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【テンプレ】東方クロススレ 8【必読!!】

73名前が無い程度の能力:2010/03/15(月) 16:11:56 ID:DsI2qfqQ0
さとり「そうか、そういうことだったのね」
映姫「こんな所に呼び出して一体何なのでしょう」

どちろも次の瞬間、全身黒タイツに後ろからやられます。

74名前が無い程度の能力:2010/03/15(月) 16:33:12 ID:AMJJAaio0
>>70
即死能力者ばっかりなんていつ決まったんだ?
ここにもあるとおり、そんなもんは解釈次第でどうとでもなるもんだぞ

【雑談相談】幻想入り・現代入り総合スレ part6【なんでもござれ】
ttp://pc12.2ch.net/test/read.cgi/streaming/1266054847/922-925

75名前が無い程度の能力:2010/03/15(月) 17:14:32 ID:Gne2xQDUO
そうやって無理にステータス落としてまで皆DBバトルやりたがるんだよなあ。

76名前が無い程度の能力:2010/03/15(月) 17:16:31 ID:AMJJAaio0
ID:Gne2xQDUO
えっ・・・何この子、人の話もロクに聞かないで脳内を公式(失笑)だと思い込んでるの?

77名前が無い程度の能力:2010/03/15(月) 17:19:35 ID:vnzNB.h60
東方キャラが即死能力持ちでOKなら、相手が即死耐性持ちでもいいよねって話になるな。
RPGのラスボスに特に設定は無いがデスやザラキやムドオンが効かないのと一緒で。

78名前が無い程度の能力:2010/03/15(月) 17:32:21 ID:Gne2xQDUO
別にいいんじゃないかなあ。影慶に毒虫ぶつけて玉砕してもいいし、ブラフで別の手
決めてもいいし。ただそこまでやってなんで戦わせるのかなあって思うのさ。東方側のステータスを
相手に合わせて上下に調整していい勝負になるようにして、行き着く先はDBばっか。

あーすまん、最低SSの話になってた。ごめん。

79名前が無い程度の能力:2010/03/15(月) 17:34:37 ID:SPPrCv/c0
自分の気に入らない展開は最低SSなんですねわかります
能力持ち以前に弾幕使いってことは忘れられてるんだな

80名前が無い程度の能力:2010/03/15(月) 17:40:06 ID:AMJJAaio0
>>78
まあこれを見てまだ理解できないようなら病院行って来い

533 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/02/26(金) 22:04:57 ID:z5oiR5BH0
      r ‐、
      | ○ |         r‐‐、
     _,;ト - イ、      ∧l☆│∧  良い子の諸君!
    (⌒`    ⌒ヽ   /,、,,ト.-イ/,、 l
    |ヽ   ~~⌒γ ⌒ ) r'⌒ `!´ `⌒) よく頭のおかしいライターやクリエイター気取りのバカが
   │ ヽー―'^ー-'  ( ⌒γ ⌒~~ / 「誰もやらなかった事に挑戦する」とほざくが
   │  〉    |│  |`ー^ー― r' |  大抵それは「先人が思いついたけどあえてやらなかった」ことだ。
   │ /───| |  |/ |  l  ト、 |  王道が何故面白いか理解できない人間に面白い話は作れないぞ!
   |  irー-、 ー ,} |    /     i
   | /   `X´ ヽ    /   入  |

81名前が無い程度の能力:2010/03/15(月) 17:43:30 ID:Gne2xQDUO
>>80
それこそ幻想入りシリーズのダメな例じゃないか。

まあ逝ってくるわ。悪かった

82名前が無い程度の能力:2010/03/15(月) 19:40:32 ID:pU1Jeffs0
よく黄金聖闘士は光速だから東方キャラに勝ち目がないとかいうが
彼らは光速と設定され認知されているのに
東方キャラは公式の小説の地の文(求聞やグリマリのようなキャラの主観が入った物とは違う)で書いてあっても
「地の文に書いてあるから事実って信じてるんだww」
とかいう扱いは不公平と思う

83名前が無い程度の能力:2010/03/15(月) 19:48:41 ID:AMJJAaio0
>>82
ひょっとして向こうのスレで散々黄金聖闘士を踏み台にしまくってるネタを投下してたのはお前か?

84名前が無い程度の能力:2010/03/15(月) 20:02:20 ID:t72PrzGA0
そもそも東方のそういう設定は結構曖昧だからイマイチ参考にならない
日本の憲法とか国際法みたいなもん(こっちはわざと曖昧にして抜け道作ってるけど)

85名前が無い程度の能力:2010/03/15(月) 20:02:54 ID:QVq1r0Do0
設定・・・蹂躙・・・幻想・・・
どこから来て、どこへ行く?
そんなものはこの私が破壊する!

86名前が無い程度の能力:2010/03/15(月) 20:09:47 ID:pU1Jeffs0
そういえばケフカって人形遊びが好きな魔法使いだったよな
アリスと絡ませてみたいがなんかヤバそうだ・・・
原作で悪役だったキャラが幻想郷にきて綺麗なキャラになるのも結構あるんだけど・・・

87名前が無い程度の能力:2010/03/15(月) 21:45:49 ID:t72PrzGA0
ロックかティナと魔理沙、にとりとエドガー、勇儀とマッシュ、小町とシャドウ
辺りを絡ませると結構いいかもな

というかケフカは危険すぎるw

88名前が無い程度の能力:2010/03/15(月) 22:11:56 ID:BUO12Z4cO
エドガーは設定上女好きだからどんな東方キャラとも絡められるだろうな(蛸もだが)
マッシュ対美鈴で弱点のない美鈴にウィークメーカーで弱点作り援護とかくらいはできるだろう
マッシュはマッシュで鳳凰の舞があるし(結構変則的な軌道だが)
美鈴が習って使えるようになるというのも良さそうなクロスだが
でてくるのは若い女ではなく筋肉モリモリな男で美鈴含めて「どういうことなの…」な展開になりそうだ
他にもマッシュ、シャドウ、こざるは列車とも戦った事あるが
ゆかりんの召喚技を破ったら踏み台とかいわれそう
 
FF6は魔法や幻獣が忘れられたものだから案外東方と相性良さそうかも

89名前が無い程度の能力:2010/03/15(月) 22:23:31 ID:SZTr7/K60
妖怪を捕まえて妖力抽出して残ったらダストシュートして始末しちゃうのか、
FF7でも魔晄エネルギーとしてこのテの設定使ってたな。

90名前が無い程度の能力:2010/03/16(火) 17:27:25 ID:ozusgyas0
やはり東方陣営はクロスした作品の
敵側と味方側にそれぞれ分裂すると面白いな
かといって敵も味方も良識人だったらゲンナリだが

91名前が無い程度の能力:2010/03/16(火) 17:57:11 ID:y3QpjwJg0
東方キャラって良識人がいない印象(極悪人もいないが)
東方が少女の遊びを舞台にした話である以上
東方に絶対に許すわけにはいかない悪人は出てこないだろうし
結果大半の東方キャラ&他作品の良識キャラVS他作品の悪党キャラ+騙されたり洗脳されたりした東方キャラ
という構図になりそう
本編以前とかの設定なら純粋な悪党である東方キャラというのもいそうだが

92名前が無い程度の能力:2010/03/16(火) 20:33:32 ID:YYwQEYEI0
>>90-91
俺は敵味方の両方に回ってしまってもいいけど味方側オンリーでも悪くないと思うけどな
ああでも俺が今、創作してるやつは、両方に回ってるが

93名前が無い程度の能力:2010/03/16(火) 20:49:21 ID:UkYD2jEw0
敵側にも東方キャラがいれば
特撮で例えるなら
その回でやられる怪人以外に敵幹部も出てきたときのwkwkが味わえて良い
敵側にいるのが1,2面の東方キャラだったりしたら
少し味わうのは難しいかも試練がそこは愛で補う

陳腐な言い方をすればライバルが欲しいんです
またお前かみたいな感じの

94名前が無い程度の能力:2010/03/16(火) 22:19:17 ID:Lh9KVYg.O
幻想郷の存亡に関わる相手なら東方キャラが敵対しあわないだろうけど
そうじゃなければ興味本位やお礼に釣られてとかで悪事に協力するとかはある程度ありそうかも
 
妖怪が月に攻めて来た時にゼムス(FF4の黒幕で月の民)が妖怪達を洗脳し同士討ちさせ
手間が減ったと綿月姉妹がお礼に素粒子分解扇子を渡したり、
ゼムスの邪魔しようとしたセシル達を一度は圧倒的な力で倒すとかの展開とかをやったら
綿月姉妹がゼムスの計画を知ってたら「そんな事はするはずない」とかいわれそうだし
知らなくても「そんなホイホイ貸すようなバカじゃない」とかいわれそう
そもそもゼムスが月の民といっても月人とは違うから月人が協力するはずないとかいわれそうだが

95名前が無い程度の能力:2010/03/16(火) 22:41:39 ID:XH4NxgK.0
前それっぽい小ネタがあったな

96名前が無い程度の能力:2010/03/17(水) 01:04:07 ID:QxOu9hb.0
玖珂光太郎(くが・こうたろう)

種族:人間
能力:悪をぶっ飛ばす程度の能力
スペルカード:爆符・御札トラップボム

前からずっと出ていた話だが、式神の城ほど東方と相性のいい作品はないと思う。

97名前が無い程度の能力:2010/03/17(水) 06:51:48 ID:iU9L1cpg0
確かにゲーム的には相性良いけどw
決戦存在とか絢爛舞踏とか
東方の世界では御伽話でしかないよ

しかしそれをあえて実現させるのも絢爛舞踏の業か

98名前が無い程度の能力:2010/03/17(水) 08:24:56 ID:QXX2bd420
設定が気分次第でコロコロ変わるのも似てるな

99名前が無い程度の能力:2010/03/17(水) 11:12:57 ID:X648z6zg0
質問
フランの正しいスペルってfrandreなのかflandreなのかどっち?
三月精で神主が修正したものは前者、神主の日記では後者だったが

100名前が無い程度の能力:2010/03/17(水) 11:21:45 ID:jyVJizBQ0
ぐぐるとfrandreがflandreに修正される不思議

101名前が無い程度の能力:2010/03/17(水) 12:57:39 ID:E65QkSyEO
幻想郷存亡ならバイドだよな……相性最悪だが

102名前が無い程度の能力:2010/03/17(水) 14:10:25 ID:yecw1iT60
>>101
主役はさとりで
タクティクス的に考えて

103名前が無い程度の能力:2010/03/17(水) 15:06:22 ID:ZctSqkAcO
アリスはレオかダイダロス系統か?
フランはキングスマインド
狂王的な意味合いで

104名前が無い程度の能力:2010/03/20(土) 02:37:43 ID:X44ebF2k0
質問です。このスレでキングダムハーツに“通”ともいえるくらい詳しい人はいませんか?
クロスオーバー小説を創る中で設定の考察等を聞いておきたくて。

105名前が無い程度の能力:2010/03/20(土) 12:32:10 ID:X44ebF2k0
誰もいないのですか?

