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デフォシナ&オリシナキャラを喋らせて遊ぶスレ8

324名無しさん@不意の鯖落ちにご用心:2013/09/16(月) 19:42:44 ID:???
 息を弾ませる一人の少女。
 ポニーテールを揺らし、集まっていた群衆の中を小さい体をすべり込ませるようにくぐりぬける。
 少女の頭には何もない。
 エマーソンの極刑が決定した。
 そう聞いた瞬間から、真っ白になって――。

 エリノアは自分でも気付かずに群衆の中を駆け抜ける。
 群衆は相当ざわめきだって騒がしい。それでも彼女の耳には何も入らない。
 ――無心。
 ――――空虚。
 ――――――白紙。
 足だけが前へ前へと進み続ける。
 小さな体はそれほど体力には優れていない。
 その体群衆をかき分けるのは相当の体力を消耗する。
 だが、無心に駆ける少女は疲れはいささかも感じなかった。
 心臓が悲鳴を上げる声も、彼女には聞こえはしなかった。

 群衆の切れ間が見える。
 その先には縛につき、兵士に引かれる彼がいた。
 青味のかかった長い緑色の髪を靡かせる。
 知性を湛えたその瞳は群衆の作る死への道を歩みながらも陰る事はない。
 エマーソン。彼だった。

 彼を見つけたエリノアは一瞬気持ちが浮き立つ。
 こんな時なのにそれでも彼を見れて僅かに頬が緩む。

 ――ああ、やっと。

 そう思った時だった。
 突然視界の前を無機質な何かが交差すると、不意に体に不自然な力がかかる。

「娘っ! 止まれっ!」

 良く響く男の声が、間近でエリノアの鼓膜を叩く。
 エリノアはその瞬間我に返った。
 群衆より飛び出した自分は、目の前では槍が交差し止められ、
 別の兵士が腕をひねって動きを制されいるのを理解する。


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