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新・戦場スレ Part1

9 ◆h9Hr5c.eFE:2016/05/11(水) 21:12:06 ID:4Fkn0jKY
(は、博士ぇ…仰られた通りにしましたけど、これからどうすれば…)
ツバサは声を殺して、ほとんど涙声で基地に控えるウェーバーに指示を仰ぐ。
人一倍プレッシャーに弱い自分が、ぶっつけ本番でここまでの段取りを行えたこと自体奇跡のように思えた。
それはひとえに、目の前で民間人が貯水タンクに潰されそうになる事故が発生したおかげかもしれない。
出撃を命じられて以降震え続けていた身体が弾かれるように動き、それを機に嘘のように震えが収まった。あとは名乗りを上げる所まで勢いで行えてしまった。
が、やはりいざ敵から注目を浴びてしまうと、ぶり返すように恐怖が込み上げてくる。
「大したもんだよツバサくん。これで奴らの注意は君へと集中した。あのサイクロプスは重装甲格闘戦仕様のDタイプだ。F装備の機動性を活かして逃げ回れば捕まりはしないよ」
(に、逃げればいいんですね! わかりました!)
「そうそう、君はオーダーが来るまで粘るだけで…って、ん…?」
ウェーバーはモニターしている各種の数値をざっと一瞥し、眉をひそめた。
「ツバサくん、まさかとは思うが、映像付きで通信をしていないかね?」
「えっ…? あ、あっ!?」
思いがけない過失に気が付き、通信モードを切り替えようとT-スキンのネックユニットに手を伸ばすツバサ。
「あのっ、どうすれば音声だけに切り替えられ…」
が、その行動はサイクロプスの急襲によって遮られてしまう。
「ひぁっ…!」
慌てて後方に跳びすさると、腰部に纏うスカートアーマーのスラスターが作動し、シルキーを素早く後退させる助けとなった。
DRESSシステム――パイロットの脳波と神経電気によって制御され、本体と高度に連携するオプション兵装。中でもF(フェンサー)装備を纏ったシルキーは、モーショントレースシステムによる鋭敏な反応と併せ、高い機動力と柔軟な動作性を発揮することができる。
もっとも、これらのシステムには致命的な弱点も存在するのだが……
「通信モードを切り替えてるような余裕はないね。適度に応戦したまえ」
「そんなぁ……」
結果的に自分の姿を敵機に中継しながら戦う事態となってしまい、多少T-スキンの露出度の高さに馴れたツバサであっても羞恥心が込み上げてくる。
しかし、今はウェーバーの言うとおり、形振り構っていられるような状況ではなかった。
「……と、とにかく、牽制しなきゃ! レーザー・ダガー!」
腰部両サイドに2本ずつマウントされた短剣の柄を、指の股に挟むようにして計4本抜き放つシルキー。美しいグリーンのビーム刃が発振する。
「行って下さいっ!」
ツバサが舞うように全身を躍動させると、シルキーは同様に水平回転しつつ、左右の手から続けざまにダガーを投擲する。
4本のダガーは風に乗るや、突如内蔵されたスラスターによって三次元的に曲がりくねる複雑な軌道を見せ、サイクロプスらを撹乱するように襲いかかる!


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