106名前が無い程度の能力:2010/03/20(土) 13:00:12 ID:m3CDOxAg0
せめてもうちょっと人いる時間まで待ちなよ。つか五日くらいは待ってもいいと思う。
ちなみに俺は欠片ほどもわからん>KH

107名前が無い程度の能力:2010/03/20(土) 13:08:19 ID:N.cqdIZc0
ageた上にクレクレ君じゃ好く思われないよ。
知ってても名乗り出ないかもね。

108名前が無い程度の能力:2010/03/20(土) 13:14:17 ID:X44ebF2k0
>>106-107
そうでした、気をつけます。

109名前が無い程度の能力:2010/03/20(土) 14:52:14 ID:X44ebF2k0
>>106
あ、すみませんが、向こうの絡みスレで聞くことにします。
その小説に関してですが、今知り合いとそれに関係した打ち合わせをしていて
あまり待たせてしまうと相手の気分を悪くしそうなので…。

110名前が無い程度の能力:2010/03/20(土) 14:53:05 ID:QBnrmCr60
リリカルなのはの管理局って、幻想郷からしたら迷惑な連中って感じになるのだろうか
下手に見つかったらロストロギア扱いされそうなアイテムが結構あるし、魔法すら科学の一つに組み込んで幻想を駆逐するって理由で嫌われそうなんだけど

111名前が無い程度の能力:2010/03/20(土) 14:56:14 ID:DXNFLidw0
他人の知識任せで合同小説とか無謀にも程があると思うが…

112名前が無い程度の能力:2010/03/20(土) 14:59:41 ID:X44ebF2k0
いえ、こちらでも自分なりに懸命に考えてはいるのですが
設定のいくつかにどうしても不明な点や摺り合わせても矛盾が発生してしまうものがございまして、
そういうものを東方とクロスさせた場合、どういう風に置き換えたら良いかと言う事を知っておきたくて。

ちなみに合同小説ではございません。作者はあくまで自分一人です。

113名前が無い程度の能力:2010/03/24(水) 02:36:40 ID:qOKjRwVo0
>>110
よく勘違いされてるが管理局が回収するロストロギアは滅んだ世界の遺産で
現役バリバリの世界の物には手をださない
幻想郷に対しては精々監視するのが関の山だろう

114 ◆cedHmDsvEg:2010/03/25(木) 02:30:51 ID:d1IvTQ8Q0
つい最近このスレの存在を知ったおれ、さんじょ……
向こうのスレで投下告知したのがバカみたいだ……
次からはこっちで投下するって事でいいのだろうか?
特に指定が無ければ今までどおり避難所生活してますが。

>>112
全く違うものを混ぜるのだから多少の矛盾には目をつぶったほうがいいって気がする。
東方側の解釈の仕方によって矛盾するかどうかも異なってくるし。
その東方も解釈の幅が広いと言うか広すぎるから、独自解釈交えても多少はやむなしだと思われ。

115名前が無い程度の能力:2010/03/25(木) 12:11:52 ID:Y/7k2Nis0
誰かクーロンズゲートとクロスしねぇかなぁ

あらすじ
主人公は日本最高風水会議の超級風水師である。物語は幻想郷の八ヶ岳が外の世界に姿を現したことを発端とする。
どうやら原因は幻想郷においては四神獣の見立てが行われていないことにあるらしく、そのため気脈の流れが乱れ、
最も邪気に歪んだ八ヶ岳が外の世界に姿を現すこととなったようだ。
常識と非常識が不用意に交わるようなことがあると世界の存在自体に大きな影響をもたらすこととなるため、主人公は幻想郷に潜入する。


東方の世界じゃ不老不死なんて明日のご飯より価値無いから
敵は少壮気鋭、即ち永遠の情熱を求めている設定に変えれば良い

四神獣は
朱雀が妹紅
白虎が星
青龍が魅魔
玄武が霊夢
かな
なーんで魅魔が青龍かと言うと出番無いから
霊夢を無理矢理入れたのはヒロインポジションだから

116名前が無い程度の能力:2010/03/25(木) 16:15:19 ID:5cwlTBOU0
バトル作品投下するまえに自分の中の東方キャラの強さの程度を明記すればいいんじゃないの?
で、その強さに納得行かない人はみないでください、と
色々あるだろうけど、例えば俺の中では戦略自衛隊が幻想郷に乗り込んだら
意外とあっさり制圧されるくらいの強さしかないと思ってたりする
そういう感じの俺が書く作品ですよーとか
紫は世界創造主に匹敵する力の持ち主、無敵です、でもいいし
それ以上話すなら最強議論スレ行くしかない

117名前が無い程度の能力:2010/03/26(金) 10:54:33 ID:6Z1ZtB9Y0
>>114
別にいいと思うよ。>こっちで投下

>>115
いや、一応不老不死は貴重だろ。
妖怪連中は人間から見たらものっそい寿命長いけど不老不死ではない。
たとえ一億年生きられようと、それは無限大には届かない、みたいな。

>>116
まあ、多少のイメージを最初に言っておくのはいいかも知れんな。
「この作品内では霊夢がこのくらいで魔理沙がそれに次ぐ強さで〜〜」とか。

118名前が無い程度の能力:2010/03/26(金) 10:59:58 ID:fwns2EyU0
>>117
それでも自分から積極的に不老不死を求める連中なんていないだろ
棚から牡丹餅ならともかく

119名前が無い程度の能力:2010/03/26(金) 20:56:51 ID:6Z1ZtB9Y0
>>118
ああ、価値が無いってのは幻想郷の住人にとって魅力というわけではないって意味ね。それなら納得。

120 ◆cedHmDsvEg:2010/04/01(木) 23:26:59 ID:NOxW4QRo0
ぎりぎりセーフ!

今日じゃなければとても出来ない短編投下します
見たくない人は鳥をNGに指定して下さいね


東方俺参上 最終回先行公開

121 ◆cedHmDsvEg:2010/04/01(木) 23:28:19 ID:NOxW4QRo0
幻想郷を襲った意魔人異変も無事解決し、協力した電王と仲間のイマジンも
デンライナーで幻想郷を後にした。
その後も幻想郷は間欠泉が噴出したり、妖怪の山に巨人が出たという噂が流れたり
宝船騒動が起きたりと、平和ながらも賑やかな日々を送っていた。

そして、あの意魔人異変から二年になろうという第百二十五季の秋。
幻想郷には、再び異形の妖怪達が現れていた……

「今から僕と、僕の仲間達が……君達の幻想を終わらせる」

灰色のオーロラの向こうから、幻想郷の各地に現れた異形の妖怪達。
吸血鬼の棲む赤い館には、ステンドグラスを模した外観を誇る怪物達。
幽霊の棲む日本家屋には、人間が突然変異した灰を想起させる灰色の怪物達。
竹林奥深くにある日本家屋には、決して死ぬ事の無い数多の生物の始祖とも言える怪物達。
妖怪の山には、彼らを元としたと思しき怪物達と、それを使役する怪しげな男女。
人里には、妖怪退治の力を持つ人間ばかりを狙う、頭に光の輪を輝かせる怪物達。
地底深く眠る御殿には、地球の長い歴史に眠る記憶を悪用する怪物達。
その他、昆虫のような外見を持ち、超高速で移動する怪物。
鏡、水面など姿の映る場所から自由自在に現れては襲い掛かる怪物。
遊戯を楽しむように、だが弾幕ごっことは大いにかけ離れた殺戮と言う名の狂気の祭典を楽しむ怪物。
そして、二年前に霊夢らも戦った意魔人の姿もあった。

「な、何よこれ……」

あまりの光景に、霊夢は立ち尽くす。博麗神社からは、幻想郷を見渡すことができた。
今、そこからの景色は見えない。幻想郷全体が灰色のオーロラに包まれていた。
まるで博麗大結界を具現化したかのように。

「滅びの現象、ね。去年の冬に終わったのだと思っていたのだけど……」
「ゆ、紫! あんたがあの怪物達を呼び寄せたの!?」

122 ◆cedHmDsvEg:2010/04/01(木) 23:30:22 ID:NOxW4QRo0
灰色のオーロラではなく、両端にリボンのついた隙間のような空間から現れたのは八雲紫。
幻想郷全体を見守る、管理者のような存在の妖怪である。
幻想郷を愛する彼女にとって、この惨状は何を彼女の心にもたらすのか。

「冗談言わないで頂戴。魔化魍にファンガイアあたりならばまだ交渉の余地はありますが
 ワームにグロンギなんて、とてもじゃないですが幻想郷の手に余りますわ。
 彼らは私の……いえ、私達の思い描くものとはあまりにかけ離れていますもの」

意魔人異変の際、紫が懸念していたそのままの事態が、再び起きたのだ。
しかもよりにもよって一番交渉できそうな魔化魍にファンガイアは
既に幻想郷で地位を得ている天狗や河童、吸血鬼といった
強豪妖怪とぶつかってしまっている。縄張り争い。この一言に収束されるが
幻想郷の存亡をかけた縄張り争いと成り果ててしまっていた。

結果から言えば、辛くも外の世界の侵略者を退けることは出来た。
意魔人異変の教訓が生きた形となったのだ。
そしてもうひとつの要因は、その怪物達と本来戦う役目にある『彼ら』が参戦した事。
その『彼ら』の中の一人は、霊夢も、幻想郷の住人もよく知っていた。
二年前のあの異変をきっかけに。

「だけど、そもそもの発端は二年前。君が僕をここへ呼びさえしなければ……
 幻想郷に、滅びの現象が起きることは無かった」

灰色のオーロラの向こうから現れたのは、二年前霊夢がイマジンと戦った際、共に戦った仲間。
青年としての面影はなくなってしまったが、野上良太郎その人であった。
青年としての面影が無くなった……それは成長したのではなく、むしろ退化していた。
霊夢よりも、年下に見えるほどに。

「お久しぶりね良太郎君。ずいぶんと可愛くなりましたわね」
「え!? りょ、良太郎さん!?」

だが、その風格は明らかに野上良太郎本人である。どこか頼りない部分も微かに残しながらも
歴戦の勇士として、様々な時間を守りぬいた電王
――仮面ライダー電王としての風格が彼にはあった。

123 ◆cedHmDsvEg:2010/04/01(木) 23:32:37 ID:NOxW4QRo0
「久しぶりだね、霊夢さん、紫さん。でも……」

二年越しの知己に対し一瞬、にこやかに挨拶を交わすが
その表情はすぐに険しいものへと変わる。まるで、イマジンを相手にしているときのように。
おもむろにパスを懐から取り出すと、良太郎の背後に灰色のオーロラが現れる。

「ごめん。逆恨みは重々承知だけど、僕達にはこれしか方法が無いんだ。
 ……幻想郷を、無理やりにでも僕達の世界から切り離す」
「良太郎さん!? うそでしょ……」
「……そう。それが外の世界の選択なのね……」

敵意を露にしている良太郎に衝撃を受ける霊夢をよそに、紫は良太郎の背後にいる
『それら』を見た瞬間、その表情に悲しみとも憤りとも取れぬものを浮かべる。

そこにいたのは、十人の戦士。皆一様に、ベルトを装備し
鎧のような物に身を包み、仮面を被っている。
色も形も様々である。金色のラインが入った黒い体に赤い目の戦士。
赤い角に白銀の鎧を纏った戦士。
金色の鎧を纏った戦士。
燃えるような赤い鎧を纏った戦士。
昆虫の羽を想起させる羽を展開した戦士。
様々な仮面のレリーフを体中に装着した戦士。
左右色の非対称な戦士。

良太郎も、それに合わせベルトを装着し、飛来してきた巨大な剣にパスを挿入する。

LINER FORM

デンライナーを模した鎧と仮面。カラーリングは赤と白。
ある意味、霊夢を想起させる良太郎単独の電王、ライナーフォーム。
意魔人異変の際にも披露した、良太郎の最終形態。
小さくなっても、その力は健在であることを示唆していた。

124 ◆cedHmDsvEg:2010/04/01(木) 23:36:00 ID:NOxW4QRo0
「二年前、僕がこの幻想郷に来た事で、本来繋がらない電王の世界と繋がる橋が出来てしまった。
 そこからは数珠繋ぎのように、他のライダーの世界と繋がり
 滅びの現象を呼ぶ切欠になってしまった」
「それが、あの怪物達がやってきた原因なの? でも、外の世界とは結界で隔たれて……!」
「なるほど。これが二年前、鳴滝とか言う人間が警鐘を鳴らしていた事なのね……
 私としたことが、もっと早くに気づくべきでしたわ。
 霊夢。良太郎君は、外の世界の人間じゃない。別の外の世界の人間なの」

幻想郷は、外の世界が無ければ幻想郷足り得ない。だがその外の世界には様々あった。
妖怪や伝承は幻想とされ、人々の記憶から追放された外の世界。
それ以外にも、万年周期で生物の始祖が争いを繰り広げる外の世界や
人が蘇り怪物となる外の世界も存在する。
良太郎の属する外の世界とは、また別に。

「僕個人としては、出来れば戦いたくない。
 でも……ここで戦わないと、今まで守ってきた物が全部、消えてしまう。
 だから僕は迷わない。迷いなんて……無い!」
「言いたい事はそれだけ!? 突然やって来て、何か小さくなってたと思ったら
 異変の首謀者みたいなこと言い出して、私に喧嘩売ってるの!?」

ベクトルは違えど、互いに悲痛な叫び。良太郎は、自分の世界を守るためにかつての仲間を
手にかけることにためらいの無い現実に対する悲痛な叫び。
霊夢は、かつて未曾有の異変に直面したとき、棲む世界は違えど
同じ目的に邁進した仲間との再会があらぬ形で裏切られた悲痛な叫び。
霊夢の眼には、悲しい光が輝く。良太郎にも、デンライナーの先頭車両を模した
仮面の奥に同じ光が輝いている。

「たとえ外の世界の英雄達だろうと、この幻想郷を荒らす者は何人たりとも許しはしない。
 美しく残酷に、すべての記憶から往ね!!」
「来い、俺はすべての破壊者だ、お前の幻想とやらも……俺が破壊してやる!!」

仮面のレリーフを体中に装着した戦士が、マゼンダ色の光を放ちながら紫と対峙する。
その啖呵を合図に、良太郎の仲間の戦士達と、幻想郷の強豪妖怪達が激突する。
良太郎も、楽園の巫女との一騎打ちに臨む。

 東方俺参上 最終話
エンディングH「幻想と記憶の破壊者」

125名前が無い程度の能力:2010/04/02(金) 00:17:27 ID:Dr45qato0
ディケイドって破壊者というよりも外史の記憶者だよな
もしくは意味を持たせる者のような扱い
阿求が現実での説話と全然違う記述を残すように(disられた仙人は涙目

