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【テンプレ】東方クロススレ 8【必読!!】

1名前が無い程度の能力:2010/02/28(日) 15:06:09 ID:vX3qH1e60
まず、荒れる元となるので作品同士の強さ議論・格付け、踏み台・蹂躙ネタの投下は
絶対に投下しないようにお願いします!!!
このように変わった理由は、下記のスレでお話いたします。

ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12555/1238139061/

ここは、東方作品とクロスオーバーさせてみたい作品を挙げて
ストーリーを妄想したり設定に関する考察をしてみたりするスレッドです。

クロスさせたい作品と東方をすり合わせるのも、どちらかの世界に取り込むのでもOK。
自由な発想でクロス妄想を楽しみましょう。妄想を形にしてくれる職人さんも大歓迎です。

突っ込みや賞賛、批判、間違いの指摘などはまったく構いませんが
「戦う事なんかあるわけねーじゃんwwww」とか「妄想乙wwww」とかのただの罵倒はナシでお願いします。

前スレ
東方キャラと他作品キャラの絡みを想像するスレ その7
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/41116/1260022532/ 

過去スレ
その6 ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/41116/1253628611/
その5 ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/41116/1246955707/
その4 ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/41116/1241780330/
その3,5 ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/6306/1206070626/
その3  ttp://jbbs.livedoor.jp/computer/6306/storage/1180803847.html
その2  ttp://jbbs.livedoor.jp/computer/6306/storage/1156248415.html
その1  ttp://jbbs.livedoor.jp/computer/6306/storage/1136641508.html 

324俺参上第九話中編(7/11) ◆cedHmDsvEg:2012/06/30(土) 02:06:29 ID:Codt.6vo0
「方法? わからない。おれ、願い叶えるだけ。
 おまえ、願い叶える邪魔するなら、倒す。それに、契約、絶対。破棄、許さない」
「ちょ、ちょっとまって! 攻撃はしちゃダメ!
 この永遠亭にいる兎やお師匠様、姫様は絶対に攻撃しちゃダメって言ったでしょ!」

てゐの制止により、一時は停止するシャークイマジン。だが、その程度の制止でイマジンは止まらない。
性格は律儀であっても、やはりイマジンはイマジンだったのだ。
無差別攻撃が、対象を絞った攻撃に変わったに過ぎない。

「むう。おまえ、言ってること難しい。あいつ、願い叶える邪魔してる。でもおまえ、消しちゃダメって言う。
 だったら、あの青い亀だけ潰す。おまえ、それでいいか?」
「え、えーっと……青い亀さん、助けてくれたのにごめんなさいっ!」
「ちょ、ちょっとてゐちゃん!?」
「あっ、てゐ! あんた、意魔人置いてどこ行くつもりなのよ!」

てゐの心のこもっていない謝罪の言葉。
それを狼煙にてゐは逃走し、シャークイマジンは鋸刀を手にウラタロスに斬りかかる。
ウラタロスも咄嗟にウラタロッドで受け止めるが、単純な力ではシャークイマジンの方が勝っている。
鍔競り合いでは勝ち目がない、無駄な体力を消費すると判断したウラタロスは
すかさずシャークイマジンの腹に蹴りを入れ間合いを取る。

「ぐぬっ!」
「ふふん、そういう力押しだけで僕を釣ろうなんて到底無理無理。
(とは言え、このままここで引っ張ったら鈴仙ちゃん達にも被害が及んじゃうし……どうやって引き離そうか)」

力では良太郎の他のイマジン、特にキンタロスには到底敵わないがこうした咄嗟の判断や小手先の勝負ならば
ウラタロスの右に出るものはいない。
幸い、シャークイマジンは「大男総身に知恵が回りかね」を地で行くようなタイプである。
しかし口八丁で丸め込もうにも、目的のための障害――ウラタロスを排除する一点のみで動いている。
ウラタロス自身が丸め込もうにも、なかなか難しい状態である。

325俺参上第九話中編(8/11) ◆cedHmDsvEg:2012/06/30(土) 02:07:20 ID:Codt.6vo0
「おまえ、逃げるな。おまえ逃げる、ここ壊れる。それ、契約違反」
「だ、だったら攻撃をやめればいいじゃない!」

鈴仙の至極当然のツッコミに、シャークイマジンの攻撃の手が止まる。
あまりにも馬鹿馬鹿しい流れに、思わずウラタロスも一瞬呆気にとられてしまう。
突っ込んだ鈴仙本人でさえ、何が起きたのか理解するのに時間がかかってしまった。

「むう。攻撃やめる、ここ壊れない。でも攻撃やめる、おまえたち逃げる。おれ、どうしたらいい?」
(あっ……今です、ウラタロスさん、てゐを追いかけましょう!)
(鈴仙ちゃんナイス! 惚れちゃいそうだよ)

