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おちゃめくらぶ掲示板

780御茶目菜子:2011/11/03(木) 14:51:57
高性能でも高価格ならば意味がない
東芝「dynabook R631」のレビューが行われたので見てみることにするにょ。
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/hothot/20111101_487726.html
このdynabook R631は国内大手メーカー初のUltrabookとなるわけだけどそもそもUltrabook
というのが何なのかをもう一度簡単に書いておくことにするにょ。
詳しくは9月5日に書いた通りだけどスタンダードノートPCと比べて主に薄型、軽量、長時間
駆動というアドバンテージを持つノートPCにょ。
使っているCPUはULV(超低電圧)版であることからCULVノートとの比較もされるかも
しれないけどCULVノートと比較しても薄型軽量というアドバンテージを持つにょ。

UltrabookはIntelからある程度のガイドラインが提示されているにょ。
ガイドラインを元に作られたというとやはりネットブックが真っ先に思い浮かぶと思うにょ。
ネットブックは特定条件を満たすことで安価なWin7Staterを使用できたり、CPUを安く
提供されたりするからね。
これはできるだけ安くするというのがネットブックの宿命であったため当然にょ。
しかし、Ultrabookは安くするために薄さを条件に加えているわけではないにょ。
というか、薄く作れば筐体設計の難易度が高まるため逆にコストアップになってしまう
わけだしね。
つまり、同じガイドラインといってもネットブックの方は「安さ」を重視するためのもの
であり、Ultrabookは他のノートPCと差別化のためのものといえるにょ。

将来的にはIntelはUltrabookをメインに据えようと考えているにょ。
これもネットブックとは大きく考えが異なるにょ。
ネットブックはWin7を快適動作させるための必要最小限の性能さえ持っていない(デュアル
コアAtomならばそれなりには動作するけどGPUの性能不足や解像度の制限によって快適に
使える域には到底達してない)のに対してUltrabookはWin7が快適動作するように作られて
いるにょ。
これはCULVノートでもいえることだけどCULVノートはサイズや重量に制限がないため
PCベンダーは安く作れるものということで分厚く重いものばかりとなっていたにょ。
したがって、そういうイメージが付いてしまったためUltrabookとして再定義することで
新たに始動をしたと考えられるにょ。(これはネットブックが今更スペックを上げて
舵取りを変えてもイメージはそう簡単には変わってくれないのと同じ)
したがって、当面の間はCULVノートとUltrabookは併売されていくと思われるにょ。

未だにネットブックの新製品が出ていることを考えるとやはり「安さ」を重視してPCを
選択している人が大勢いるのではないかと思われるにょ。
UltrabookはCULVノートと同価格で提供することは極めて困難であり現時点では価格帯は
完全にCULVノートと重ならないようなラインになっているにょ。
実売価格でいえばCULVノートが4〜6万円の価格レンジに対してUltrabookが概ね7〜12万円の
価格レンジとなりそうだからね。
価格レンジが異なるのは筐体設計や製造にコストがかかっているということだけではなく
CPUもより高価格のものが採用されているからにょ。
CULVノートはULV版CPUが採用されているのだけどセレロン〜Core i5が主に採用されており
UltrabookはCore i3〜Core i7が主に採用されているにょ。
「高価格」と不評だったエイサーのAspire S3だけど急遽価格の変更を発表したにょ。
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20111102_488136.html
予価8万円ならば安い店ならば10〜20%引きで買えると思うので発売後の最安値は7万円
前後となりそうにょ。

さて、IntelのCPUは下から順番にCeleron、Pentium、Core i3、Core i5、Core i7と
なっているのだけど現在のSandyBridgeコアのULV版CPUにおけるスペック上の主な違いは
PentiumはCeleronと特に差異はなくi3はCeleron/PentiumにはないHTTを備え、L3が増加
(2MB→3MB)しており、i5はi3にはないターボブーストを備え、i7はi5よりL3が増加して
いる(3MB→4MB)という感じになっているにょ。
ULV版CPUに関しては現時点ではどれも2コアとなっている(TDP35Wの通常電圧版においては
型番にQMが付いているもののみ4コアとなっている)けどCeleron、Pentiumに関しては
2コア/2スレッドで動作しているのに対してi3は2コア/4スレッドで動作しているにょ。
(実際はSandyBridgeコアにおいても唯一Celeron 787というシングルコアCPUは用意されて
いるものの搭載例がほとんどないため基本的にSandyBridgeコアのULV版CPUはすべて
デュアルコアと考えても問題ないと思う)
そして、グレードの高いCPUほど高クロックで動作するようになっているため価格に応じて
より高い性能を発揮するようになっているにょ。
そのためベンチなどではその影響が強くでているにょ。