126 ◆cedHmDsvEg:2010/04/02(金) 18:47:29 ID:XW3vkfPU0
いくらなんでも「幻想郷対11平成ライダー」は無茶すぎたかもしれないと思ってる。
だが私は謝らない。エイプリルフールやったしな。

>>125
その過程が破壊ですからねぇ>破壊者
求聞史紀にはしっかりと「危険度:大」とか書かれそうだ

127名前が無い程度の能力:2010/04/05(月) 14:08:39 ID:MHbiiT4I0
赤鬼「ちょっとあんたに来てもらいたい。顔を貸してくれ時間はかからない」
青鬼「ミス・チェンがあんたに話したいとおっしゃってる」
赤鬼「ミスがお待ちかねだ」

橙「ここいらでクンクン嗅ぎ回っているのは貴方ね 私はこそこそ詮索する奴を許さないわよ
そうだ 山のマヨイガに来た人の話をしてあげる その人はでっかいバックルをベルトに着けていたの
上着の前をはだけてバックルをこれ見よがし私の方へ向けてきてね 
私はそいつの後をつけて人里まで来た そのくそ野朗はここ妖精料理屋で妖精の生き血を三杯呑んだ
そのとき妖精の血が何滴かご自慢のバックルにこぼれてね そいつは丹念に血をぬぐいとってやがる
うひゃひゃひゃ 俺はひらめいた!! バックルは隠しカメラだ! カメラで俺の事を探ってやがる
それでどうしたか うへへへ そいつの血を抜いて妖精に飲ましてやったよ うひひひひひひひ
最後の一滴まで残らずにな この店の妖精の血にはバックル野朗の血が混じってるんだ
お前も飲むか あ? 可愛そうな奴だよまったく こんなもんに頼って情熱を維持しているなんてな
俺にはそんなもんいらねぇんだ!!! 妖精の血だと! ひーひーひー それがどうした!
龍の奇跡が起きれば妖精の血なんぞ飲まなくて良いんだ! 少壮気鋭の力は私のもんだ!
お前にはそれが信じられないの? 偉大な力なのよ 詮索をやめないなら今度は貴方の血を妖精にくれてあげる」

赤鬼「ミス・チェンはもうすぐ少壮気鋭の力を手に入れる」
青鬼「そして我々もな お前は幻想郷に用は無い 分かったらさっさと外の世界へ帰ることだ」

128名前が無い程度の能力:2010/04/05(月) 14:12:18 ID:9grPznKsO
九龍とはまた懐かしい

129名前が無い程度の能力:2010/04/06(火) 17:25:10 ID:xeRD9SRcO
東方とぬら孫って合うと思う。
土地神の設定とか、妖怪の存在理由とか、重なってる設定も多いし。
儚月抄読んだら、紫が幻想郷の外で組作ってても違和感が全然無かった。

130名前が無い程度の能力:2010/04/13(火) 16:24:37 ID:n4zvhhLQ0
>>115
霊夢が玄武の神獣なら
早苗も玄武だろう
蛇と亀、二つで一つの神獣だ

131名前が無い程度の能力:2010/04/13(火) 19:46:33 ID:uTCGg2Yw0
玄武と聞くと一番弱いという印象
幽々もGBもSaGaも玄武が最初に出てきてやられるし
新桃も四神の刀の中で最弱だし

132名前が無い程度の能力:2010/04/14(水) 14:22:27 ID:I.Dz7E0I0
東方不思議遊戯

大学生のマエリベリー・ハーンと親友の宇佐見 蓮子は四神天地書という書物の中に吸い込まれ、
明治時代の面影を僅かに残す異世界でそれぞれ朱雀・青龍の巫女となる。ハーンは、
本の中の世界を守って自分の世界に戻るため、彼女を助ける朱雀七星士とともに力を尽くし、
また七星士の一人である萃香と強く惹かれ合うようになる。
一方、世界破滅の野望を抱く青龍七星士こいしは、蓮子を騙してハーンと敵対させる。
蓮子とハーンはそれぞれの国に点在する七星士を揃え、聖獣を呼び出すべく、旅を続ける。
朱雀、青龍を召喚するためには、七星士全員と巫女が揃っていることが条件である。
しかし、こいしの策略により朱雀並びに青龍七星士は次々に命を落としていく。
一度は不可能かと思われた聖獣召喚であったが、過去に現れた玄武、白虎の巫女たちが残した神座宝を集めることにより、
巫女さえ居れば聖獣を呼び出すことが可能と知らされる。
最終的にこの争いを制したのは青龍側であった。儀式を行い、聖獣を召喚した蓮子は、
青龍が叶える3つの願いのうち第一の願いで朱雀を封印。さらに第二の願いでハーンを本の世界から追放、蓮子とハーンは現実の世界に帰還する。
現実世界に戻されたハーンと蓮子の後を追い、萃香も本の世界から現実世界へと現れる。
そこでようやく、萃香は自分が虚構の存在であり、今までの出来事は自分たちにとっては現実だが
ハーンと蓮子には全て現実とは何ら関係のない架空の出来事に過ぎないという事実を知ることとなる。
大学の教授岡崎 夢美と助教授北白河 ちゆりは、四神は願いを叶える代わりに巫女の体を食らうこと、
ただし巫女が強い心の持ち主ならばその限りでないことをハーンに告げる。
しかし蓮子の体は既に青龍に蝕まれており、ハーンは瀕死の蓮子をこいしの手から救出する。
ようやくこいしの本心に気付いた蓮子はハーンと和解、最後の神通力で朱雀を呼び出す力をハーンに与え、青龍に食われてしまう。
朱雀を招喚したハーンはその神通力を以って、第一の願いで蓮子を取り戻した後、
第二の願いで青龍を封印。青龍の加護を失ったこいしは萃香に倒される。
世界を破滅から救ったハーンは、最後の願いを使い、萃香と決して離れないことを望む。
朱雀は様々な経験を経て心の成長を遂げたハーンの願いを聞き届け、ハーンは八雲紫として幻想郷に転生する。

さとり妖怪が鬼に勝てるはずが無い? いいえ、ふしぎ遊戯にはとあるパワーアップ方法があるのです。

133 ◆cedHmDsvEg:2010/04/18(日) 03:29:08 ID:r8oLJrKc0
では何の前触れも無く第七話Aパートを投下します。

07:58
東方俺参上
我が郡隊は百鬼夜行!

134俺参上第七話前編(1/10) ◆cedHmDsvEg:2010/04/18(日) 03:31:05 ID:r8oLJrKc0
幻想郷の小さな鬼と外の世界の自称桃太郎。この一騎打ちも、今決着を迎えようとしていた。
既に両者共に満身創痍であり、息も相当上がっている。幻想郷の常識で考えれば
鬼をここまで、しかも実力で追い詰めたのは自慢できるレベルであった。
M良太郎も、数多くのイマジンやライダーと戦ってきたがこのような相手は初めてである。
攻撃の多彩さや奇抜さにおいては、今まで戦ってきた相手の中でも群を抜いている。
互いの必殺技は、相手の度肝を抜きこそすれ、決定打には一歩……いや半歩足りなかったのだ。
もはや、互いに打つ手は一つのみであった。

「はぁっ、はぁっ……ここまで粘った奴も久しぶりだよ。桃太郎も金太郎も、根本的なところは全く変わってないね」
(金太郎? まさか……)
『ぜぇっ、ぜぇっ……てめぇもな小玉西瓜! さぁて、このままやってても埒があかねぇ……良太郎!』

吐き捨てるように、モモタロスォードを投げ捨てるM良太郎。投げ終えると同時に、不意にM良太郎からモモタロスが抜け出る。
予想だにしない展開に良太郎がよろけるも、モモタロスに支えられて地面への体当たりは未然に防がれた。

「おわっとと……!?」
「悪ぃな良太郎。お前の言い分もわかるがよ、この格好もモモタロスっつー名前も
 今となっちゃ俺のもんだ。だから最後は俺にやらせてくれよ。な?」
「モモ……だったら絶対勝ちなさい! 負けたら良太郎がさらわれるんだからね!」

解釈によっては勝手な言い分かもしれない。散々他人の体で暴れた挙句、最後は結局自身の体である。
最初からそうすればよかったのかもしれない。だがそれでは良太郎は納得しなかっただろう。
モモタロスの出生には、多少なりとも彼の責任もあったから。
一部始終を見ていた中で、唯一経緯を知っているハナは、モモタロスの言葉に対し感慨深げな表情を浮かべる。

「へっ、わかってらぁ……おい小玉西瓜! 喧嘩はやっぱ素手でやったほうが楽しいぜ!」
「そいつは同感だね! よし、次の一撃で恨みっこなしの締めにしようじゃないか!」
「さあいよいよ決着か! 外の世界の鬼面桃太郎と幻想郷の小鬼、今互いに最後の一撃を繰り出そうとしております!」

互いに拳を握り締め、飛び出すタイミングを伺っている。睨み合いの状態のまま一歩も動かない。
今まで以上に緊迫した空気が神社の境内に漂う。ギャラリーに紛れ込んでいたルナチャイルドの能力を使わずとも
そこに音は無かった。風の音以外は。

135俺参上第七話前編(2/10) ◆cedHmDsvEg:2010/04/18(日) 03:32:25 ID:r8oLJrKc0
東方俺参上 第七話
暴走「想像怪獣ギガンデス」

           登  場

博麗神社の境内に張り詰めた空気が流れ始めて、まだわずかな時間しか過ぎていない。
だが、二人の戦いを見守る者全てには、途方も無く長い時間が過ぎ去ったように錯覚されている。
風の音に混じって騒いでいたギャラリーの妖精も、実況をしていた文も固唾を呑んでいる。
人間達も同様だ。特に良太郎は、もしモモタロスがここで負けるようなことになれば萃香にさらわれることになるだろう。
本人以上に、ハナや霊夢、魔理沙は心配そうに見守っている。

そんな空気を良しとしなかったのか、萃香はおもむろに瓢箪を取り出し、何事も無かったかのように酒をあおる。
無限に湧き出す酒を気が済むまで飲み終え、ぷはぁと一息つくや瓢箪に再び栓を締め、腰に戻す。
その直後であった。萃香が両手を広げながら一気に飛び出したのは。モモタロスは萃香の不意の行動に対し
僅かに出遅れたが踏み込みの力強さや歩幅ではモモタロスに断然の利がある。
しかし、萃香にとってその断然の利を覆す事など造作も無いことなどであった。

再び、深い霧が境内を包み込む。モモタロスが少しでもこれに警戒したなら、あるいは決着は変わったのかもしれない。
だが、霧などお構いなしにモモタロスは萃香めがけて突っ込んだ。
その結果が今、神社の裏に生えている巨大なミズナラの木にぶら下がっている。

霧とともに、萃香は姿を消した。それによって、一瞬モモタロスの攻撃の手がぶれてしまう。
そして、霧の向こうから現れたのは巨大な萃香。先刻一瞬見せた巨大化を、維持している。
萃香はそのまましゃがみこみ、モモタロスに思いっきり下段からのアッパーカットをお見舞いする。

鬼神「ミッシングパープルパワー」

「どわああああああああっ!?」
「モモタロス!?」
「モモ!?」

横へ避けるなり、真下に潜り込むなり対処法はあっただろう。
だが突然目の前に現れた巨大な相手は、見た目の衝撃も相まってそうそうかわせるものではない。
結果として、モモタロスは萃香の強烈な一撃を正面から喰らい、拝殿を通り越し裏のミズナラの木まで吹っ飛んでしまったのだ。

136俺参上第七話前編(3/10) ◆cedHmDsvEg:2010/04/18(日) 03:35:59 ID:r8oLJrKc0
「勝負あり! この戦い、幻想郷の小さな百鬼夜行、伊吹萃香選手の勝利です!!」

高らかに文の勝者宣言が響き渡る。そして、境内は歓声に包まれる。萃香も勝利の一杯を勢いよく飲み干し、勝利の余韻に浸っている。
だが、その勝利の余韻を破壊するかのように勝利に水をさす言葉が投げかけられる。
その言葉の主は……霊夢だ。

「あんたらしくないわね萃香。あれある意味だまし討ちじゃない」
「心外だね。素手は素手だよ……ま、ちょっと大きすぎたかもしれないけどさ。
 一番確実に勝つにはあれが一番よかったかな、って。力も誇示できるし」

少々ばつが悪そうに答えるが、萃香にも負けられない事情というものがあったかのような言い種である。
そこに、ミズナラの木まで吹っ飛ばされたモモタロスが、良太郎とハナに支えられながらよろよろとやって来る。

