページ」とのこと。

この特典映像「脚本の書き方講座」では、ピクサーの『トイ・ストーリー』『ファインディング・ニモ』『Mr.インクレディブル』を例にしながら、本作の脚本家が第1幕の作り方を順を追ってわかりやすく紹介している。いわく「本当に難しいのは結末でなく冒頭」。

1. 主人公の紹介。および主人公に目的を与える。主人公の好きな物、特徴づけるものを明らかにする。

まず、主人公の
 ・状況設定
 ・大切なもの
 ・弱点
を決める。

「弱点」とは「大切なものを愛し過ぎ、執着しすぎるとそれが弱みとなる」ということ。
 ・ウッディ:アンディの「お気に入り」の地位
 ・マーリン:良い父親であること
 ・インクレディブル:自分の仕事に誇りを持ちすぎること


2.「嵐雲」を起こす。あくまで嵐の兆しであり、災難そのものではない。
 ・ウッディ:アンディの誕生日(自分たちを脅かす、新しいオモチャがやってくる)
 ・マーリン:イソギンチャクの外に出ると危険だらけ
 ・インクレディブル:バディ・パイン(熱狂的ファンの少年)の登場


3.「大切なもの」を失う。
 ・ウッディ:アンディのお気に入りの座をバズ・ライトイヤーに奪われる
 ・マーリン:ニモ(子供)をダイバーにさらわれる
 ・インクレディブル:社会的に糾弾され、ヒーローの地位を奪われる


4. 主人公に「屈辱」を与え、世界は不公平だと感じさせる出来事を起こす。
 ・ウッディ:みんなの前で空を飛ぶバズ。旧式のウッディは恥をかく
 ・マーリン:(そもそも自然界は不公平な場所だから、屈辱は不要)
 ・インクレディブル:人助けしたのに犯罪者呼ばわりされ、地味な職業に追いやられる


5. 主人公を「岐路」に立たせ、2幕へ進む。
 屈辱を受けた主人公は
 a) 健全な道
 b) 分別のない、無責任な選択
 のどちらかを選択しなければいけないが、a) を選んだらそこで物語は終わってしまうので、必然的にb) を選んで代償を支払う羽目になる。

・ウッディ:a) 引退する b) バズを殺して、ふたたびアンディのお気に入りに復帰する
  →代償:バズを連れ帰るまで家に戻れなくなる
・マーリン:a) 子供を信じてまっとうに育てる b) 過保護に育てる
 →代償:子供がダイバーに連れ去られる
・インクレディブル:a) 一般市民として平凡に生きる b) 妻にウソをついてヒーロー活動を続ける
 →代償:組織に目をつけられ、大きな事件に巻き込まれる
(この5. が、俗にいうところの「プロットポイント」となる)


この脚本講座はここで終わり。第2幕以降については「主人公は、失った大切なものを取り戻す旅をして、最後にそれを取り戻すと弱点も克服している」とだけ説明されている。




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