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新・戦場スレ Part1
85
:
◆h9Hr5c.eFE
:2016/06/10(金) 23:55:01 ID:C2C3qtyE
>>83
「あっははは! シミュレーションの通りだね! どれだけいたってワケないない♪」
軽やかな身のこなしで四肢を失ったサイクロプスにトドメの一撃を加え、マシンガンのカートリッジをリロードするケット・シー。
「フッ…このフェアリー・フレームこそまさに国防軍の威信。騎士どもと逃避行中の民草に、この勇戦ぶりを拝ませてあげられないことが口惜しいわ」
メイヴもエリアル・ダガーを投擲し、怯んだサイクロプスにすかさずロングボウを撃ち込む。その動きには先刻までのような淀みはなく、冴え渡っていた。
「拝ませてあげる……あっ、そうだ! んふふふ♪」
初の実戦が滞りなく優勢に進行し、彼女らには余裕が生まれていた。そしてそれは同時に、大きな油断が生まれつつあることも意味する。
「はぁ…お嬢様とアニーシャちゃん、うまくやれてるでしょうか…」
ツバサはシルキーのコクピット内で、膝を揃えて行儀よく座っていた。
本来ならばすぐ間近で起こっているオーダーと帝国軍の戦いを憂慮すべきなのだろうが、ミックやディラン達の強さ、頼もしさは短い顔合わせの中でも本物と思えた。希望的観測をするなら、自分が出撃するまでもなく決着が着いてしまうかもしれない。
そうなると、むしろ心配なのは二人の同僚だった。脱走を試みた兵たちとはいえ、曲がりなりにも本隊と共同戦線を張っているのだから、万が一ということは無いと思いたいのだが…
「…あれ? アニーシャちゃんから…?」
ツバサはふと見たモニターから、ケット・シーから輸送機に向け、フリー帯域で通信が発せられていることに気付いた。
反射的に、シルキーでもその通信を受け取れるようネックユニットに指を走らせ、チューニングする。
『……やっほー! 共和国のみんなぁ! アニーの声が聞こえるかなー?』
「!?」
瞠目してモニターを見れば、どうやら戦闘中らしい、T-スキンに身を包み、うっすらと汗をかいたアニーシャの姿が映されている。攻撃と回避運動を目まぐるしく行い、ツインテールと年令不相応の大きな胸を揺らしながらアクロバティックに舞う傍らで、左手を伸ばしてカメラの位置調整を試みており、相当な余裕があることが伺える。
恐らく避難ブロックのモニターの人々も、この映像を見ているのだろう。
『じゃじゃ〜ん! ご覧下さい、この戦果! ミレニアお嬢様のメイヴとアニーのケット・シー、フェアリー・フォースはみんなのために、帝国軍の本隊を絶賛ちぎ投げ中だよっ!』
ワイプで戦闘の様子が映し出される。
宇宙空間を漂う多数のサイクロプスの残骸と、メイヴが更なる敵機をロングボウで葬る瞬間。プロパガンダとしてはこれ以上ないベストショットだ。
「ちょ、ちょっとアニーシャちゃん、まずいですよ…!?」
思わずモニターにかじりつき、話しかけてしまうが、通信はあちらからの一方的な動画配信の形で行われており、当然彼女の耳には届かない。
「アニーシャ、何をしてるの!?」
(アピールだよアピール! イメージ前略っ!)
小声でミレニアに口答えしながら、アニーシャは続ける。
「今頃そっちでもちっちゃな戦いが起こってると思うけど、大部隊はアニーたちが足止めするから大丈夫! 大船に乗ったつもりでいてねっ♪」
そう言ってあざとくカメラに向けてウィンクすらしてみせる。
「まったく……」
ミレニアは呆れたような素振りを見せこそすれ、止めなかった。
これはこれで、フェアリー・フォースと国防軍の威光を示すいい機会だと、そんな風に考えているのかもしれない。
レーダーに二つの機影が現れたのはそんな時だった。
「新手…? 指揮官クラスが一機と、あれは特機…?」
「あらら、ここにきて大ボスのお出ましかな?」
ジ・オーガとの交戦シミュレーションは何度か試行していた。問題はない。
しかしもう一機は未確認の大型機だ。本来ならばフェアリー・フレームの不得手な部類の相手として、交戦は避けるべきなのかもしれない。
「ふふっ。格好の噛ませ犬が現れたわ、アニーシャ…!」
「よーっし、フェアリー・フレームのスゴいところを大公開! 華麗なるジャイアント・キリングをお見せしちゃうよっ☆」
しかし、経験に乏しく、かつ優勢に酔い知れている彼女らにその判断は不可能であった。
二機はスラスターを噴かし、敵の増援へと突っ込んでいく。
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