「言いたい事はあると思うよ。けど私だって負けられなかったんだ。だって……
 犬も猿も雉も連れてない桃太郎に負けるわけには行かないじゃないか」
「あ……」

萃香の言い分も最もだ、というように良太郎が頷く。
桃太郎が鬼に勝てたのは、御供の動物達の力によるものも決して少なくないとされている。
今のモモタロスには、それが無かったのだ。これでは、この喧嘩が桃太郎と鬼の戦いの再現だとしたら
鬼は負けるわけにはいかない。桃太郎という寓話の根底を覆しかねないからだ。
モモタロスも反論しようとするが、思いの外ダメージが大きく、その場にへたり込んでしまう。

「鬼っつーだけの事はあるなこの小玉西瓜……下手なイマジンよりよっぽど馬鹿力じゃねぇか……うぐぅっ」
「モモ、大丈夫!? しっかりしなさい!」
「……負けちゃったね。やっぱり、僕をさらうのかな?」
「んー、どうしよっかなー……」

鬼に負けた人間は鬼に浚われてしまう。幻想郷に伝わっている限りでは、一応そう言う掟である。
だが、今回は色々と特別な事が重なっていた。萃香自身、良太郎を浚ってどうこうしようというつもりがないようにも見える。

137俺参上第七話前編(4/10) ◆cedHmDsvEg:2010/04/18(日) 03:38:21 ID:r8oLJrKc0
「ま、待って萃香! 今良太郎さんにいなくなられるとちょっと困るのよ!」
「あのいまじんとかいう奴らを一番知ってるのは良太郎なんだ、まだ私らだけじゃいまじんの異変を解決するのは難しいんだぜ」
「言いたいことはわかりますが、鬼は約束を何より大事にする種族ですよ? ここは諦めて頂かないと」

「だ、だったら私が身代わりになります!」
「おいハナクソ女! 何勝手なこと言ってるんだ!? 小玉西瓜! 負けたのは俺だ、俺を攫え!」
(はっはーん……それでこのお兄さんは紫に連れて来られたんだね。
 こんな事するのはあいつ位なものだからねぇ……さてさて)

良太郎本人以上に、周囲の人間とイマジンの方がよほど困惑している。もちろん良太郎本人にも
まだ目的を果たしていないのに鬼に攫われてどこだかわからないところへ連れて行かれるわけにはいかないという思いはある。
だが、負けてしまった以上それは駄々をこねることにしかならない。
たとえ良太郎ら外の世界の住人に「鬼に負けたら浚われる」という常識が存在しなかったとしても。

ところが、周囲の嘆願を知ってか知らずか萃香の口から出たのは意外な言葉であった。

「犬と猿と雉連れてきたら、また相手になるよ。あんたとの喧嘩は楽しかったし、また私と喧嘩しておくれ。
 こっちは、本気の約束だよ。それを守ってくれたら、このお兄さんは浚わない。それでいいでしょ?」
「小玉西瓜……おめぇいい奴だな、えぇ!? 今度俺の大好きなプリンとコーヒーおごってやるぜ!」
「喧嘩ってのは引っかかるけど……それで良太郎が無事なら。ありがとうございます!」

再戦の約束。犬・猿・雉という条件は突きつけられはしたものの、これで良太郎が浚われてイマジンに対し手詰まりになることは避けられた。
喧嘩大好きなモモタロスは諸手を挙げて、ハナも背に腹は変えられぬといった表情でしぶしぶ条件を飲む。

何とか最悪の事態を避けられ、霊夢と魔理沙も胸を撫で下ろす。文も初めは納得しかねる表情であったが
萃香自身がそれを是としている以上、強気な発言も出来なかった。
いがみ合いから始まった喧嘩ではあったが、終わりは平和的であった。
幻想郷の小さな鬼と外の世界の自称桃太郎は殴り合いで交流をし、親睦を深めた。
少々幻想郷の戦いのルールからはずれているが、根本は弾幕ごっこによる交流とさほど変わっていない。
故に、幻想郷の住人もこの結末を受け入れていた。

138俺参上第七話前編(5/10) ◆cedHmDsvEg:2010/04/18(日) 03:40:07 ID:r8oLJrKc0
「たまにはいいよね、こういうのも。昔の漫画みたいでさ」
「おっ、良太郎もこの良さがわかるようになったか!
 よっしゃ、じゃあまた俺が喧嘩のやり方を……あだっ!? だからいちいち殴るなハナクソ女、俺は一応怪我人だぞ!」
「だったら良太郎に変なこと吹き込むな、バカモモ!!」

珍しく喧嘩を肯定する良太郎に、調子付いてハナの制裁を受けるモモタロス。
そのやり取りは一見仲が悪そうに見えるが、その実仲がいい者同士の喧嘩でしかなかった。
幻想郷では、珍しくもなんとも無い日常的な光景。
彼らは外の世界の者であるにもかかわらず、幻想郷の住人に通ずる物を数多く抱えていた。

「じゃ、一件落着したら宴会だ!」
「……私疲れてるって言ったはずなんだけど。まあいいわ、やるなら手伝ってよね」
「じゃ、僕が手伝うよ。これでも、姉さんの喫茶店で働いてるからある程度のことはできるよ」
「あ、私も手伝います。ほらモモ、あんたも手伝う!」

揉め事が円満解決した後の宴会。これが無いとやはり幻想郷の住人としてはしまらない物があるらしく、結局霊夢も条件付で許諾する。
萃香にとっては、面白い喧嘩相手と当初の目論見どおりの宴会と、実に充実した結果を迎えることが出来たのだ。
ありあわせの食材と持ち込みの酒という、並んだ料理こそ簡素なものであるが即席の宴会には十分であった。

「それじゃ、今日は外の世界の素敵な少年少女と赤鬼に……かんぱーいっ!!」

かんぱーいっ!!

「って、だから俺は赤鬼じゃねえっつーの!」

宴会がやりたくてやりたくて仕方が無かった萃香の音頭で、人数分のお猪口が天高く掲げられる。
霊夢、魔理沙、萃香、文。そして良太郎、モモタロス、ハナ。
後ろで酒盛りをしていた妖精達も霊夢らの輪の中に入らないだけで、相変わらず酒盛りは続行中だ。
天高く掲げられたお猪口をそれぞれの口に運ぼうとする最中、一人が素っ頓狂な声を上げる。良太郎だ。

「ご、ごめんちょっと待って! これお酒だよね!? それだけは駄目だよ!
 だって僕まだ19歳だし、今年の終わりごろには20歳になるけどやっぱりまずいよ」
「えーっ、もっと早くに言ってよぉ。でもこっちのお嬢ちゃんは飲む気満々だよ?」
「あ……私はほら、体がこうなってるだけで歳は良太郎より1つ上ですから、お酒は全く問題ないんです」

139俺参上第七話前編(6/10) ◆cedHmDsvEg:2010/04/18(日) 03:42:45 ID:r8oLJrKc0
外の世界の常識。お酒は20歳になってから。幻想郷では到底通用しないルールである。
だが、だからといって良太郎がお酒を飲んでいい理由にはならない。
結局、良太郎の分の酒は萃香の口に入り、良太郎だけ霊夢の淹れたお茶を飲む事になった。
人間ではない萃香や文はさておき、明らかに良太郎より年下な霊夢と魔理沙までもが酒盛りをしている。
ハナも慣れないながらもお酒を口に運び、徐々に幻想郷の少女達に染められている。

「あら、ハナちゃんも意外といける口じゃない」
「全くだぜ。今度霊夢の代わりに異変解決やってみるか?」
「あ、あの……私の姿でお酒飲んでても誰も疑問に……思いませんよね、やっぱ」

コハナとそう大差ない外見の萃香が浴びるように酒を飲んでいる。彼女は鬼という免罪符が一応、あるのかもしれないが
コハナは曲がりなりにも人間である。そんな彼女が酒を飲むことは外の世界では禁則事項であった。
しかしここは幻想郷。程よく酔っ払い始めた幻想郷の少女らの姿を見るうちに、抱いていた疑問などどこかに吹き飛んでしまった。
アルコールが回り始めた、というのもあるかもしれないが。そんな少女達を青年は素面のまま見守っている。妙に理不尽な構図である。

「あはは……みんないい飲みっぷりだね……うん? モモタロス、君は別に飲んでも問題ないと思うけど……」

一方、清涼剤としてナオミコーヒーが既にあるイマジン達にとって、酒は未知の飲み物であった。
デンライナーに無い事は無いのだが、オーナー以外が飲んでいる事は極稀である。
良太郎に憑依しているときに飲むなどもっての外である。
そして何より、甘党のモモタロスにとって酒は無縁の長物と言ってもよかった。
それ故に、さっきからお猪口と睨み合いを続けていたのだ。

「むむむ……うりゃっ!」

意を決して、杯の中の液体を口の中へと流し込むモモタロス。
酒を飲んだことが無いというのは、飲み方も、ペースも全く心得ていない。
アドバイスをしようにも、良太郎もハナも酒など飲んだことが無い。ただ話に聞くだけである。
それゆえに、モモタロスは普段どおりの豪快な飲み方をしたのである。
しかし、これはコーヒーではない。お酒である。お酒で豪快な飲み方――一気飲みをしてしまったのである。
お猪口とはいえ、日本酒の一気飲みは少々……いやかなり、きつい。まして初めて飲むのならば。

140俺参上第七話前編(7/10) ◆cedHmDsvEg:2010/04/18(日) 03:46:44 ID:r8oLJrKc0
「ぷはぁーっ! ……うっ、げほっ、げほっ!」
「あっ! おいおい、いきなり飛ばしすぎだぜモモタロス。一気飲みはやめといた方がいいぜ?」
「あん? わかんねぇからとりあえず最初からクライマックスで飲めばいいだろ。
 ……しっかしひでぇなこれ、喉が焼けそうだぜ」
「あはは、それがいいんじゃないか。もしかしてあんた……酒飲んだこと無いのかい?
 それにしちゃいい飲みっぷりだねぇ、気に入った。ほらもう一杯」
「おおっ、これはいい絵ですね! では写真を一枚」

飲んだことの無いものを一気飲みするモモタロスの無謀なまでに豪快な飲みっぷりに
萃香も思わず感心し、モモタロスのお猪口に酌をする。
そんな光景が、文にとっては何か来るものがあったらしく、シャッターを切る音が響き渡る。

「お、わりぃな……じゃ、いーただきまーす!」
「あっ、こらモモ! 一気飲みはすんなって言ったばかりじゃない!」
「モモタロス、イマジンに二日酔いとか急性アルコール中毒とかあるかどうかは知らないけど
 やっぱり万が一って事もあるといけないから、程ほどのペースで飲みなよ……」
「心配すんなよ良太郎! この俺が二日酔いだか急性ある……なんたらだかでへこたれるかよ!」

わかっていない。酒の恐ろしさをわかっていない。無知とはこれほどまでに恐ろしいものなのか、と。
言うまでも無く酒を飲んだことの無い良太郎でさえ、知識としては酒の恐ろしさを知っている。
霊夢も、普段から飲む機会もあれば神事で酒を使う機会も多い。酒に関する知識はそれなりに多い方だ。
その霊夢が、モモタロスの飲み方を少々不安げに見出している。

「はぁ、もうほっときましょ。一度痛い目に遭えばバカでも妖精でも恐ろしさってのは分かるものよ。
 それよりこれおいしいわね。確か『ちゃーはん』って料理だっけ?」
「うん。こうやってみんなで食べるのも悪くないかな、って」
「あ、そういえばでんらいなーに乗ったときに見たことあるぜ。
 オーナーのおっさんが食べてた料理だろ。旗立てて食べるんじゃないのか?」

だが、モモタロスが言っても聞かない性格である事や、霊夢自身あまりしつこく言うのが好きではない事もあり
霊夢の関心はあっという間に宴会の席の料理に移ってしまっている。
そこにあったのは大きめの皿に盛られたチャーハン。少女とやや食の細い青年が一緒に食べるにはちょうどいい大きさとなっている。
デンライナーのオーナーがいつも食べているチャーハンを模して良太郎とハナが作ったものだが、旗は立っていない。

141俺参上第七話前編(8/10) ◆cedHmDsvEg:2010/04/18(日) 03:51:48 ID:r8oLJrKc0
「あの食べ方は……特別って言うか、何て言うか」
「ま、あなたたちも外の世界の人間って割には私達と感性近いしね。
 もしよければもう少し聞かせてくれないかしら? あなた達の異変解決について」

酒と料理。不思議な体験。これは宴会を盛り上げるのに十分すぎるほどうってつけの資源であった。
少女と青年、そして赤鬼っぽい生き物の談笑の声と、シャッターの音が博麗神社の境内にずっと響き渡る。
即席の宴会のはずなのだが、盛り上がり方はまるで前から段取りしてあったかのようなものであった。

気がつけば、博麗神社に貯蔵してあった酒もだいぶ空いてきている。
それほどまでに酒の進む話だったのだ。締めるには丁度いい頃合となった。

「いやあ、久々に面白い宴会ができたよ。ありがとうオニタロス!」
「馬鹿、俺はモモタロスだ! その呼び方は色々まずいからやめろ!」
「桃太郎でモモタロスだからオニタロスだと……鬼の太郎?」
「なんだか、漫画の主人公みたいだぜ?」