シャークイマジンの手が止まった隙に、鈴仙の手を引きその場を離れるウラタロス。
イマジンの相手も重要ではあるのだが、それ以上に逃げたてゐを追わなければならない。
鈴仙もこの流れを意図してはいなかったが、てゐならば間違いなくこう行動するだろう。
今鈴仙の手を引いているウラタロスも、おそらく同じことを考えている。
最も彼の場合、鈴仙のように意図せぬ形ではなく、てゐのように故意に出し抜くタイプだが。

(……これが亀の格好した得体の知れない化物じゃなくてカッコいい男の人ならなぁ)

と一瞬鈴仙が思ったかどうかは定かではないが、ウラタロスの口説き文句を流しつつてゐの追跡に戻る二人。
結果として、永遠亭の広い廊下にただぽつりとシャークイマジンが残される形となる。

「あ。あいつら逃げた。あいつらいない。契約果たす邪魔者いない。おれ、契約果たせる」

シャークイマジンの口調から知性は感じられないが
思考の切り替えはその口調から感じられる知性以上のものを誇っていた。
すぐさま目的をウラタロスの排除から、契約の遂行へと変更する。
そもそも、それが本来のイマジンの目的である。

326俺参上第九話中編(9/11) ◆cedHmDsvEg:2012/06/30(土) 02:08:38 ID:Codt.6vo0
「でもこの契約内容、おれ何したらいいかわからない。むう」

しかし、シャークイマジンに願われた事は余程複雑であったのか、その場に座り込み考え込んでしまう。
馬鹿の考え休むに似たり、とはよく言ったものでそのままシャークイマジンは
小一時間も廊下を占領していたのだ。
こうなれば、永遠亭に住んでいる住人が不審に思わないはずがない。
まして廊下ともなれば、通りかかる人物の一人や二人、いても当然である。

「あら……? やけに今日は騒がしいと思ったけど、あなた誰?」
「おれ? おれ、願い叶えるためにここにいる。でも願いの叶え方がわからない。おれ、どうすればいい?」

なんとも不思議な会話である。片や傷だらけの青い巨躯で胡座をかき廊下に鎮座している怪物。
片や美しい黒髪の、まるで昔の日本のお姫様かというような身なりの少女。

「願い? 話だけ聞くと素敵な響きね。
 まぁいいわ。私もちょっと退屈だったし、少し話しましょ。私は蓬莱山輝夜。あなたは?」
「おれ? おれ、何話せばいいかわからない」

困ったわね、と言った風に指を口元に当て、考え込む輝夜。
シャークイマジンもそんな輝夜に対し、何をするでもなくただ立ち尽くしている。

しかし、その立ち尽くしている場所が悪かった。
何せ、通路のど真ん中で立ち尽くしているのだ。輝夜以外にも通る者はいくらでもいる。

「姫、こちらに……こ、この者は!?」
「あ、ちょうど良かったわ永琳。イナバ達もいないから困ってたのよ。彼、だれのお客さんなのかわからなくて」

シャークイマジンの異様な外見に、思わず身構える永琳。
ウラタロスも大概だったが、シャークイマジンはそれ以上に凶悪な外見をしていたのだ。
そしてなにより、背中に背負っている鋸や鎚。そんなものを背負って姫の隣にいるのだ。身構えない筈がない。

327俺参上第九話中編(10/11) ◆cedHmDsvEg:2012/06/30(土) 02:10:24 ID:Codt.6vo0
(やはり、あの瑞江の意趣返しと見るべきかしら。うどんげ達の動向は知らないけど
 今日の瑞江の妖怪の後で似たような妖怪に出くわすなんて……!)

おまけに永琳は永琳で致命的な勘違いをしてしまっている。ウラタロスに対する誤解も満足に解けないまま
シャークイマジンに出くわしてしまっている。これでは永遠亭に害する者の仲間と思われても不思議ではない。
客人として受け入れようとする輝夜と、警戒心で溢れかえっている永琳。
イマジンに対する対応は、真っ二つに分かれてしまっている。

「まぁいいわ。とりあえず彼にお話聞きたいし、客間まで通しましょ」
「しかし、この者の特徴、今話題になっている『意魔人』とほぼ一致します。もしそうであるならば……」
「そう、おれ、イマジン。おれ、契約した。だから願い叶える」

歯車は噛み合った。最悪の方向で。図らずも未来の浦島太郎は、月の頭脳を敵に回してしまったのだ。
釣り上げるには、とてつもない大物である。ボートで鯨を釣り上げるようなものである。

「あら、あなた意魔人なのね。じゃあこの姿だと……」
(瑞江の……神ではなく、意魔人になっていた、というわけね。
 何であれ、私の前に現れた事、私の大切な物を穢すなら、今度こそ亡き者にするわよ。
 私は彼女ほど甘くは無いわ)

