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投稿するまでもないSSスレ 7/7
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おとぎの国
「むかしむかし、あるところに一匹のキリギリスがおりました。
キリギリスは一年中日傘を差してはあっちへふらふら、こっちへふらふら。
そのため冬になると蓄えもなく、森の中で寒さに震えておりました。
キリギリス(キ)『うう…寒いわね。森の中なら吹雪もしのげるかと思ったのに…。
あら、こんなところに家があるわ』
何か分けてもらおうと、その一軒の家を訪ねると、出てきたのはアリでした。
キ『あら、アリス? ちょうど良かったわ。
ねえ、なにか食べ物を分けてくれない? 昨日からなにも食べていないのよ』
アリ(ア)『なにいってんの自業自得じゃない。夏の間ふらふら遊び歩いているからよ』
アリは冷たく言うと、扉を閉めてしまいました。
しかたなく、白いため息をついてキリギリスが立ち去ろうとしたそのとき、不意に後ろで閉じた扉が開く音がしました。
驚いてキリギリスがふり向くと、照れくさそうな顔でアリが立っています。
ア『…しかたないわね。まったく。食べ物くらいなら分けてあげるわ。ほら、入りなさいよ』
キ『あ、ありがとう…!』
キリギリスは目に涙を浮かべて喜びました。
なんとアリはツンデレだったのです。
こうしてキリギリスは暖かい食事にありつくことができ、本当は優しいアリのおかげでその冬を乗り切ることができたのでした。
めでたし、めでたし」
「うう゛…! あたいっあだい、感動しだよ、大ちゃん!」
「でしょー。いい話だよねーチルノちゃん」
「うん…! あ、あり優しすぎる。そしてキリギリス駄目すぎる」
「――ふうん。ところで、そのキリギリスって誰の事かしら?」
ふと聞こえた声に、二匹の妖精は後ろをふり返った。
なんだろうか。
空には太陽が照っていたが、いつのまにか二匹の上には、傘で遮ったような影が差していた。(END)
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