酒のにおいを漂わせながら、屈託の無い笑顔をモモタロスに向ける萃香。
喧嘩して、酒を飲み交わし、共に宴を過ごす。鬼にとっての大きな親睦方法を一通りこなしたことで
モモタロスと萃香の間には妙な友情のようなものが生まれつつあった。
萃香の「オニタロス」という呼び方はモモタロスにとっては気に入らないようである。
魔理沙の言うとおり、漫画の主人公のような名前なのだがモモタロスはどうも気に入らない。

「呼び方って言えば……あんたもその他人をいちいち馬鹿にしたような呼び方、どうにかならないの?」
「へっ、うるせぇ。ボロ服女にマリモ、カラス女に小玉西瓜。それにハナクソ女。いまさら変えられるかっつーの」
「本当、あんたって誰彼かまわず喧嘩売るわよね……」

子供のつける悪口にも似たモモタロスの他人の呼び方。例外は良太郎とその親族、そして
モモタロスにとってうまいコーヒーを提供するナオミくらいなものだ。
人を呼ぶたびに喧嘩を売られたのではかなわない。ハナもモモタロスとの付き合いは長く
この点に関してはもはや怒りを通り越して呆れるばかりだ。
そんなハナの態度を見て、魔理沙もモモタロスが今後幻想郷で行動するのに何かよからぬ事が起こるのではないかと懸念する。

「……頼むから、喧嘩売る相手は選んでほしいんだぜ。幻想郷にゃ、厄介な妖怪が結構いるからな」
「あはは、オニタロスなら大丈夫だよ。私が保証する。と言うか、簡単に負けるようなら私が許さないよ?」
「喧嘩すること前提なんだ……モモタロス、今日のは例外だよ。だから今後むやみに喧嘩売るのは禁止だよ?」

142俺参上第七話前編(9/10) ◆cedHmDsvEg:2010/04/18(日) 03:52:53 ID:r8oLJrKc0
萃香に実力のお墨付きを貰うも、良太郎に喧嘩禁止令を出されてしまう。
かつて、まだモモタロスが自らの体を持っていなかった頃に良太郎と揉めに揉めて以来
モモタロスは良太郎に頭が上がらない節がある。そんな彼に禁止令を出されてはモモタロスも強気には出られない。
もし良太郎が禁止令を出さなくとも、ハナが力ずくでも止めるだろう。
良太郎がモモタロスを制御しない事など、まずありえないのだが。

「さてと、では私はこの辺で。そろそろ新聞の記事も書かないといけませんし」
「おう、カラス女! 俺の事はカッコよく書けよ?」
「もちろんです! 無謀にも鬼に挑んで惜しくもぼろ負けした
 勇敢な外の世界の愚かな妖怪として書かせていただきます、ではっ!」

一瞥し、風のように飛び去る文。去り際の言葉は、モモタロスを逆上させるには十分すぎた。
天狗の新聞は限定的ではあるが高いシェアを誇っている。そこに中傷記事など載せられては名誉に傷がつくのは避けられない。
今しがたやってきたばかりのモモタロスを、あらぬ形で幻想郷の妖怪達に紹介されてしまうことになるのだ。

「待てカラス女ァァァ!! てめぇふざけるなぁぁぁぁぁっ!! てめぇの記事修正させろぉぉぉぉぉ!!」

夜中だから騒ぐな、と言った表情でモモタロスを見つめる霊夢。そんな霊夢の冷ややかな目も知らず、モモタロスは闇夜に吼える。
しかしその咆哮は、烏天狗に届くことなく闇夜へと飲み込まれていった……

「あ、大丈夫だよ。私がお墨付き出したろ。私のお墨付きなら、天狗も下手なことは書けないさ。
 あいつら、私ら鬼にはてんで頭が上がらないからねぇ」
「え? そうなの?」

一吼え終わる頃に、萃香があっさりと文の言い分を否定する。今はともかく、昔から生きている天狗にとって
鬼は未だ自分たちのボスのような存在である。そんなボスのお墨付きを蔑ろにするような記事など、文には書けない。
それに気を良くしたのか、さっきまでの不機嫌はどこへやら、モモタロスはまた上機嫌に戻る。
さっきまで大量に飲んだアルコールも幾分か手伝っているのだろうが。

「あはは、本当に分かりやすいなぁオニタロスは。それじゃ私も帰るね、おやすみみんな」

霧が立ち込めて、晴れた頃には萃香はいなくなっていた。
賑やかすだけ賑やかして、後片付けもしないまま二人の妖怪は帰ってしまった。

「……あ。あいつら、また片付けもしないで帰って行ったわね」

143俺参上第七話前編(10/11) ◆cedHmDsvEg:2010/04/18(日) 03:54:53 ID:r8oLJrKc0
霊夢がそれに気づく頃、白黒の魔法使いは既に逃げ帰る準備をしていた。
時間も時間だから、帰る行為自体はなんら問題ではない。
後片付けもせずに帰るのが、霊夢には気に入らないだけであった。

「じゃ、私も帰るぜ。また明日なー!」
「あっ、こら魔理沙! 後片付けぐらいしていきなさいよ!」

魔理沙もまた、箒にまたがって夜の空へと消えていった。
それを追いかけるように放たれた少女の咆哮も、やはりまた闇夜へと吸い込まれていったのだった。
即席の宴会とはいえ、一人で片付けるには少々しんどい量である。空いた食器の山を見て、霊夢がうなだれている。

「大丈夫だよ。みんなでやれば早く終わると思うよ。ね、ハナさん、モモタロス」
「そうね、さっさと片付けちゃいましょ。明日ウラ達探さないといけないし。モモ!」
「しゃあねぇな、手伝ってやっか」
「りょ、良太郎さん……みんな……」

今までの宴会は殆ど後片付けは霊夢の役目だった。良太郎らがそれを知らないのもあるのだが
霊夢にとっては手伝いのみならず後片付けも手伝ってもらえることに、感激の表情を隠せない。
だがその大げさなリアクションは、モモタロスにとっては想定外のものであった。

「ばっ、てめぇ大げさなんだよ、たかが後片付け手伝うくらいで感激するなんてよ!」
「仕方ないじゃない! あいつら騒ぐだけ騒いで準備や後片付けとかは全部私任せなんだもん! この間だってねぇ……」
「ま、まぁまぁ。今その話はいいからとにかく片付けようよ」

4人がかりなので、後片付けも比較的スムーズに運んだ。
とはいえ、宴会が長引いていたために、片付け終わるころには日付も変わるか変わらないかの瀬戸際――0時近かった。
酒が回ってきたこともあり、みな一様に欠伸をしたり、眠い目を擦ったりしている。

「ふあ……あふ。良太郎さん、そっちは終わった?」
「うん、何とかね。ハナさんとモモタロスは?」

酷く眠たそうな表情をしながら、霊夢は片付けの最終段階に入っている。
妖怪退治のために夜出歩くことはあるが、基本昼型の彼女、こんな時間まで起きていれば眠くもなる。
良太郎も、仲間のイマジン・ウラタロスは夜型だが彼自身は昼型のために結構、眠い。

144俺参上第七話前編(11/11) ◆cedHmDsvEg:2010/04/18(日) 03:57:24 ID:r8oLJrKc0
「こっちも終わったわ。7人分を4人でやったからそんな大仕事でもなかったし」
「あったりめぇだ……あーっ、頭ふらふらしてきたし、終わった事だし先に寝てもいいか?」

ハナもモモタロスも、相当に眠い。モモタロスに至っては、もうすでにそのまま地面に突っ伏しそうな勢いである。
というか、もういびきを立てて寝ている。仲間のイマジン・キンタロスほどうるさいいびきではないが。

「モモ、起きなさい! 風邪引くでしょ!」
「う〜ん……俺、就寝……ぐぉぉぉぉぉぉ……」
「ちょっ……こんなところで寝ないでよ!? ……うぎぎぎっ!!
 さすがに私らの力じゃしんどいわね……良太郎さん、モモタロスに取り憑いて動かして!」
「ええっ!? ……や、やるだけやってみるよ……」

SWORD FORM

「え?」

霊夢の立てたプラン。それは、憑依のできるモモタロスと良太郎を活用し、モモタロスから良太郎に憑依しているのを
逆方向に利用して眠っているモモタロスを移動させるというもの。
それに対し良太郎が実行した行動。電王への変身。
モモタロスの意思を無視してモモタロスを良太郎に憑依させる方法は、実はこれしか存在しない。
いくら良太郎がモモタロスの意思を無視して、と言うかモモタロスに自分の体の行動権限を与えることなく活動できるとは言え
現在、モモタロスは眠っている。良太郎も、それなりに疲労しているし夜遅いため眠い。
電王に変身したまま、憑依しているモモタロスにつられて眠ってしまう事も考えられた。

「よ、鎧の分さっきより重くなってる……」
「モモ、良太郎、起きて! 起きてってば!!」
『ぐぉぉぉぉ……おれ、さんじょ……ぐぅ……』
「およぉぉぉ、やっぱ駄目だ……ごめん霊夢さん、ハナさん……」

最後の最後で、大仕事ができてしまい結局霊夢らが布団で眠りについたのは
丑三つ時と言っても差し支えの無い時間であった……

尚、変身した電王はハナがベルトを引っぺがすことでその変身を解き、霊夢に電王最大の弱点を晒す結果となっていた。

145 ◆cedHmDsvEg:2010/04/18(日) 04:08:41 ID:r8oLJrKc0
と言うわけで第七話前半部分でした。
偏見かもしれませんが喧嘩(弾幕ごっこ)して酒飲んで何ぼってイメージが強いです、東方は。

良太郎はTV本編の際18→19歳だったので誕生日前の今回はまだNG。
ハナさんは良太郎より1つ上とDVDにあったため、めでたく(?)飲酒できました。
コハナ状態ですけど中身は変わってませんし
見た目同い年ぐらいなのが既に飲酒してますからね、幻想郷では。

でも実際に撮影とかあったら絶対NGシーンだこれw

146名前が無い程度の能力:2010/04/18(日) 10:51:39 ID:hkgHaITQ0
飲酒って国によっても解禁年齢は違うからなあ
妖怪達は別として霊夢達は19以下(日本における飲んじゃいけない年齢)という可能性もあるが
幻想郷だからOKという可能性もありそう
まあもし未成年の外来人キャラが飲もうとしても
慧音に絶対止められそうな気がするが(戻った時に癖で飲んでしまうかもしれないとかいって)

147名前が無い程度の能力:2010/04/18(日) 17:41:40 ID:6Qauez5oO
日本も大正時代からだね>未成年者の飲酒禁止

イマジンは辛いもので寝たり紳士(not変態)になったりしたが
酔っ払うってイメージはあまり無いな
ジークがワイン持ってるイラストならアニメイトグッズにあったが

148名前が無い程度の能力:2010/04/19(月) 11:32:04 ID:pwlkiekwO
>>129
ぬら孫は近すぎて脳内妄想が暴走するw
自分は紫とメリーは親子派だったから余計に。
 
化け猫、妖狐、夜雀、神霊、烏天狗、鬼
重なる種族が思い付くだけでこんなにいるし、何より妖怪少女がかわいい。

149名前が無い程度の能力:2010/04/28(水) 23:51:01 ID:JLFBWxd.0
ポケモンと東方は合うな
強さの設定に描写が付いてきていないあたりが

150名前が無い程度の能力:2010/04/29(木) 01:24:35 ID:PV4CHLd.0
インド象「もうあの世界は嫌だここに移住させてくれ!」
紫「帰れ」

151名前が無い程度の能力:2010/04/29(木) 12:03:23 ID:Rv8sxjMI0
トップ10(アメコミ)のネオポリスに幻想郷の住人が受けいるどころか受け入れられるとか、もしくは多次元警察機構に幻想郷も加入するとか、・・・まともな法律持ち込んだら逮捕者続出するなこの世界。

152 ◆cedHmDsvEg:2010/05/06(木) 02:12:07 ID:Tk/U8s5w0
唐突に投下します。
前回注意書きを失念してしまったのでもう一度。

・この作品は「東方Project」と「仮面ライダー電王」の二次創作作品です。
・この作品には二次設定・独自設定が含まれております。
・この作品には戦闘シーンや暴力的なシーンが含まれております。
・この作品は「東方Project」及び「仮面ライダー電王」の原作及び他の二次創作作品とは一切関係ありません。

153俺参上第七話中編(1/11) ◆cedHmDsvEg:2010/05/06(木) 02:14:17 ID:Tk/U8s5w0
深夜、子正の刻――0時。太陽は当に沈み月がその空を照らすどころか、今日と明日の境界となる時間。
人は眠る逢魔が刻、妖怪の時間。幻想郷も、その表情を明らかに変えていた。
この時間に出歩く事は、命を投げ出す事と同義とも言える。
飛び回る妖精達も昼間とはその表情が違い、妖怪の数も多い。
今人間にとって安全な場所は、人間の里か、博麗神社の境内位しかない。