―――

一方、自分がどんどん追い詰められていることを知らないウラタロスは、呑気に兎耳の少女と歩いていた。
目的は決して呑気なものではないのだが、目的以上に鈴仙のような美少女と並んで歩ける
この状況を楽しんでいる節がある。

「鈴仙ちゃん、この先は?」
「妖怪兎達の雑居部屋です……なんですけど、さっきの意魔人の話が本当なら
 この中の妖怪兎達も意魔人と契約を……」

外から見る限り、それほど広くない部屋。その中に可愛らしい兎がいっぱいいるのならば
動物好きには堪らない場所なのだが。
可愛らしい兎ではなく、凶悪な面構えのラビットイマジンの大群がこの中にいるのならば。
とても想像したくない絵面ではある。

328俺参上第九話中編(11/11) ◆cedHmDsvEg:2012/06/30(土) 02:11:56 ID:Codt.6vo0
「(……うぇ、やな想像しちゃったよ)鈴仙ちゃん、中に入るのは止したほうがいいんじゃないかな。
 僕もある程度イマジンの気配はわかるけど、この中、結構いるよ?」
「うっ……となると、てゐはここにはいないかもしれませんね。確かめてみますか?」

そろりそろりと、物音を立てないように部屋の入口へと近づき、襖から聞き耳を立てる少女と青亀。
鈴仙の能力をもってすれば、気づかれぬように移動することなど容易いのだが
習慣、或いはノリかついつい隠密行動をとってしまう。
程なくして、襖を挟んだ向こう側から声が聞こえてくる。

「よぉーし! 今日も派手にやるぞぉー!」
「今日は落とし穴にクレイモア地雷埋めるよ! きゃははははっ!」
「ふふ……はまったら木っ端微塵だよ……」

ウサギをいじめる妖怪ウサギ。その不可解な存在は、妖怪ウサギ自身が契約したイマジンであった。
明らかに悪戯の度を越している計画。彼らは永遠亭に住む妖怪兎の
「悪戯をしたい」「遊びたい」といった願いで実体化し、それを叶えているに過ぎない。
当然、契約者の意向など聞く耳持たず、典型的なイマジンである。
抗議の声をあげるものもいる。だが、そうした者は全てピンクラビットイマジンの
蟷螂拳の餌食となってしまっている。
それもあってか、抗議の声は日に日に聞こえなくなっていく。
それどころかイマジンの手伝いをする妖怪兎まで現れる始末である。
彼らは、イマジンに過去を奪われたなれの果て。イマジンに取って代わられた存在。
彼らは既に永遠亭に棲む無邪気な妖怪兎などではない。短絡的ではあるが粗暴なイマジンそのものである。
契約者の過去を奪い、契約者の時間を乗っ取る事でイマジンの侵略は達成される。
少しずつではあるが、確実に幻想郷はイマジンの侵略を受けていた。

「いいじゃねぇか。やるなら派手なほうがいいだろうがよ!」
「さっさと契約果たして過去に行こうよ! 今度は俺の番だよ、きゃはははは!」

狂ったような笑い声が、庭に響き渡る。今ここに、自身の天敵がいることも知らずに。
やがて終えるであろう狂宴を謳歌する声は、今はまだ止まない。
しかし狂宴の終わりを告げる警笛は、確かに鳴ったのだ。

329 ◆cedHmDsvEg:2012/06/30(土) 02:35:09 ID:Codt.6vo0
以上、第九話中編でした。
何だかタイトルの割にはてゐよりうどんげのが出番多いですが。

今回は登場イマジンの紹介。

ラビットイマジン
TV第31話冒頭に登場した個体と同外見。
「うさぎとかめ」のうさぎをモチーフに現出したイマジン。
TVでは鎌を使用したが、今回は短刀を使用。
ウサギモチーフのイマジンでは一番ウサギらしい外見。
武器が変わったのは別個体と言う強調であって得物を忘れてたとかそう言う理由ではない。

本文中では蟷螂拳を使うピンクラビットイマジン(劇場版電キバ登場)の存在が示唆されているが
その他トータスイマジンの分離体(第21・22話登場)、パンダラビットイマジン(第39話冒頭登場)も複数存在している。

シャークイマジン
今作オリジナルイマジン。
コンセプトは「原作のホエールイマジンを着ぐるみ改造して新イマジンを作るなら」。
てゐを出すにあたって
因幡の白兎って言ったら鮫じゃね?→いや鰐じゃね?→アリゲーター(鰐)は牙王だし、ディケイドに出ちゃったし
(元の寓話違うけど)→やっぱ鮫
てゐに嘘吐かれた原典の話を反映して、嘘嫌いな性格になってます。
喋り方は原作ホエール(第15・16話版)+仮面ライダーSD(マイティライダーズ)のアマゾン+ステレオタイプのネイティブアメリカン
と、ちょっと混ぜすぎちゃいましたが絵を載せられないので喋りに個性を持たせるため、こんなことに。

