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投稿するまでもないSSスレ 7/7
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以下に貼り付けるのは、東方ファイト用に書いていたら、半端に長くなった一品です。
でもまあ単品でも読めなくは無さそうなので、せっかくだからと、ここに貼り付けることにしました。
安価内容は、
若返った妖忌とそれ位の外見年齢まで成長した妖夢
VS
ミニスカ幽香&ミニスカ紫
勝負方法:飛び道具無しで真剣勝負
です。外見年齢やコスチュームはあんまり関係なくなってますが、よろしければご覧ください。
……勝負は、何も障害物の無い、だだっ広い平原で行われていた。
場所を指定したのは八雲紫であった。見渡す限りの草原、足場も十分に良好。
このような場所を指定した理由は一つ――ここが、妖夢たち剣士にとってこそ、有利な場所だと踏んだからだ。
相手にとって、有利な場所を指定する。
一切の罠を張らず、真っ向から待ち受ける。
これ以上無いくらいに、自分に不利な舞台を整えることで。
八雲紫は、自分の中から、驕りと油断を消し去ったのだ。
「あなたと仕合うのも、ずいぶん久しぶりね。妖忌」
「そうですな。あの時の自分は、まだまだ小童に過ぎなかった」
言葉を交わしながら、互いの得物を何度と無く重ねる二人。
妖忌は二刀。その二刀に長短の差はあれど、そこに乗せられた殺気は変わらない。
紫は一本の傘。軽く振るっているように見えるが、それでも妖忌の刀とまともに打ち合っている。
「ふふ。懐かしんでる余裕は、無さそうだけど」
「そこまで言っていただけるとは、光栄ですな。もっとも――手の内は幾らでも隠しておられそうですが」
「あらあら、買いかぶりよ――」
動きは妖忌のほうが数倍速い。
速いだけではない。妖忌は、常に気配を断って動いている。滑るように足を運び、泳ぐように体を流す。
振るわれる刀にのみ込められた殺気は、瞬きの間に紫の首を狙う。
故に――真に恐るべきは、妖忌よりも数倍遅い動きで、その刀を受け流す八雲紫だ。
妖忌の動きの先を読んでいる――どころの話ではない。
戦いの流れ全体を読めていないと、ここまでの動きは為し得ない。
「紫殿。あの時は届かなかった我が二刀――今こそ届けてみせましょう」
「あらあら、情熱的なのは相変わらずね――いいわ、いつでも受け止めてあげるわよ」
妖忌は動く。紫との差を更に近づけるために。
紫は待ち受ける。妖忌の底を見極めるために。
「ふん――随分マシになったじゃないの」
「…………」
妖夢は言葉を紡がない。無言のままで、縦横無尽に飛び回る。
口を開く間があったら体を動かす。より速く。より軽く。
対峙する幽香――こちらは紫とは違い、既に幾つもの手傷を負っていた。
ただでさえ短かったスカートも幾つも穴を開けられ、その向こうの肌もじんわりと赤く染まっている。
だが――それらは全て、かすり傷でしかない。
ダメージと呼べる傷は、まだ負ってはいない。
「でも、戦い方はあんまり変わってないわね? うろちょろうろちょろ、目障りな羽虫みたいよ?」
対する妖夢は、全く手傷を負っていない。
だが――既に体中が、冷たい汗に濡れていた。
「ほら、また避けた。もう、いつまでこんなこと続ける気?」
「っ……!」
幽香が傘を振るう。
幽香の動きは、決して機敏とは言えない。紫と同じように、のんびりとさえ見える。
だというのに、大振りでスイングされる傘だけが、とてつもない速度なのだ。
対している妖夢からすれば溜まったものではない。幽香の体の動きと、傘の速度とが一致しない――見切ることができないのだ。
それでも妖夢が生き延びているのは、その歩法のおかげだろう。
何も無い空中を蹴り、駆け回る歩法。鋭角的に空間を支配する動きだ。
機動性のみであれば、妖忌を上回り、鴉天狗さえ凌駕するその歩法で、妖夢はぎりぎりで、幽香の傘の狙いを撹乱することに成功している。
すれ違い様に一刀。
狙い過たず命中。
だが、やはりかすり傷。
「ねえ――そろそろ、止めにしない? 逃げ回るの」
「――そうだな」
初めて妖夢が口を開いた。どうせこのままでは手詰まりだ。
次が最後だ――決意を胸に、妖夢は駆けた。
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