時折、哀れにも犠牲になった人間の悲鳴が聞こえる。最も、哀れな犠牲者と言っても
罪を犯したり、自殺志願の末に迷い込んだり、幻想郷の外の世界で必要とされなくなった人間ばかり。
前者二つはともかく、後者は正に哀れな犠牲者だ。
誰もが出来る事なら、助かりたいと思うだろう。そう、「助かりたい」と何かに願う。それは神か、悪魔か。
あるいは幻想郷でさえ存在しなかった想像の魔人か。

「だ、誰か助けてくれ!」
「逃げないでよー。この時間に外を歩いてる人間は食べてもいいって前聞いた事があるから食べちゃうよー」

真っ暗闇の中。迫りくる暗闇から逃げ惑う一人の男。その暗闇は男を食らおうとしていた。
宵闇の妖怪、ルーミア。本来は胸に赤いリボンをし、金髪のおかっぱ頭に黒いスカート。
ぱっと見赤いリボンに見えるお札を頭につけた少女。
今は真夜中である事と彼女の「闇を操る程度の能力」のお陰で姿は全く確認できない。
それが男の恐怖をさらに煽っている。声はすれでも姿は見えず。
あどけない少女の声で「お前を食ってやる」と言う意思表示は得体の知れない恐怖を男に与えていた。
その恐怖心こそが妖怪であるルーミアにとっては良い食材となっていた。

これだけならお化け屋敷や肝試しで済んだかもしれない。だが、恐怖によって見境を無くした男は
助かるためにあるとんでもない事をしでかしてしまう。
溺れる者は藁をも掴むと言うが、男に差し出されたのは藁ではなく、砂であった。

「お前の望みを言え……と聞くまでも無いか。お前が払う代償はたった一つ」
「あ、ああ! 何でも払ってやる! だから助けてくれ!」
「いいだろう。お前の望み……聞いたぞ!」

恐怖に震える男から、砂が噴出する。砂は瞬く間に異形へと姿を変える。
暗闇の恐怖を克服できる鳥、梟。その梟を思わせる人型の異形、オウルイマジンへと。

154俺参上第七話中編(2/11) ◆cedHmDsvEg:2010/05/06(木) 02:17:26 ID:Tk/U8s5w0
「あれれ? ねぇ、あなたは食べられる……人間? 妖怪?」
「どちらでもない。お前に恨みは無いが契約のためだ、消えてもらうぞ」

ルーミアの注意がオウルイマジンへと行き、オウルイマジンの契約者となった男はその場から逃げ出す。
直後、オウルイマジンはルーミアと思しき暗闇へ矢羽を放つ。
ルーミアの妖力による弾丸と相殺されているのか、暗闇の中を爆発が照らす。
そこには、確かに赤いお札のリボンをつけた金髪の少女がいた。

「ちょっと、何すんのよー」
「言ったはずだ。お前には悪いが消えてもらう」

月と星の僅かな明かりのみが大地を照らす夜。その中に一際深い闇と対照的に眩く光るような白い鳥の怪人が対峙している。
互いに妖気弾や矢羽を撃ち合う。深い闇からは鳥の怪人は見えていそうなものなのに、狙いは定まっていない。
対して、鳥の怪人からはまるで深い闇がくっきりと見えているように矢羽を当てている。
それというのもこの鳥の怪人、鳥は鳥でもとりわけ夜目の利く鳥、フクロウをモチーフとした
オウルイマジンであるからだ。
対する闇の妖怪ルーミアは、自身が闇を操る程度の能力を持っている割には暗い所での視界がそれほどいいとは言えない。

ルーミアにしてみればとんでもなく迷惑な話だ。自分はただ妖怪として当たり前の事をしているだけなのに
何故巫女でもない見たことも無いような鳥の妖怪に攻撃されなければならないのか。
しかも、普段やっているような弾幕ごっこではなく、純粋に命を狙われてまで。
そう考えると、何だか馬鹿馬鹿しい。普段から何も考えていない生活を送っているルーミアにとって
命がけの戦いなんて発想は毛頭無い。人間を食べるというのもただの妖怪としてのアプローチに過ぎない。

実際物理的に食べることがあるかどうかは定かではないが、人間の恐怖心が妖怪である彼女にとっての馳走であることに変わりは無い。
だが、こんなわけのわからない妖怪に襲われてまで欲しい物でもない。さっきから矢羽が痛い。
ルーミアが「逃げる」という発想に至るまで時間はかからなかった。
オウルイマジンの側もあくまで契約者を命の危険――ルーミアから守るのが契約。標的の生死など、どちらでもよかった。
そう、契約はあっさりと果たされたのだ。オウルイマジンからしてもさっさと過去へ飛びたい。しかし現実は誰にとっても非情であった。

「……チッ、こっちもか。どいつもこいつも逃げ足の速い」

辺りを見渡すと、既に契約者は逃げ去っていた。願いを言うだけ言って逃げ出したのだ。
命の危険に晒されていた状況では無理からぬ事ではあったのだが。流石にオウルイマジンも辟易としながらも空から契約者を探す。

155俺参上第七話中編(3/11) ◆cedHmDsvEg:2010/05/06(木) 02:20:45 ID:Tk/U8s5w0
「そういえば、どの時間に飛べばいいのだろうな。気づけばわけのわからん生き物が闊歩している世界だ。
 時間の中で砂まみれでいるよりはよっぽどマシだが……む?」

吐き捨てるように、付近を飛んでいる妖精や毛玉のようなものをペン先型の剣で叩き落したりしながら
無駄に力を誇示するオウルイマジン。さっきから付きまとわれて仕方が無いのだ。
本人が苛立ちを妖精や毛玉にぶつけているのもあるのかもしれないが。まるでどこかの巫女のように。

――……せよ。そう……らの……間……がる……って……するよ

「『神社を破壊しろ』? この頭に響く煩い声も久しぶりだな……誰の声かは忘れたが。
 しかし思い出せんのも腹が立つな……いっそこの辺を爆撃でもできたらいいものを。
 奴を捕まえたらこの怒りをぶつけてやるとしよう。殺さぬ程度にな、ククククッ……」

一瞬、怒りに任せてこの周辺を爆撃しながら探し出そうとも考えたがそれでは万が一契約者に直撃した際に
契約者を殺す事になってしまう。それでは自身も消滅してしまうことになる。
仕方なしに虱潰しに上空から捜索し続けた結果、イマジンの契約者探しは夜通し続くことになった……

「はぁっ、はぁっ、はぁっ……何故だ、何故俺は化け物に襲われているんだ!?
 あの化け物だらけの世界から出られたんじゃなかったのか!?」

イマジンから少し離れた場所。契約者の男は、全力疾走の末に息を切らしへたり込んでいた。
幸か不幸か、人間を狙う妖怪は殆どイマジンが叩き落していた。
それ故に、男の身の安全は図らずも保障されることとなり、イマジンも結果的に律儀に契約を真面目に全うしていた。
だが、追われている事と道に迷っている事に変わりは無い。全力疾走でハイになった頭と
自分が今おかれている状況は、突拍子も無い発想をもたらさないはずが無かった。

「まさかあの巫女さん、俺を嵌めたのか!? お、俺は家に帰りたいんだ、誰か俺を家に帰してくれ……くそっ!」

ふらふらとした足取りで、男は再び夜の森を歩き始める。その足が向かう先には、石でできた階段。
さらにその上には鳥居。鳥居には「博麗神社」と書かれていた……

156俺参上第七話中編(4/11) ◆cedHmDsvEg:2010/05/06(木) 02:24:33 ID:Tk/U8s5w0
翌朝、魔法の森のとある大木。三妖精の住処。
昨日あんな目にあったにもかかわらず、今日もいつもと変わらぬ朝。
いつの間にか起きているスターに太陽の光の妖精の癖にねぼすけのサニー。
彼女らは気持ちのいい朝を謳歌しているが、一人ルナは朝っぱらから青ざめた顔をしていた。

「どしたのルナ? もしかして二日酔い?」
「違うわよ。昨日夜の散歩してたんだけど……出たのよ」
「出たって……幽霊でも出たの? そんなの珍しく無いじゃない。それに幽霊怖いんだったら
 夜の散歩なんてしなけりゃいいのに」

ルナは何かに怯えていた。そんな事を知らない二人の妖精は暢気に構えているが、ルナの怯え方は尋常ではなかった。

「そんなんじゃないわ、意魔人よ、意魔人を見たのよ! 昨日のじゃなくてふくろうみたいな奴!
 能力のおかげで見つからずにすんだけど、もし見つかってたら『一回休み』じゃすまなかったわよ……」
「う、うそっ!? 昨日退治されたじゃない!?」
「る、ルナ……ひとまず落ち着いて……」

イマジンを見た。その光景の一部始終を話し終えると、恐怖が堰を切ったのか泣き出してしまうルナ。
イマジンは既に昨日退治されたと思っていたほかの二人も、驚きを隠せない。
しかもまた妖精を襲っているというではないか。
ルナが落ち着いた頃、サニーが一つの、そして確実な提案を出す。

「意魔人なら、良太郎さんに退治を頼んでみる?」
「そうね、巫女より怖くないし、頼んだら巫女と違って快諾してくれそうだし
 何より、私達までついでに退治するなんてことも無いし」
「決まりね、じゃ早速良太郎さんの所に……」

先日、アイビーイマジンに住処を襲撃された際に彼女らは良太郎に助けられている。
その時に良太郎の経緯と実力を目の当たりにし、彼ならばイマジンを倒し恐怖から解放してくれると思い立ったのだ。
良太郎もイマジン絡みとなれば電王の力を行使することに躊躇いは無いだろう。
霊夢と違い、無関係な者まで攻撃したりすることも無い。三妖精にとって、願っても無い頼れる存在だったのだ。
だが、たった一つ重要な事を忘れていた。良太郎の現在の居場所である。

157俺参上第七話中編(5/11) ◆cedHmDsvEg:2010/05/06(木) 02:26:15 ID:Tk/U8s5w0
「……って、誰か良太郎さんがどこにいるか知ってる?」
「昨日、博麗神社の宴会にいたところまでは知ってるけど……」
「って言うか、良太郎さんって外の世界の人間よね? じゃあまだ博麗神社じゃない?
 他にあの時間、外の世界の人間が行く場所なんて無いだろうし」

「「「結局、巫女の巣に入るのね……」」」

最高の救世主は、最悪の場所にいたのだった……
しかし、このままではまた妖精にとってイマジンに怯えながら暮らす日々に逆戻りとなる。
三妖精は渋々、博麗神社まで向かう決心をする。朝の支度一式と、朝ご飯を食べてから。

――――

朝日の差し込む博麗神社。昨日の曇天とは打って変わり、この神社の巫女のように快晴の空。
昨日のてんやわんやが嘘のように、清清しい目覚めを迎えて……いなかった。
社務所の一室、胡坐をかいている霊夢の前にずぶ濡れの良太郎が正座させられていた。

「……朝っぱらから井戸に落っこちるとか本当勘弁してください」
「……ごめん。水汲もうと思ったらそのまま落ちちゃって。助けてくれてありがとね」

朝、顔を洗う水を確保しようと井戸に向かった良太郎。幻想郷で新しい朝を迎えようとも
彼の不運が消えるはずも無く、水を汲もうと体を乗り出した瞬間、そのまままっ逆さまであった。
その肝心な時にモモタロスは寝坊をしており、もし霊夢が空を飛べなかったら良太郎は今頃未だ井戸の底であっただろう。

「どういたしまして。それにしても良太郎さんの運の悪さってどうなってるのよ……」
「あはは……みんなに言われるよ」

良太郎の運の悪さは外の世界でも散々突っ込まれた事だが、幻想郷においても博麗の巫女、霊夢に呆れられている。
それなのに、当の本人はけろりとしている。慣れてるにしても限度がある。
霊夢も暢気さでは決して他人の事は言えないが、良太郎も大概だ。

「とにかく、朝ご飯は何とか出来たから食べていきなさいな。食べ終わったら人里まで案内するわ」
「ありがと。じゃ、モモタロス起こしてくるよ」
「あ、良太郎。それなんだけど……」

モモタロスを起こそうと立ち上がった良太郎を、襖を開けて入ってきたハナが制止する。
困惑した表情を浮かべながら、ハナは今朝知りえた事情を良太郎に説明した。

158俺参上第七話中編(6/11) ◆cedHmDsvEg:2010/05/06(木) 02:29:50 ID:Tk/U8s5w0
少女説明中...