330名前が無い程度の能力:2012/08/26(日) 17:00:35 ID:e6qDKSOg0
このスレ盛り上がってほしいなあ
アゲ

331 ◆cedHmDsvEg:2012/09/26(水) 01:02:18 ID:Fn8udqY20
・この作品は「東方Project」と「仮面ライダー電王」の二次創作作品です。
・この作品には二次設定・独自設定が含まれております。
・この作品には戦闘シーンや暴力的なシーンが含まれております。
・この作品は「東方Project」及び「仮面ライダー電王」の原作及び他の二次創作作品とは一切関係ありません。
・この作品には「仮面ライダー電王」のTV本編ネタバレ要素が大いに含まれています
・この作品には作者オリジナルのイマジンが登場します New!!

以上抵抗のある方は恐れ入りますがトリップをNGに指定してくださいませ。

お久しぶりでございます。
この程度の更新ペースですので時々「あぁ、あんなのあったっけな」程度に認識して頂ければ
幸いでございます。

332俺参上第九話後編(1/11) ◆cedHmDsvEg:2012/09/26(水) 01:03:53 ID:Fn8udqY20
―――

「まぁいいわ。お茶でも飲んでたら思い出すでしょ。イナバにでも用意させるから、そこの部屋で待ってて」
「むう、わかった。おれ、そうする」

ウラタロスと鈴仙がイマジンの根城を探り当てた頃、シャークイマジンは未だ二人と対峙していた。
素直に輝夜の提案に従うシャークイマジン。その言動に、凶悪なイマジンの面影はない。
姿形こそ凶悪であるが、今はただの強面の妖怪にしか見えない。
客間に通されたシャークイマジン。座布団に座り、潜伏している宇宙人の如く卓袱台を囲む。
向かい合うように腰を下ろす輝夜。イマジンが相手でも、全く怖気づいていない。

「単刀直入に言うわよ。あなたここの住人じゃないでしょ。
 ……ああ、答えは聞いてないわ。見ればわかるもの。それにそれを咎めるつもりも無いわ、今の所はね」
「おまえ、何言いたい? おれ、願い叶えたい。それだけ」

対するシャークイマジンも、自分のペースを崩していない。互いに敵意こそ無いものの、話は未だ平行線である。

「その契約者……うどんげの話から察するに、おそらくはてゐね。てゐは貴方に何を願ったの?」
「『幸せ』。おれ、それわからない。だから困ってる」

因幡てゐの能力。それは「幸せをもたらす程度の能力」。つまり、わざわざイマジンに契約などせずとも
自身で勝手に出来ることなのである。それを何故、イマジンに願ったのか。
てゐの能力を知る永琳と輝夜はそこが腑に落ちず
シャークイマジンは「幸せ」と言う概念そのものが抽象的すぎて願いを叶えることができずにいたのだ。

「それは同情するわ。そんな抽象的な事を要求されるなんて。
 この際、あなたが思う『幸せ』をやればいいんじゃないかしら?」
「姫、それではこの意魔人が暴走しかねません。危険すぎます」

333俺参上第九話後編(2/11) ◆cedHmDsvEg:2012/09/26(水) 01:06:11 ID:Fn8udqY20
通常ならばイマジンは勝手な解釈で契約を実行しようとする。
それは既に大多数のイナバを抑えているラビットイマジンを見れば瞭然である。
永琳も新聞記事の鵜呑みとは言え知識として有している。
勝手な行動をさせては、永遠亭がどうなるかわかったものではない。
シャークイマジンを勝手に動かすなど、永琳が首を縦に振るはずがなかった。
ただ一つ、ある人物の特権によるものを除いては。

「『幸せ』、お前、知ってるのか?」
「知ってるって言えば知ってるけど、あなたの思う『幸せ』と私の知ってる『幸せ』
 ましててゐの考えてる『幸せ』。これは全部きっと違うものよ?
 ……ふふっ、そうね。私もちょうど暇していたし、あなたこの難題解いて見せなさいな」
「ひ、姫!?」

――「己にとっての幸せを見つける」

それが輝夜姫から風変わりな客人に出された難題である。
輝夜にとって、難題を出すのは遊びの延長線上でもある。
新聞記者がしつこい取材に来た時も難題で応対し
かつてとある異変が起きた時も、難題で応対している。全て遊びの延長線上だ。
遊びでなかったのは、過去難題に挑み輝夜をものにしようとした時の権力者達だけである。
その彼らも、遊びに必要以上にムキになった報い
(と言うのも本人達や身内にしてみれば失礼な話だが)を受け
相当に酷い目に遭わされている。

