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東方キャラに演じてほしい名(迷)台詞・シーンスレ その7
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「じつは八意様。私は現在、いささか苦しい立場に立たされています。ご存じかと思いますが……」
「月からの逃亡者。糾弾されて当然だろうな。隊長は壮烈な玉砕をとげたというのに」
八意の返答は冷たい。しかし、レイセンに動じる気配はなかった。
「凡百の指揮官にとって、私の卑劣な逃亡者にすぎますまい。しかし八意様。私には私の言い分があります。
八意様にそれを聞いていただきたいのです」
「筋違いだな。卿がそれを主張すべきは私にではなく、軍法会議でだろう」
月からの逃亡者であるレイセンは逃げたという、まさにその一事によって処断されかねない立場にあった。
隊長を補佐しその誤りを矯正する、という任務を全うせず、しかも一身の安全をはかった―――それが白眼視と
弾劾の理由であったが、敗戦の場に居合わせた適当な人物に何らかの責任を取らせねばならない、と言う事情もあった。
「これを御覧ください、八意様」
「…………」
「因幡てゐからお聞きになったと思いますが、この通り私の両眼は狂気の瞳です。あの嫦娥様の治世であれば
『劣悪ウサギ排除法』によって赤ん坊の頃に抹殺されていたでしょう」
レイセンは正面から八意の視界にえぐるような眼光を送り込んできた。
「おわかりになりますか。私は憎んでいるのです。嫦娥様と彼の産み出したすべてのものを……
月そのものをね」
「大胆な発言だな」
閉所恐怖症患者の覚えるような息苦しさが、若作りの薬師を一瞬だがとらえた。この兎の瞳の機能には人を圧倒する
―――あるいは圧迫する素子がセットされているのではないか、というまっとうな疑惑さえそそられた。
防音装置が完備した室内で、レイセンの声は低かったが、ときならぬ春雷のように轟いた。
「月は滅びるべきです。可能であれば私自身の手で滅ぼしてやりたい。ですが、私にはその力量がありません。
私に出来ることは新たな覇者の登場に協力すること、ただそれだけです。つまり貴女です、月の頭脳、八意永琳様」
帯電した空気がひび割れる音を八意は聞いた。
「因幡!」
椅子から立ち上がりながら、八意は今の腹心を呼んだ。壁が音もなく開き、兎耳の少女が丈低い姿を現す。八意永琳の指が
レイセンを指さした。
「因幡、レイセンを逮捕しろ。月に対し不遜な反逆の言辞があった。月の頭脳として看過できぬ」
レイセンは瞳を激しく光らせた。兎耳の少女は神速の技で右手に弾を抜き持って彼女の胸の中央に狙いを定めていた。
ワニを騙して以来、射撃の技量で彼を凌ぐ者は兎の中では少ない。たとえレイセンがスペルカードを宣言していたとしても
回避は出来なかっただろう。
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