「イマジンも二日酔いするんだ……」
「あのバカモモ、今電王で戦えるのは自分だけだってのに何やってるのよ……
 頭に来たから思いっきり水ぶっ掛けてやったわ」
「適切な対応ねハナちゃん。酔っ払いにはよく冷えた水が一番よ」
「だからって頭からぶっ掛ける奴がいるかよハナクソ女……うーっ、頭いてぇ」

事のあらましはこうだ。昨夜の宴会でペースも知らずに飲み続けたモモタロス。
酒に慣れている幻想郷の少女らならばいざ知らず、モモタロスは昨日が初飲酒である。
にもかかわらずペースもへったくれも無い飲み方をしたものだから、未だにアルコールが残っているらしいのだ。
酔い覚ましには冷たい水が効果的という説が存在する。
霊夢も経験があるのか、適切な判断と感心していた。その水の与え方はともかくとして。

「あんたねぇ、そういうのを自業自得って言うのよ。ちゃんとお酒がどういう飲み物か位勉強しなさい」
「うるせぇ。カラス女も小玉西瓜もガバガバ飲んでるのに俺がちびちび飲むわけにもいかねぇだろうが」
「比較対象悪すぎるわよ。私だってあいつらと飲み比べで勝てるわけ無いもの」

井戸に落ちた良太郎同様、朝からずぶ濡れになった赤鬼がそこにいた。
憑依した状態で水をかぶれば、憑依しているイマジンの側にも影響がでるのだが、今回はそれとは違う。
もはやモモタロスの頭痛は、二日酔いが原因か
はたまた冷たい水を浴びたことで風邪を引いたのが原因かわからなくなってしまっている。

「そういや、こっち来る途中で誰か転がってたぜ。おいボロ服女、あれおめぇんとこの神主か?」
「え? うちは私一人しか住んでないわよ?」
「……えっ? じゃ、じゃあ泥棒?」

頭がはっきりしないモモタロスの見間違いだろうか。この部屋に入る途中
モモタロスは行き倒れのように突っ伏している人間を見かけた。
それが家族ならば酒癖が悪い、夢遊病等様々な可能性もあるが関係者以外ならば何者だろうか。
ハナが泥棒説をにらむが、もし泥棒だとしたらあまりにも間抜けすぎる。

「盗みに入った家で寝るなんて間抜けすぎるわよその泥棒。
 と言うか、人間がここに泥棒に入るなんて魔理沙でさえありえないし、妖怪もここは不可侵よ。泥棒なんてしないわ」
「盗る物も無さそうだしな。ところで良太郎…………あ、いや、何でもねぇ。気のせいかもしれねぇしな」
「モモタロス、大丈夫? とりあえずさっき言ってた人、どこにいたの?」

ハナが危惧していた兆候は、あっさりと現実のものとなっていた。
モモタロスの嗅覚は二日酔いのため本領を発揮せず、ふらふらの頭では元から低い彼の注意力はさらに低くなっていた。
そのため、とんでもないものを見落としていたのだ。転がっていた男から、砂が零れ落ちていたことを。
そして、上空にいた「それ」を。

159俺参上第七話中編(7/11) ◆cedHmDsvEg:2010/05/06(木) 02:31:30 ID:Tk/U8s5w0
博麗神社から少し離れた位置にある人間の里。
朝という事もあり、徐々に外に出てくる人間の数も増え、活気を増していく。
妖怪の時間は一先ず終わり、人間の時間が始まる。それはこの寺子屋にも言える事であった。

「ところで桜井。昨日は何の星を見ていたんだ?」
「妖怪の星座を調べようと眺めていたんですが……なかなか覚えられないですね」

人間が夜空の星に星座として意味を与えたように妖怪もまた夜空の星に思いを馳せ、星座として記していた。
桜井と呼ばれた外蓑の男は人間の身でありながら妖怪の星座にも興味を示していた。
きっと外の世界にいた頃は、相当星が好きな天文マニアだったのだろう。
桜井が幻想郷にやって来て10ヶ月近く、慧音はそう考えていた。

「相手は妖怪の星座だ。人間の君が覚えるのには一筋縄ではいくまい。
 なぁに時間はたっぷりある、ゆっくり覚えればいいさ……だが授業の準備はゆっくりでは困るぞ? もうじき始業時間だからな」
「そうですね……しかし、昨日の青年は大丈夫でしょうか?
 この幻想郷で、あれだけ彷徨っていたにも関わらず無傷というのも気になりますが」

授業で使う半紙と墨、硯、筆等を用意しながら桜井は昨夜救助した謎の青年について考える。
この幻想郷において、人間が夜中出歩くというのは危険極まりない。
それは幻想郷に来て10ヶ月弱しか経ってない桜井もよく知っていた。
それなのに、あの青年は無傷で横たわっていた。妖怪に狙われなかったのだろうか。

「まぁ、異常は今のところ無さそうだし問題は無いだろう。
 今日永遠亭から医師が来るそうだから詳しくは彼女に任せておけばいいのではないか?」
「そうですね……おっと、慧音先生。そろそろですよ」

桜井が懐中時計で時間を確認すると、もう始業10分前となっていた。
今日の授業は幻想郷が結界で隔離される前の歴史。すなわち日本史だ。
それと天文学。桜井が来る前は殆ど歴史一択だったのが、最近ではバリエーションに富むようになり
子供からの人気も徐々に上がりつつある。慧音の授業は子供達には少々硬すぎたらしく
桜井が来た事でそれが軟化された……らしい。そういう意味でも、桜井は今や幻想郷
……と言うか人間の里にとってとても有益な人物であると言えるようになった。

「先生、おはようございます!」
「ああ、おはよう」
「桜井先生、今日は何の星について教えてくれるんですか?」
「まだ昼だからね、夜のお楽しみだ。今日も慧音先生の授業をちゃんと聞いて、妖怪に気をつけて来なさい、いいね?」
「はーい!!」

子供達の明るい声が響き渡る。今日も寺子屋は賑やかになりそうだな、と慧音は思いを馳せ
心が晴れやかになると同時に、ちょっぴり頭が痛くなった。

160俺参上第七話中編(8/11) ◆cedHmDsvEg:2010/05/06(木) 02:35:06 ID:Tk/U8s5w0
博麗神社、境内。
朝靄も晴れ、太陽の光と風が人間や他の朝型の生き物に活力を与えている。一人二日酔いの赤鬼っぽいのは不調だが。
行き倒れを布団の上に寝かしつけ、4人は霊夢の用意した朝食を食べ終えていた。
ちょうど食器も片付けを終え、後は今日の予定通り人里へ向けて出発する……はずだった。

「良太郎、こっちに来て! さっきの人が目を覚ましたの!」
「えっ!? わかった、今行くよ」

ハナに催促されるまま、社務所の一室へとたどり着く良太郎。モモタロスも着いてこようとしていたが
目を覚ました人間をまた気絶させる気か、とハナに制止され不貞腐れて部屋の外で頭を抑えながらそっぽを向いている。
その一室からは、少女と男の言い争う声のようなものが聞こえていた。

「……だから、私に言われても困るんです! 確かに鳥居をくぐって出て行ったんですよね!?」
「さっきからそう言ってるだろ! それなのに、家にはたどり着けなかったしそれどころか
 夜になったら真っ黒な怪物に襲われて、白いフクロウみたいな怪物も出てきて……
 あんた本当に俺を元の世界に返したのかよ!?」

言い分は互いに食い違い、無駄に過熱しさらなる問題に発展するのは時間の問題であった。
部屋の外から様子を伺っている――と言うよりは入るに入れなくなってしまった良太郎とハナも
これはまずいと言う意見は一致していた。

その意見を確かなものにしたのは、男の次の行動だった。事もあろうに、二十代〜三十代になろうかという大の大人が
十代半ばの少女である霊夢につかみかかったのだ。男の心情を踏まえれば、あるいはそういう行動も出るかもしれない。
だが事情を知らない良太郎やハナが飛び出すには十分すぎる状況であった。

「待って! 事情はわかりませんけど、少し落ち着いてください!」
「今この巫女さんに暴力振るってもしょうがないでしょ!」
「……げっ!? まずい良太郎、ハナクソ女! そいつから離れろ!!」

男を制止しようと良太郎とハナが後ろから止めに入るが、それと同時にモモタロスの待ったがかかる。
ここに来て、ようやくこの男にイマジンが憑いている事に気づいたのだ。
距離にしてわずか数メートル。不調とはいえ、普段のモモタロスの実績を考えれば十分な失態であった。
男の髪には灰色のメッシュがかかり、瞳は灰色に変色している。目つきや人相も狼狽していることを抜きにしても相当悪い。
その人相の通りに男は動き、霊夢を突き飛ばし、良太郎を牽制している。
直後、体から砂を吐き出しながら男は崩れ落ち、白いフクロウの怪物――オウルイマジンが現れ、ハナを抱える。

161俺参上第七話中編(9/11) ◆cedHmDsvEg:2010/05/06(木) 02:38:07 ID:Tk/U8s5w0
「きゃっ、いきなり何す……こ、こいつって!」
「このっ、あんた離しなさいよ!」
「動くなよ。この特異点がどうなってもいいのならな」

人質。ありきたりだが、特定状況下では絶対の効力を発揮する戦術。
使い方次第ではこのようにスペルカードルールの制限下に持ち込むことさえ許さない。
いくらハナが強いと言っても、イマジンの怪力でねじ伏せられたらひとたまりも無いのだ。

「良太郎、私はいいから変身してこいつを倒して!」
「くっ……」
「このフクロウ野郎、きたねぇ手使いやがって……!」

人質作戦の最大の攻略法。それは人質を無視して人質をとった相手を攻撃すること。
これには人質に決して危害を加えない方法が要求されるが、今この中でそれができるのが一人だけいた。
性格的な意味でも、攻撃手段的な意味でも。

霊夢の霊札。これは対妖怪専門の道具であり、対イマジン用に細工されたものを現在は使っている。
妖怪を祓う意味合いのものであるため、人間にぶつけても意味が無いのだ。

「よくも私の家でなめた真似してくれたわね……ただじゃおかないわよ!」

イマジンに札が効く事は既に先日アイビーイマジンで実証済みである。
同じイマジンであるオウルイマジン相手ならば効果もあるだろう。
人質を盾にしようにも、札ではハナに対し殺傷力が全く無いため意味を成さず、盾の大きさとしても
コハナの体格では少々使いづらい。後はイマジンに対し一発でも当たれば隙が生まれる……はずだった。

オウルイマジンは、空いている手で自分の契約者を掴み起こし、霊夢の札に対する盾にした。
コハナに比べれば、盾としての面積が広いため、霊夢の攻撃に対する防具としては最適なのだ。
もし憑依した状態だったならば、妖怪憑きとして札の効果もあったかもしれない。
だが、今オウルイマジンに盾にされているのは、ただの人間だ。少し、魔人の誘惑に乗ってしまっただけのただの人間だ。

「なめた真似をしているのは小娘、貴様の方だ。おとなしくこのボロ神社の下敷きになっていけ」
「なっ……ちょっと! ここを壊したら大変なことになるのよ、わかってるの!?」

博麗神社は幻想郷の要としての役割も持っている。それが壊れれば、いずれ大きな影響を及ぼすかもしれない。
以前、天界にすむ不良天人が道楽で起こした異変の際に神社が倒壊する事態となったが
その際に神社を巡りいざこざが起こり、幻想郷の管理人である妖怪の賢者の怒りを買う事態となっていた。
些細な影響としては、霊夢の寝床が完全に無くなる。彼女には、そっちのほうが重要かもしれないが。

162俺参上第七話中編(10/11) ◆cedHmDsvEg:2010/05/06(木) 02:40:58 ID:Tk/U8s5w0
「う……あ……え?」
「さて、『お前の身を守る』という望みは果たしたぞ。契約完了だ!」

オウルイマジンは男を掴み起こしたまま、一方的に契約の完了を通知しハナを放り投げ男の中へと消えていく。
放り投げられたハナが悪態をつきながらもデンライナーのチケットを男の頭にかざす。
浮かび上がったのはオウルイマジンの姿と2008年10月5日の日付。
たった1日。イマジンは昨日へと飛んだのだ。

「あんの鳥意魔人め、絶対にぶっ飛ばしてやるわ!」
「飛んだ先がすごく短い……影響がすぐに出るかもしれない、急ごう!」

言うや否やデンライナーが良太郎らを乗せて空の彼方へと消え去っていった。
さらにそれと入れ替わりに光の三妖精が恐る恐る、魔理沙が大胆に境内へとやってくる。
主を失い、もぬけの殻となった神社の境内へ。魔理沙の声は境内に響き渡る。もぬけの殻の境内に。

「おーい霊夢ー、今日は良太郎を里へ連れて行くんだったよなー? 遊びに来たぜー?
 ……まだ寝てるのか? いないなら勝手に上がっちゃうぜー?」

(……返事、無いね)
(良太郎さんもいないみたいだし、こりゃとんだ無駄足ね……スター?)
(……ね、ねぇ。私今ものすごーくいやな予感しかしないんだけど……
 私の目には何かいっぱいいるのが見えるのよ……地面の下に。
 巫女も良太郎さんもそんなとこにいるわけ無いじゃない。って言う事は、つまり……)