「むう、難しい。そもそもおれ、『幸せ』、知らない」
「あらら、そこからなのね……仕方ない。ちょっとインチキかもしれないけど、特別にヒントを出すわ」

案の定頭を抱えるシャークイマジンに、輝夜はヒントを出す。
イマジンらしからぬ態度で真面目に聞いていたシャークイマジンも
輝夜の話が終わるなり勢いよく障子をぶち破って部屋の外に飛び出す。
流石に障子をぶち破った事には面食らった輝夜だが、それ以外は全く動じていない。

334俺参上第九話後編(3/11) ◆cedHmDsvEg:2012/09/26(水) 01:07:52 ID:Fn8udqY20
「……よろしいのですか?」
「最悪、私達『だけ』は無事よ。そこまで酷い事にもならないでしょうけど。
 あの意魔人が本気で私達やここをどうこうするつもりなら
 とっくに永遠亭の機能の半分は持ってかれているわ。
 ……永琳。彼の難題が一段落着いたら、一度全員健康診断でもしたらどうかしら?」

永琳の不安をよそに満足げに語る輝夜だが、最後に思い出したように驚き口を開く。

「どうしました、姫」
「彼にお茶を出すの、間に合わなかったわね。
 最も、意魔人がお茶を飲むのかどうか、私は知らないのだけど」

―――

(先輩とかいたらどうせ乗り込んだんだろうけど……今乗り込んだら確実に被害出るしねぇ。
 何とか中の連中に気づかれずに潜り込む方法があればいいんだけど……ん?)

ふと、ウラタロスが違和感に気づく。中にいるイマジンの反応以外にも、一体イマジンが動いている。
恐らくは先程一戦交えたシャークイマジンだろう。今出くわせば挟み撃ちである。
ウラタロスは鈴仙に目配せをし、この場から離れることを提案する。

「(冗談、今はサメ釣りやるつもりは無いっての)
 鈴仙ちゃん、一匹……多分さっきの鮫イマジン、こっちに来ているよ。ここは離れて様子を見よう」
「ええっ!?」

しかし、タイミングがまずかった。イマジンが複数いる部屋の前に陣取っている時に
鈴仙を驚かす様なことを口走ってしまったのだ。
思わず驚く鈴仙を制止するウラタロスだが、時既に遅し。

「(まずった……!)れ、鈴仙ちゃん、声、声!」
「はっ……!!」

335俺参上第九話後編(4/11) ◆cedHmDsvEg:2012/09/26(水) 01:09:45 ID:Fn8udqY20
「誰だ! そこにいるのは!」
「誰だっていいよ! ぶっ潰すチャンスだよ!」

思わず鈴仙を抱えて身を隠すウラタロス。さらにバラバラと出てきたラビットイマジンの軍団と
先程輝夜と話していたシャークイマジンが出くわしてしまう。
これでは、ウラタロスは身動きが取れない。
それ以上に、鈴仙は慣れない磯の香りを長い時間嗅がされることになっていた。

(嘘っ、よりによってこのタイミングで合流させちゃう!? これは当分動けないね……)
(さっきから思ってたけど……ウラタロスさん……く、くさ……これ何の臭いよ……)

鈴仙が嗅ぎ慣れない磯の香りに悪戦苦闘している頃。廊下では兎と鮫のイマジンが対峙していた。
イマジン同士、意思の疎通はスムーズに運ぶ……事はない。ある意味イマジンの通常運転である。

「あ! お前……見慣れない奴だな。お前もここに来いって声聞いてきたのか?」
「声? 知らない。おれ、契約者の願い叶えるだけ」
「バーカ、そんなもん適当でいいんだよ。俺らは過去行って俺らが消えないようにすればいいんだよ」

意思の疎通は全く図れていない。幻想郷における異変においても、意思の疎通がもっとしっかりと図れていれば
大事にならずに済んだ異変も少なくはない。そう言う意味では幻想郷としても通常運転ではあるのだが。
普段の幻想郷の異変が遊びの延長線上であるのに対し、イマジンの異変は遊びでない。
この一点に、全ては要約される。だからこそ、偶然やって来た赤鬼のイマジンは、蔦のイマジンを倒した。

「適当、ダメ。おれ、契約者の願い、叶える。だから、おまえたち、倒す」
「はぁ? お前バカじゃねぇの? 電王じゃあるまいし」
「お前の契約者、『電王ごっこしたい』とでも願ったのかよ? そりゃ傑作だぜ、ギャハハハハ!!」

(また良太郎に別のイマジンが憑いた……訳じゃなさそうだね。あれどう見ても良太郎のセンスじゃないし。
 となると……僕らやおデブちゃん、天ちゃんとは別にイマジンと戦うイマジンが出てきたってこと?)
(はっ! し、しっかりしなさい私! ……って意魔人と戦う意魔人? ま、まぁウラタロスさんがいるから
 珍しくはないのかも……でもあの鮫の意魔人、ウラタロスさんの味方でもなかったし……
 って言うかそもそも『電王』って何?)

