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東方キャラに演じてほしい名(迷)台詞・シーンスレ その7

935KANON:2009/09/19(土) 20:48:20 ID:W7JtzUn60
てゐ「ずっと、この永遠亭にいることはできないの?」
鈴仙「……うん」
てゐ「そう」
鈴仙「……うん」
てゐ「だったら、せめて最後の願いをいってからにしてちょうだい。
 約束したでしょ? 3回だけ、小さな幸運を運んであげるって。だから。
 せめて、私に最後の願いを叶えさせてちょうだい……」
鈴仙「……うん」

鈴仙「お待たせしましたっ」
 ピンと背中を伸ばしたと思うと、鈴仙はもう、てゐの知っている鈴仙だった。
 明るい目の、若いウサギみたいに元気な女の子。
鈴仙「それでは、私の最後のお願いよっ」
 いつも通りの、本当にいつも通りの笑顔のまま。
鈴仙「てゐ」
 だけど。
鈴仙「私のこと……」
 笑顔のままで、声だけが僅かに震える。
鈴仙「……私のこと、忘れて下さい……」
 鈴仙なんて、最初からいなかったんだって。
 そう、思ってください……。
 言い終わった時、悲痛な笑顔は崩れていた。少女の大きな目には涙が溢れつたって胸に落ちる。
鈴仙「私のこと……忘……れて……」
てゐ「本当に、それでいいの? 鈴仙の願いは私に忘れてもらうことなの?」
鈴仙「だって私、もうお願いなんてないものっ。姫様も、師匠も、みんなで一緒に過ごせたもの……。
 だから……私のこと、忘れて下さい」
 言い終わらないうちに、てゐは鈴仙の柔らかな身体を抱きしめていた。
鈴仙「てゐ……」
 てゐはその耳のつけねに手を触れて、愛おしく撫でてやる。
鈴仙「私、もう子どもじゃないわ」
 鈴仙が少し照れたように言う。
てゐ「あんたは子どもよ」
鈴仙「そんなことないもの」
てゐ「いつもひとりで先走って、周りに迷惑ばかりかけているでしょ」
鈴仙「うう……」
てゐ「そのくせ、自分ひとりで何もかも抱え込もうとするのよ。あんたには、私がいるのに」
 私がいるのに。どうして、一人でいこうとするの。
鈴仙「私は」
 小さな声が、てゐの耳元に響く。
鈴仙「私、ホントは、もう一回、てゐと餅つきしたいよ」
 涙まじりの声。
鈴仙「ホントはもっと、ずっと、てゐと一緒にいたい。
 こんなお願い、いじわるかな」
 私、いじわるかな。でも。
「もっと、てゐと一緒にいたいよぉ……」
 てゐはじっと鈴仙を抱いている。少しの間、鈴仙のせつない泣き声だけが、
 夕暮れの永遠亭に聞こえていた。




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