ということを踏まえて冒頭に書いたdynabook R631のベンチ結果を見てみるにょ。
比較対象となっているのは通常電圧版のモバイルノートとなっているのだけど同じ世代
(SandyBridge)でよりクロックの高いPCと比較すればベンチ結果を見る前に劣っている
というのが分かるためやはり1世代前(Arrandale)採用機との比較をしてみることに
するにょ。
比較対象として選んだのはLet'snote J9(通常電圧版Core i3)とLet'snote R9(ULV版
Core i7)にょ。
http://plusd.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1009/28/news024_4.html
本来ならばR631と同じULV版Core i5のモデル同士で新旧コア比較をする方が分かりやすいの
だけど下位モデルが旧コアの上位モデルに勝てるという下克上があるのかというのを
見るにはこっちの方が分かりやすいと思うにょ。

       dynabook R631  Let'snote J9  Let'snote R9
 CPU     Core i5-2467M  Core i3-370M  Core i7-640UM  ※クロックは
 クロック  1.6GHz/2.3GHz  2.4GHz/--GHz  1.2GHz/2.26GHz   通常時/TB時を示す
 PCMark05
?? CPU    ??  6336      6466      4490
  Memory     7556      5250      4431
  Graphics    3867      2230      1840
  HDD      18006      4307      4646
 3DMark06
          4117      1304      1213

まずPCMark05から見ていくにょ。
CPUに関してはJ9は通常電圧版CPUを採用することで従来のR9よりも高性能かつ低価格に
なったのだけどこのベンチを見てのようにTB(ターボブースト)の無いCore i3といえど
基本動作クロックが大幅に高い(R9の1.2GHzに対して2倍の2.4GHz)ということで
圧勝しているにょ。
このR9も店頭販売モデル(Core i7-620UM 1.06GHz)よりもハイスペックとなるプレミアム
エディションであり、決して性能が低いわけではないにょ。
同世代(Arrandaleコア)の一般的なCULVノートは8月19日に書いたようにCeleron U3400
(1.06GHz)でCPUスコアが2577となっており、R9はその1.5倍の性能があるにょ。
R631に搭載しているSandyBridgeコアのULV版Core i5だけどさすがに旧コアの通常電圧版
Core i3にはわずかに負けている(とはいえ2%であるため誤差程度の差)とはいえ
ULV版同士の比較ならば旧コアで格上であるはずのCore i7に圧勝にょ。
旧コアのCeleron相手ならばダブルスコア以上の大差にょ。(これはSandyBridgeに
搭載されている拡張命令であるAVXを使用していないためそれを使用したアプリにおいては
すれば通常電圧版Core i3にも勝てると思われる)
メモリに関してもSandyBridgeコアはArrandaleコアに圧勝にょ。
HDDはR631がSSD、Let'snoteがHDDということで比較は控えておくにょ。(18006という
スコアから察するにそれなりに速いSSDを搭載していると思われる)

さて、SandyBridgeの一番のポイントとなるのはGPU性能にょ。
ArrandaleコアのCPUに内蔵されているGPU(正確に言えばダイが分かれているため内蔵では
ないのだけど)となるIntel HD GraphicsはそれまでのGMA X4500などと比べると大幅に
性能が向上しているものの決して高性能ではなかったにょ。
AMDのAtom/CULV対抗CPUであるOntario/Zacateには80spのRADEONベースのGPUが搭載されて
おり、ローエンドGPUに迫る性能を実現しているにょ。
1月13日に書いたようにAMD E-350(Zacate)に内蔵しているRADEON HD6310はCULVノートに
搭載されているIntel HD Graphicsの2倍近い性能(3DMark06で2266)となっているから
CPU性能ではE-350はCULVノートに劣るもののGPU性能で挽回できる場面もあったにょ。
しかし、GPU性能が一方的に劣っていたArrandaleに搭載のIntel HD Graphicsと比べて
SandyBridgeに搭載のIntel HD Graphics 3000は大幅に性能が向上していることはこの
ベンチ結果からひと目で分かるにょ。
何せ従来の3倍以上だからね。(J9の3.16倍、R9の3.39倍)

