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虐待・虐殺小説スレッドPART.4
451
:
魔
:2007/12/13(木) 23:09:33 ID:???
『小話』(前編)
街にも忘れられた、とある廃屋。
外も内も草木が己を主張し、家としての機能を奪っている。
そんな廃屋の傍、森のようになった庭に、彼等はいた。
「・・・ふぅ」
どこか寂し気な表情を浮かべながら、毛づくろいをするちびフサ。
虐殺厨から逃れ、身を隠す為にこの土地に根を降ろしている。
家の中は使い物にならないので、彼は拾ってきた段ボールで雨風をしのいでいた。
「フサタン。そんな無理しないで、僕に一言頼めばいいデチよ」
「ちびタン・・・」
と、もう一人の住人であり、相方のちびギコがちびフサの後ろに立つ。
そして、手際よくちびフサの毛を綺麗にしていった。
ちびギコが『無理』と言ったのには、訳があった。
彼、ちびフサは加虐者に襲われ、その腕を一つ失ったのだ。
※
食糧確保の為にゴミ漁りをしていた所を、あるモララーに捕獲された時の事。
抵抗虚しく、赤子の手を捻るかのように左腕はもぎ取られてしまった。
『ヒギャアアアァァァ!!』
『今回は、これだけで勘弁してやる』
凄まじい痛みに悶える自分に、モララーははっきりとそう言った。
その後は命からがら逃げてきたものの、直後に激しい喪失感に襲われる。
身体の一部がなくなったということは、どんな事よりも辛いものだった。
同じ種族からは奇形と罵られ、自分のことすら満足に行えない。
マターリとは遠く掛け離れ、その思考を捨てるまでの時間はそんなに掛からなかった。
心にぽっかりと穴が開き、生きる理由さえ己の中から消えてしまいそうだった。
そんな自分を救ってくれたのは、ちびタンだった。
死人と何等変わりない自分に声を掛けてくれた、唯一のちびギコ。
『一人でも多く、マターリできたら嬉しいデチ』
ちびタンという、ごく普通の名前を持ったちびギコだった。
既にマターリなんて信じていなかったが、その気持ちが嬉しかった。
片腕になってから友人は皆逃げ、あまつさえ石まで投げて来た。
だが、ちびタンだけは、手を差し延べてくれた。
それから、生きようという考えが戻ったのはすぐだった。
―――だが、それもほんの少しの間だけだった。
ちびタンは身体の不自由な僕を助けてきてくれたが、まだ問題は残っていた。
心に開いた、大きな穴。
ちびタンの好意は、その穴を埋めてはくれなかった。
一時的に忘れさせてくれただけで、根本的な解決になっていなかった。
「・・・」
必死に毛づくろいをしてくれているちびタン。
嬉しいのだけれども、やはり何かが足りない。
俯いての溜め息は、これで何度目なのだろうか。
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