336俺参上第九話後編(5/11) ◆cedHmDsvEg:2012/09/26(水) 01:11:33 ID:Fn8udqY20
ウラタロスと鈴仙、互いにシャークイマジンとラビットイマジンの動向を探りながら
息を潜め様子を伺う。その一つ一つの挙動が騒動を起こすイマジン。それが集団でいるのだ。
永遠亭が騒動の渦中に飲まれるのに、時間はかからなかった。
ラビットイマジンの一体が、得物を手にシャークイマジンに飛びかかったのだ。

「電王じゃなくったって、俺らの邪魔するんならぶっ潰してやるぜ!」
「やはり、おまえたち、敵。なら、おれ、戦う」

その一撃を皮切りに、次々とシャークイマジンに飛びかかるラビットイマジンの群れ。
個体の戦闘力はシャークイマジンの方が優っているのか
敵の数をものともせずに互角以上の戦いを繰り広げている。
鋸刀や鎚を使い、あっという間にラビットイマジンに対し優勢に立つ。

(ひえぇ、やっぱり直接戦わなくてよかったぁ……あんなの相手にしてられないわよ……
 もしあいつがてゐと組んだら……そ、想像するだけで震えが止まらないわ)
(へぇ、あいつなかなかやるねぇ。やはりパワーは相当あるってところか。その分頭は弱いみたいだけど)

永遠亭の廊下を舞台にした大立ち回りは、館の住人の注意を釘付けにするには
十分すぎるイベントであった。ここを舞台にしてのこれほどの大立ち回りは
かつての永夜異変位なものである。いつの間にか、周囲には妖怪兎の観衆が出来上がっている。
その人集りならぬ兎集りの後ろから、二人の女性もまた事の顛末を見にやって来ていた。

「あら、やはりこうなったわね。武力に関しては、彼は見た目通りってところかしら」
「姫、わかっていてあの意魔人をけしかけたのですか?
 しかし、ここにこんなにも意魔人がいたなんて……」

「もう勝負みえた。おまえたち、負け。おれ、勝つ」

観衆の野次も加わり、戦いはシャークイマジンの優位が揺らぎ無いように見える。
数で挑んだラビットイマジン軍団の方が、息も上がりボロボロである。
鋸刀を構え直し、ラビットイマジンに対し向き直る。止めの一撃を繰り出すためだ。

337俺参上第九話後編(6/11) ◆cedHmDsvEg:2012/09/26(水) 01:13:00 ID:Fn8udqY20
「お、おい、こいつ強いじゃんかよ!」
「こっちは数で勝ってるってのに、何てザマだよちきしょう!」
「だったら数を増やすんだよ、おいてめぇら!」

ラビットイマジンの一体が号令をかける。
すると、観衆の妖怪兎が次々とシャークイマジンに飛びかかり、動きを封じる。
その光景に、妖怪兎の後ろで見ていた輝夜と永琳は目を疑う。

「なっ、ちょっとこれどういうことなのよ!?」
「くっ、そこの兎の意魔人! 勝手に他人の家の住人使わないでもらえるかしら?」
「観客は黙ってろよ! よーしてめぇら、そのままそいつ抑えてろよ!」
「む、むう。こいつら、傷つけられない。それ、契約違反。おれ、戦えない」

――人間の盾ならぬ、妖怪兎の盾。兎に手を出すな

と契約者であるてゐに言われているシャークイマジンは、身動き一つ取れない。
それをいい事に、ラビットイマジンはシャークイマジンに対し集中攻撃をかける。
しかも質の悪い事に、妖怪兎が飛びかかった部分めがけて攻撃している者もいる。
そうなれば、シャークイマジンは妖怪兎を庇うように攻撃を受け、余計なダメージを受けてしまっている。

「記事で読んだ以上に下衆ね……気が済んだら、二度とここに立ち入らないでもらえるかしら」
「手出しは無用だぜギャラリーども! こっちにゃ忠実な部下がいるんだ、俺らも部下はかわいいからな!」
(姫、奴らは従えた兎を盾にするつもりです。それでこちらの動きを封じるのでしょう)

あまりにも下衆な手に業を煮やした輝夜が霊力を集め、弾幕を展開しようとするが
それに合わせラビットイマジンは妖怪兎の一部を自分たちの周りに侍らせる。
うかつに攻撃すれば、妖怪兎を巻き込みかねない。

(あの子達、何かであいつらの言いなりになってるみたいね。
 だったら、私が波長を狂わせば引き剥がせるはず。で、でもそうしたらあの鮫の意魔人が動き出しちゃう……)
「鈴仙ちゃん。何とかしてあのウサギさん達を引き剥がせない? イマジンについては僕が抑えるからさ。
 あいつら反対側の誰かと話してるみたいだから、慎重に仕掛ければ大丈夫だよ」