SandyBridgeに搭載のGPUのベンチが高い結果になっているのは理由があるにょ。
SandyBridgeでは従来よりも大幅に高性能化されたIntel HD Graphics 3000が搭載されている
けどこれは12EUということで従来の2倍の性能とされてきたにょ。(ただし、Celeronと
Pentiumにおいてはコア半減となる6EUのIntel HD Graphics 2000を搭載)
しかし、ベンチ結果は3倍以上となっているのにはさらに別の理由があるにょ。
それはGPUコアにもターボブーストが採用されたことにょ。
ArrandaleコアであるCore i7-640UMは500MHzで動作しているのだけどSandyBridgeコアで
あるCore i5-2567Mは通常時350MHz、ターボブースト時では最大1GHzとなるにょ。
つまり、コア性能が2倍×クロックが最大2倍で理論性能は4倍になっていると言えるにょ。

もっとも、GPUが4倍の性能を発揮するのはCPUがアイドル時の場合にょ。
実際は3D描画を行う際にCPU負荷ゼロで動作するということはあり得ないにょ。
とはいえ、3DMark06は比較的CPU負荷が小さいベンチ(この程度のスコアであるならば
CPUがボトルネックになることはないレベル)であるためこのような3倍を超えるスコアに
なったと思われるにょ。
したがって、CPU負荷が極めて高いもの(ワーストケース)であれば従来比1.4倍程度
(従来比2倍の性能×0.7倍のクロック)のGPU性能になるにょ。
とはいえ、このようなケースも希だと思うので実際は従来比2倍以上の性能になると予想
されるにょ。
つまり、Arrandaleに搭載のIntel HD Graphicsの2倍近い性能となっていたE-350よりも
SandyBridgeコアのULV版CPU(Intel HD Graphics GPU性能は上回るものになっている場合が
多いと予想されるにょ。

こうして見ると「ULV版CPUだから性能が低い」というのが過去のことになっているような
感じにょ。
確かに同世代の通常電圧版CPUと比べるとクロックが低い分だけ性能は劣っているとはいえ
32nmに完全移行された(従来のArrandaleコアはCPUが32nm、GPUが45nmだった)ために
全体的なクロックの底上げがなされておりこのR631に搭載されているCore i5はArrandale
コアのCore i7よりも高クロックになっているからね。
CPUコア性能そのもの性能向上やターボブーストがより効果的になったことがCPU性能を
さらに引き上げており、その結果として下克上を成し遂げたと言えるにょ。
これはSandyBridgeが従来よりも顕著に出ているというだけであって、それまでの
Core2においてもPenrynコアで格上のMeromコアのCPUに勝ったり、PenMにおいてもDothan
コアで格上のBaniasコアに勝つということは条件次第では可能だったわけだからね。
次世代となるIvyBridgeはさらに高性能化が進みULV版のIvyBridgeコアCPUで通常電圧版の
SandyBridgeコアCPUに勝つことも可能になってくるのではないかと思われるにょ。
Win8(仮称)はWin7よりも動作が軽くなると言われており、IvyBridgeではULV版でほとんど
不満を感じることは無さそうな感じにょ。
そうなるとIntelが言っているようにノートPCの主流をTDP35〜45Wの通常電圧版CPUから
TDP17〜18WのULV版CPUへ移行させるのは十分に可能になると言えそうにょ。

あとは、価格だけの問題にょ。
デフレが進んだPCにおいて実売10万円オーバーでは普及させるのは厳しいからね。
現状ではUltrabookはプレミアム性を持たせているためか全体的にCULVノートより高価格に
なっているにょ。
これはUltrabookがどの程度売れるか分からないということを考えた場合に開発コストや
製造コストの上昇を考えれば当然のことだし、上記のようにUltrabookをCULVノートの
上位として展開していると思われるため価格面においてもCULVノートと明確な差別化が
なされていると考えられるにょ。
ただし、Ultrabookの数量が見込めるようになり、省電力化によって熱設計が容易になる
IvyBridge世代以降では十分に価格下落はあり得ると思われるにょ。
ネットブックは価格面のインパクトがあった上にXPの需要による影響もあったため
初代となるAtom N270を搭載した機種がいきなりヒットしたけどUltrabookにおいては
そういうことがないため少し長い目で見る必要があるかもしれないにょ。




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