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新・戦場スレ Part1

96 ◆h9Hr5c.eFE:2016/06/12(日) 00:00:59 ID:YK9KirRg
>>95
「あーん、なんで防ぐかなぁっ!」
焦れったげに呟き、素早くマガジンをリロードするケット・シー。
牽制の砲撃を掻い潜る。突撃してくるようだが、元々こちらも至近距離で銃撃をしこたま撃ち込んでやる予定だったのだ。手間が省けたと舌舐めずりをする。

「くっ、あっちの方に狙いを付けられた…!」
ケット・シーに見切りを付けたかのように素早く接近してくるジ・オーガ。
怯みつつもレーザー・フルーレを構え、応戦しようとした、その時だった。

『ばぁ!』
「!?」

モニターにブグの醜悪な顔が映し出されるや、二機の動きが同時に、凍りついたように止まった。

「……っ、なっ、な…っ…」
ミレニアが絞り出すように声を発する。
「なんですのぉ!? この醜い生き物はッ!!?」
先程までの高飛車な声音とは全く違う、ほとんど涙声に近い叫びだった。
「ガバノイド……」
アニーシャが呆然としたように呟く。眩いばかりの明るさとコケティッシュな魅力に溢れていた笑顔は消え失せ、その顔は蒼白に成り果てていた。
ミレニアはその名について俊順する。あまりにも悪辣な性質から、共和国領への居住を認可されていない亜人種、ガバノイド。
中等学校時代にその存在に興味を持ち、父や祖父にあれやこれや問うてみたものの、頑なにその姿や生体については教えてくれなかった。
よもやこれほど醜い姿をしていようとは。いや、それ以上に、視覚的な嫌悪感だけでは説明のつかない、このおぞましい感覚は何なのだろうか。
ミレニアは震え上がった。その怯えはメイヴの挙動にも現れ、戦乙女のごとき機体からたちまち威厳が剥がれ落ちたかのように見えた。

「…っ、あ…」
アニーシャはその恐怖の正体を知っていた。幼い日、母と共に味わったある悪夢の記憶が蘇り、アニーシャの体を硬く縛り付ける。
モーターオニの巨体はケット・シーの目前に迫っていた。平常ならば攻撃のチャンス! と直感が告げるタイミングにありながら、全く追従することができなかった。
それどころか、モーターオニの巨体が自らを脅かす、とても恐ろしい存在のように思え、アニーシャをおののかせる。
「ひっ…いやああぁぁぁっ!!」
ケット・シーは両手のマシンガンを乱射した。精細の欠片もない反撃が、モーターオニの怒涛のごとき勢いを削げるはずもなかった。


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