338俺参上第九話後編(7/11) ◆cedHmDsvEg:2012/09/26(水) 01:13:51 ID:Fn8udqY20
鈴仙の考えを見透かしたように、ウラタロスが提案する。
永遠亭のウサギと親交のある鈴仙ならば、という提案なのだが
実際のところ鈴仙にそれほど地上の妖怪兎との交流は無い。鈴仙がウサギを引き剥がすのに使うのは
ウラタロスが考えているそれとは全く別の手段である。
微妙に噛み合っていないが、目的は同じ。イマジンを取り押さえるために飛び出すウラタロスを
鈴仙が後ろからバックアップする。
後は、タイミングを見計らい、実行に移すだけだ。

「ウラタロスさん、私がタイミングを測ります」
「頼んだよ鈴仙ちゃん。さてと、それじゃいっちょ釣り上げますか」

鈴仙が波長を駆使し、周囲の動きを観察する。息を潜め、飛び出す機会を伺う二人。
ふと、鈴仙が奥からやって来る小さなものを発見する。てゐである。

てゐもまた、逃げ回っていたがこの永遠亭の騒動を聞きつけ、自然と足が向かってしまっていたのだ。
本来の彼女の性格ならば、こうした身の危険に繋がりかねない場面からは一目散に逃げ出すだろう。
しかし、今回は事情が異なる。子分とも言うべき妖怪兎が、危険に晒されているのである。

「ちょーっと待った! そこのかわいくないウサギさんがた、そんなところで弱いものいじめしてないで
 私と遊ばない? 私を捕まえたら、もれなく幸せになれるわよ? ほら、みんなもこっちに来る!」
「あ。おまえ、契約者。ここ、あぶない。おまえ、逃げろ」
「へぇ、鬼ごっこってわけかい。けどな、俺たちゃガキの遊びしにきたわけじゃねぇんだよ!」

(てゐ!? でもこれはチャンスね、今兎意魔人連中の注意はてゐに向いているわ、後はなんとか
 あの子達を引き剥がせば……!)

ラビットイマジンの号令で、妖怪兎の一部が飛びかかる。
その標的は、あろうことか自分たちのボスとも言えるてゐであった。
てゐも一瞬、自分に何が起きたのか全く理解できず、反応が一瞬遅れてしまう。飛び退こうにも、一歩遅かった。

339俺参上第九話後編(8/11) ◆cedHmDsvEg:2012/09/26(水) 01:16:15 ID:Fn8udqY20
「なっ!? ちょ、ちょっとあんたたち! 相手が違うでしょ! 私に飛びかかってどうするのよ!」
「む? おまえたち、なにしてる? そいつ、ボス。おまえたち、相手、違う」
「残念だったなぁ! 『おまえが自分のボス』なんて記憶、こいつらには無いみたいだぜ? キャハハハハハッ!!」

ふと、永琳がてゐにのしかかっている妖怪兎の眼を見る。本来赤いはずの兎の目が、黒かったり緑色だったり
あらぬ色をしているのだ。体躯が小さいために見落としていたが、毛色もふわふわの白に緑やらピンクやら混じっている。
変異にしては妙な生え方である。同じタイミングで、ウラタロスもそれにようやく気付く。
しかし人質を取られている今、対処ができない。

「『記憶』……まさかあの兎、既に意魔人に乗っ取られているとでも言うの!?」
「……気が変わったわ。貴方達みたいな下衆な兎に、ここの敷居をこれ以上跨がせているわけには行かないわ。
 即刻、ここから出て行ってもらおうかしら」
「やれるもんならやってみろよ! こいつらから先にブッ飛んでもらうけどな!」

「くっ、僕としたことがボウズもいいところだよ。鈴仙ちゃん、ちょっとマズい事になった。
 時間は一刻を争う、僕ならあのウサギさん達を治せる方法を知ってる。飛び出すから、僕のアシストに回って!」
「え? ……ええっ!? ああもう、どうなっても知りませんよ!」

ウサギの様子を確認したウラタロスは、ウサギを元に戻すために速やかにイマジンを倒そうとする。
幸い、相手の注意はてゐや永琳、輝夜の方に向いている。
鈴仙もまた、形振り構わずに能力の発動に移る。

懶符「生神停止(アイドリングウェーブ)」

ウラタロスが影響を受けないように注意しながら、鈴仙は妖怪兎達の波長を操る。催眠術にかかったかのように
ぽてり、ぽてりと廊下に落ちる妖怪兎達。兎のフォールから解放されたてゐだが
シャークイマジンはやはり怖いらしく、飛び出したウラタロスの影に隠れている。

