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己の妄想を思いのままにキーボードに叩きつけるスレ
24
:
Akane</b><font color=#FF0000>(3KGYuvzA)</font><b>
:2003/01/23(木) 02:49
(
>>23
のつづき)
「みゅー。どうぞ」
「…おじゃまします」
小声で挨拶をして靴を脱いだ。おうちの方に会ったら、改めて挨拶をするつもりだった。
「うくー……ちょっと待ってて」
「はい」
とたとたとた……。一言残して繭は奥に向かった。
他の人の家に初めて入るのは、やっぱり緊張する。浩平の家に初めてあがった時もそうだったなぁ…。
もっとも、その時は私の知らないうちに運ばれていたんだっけ…。
「浩平………」
「みゅーー♪」
呟きがかき消されるように繭の声が響いた。手招きされて私は奥へと向かっていった。
一礼してから居間に入ったけれど、繭しか見当たらない。
「おうちの方、いらっしゃらないんですか?」
「うくー……。留守みたい…」
「あら…。そうでしたか……」
「みゅー…。でもこれだけでも、飲んでいって」
「これ…ですか?」
グラスに注がれた飲み物は、メロンソーダとも青汁とも違う緑色をしていた。
「みゅ♪ お母さんの特製のジュース。……甘いけど」
「いただきます」
んぐ…んぐ…んぐ……。
香りはあまりしないけれど、不思議な味。甘いと言われれば甘いかもしれない。
飲んでいる間に会話はなかったけれど、繭が左、右ときょろきょろしたり、たまに私を笑顔で見つめている様子を見てると退屈ではなかった。
けれど、ひとつだけ訊いておきたいことがあった。
もちろん…浩平のことである。どう切り出せばいいのかわからなかったから、率直に訊いてみた。
「ねぇ繭…」
「ほぇ?」
「浩平………。折原浩平っていう人、知らない?」
一瞬繭の顔がぴくっと反応したように見えた。………いや、単に私がそう思いたかっただけかもしれない。
繭はよくわからない様子で
「ほぇ〜〜?」
とだけ言っていた。
やっぱり…と思うほかなかった。
知っているはずがない。誰も覚えているわけがない。
何度も自分にいいきかせた言葉。いいきかせる度に辛くなっていく。
とその時、私の頭がくらくらした。さっきの飲み物がアルコールだったのだろうか?
いや、私はお酒には強いはずだし、それにアルコールが入っているような感じではなかった。
なんだろう……。頭がぼーっとする……。体も重いし……。
はぅ………。浩平……。浩平っ……。
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