魔理沙が呼びかけるが、返事は無い。しかし物陰に隠れていたスターは知っていた。もうここには誰もいないことを。
「いてはいけないもの」がこの近くに隠れていることを。

そして、すぐに誰もが知ることになった。周囲が、徐々に壊れ始めていることを。

163俺参上第七話中編(11/11) ◆cedHmDsvEg:2010/05/06(木) 02:45:59 ID:Tk/U8s5w0
デンライナーが過去へ飛んだ頃、人里の寺子屋では授業が滞りなく執り行われていた。
しかし、妙に外が騒がしい。子供達の声ではない。大人が何人か集まって、何やら相談している。

「静かに。何でもないからな。さ、続けるぞ。話を聞く時には私語はしないでくれ?」
「慧音先生、ちょっと……」

慧音は子供の注意をそらさせないようにしながら、授業を続けているが
子供の側は外の様子が気になって仕方が無い。
様子を見かねた桜井が、慧音にそっと耳打ちをし、静かに退室する。子供達に気づかれないように。
物々しい雰囲気は、慧音も感じ取っていた。だが、今動くわけには行かない。
下手に動いて、子供をおびえさせる様な真似は絶対に避けたい。

「あ、桜井先生」
「シッ。まだ授業中です。こちらへ……」

寺子屋の外にいた男性二人を、桜井は寺子屋の建物から少し離れた場所へと誘導させる。
授業の邪魔にならない場所まで来て、桜井は二人に事情を問い質す。
教師として、子供に不安を与えるわけには行かない。

「一体何があったのですか?」
「この人里の近辺で、明らかに人を襲っているモグラのような妖怪が出たんです。
 いえ、それだけなら別にいいんですが……問題は、里の敷地内でも人を襲っているんです」
「どうも、今朝の天狗の新聞に載っていた『意魔人』って連中に思えて仕方ないんですが……ああ、これです」

意魔人。桜井は天狗の新聞を購読している訳ではなかったので、今しがたはじめてその話題に触れる。
イマジン。かつて桜井が外の世界にいた頃、切っても切れない因縁のあった相手。
そして、彼が幻想入りする遠因となった存在とも言える。
もし桜井の知っているイマジンと同じ存在ならば、放置できる相手でないことは明白だった。
新聞の記事を見た時、桜井の予感は的中した。悪い方向に。

「どうする? 何か手を打ったほうがいいんじゃないか?」
「そうだな、このまま置いておけば里の人間を襲いかねん勢いだったそうだぞ。
 手を打っておかねば、また被害が出るやもしれん」

桜井は何かを決心したように、懐中時計を握り締める。

164 ◆cedHmDsvEg:2010/05/06(木) 03:24:53 ID:Tk/U8s5w0
あ、ageてしまった……
とりあえず今回は以上です。

おまけ
・「特異点」について
ある基準 (regulation) の下、その基準が適用できない (singular な) 点である。
したがって、特異点は基準があって初めて認識され、「 - に於ける特異点」「 - に関する特異点」という呼ばれ方をする。
特異点という言葉は、数学と物理学の両方で用いられる。
――以上、ウィキペディアより。

「仮面ライダー電王」では、上記のうち「時の流れに関する特異点」として語られています。
ぶっちゃけてしまうと「時の流れの干渉を無効化する程度の能力」です。
影響を受けないものの一例
・イマジンが憑依した際の自我(自身の制御をイマジンの側に奪われない。ただし意識が無かったりイマジンの側が強すぎたりすると奪われてしまう)
・過去の改変(ただし、自身の出生にかかわる変化が起こると例外的に特殊な変化が起こる)

影響を受けるものの一例
・物理攻撃(不死身ではないため)
・本来の時の流れ(「俺誕生」では7年前に11歳の良太郎が、「さらば電王」では良太郎が約50年後普通に老化している姿を見ることが出来る)

今回、説明をねじ込むにはあまりにもややこしい単語のため
こうした形をとらせていただきました。

165名前が無い程度の能力:2010/05/07(金) 00:16:49 ID:9tIBLmyM0
あんたらの理屈はわかった、
だから今度は私の理屈を聞かせてやる。
私はお前を叩きのめす、
博麗の巫女の居場所を聞き出し、地獄の底まで追いかける!
あんたらの都合なんざ知るか、
そうしないと私が、この私の気が済まないんだ!
ああそうさ、これが私の欲望さ、私の未来だ!
私が私の勝手にして、何が悪い!!


世界の吹き溜まりの郷、「幻想郷」は、空に弾幕が、地に妖怪が溢れる郷である。
この郷にいる流浪の悪霊・魅魔は、博麗の巫女を追って旅に出る。「絶望」を見つめながら。

博麗の巫女
"博麗" のリーダーである少女。本名は博麗霊夢(初期設定では博麗靈夢)、霧雨魔理沙の友人でもある。
集団には(彼女自身の能力の為か)上下関係が便宜上存在しないため、崇拝の対象である彼女自身の事は "巫女" と呼ぶが、その呼称には普遍の敬意が込められている。
常に巫女服を着込んでいる。外の世界では、妖怪を管理する仕事に就いていた。しかし、陰陽玉の誤使用によって巻き起こされた "永遠の春休み"により、
幻想郷に向けて脱出。途中、幻想郷の観測チームと合流するも、ただ衰退していく妖怪の姿に絶望する。
しかし、わずかな希望をもって幻想郷.に降り立ち、さらなる絶望にあいながらも、幻想郷での初めての友である巫女の手により、百年単位の延命治療を受け、自らの夢を果たそうとする。
性格は感情的で騒々しく、どんな場所でも存在感があるのだが、すぐに馴染む。何者に対しても平等に見る。
気に入った人物に "「夢」はあるのか" と問いかけ、"自分と一緒に夢を見ないか" と集団に誘う。喜怒哀楽のうち、"哀" の感情が何らかの理由で欠けているようで、
劇中では哀しみの感情を表す事はない。自分の意思に従わない者を、殺意もないのにうっかり(本人としては逆らうものを許す慈愛の表現として弾幕を撃ったら力が入りすぎて)
殺してしまったり、「彼らは自分の心の中で生き続けている」と(比喩や挑発ではなく本気で)思い込んでいたり、
妖怪の賢者たちが危険にさらされたり死んだりしても厳しいポーズを取りはするが、実際はさほど興味はない。
余命いくばくもないため(寿命・死病など諸説あり)、死ぬ前に妖怪と人間がポーズだけでも襲い退治され共存できる世界を夢としており、
その実現のために「大結界」と称する計画を実行する "博麗" を作り上げ、その中核メンバーである妖怪の賢者たちと共に幻想郷各地を巡っている。

妖怪の賢者
幻想郷は外から追いやられた妖怪達が流れ込んだ歴史があり、パワーバランスを監視し、必要ならば調整する圧倒的な "力" の存在―監視者―が必要不可欠であった。
"妖怪の賢者" は、本来その監視者と抑止力としての役目を担う集団であったが、世代を重ねるにつれてその強大な力を私利私欲のために使うものが後を絶たなくなり、徐々に腐敗していった。
劇中に登場する妖怪の賢者たちは、それら旧妖怪の賢者たちが一掃された後に博麗の巫女のもとに集い、霊夢を巫女と仰ぐネオ・妖怪の賢者である(八雲紫を除く)。

166名前が無い程度の能力:2010/05/07(金) 13:48:36 ID:F9Qjslj20
博麗神社に恨みを持ってるのは、たった独り魅魔様だけだから
レイ・ラングレンの役がいないぞw

夢を……夢を封印された者が…どうなるか知っているか…?
どうにもならない…決して埋まらない苦しみに…怒りに…悲しさに…心と身体を苛まれるんだ…それが、どれ程苦しいか……
選べッ!!命をとるか、夢を守るか!!

167名前が無い程度の能力:2010/05/09(日) 16:08:17 ID:Cw.PGM9UO
>>164
歴史に天文学って随分授業の中身が偏ってるなw
まあ幻想郷にはお受験無いから別にいいのか

天文学は魔理沙やスターあたり興味示しそうだ

168名前が無い程度の能力:2010/05/09(日) 18:43:14 ID:4si5gUow0
ついに早苗を撮影し、にとりを救い出した文
しかし突如、霊夢と魔理沙が消えてしまう。
そして現れたのは

ZUN絵の霊夢「あなたの存在は、霊夢と魔理沙の世界を消し去ったのです」
文「あなたは」
ZUN絵の霊夢「…私の言葉を憶えていますか。あなたはすべての東方キャラを破壊しなければならなかった。創造は破壊からしか生まれませんからね。
…だがあなたは、彼女達を撮影しかしなかった。命名決闘法しか行わなかった。それは大きな過ちでした」
文「どういうことですか」
ZUN絵の霊夢「今から私の仲間が、あなたの取材を終わらせます」

次々と現れるZUN絵の東方キャラ達

文「結局こうなる定めか」
にとり「これじゃあ夢と同じ…」

冴月麟「射命丸文はすべての幻想郷を滅ぼす。すべての東方キャラを、そして自分自身をも滅ぼすのだ」

文「−−来るなら来い!すべてを破壊してやる…」

一話に戻る

文「おかしいですね、力が維持できない」
ZUN絵の霊夢「それはあなたが、かつて全てを失ったからです」

169名前が無い程度の能力:2010/05/18(火) 03:54:57 ID:SGfGs.4c0
「如何様で?」
門番――紅美鈴は目の前の、洋装の男に語り掛ける。
若く鍛えられた体躯。金髪。派手な色の服。
それら全てが彼の強大さを主張するかのようだった。
男は呟く。
「ほう・・・悪くない。豪奢な作り、広大な敷地。この館ならば我が要求に応えられるだろう・・・!」
彼女は再度語りかける。
「貴方は誰で、何の様があって紅魔館に訪れたか。・・・応えて戴きます」
男を睨み据える。普段の彼女ならこのような、
礼を失した態度はしない。しかし、今の彼女には余裕を保つことが出来なかった。
男からひしひしと伝わる悪意、邪気、そして殺意。
その恐怖に、美鈴は臨戦態勢を取っている。

ようやく男が美鈴に向かって話しかける。
「やぁ・・少しいいかな・・・気分がいいんだ。聞いてほしい・・・」
警戒を強め、予断も油断もなく男を睨みつける美鈴。
「ここのところ良いことがなかった・・・とは言え一晩の話なのだがね。
幾人も刺客を放った相手は一人も欠けずに現れるわ、
そいつらを始末するたび弱点がばれていくわ、
終いには最後の一人が私と同じ力を持っている、という具合だ。
最強と信じる、『我が力』をな・・・」
美鈴は男との距離を測る。
目測でおよそ5,6m。急には跳びかかれないだろう。
そして自分にとっては十分に射程範囲内・・・!
「しかし、良いこともあったんだ、『たった今』・・・。
最後の、蒸発して消えるその瞬間!!どういう力が働いたのか・・・

『私はここにいた』のだ・・・この幻想郷に・・・

結界の影響なのか?それとも他の要因なのか?日の光は『脅威』ではなくなった・・・。
『最後の恐怖』を私は消し去った!!!」
男が叫んだ瞬間。
紅美鈴の首に、腕に、足に、体中に、

鋭利なナイフが突き刺さっていた。
「・・・え?」
美鈴は信じられない面持ちで男を見やる。
男は・・・動いていない。『一歩足りとも動いていない』!
そして次に襲ってきた衝撃―――それは目に見えぬ、
男の言う『最強の力』によってもたらされた――――によって、
紅美鈴は意識を失った。

門番の失せた門前で男が吠える。
「そして宣言する!
今よりこの館を我が物とし!!
この幻想郷を支配してくれる!!!
我が『世界』の力で!このDIOが!!!」
狂笑が響く。

――――こうして。二人の吸血鬼による、幻想郷中を巻き込んだ決闘が始まる。
名を『第二次紅霧異変』 最後に生き残るのは、どちら・・・?




思いついたので投下してみる。どうだろ?

170名前が無い程度の能力:2010/05/18(火) 09:03:18 ID:IA1IDmFUO
>>169
せっかく書いてもらったのに野暮かも知れんが
つttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/11393/

171169:2010/05/18(火) 19:47:53 ID:SGfGs.4c0
>>170 そんなんあったんか・・・
転載してもいいんかな?

172名前が無い程度の能力:2010/05/19(水) 02:03:52 ID:5su2kZg60
>>171
>>169はこれから続き物にするやつの予告編みたいなもんか?
これから続きも書いていくなら、>>170の板で改めて始めるのもいいんじゃないか?
少なくとも、予告はこのスレで本編は向こうの板、みたいな不親切やるよりはいいと思う。


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