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投稿するまでもないSSスレ 7/7

283名前が無い程度の能力:2009/07/12(日) 20:48:02 ID:tXS0.3XY0
妖怪の山、人跡未踏の渓谷。
川近くの洞窟は夏でも冷涼で、心地よい空気を保っている。
今日は非番の椛は、ここでにとりと将棋を打っていた。

「ほい、銀もらい」
「あちゃ、貴重な攻め駒が」
「今日は気が入ってないね、椛。このまま一気に攻めるよ?」
「うーん、守ってしのぐしかないな……」

今日はにとりが優勢で将棋を進めている。

「そういえば椛さ」
「んー?」
「あれどうなったの?」
「あれって?」
「ほら、文さまの」
「ああ、文さまの」
「そう、セクハラ。まだ困ってるの?」

ぱち、ぱち、と将棋を進めながら、淡々と世間話を進める二人。

「いや、流石に夏に入ってからは自重されてて」
「そう。一時しのぎだけど、良かったじゃない」
「三日に一回くらいに減ったわね」
「…………うん、ああ、減ったのね。それ減ってるんだ」

ぱちん。動揺の隙を突いて椛がにとりの飛車を奪った。

「でさ、前に聞いてみたのよ。なんでセクハラするんですかって」
「セクハラに理由も何も」
「文さまもそう言ってた。もみじもみもみに理由は無いって」
「もみもみて」
「『強いて言うなら、椛がふわふわでふにふにでロリロリなのが悪いのよ』とか言ってた。理不尽だ」
「そういえば聞いてなかったけど、セクハラって具体的に何されてたの?」
「頬ずりされたり撫で撫でされたりハグハグされたりこちょこちょされたり」
「セクハラ……?」
「本人が嫌がってるんだからハラスメント」
「まあパワハラではあるかも?」

ぱちん。なおも攻めるにとりだが、椛の守りを攻めきれない。

「それで私思ったのよ」
「何を?」
「もみじもみもみがあるんだったら、にとりにとにとがあってもいいんじゃない? って」
「こっちに飛び火した!?」
「というわけで、にとりは私ににとりにとにとさせるべきだと思う」
「何その謎理論!? 待て、手をわきわきさせながらこっちを見ないで!?」
「大体にともみって需要の割りに供給少ないわよね」
「いきなりメタな……そりゃまあ、上司と部下がセットでカップリングされるのが王道だからじゃない?」
「この間氷精に睨まれたわよ。お前さえいなければ文はあたいの嫁だったのに、とか」
「どっちかってーと向こうが嫁だったと思うし、椛が出てくる前からそこまでメジャーなカップリングでも無かったよね」
「しずもみもありだと私は思うのよ」
「気ぃ多いな……静葉×椛? ああ、紅葉を司るからか」
「でも見たこと無いのよね」
「接点無いからね」
「同じ山に住んでるのに……」
「自分からモーションかけてみれば?」
「自分からナンパするのってさすがに恥ずかしい」
「ナンパ言うな」

そういえば将棋でも守ってばかりだな。保守派め。

「で、話戻して」
「戻さなくていいのに」
「にとにとさせて」
「にとにとって語呂悪くない?」
「いやらしくっていいじゃない」
「粘着質っぽくて鬱陶しいだけだと思う」
「じゃあもみもみさせて」
「自分の尻尾でももんでなよ」
「にともみって今思うとにとりもみもみの略だと思うのよ」
「思うな」
「いいじゃない。文さまから受けたストレスをあなたで晴らしたい」
「ちょっとは本音隠せ。そしてそのストレスを受け止めた私はどこで晴らせばいいのよ」
「そんなこと私の口から言わせないでよ、いやらしい」
「もう突っ込むのも疲れたよ」
「じゃあ投了する?」
「する」

結局攻めきれず、にとりは負けを認めた。
将棋が終わった後で、にとりはほっぺの代わりに、工具の触りすぎで固くなった手のひらを存分ににとにとされた。




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