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投稿するまでもないSSスレ 7/7

330名前が無い程度の能力:2010/07/06(火) 22:04:09 ID:hAnAi6Ic0
早苗「さあ、一子相伝ゆえに本来同時に放たれる筈のない弾幕……その同時攻撃に耐えられますか!」
レミィ「……(一対二だからとかじゃない……もっと深い、非常識な理由……。
あの巫女は、今の幻想郷で『妖怪殺し』を行う事に……躊躇がない……!)」
スペルカードルールにより、全ての殺しは遊びに置き換わってしまった。
しかし早苗は、外界からの来訪者であり、目的に対してのひたむきな姿勢は、
ある意味幻想郷においてはあまりに非常識過ぎた。
そして今の早苗は、妖怪を退治する事に全力を注いでいる。
殺し合いとなれば話は別だが、早苗がその気では、遊びではいなし切れない。
レミリアが迷いを見せた隙に、二重の星型弾幕がレミリアを包み込む。
レミィ「……しまった!」
早苗「獲った!これぞ秘術――」
フラン「きゅっとして……どかーん!」
レミリアを包囲し、閉じかけた弾幕を、フランの剣が切り開き、弾き飛ばす。
弾幕の切れ目から脱出したレミリアに、フランはグングニルを手渡した。
レミィ「フラン!さっきまであんなに怯えていたのに……」
フラン「もう大丈夫!霖之助が、お姉様にグングニルを渡せって!」
レミィ「そう……姉として、お礼をしないといけないわね」
早苗「援軍かと思ったら、この前倒した悪魔の妹でしたか。しかし何度やっても同じ事です!」
フラン「もう負けないよ、お姉様と一緒だもん!」
レミィ「……待ちなさい、フラン。あれがあと四人居たでしょう、それはどうしたの?」
フラン「あっちで霖之助が防いでる……早くあれを倒して戻ろう!」
レミィ「ふん……分身は同時に倒すのがセオリーね。戻るわよ、フラン。案内しなさい」
フラン「えっ……うん!」
早苗「何のつもりか知りませんが、逃がす物ですか!」

早苗「半人だと思って手加減していましたが、そろそろ本気を出さないといけませんね」
霖之助「おいおい、初手から御柱を放っておいて手加減はないだろう……」
軽口を返したが、霖之助は限界が近かった。
四人の早苗がローテーションで弾幕を張り、霖之助に休む暇を与えないのだ。
そしてそのテンポが次第に上がり、日頃動かない霖之助の体は既に悲鳴を上げていた。
霖之助「(これは……本気でマズいな。今より激しい弾幕じゃ、当たれば致命傷か……。
こんな事なら、魔理沙にちゃんと八卦路の手入れの仕方を教えておくんだった……)」
自らの絶体絶命の危機に、魔理沙の顔が浮かび、自嘲気味に笑みを漏らす。
その笑みの意味を取り違えた早苗は眉を吊り上げ――
早苗「『諏訪大戦 〜 土着神話 vs 中央神話』」
神奈子の神格と諏訪子の神格が最大限に発揮される、諏訪大戦を発動させた。
二柱の神格を借りた四人の力により、圧倒的な物量の弾幕が息つく暇もなく襲い掛かる。
レミィ「『スピア・ザ・グングニル』」
フラン「『レーヴァテイン』」
もはやここまでと、霖之助が目を閉じかけたその時、
四人の早苗に二つの影が襲い掛かり、弾幕を中断させる。
フラン「霖之助!大丈夫?」
霖之助「意外と早かったね。その様子だと、無事渡せたか」
レミィ「ええ、お陰様で。あんたは無事に見えないけど」
霖之助「まったくね……それでも、もう一頑張りするだけの意地は残しておいた」
吸血鬼姉妹を追って来た二人の早苗を加え、改めて総力戦の状況を見て、
霖之助は文字通りの精神力と剣の力だけで、何とか構え直す。
早苗「こうなったら、三人仲良く地獄に送って差し上げます!」
レミィ「フラン!霖之助!……お願い、少しだけ時間を頂戴!」
普段居丈高なレミリアの、懇願の声。
霖之助の男気と、姉を敬愛するフランの心を奮い立たせるには充分な物だった。
霖之助が力を振り絞って振るう剣が早苗の弾幕を掻き消し、
四人に増えたフランが各々全力でスペカをぶっ放す。
凄絶ながら決め手に欠ける弾幕戦の末に、双方が横一列の布陣になった。
レミィ「終わりよ……スピア・ザ・グングニル!」
運命を操作し、早苗が一列に並ぶよう仕向けたのはレミリアだった。
自ら導いた運命の通りに早苗が並ぶのを確認すると、グングニルを構えて疾走する。
その最後で鋭角に曲がると体を一回転させ、疾走の勢いをつけたグングニルを放った。
早苗「キャァーッ!」
紅い光は六連の破裂音を立て、熾烈な戦闘は終了した。




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