340俺参上第九話後編(9/11) ◆cedHmDsvEg:2012/09/26(水) 01:18:51 ID:Fn8udqY20
「さっきはごめんね、亀のお兄さん。でも私を助けてくれると信じてたよ?」
「それはどうも。僕は全ての女性の味方だからね。それに君のウサギさん達は、僕がしっかり連れ戻すからね」
「むう。おまえ、契約者守る? なら、おれ、おまえと戦わない。あいつらと、戦う」

先程までウラタロスを敵と認識していたシャークイマジンだが
てゐがウラタロスに対し全く敵意を見せていない現状を把握し、ウラタロスに対する警戒心を解く。
片や水色の亀怪人。片や紺色の鮫怪人。二体のいかつい男の影に隠れ、てゐはほっと胸をなでおろす。
妖怪兎達がぐったりしているが、てゐには誰の仕業か見当が付いている。なので、心配はしていない。
牽制され動けないラビットイマジン軍団を迂回し、妖怪兎達を眠らせた張本人である鈴仙がてゐに接近する。

「てゐ! ああよかった、あんた無事みたいね……一時はどうなることかと思ったわよ……」
「あはは、私がそんな簡単にやられるわけないでしょうが。心配しすぎだよ鈴仙は」

「お、おい、また振り出しに戻るどころか、さらに状況悪化してるじゃんこれ……」
「し、しかもあの青い亀、電王のイマジンだぜ、分が悪いなんてレベルじゃねぇぜ!?」

頼りの綱の兎の盾も封じられ、一体相手に苦戦していたのにさらに一体追加されてしまう。
しかも追加された一体は、時間の中で悪行をこなしているイマジンには悪名高い電王のイマジンである。
一時は勝利を確信したラビットイマジン軍団ではあったが、現状のあり得なさに怖気づいてしまっている。

(瑞江の……どういうことなの? うどんげだけでなく、今度はてゐを篭絡するつもり? それとも……)
「さぁて、形勢逆転ね。ああ、そこの下衆な兎共。この難題は解いてもらわなくて結構だから。
 自分のしでかした事を反省しながら、おとなしくやられなさいな」
「て、てめぇ! ふざけんな!!」
「その代わりといっちゃなんだけど……」

己の屋敷で静かに、平和に暮らしていたイナバ達を愚弄し、傷つけた罪は重いとばかりに
普段ののほほんとした表情とは打って変わった凛とした表情で、輝夜は冷酷にラビットイマジン軍団に刑を言い渡す。
それを合図にてゐとウラタロスは互いに頷き、ウラタロスは一歩前に出て、てゐはそのウラタロスから一歩下がり

口上「僕に釣られてみる?」

「私に」 「僕に」

――釣られてみる?

341俺参上第九話後編(10/11) ◆cedHmDsvEg:2012/09/26(水) 01:19:57 ID:Fn8udqY20
―――

一方その頃、永遠亭の中でも輝夜の私室に次いで重要とされる、永琳の作った薬品の保管庫。
ここにある物は全て取り扱いに細心の注意を払わねばならないものである。
永琳が暇つぶしで作ったものから、実際に治療に使われるまで、薬品という薬品が全てここに貯蔵されている。
ある種聖域とも呼べるこの場所に、ひとつの影が立ち入ろうとしていた。

(……さて。注意は全て向こうに向かっているようでおじゃるな。それにしても彼奴も麿に盗人紛いの事をさせるとは。
 麿は貴族であり、盗人では無いわ。ここに迷わず来れる者が麿以外に居ればよかったがの)

薬と毒は紙一重であるが故、ここは永遠亭の中でも特に厳重な封印が施されている。
使われているのは南京錠と厳重とは程遠いが、永琳が自前の知識でこしらえた、特注品でもある。
影は当然その鍵を持っているはずもない。

(この程度は既に予測済みよ。しかし麿の炎、決して死なぬ鳥の持つ炎と同じ故な。鍵など無意味でおじゃるよ)

南京錠に手をかざすと南京錠は一瞬で燃え上がり、灰になってしまう。
この時点で、この影の主は人間ではないことになる。最も、幻想郷の場合ただの人間のほうが珍しいのだが。
その一部始終を、一羽の妖怪兎が目撃していたことに影はまだ、気づいてはいないようである。

チチチチチチ・・・チッ・・・チッ・・・チッ・・・

342 ◆cedHmDsvEg:2012/09/26(水) 01:20:43 ID:Fn8udqY20
次回予告
ラビットイマジンによる永遠亭の乗っ取りは失敗に終わった。
しかし、記憶を奪われた妖怪兎はまだ治らない。
彼らを治すためには、良太郎が持つ電王のパスが必要だ。

「野上良太郎、という人物を探して欲しいのです」
「……本来ならば、貴方の望みなど聞く耳持ちません。
 ですが、貴方は姫様の恩人。今回は、私も力になりましょう」

永琳の協力を仰ぎ、人里で良太郎を探すウラタロス。

『うーん、やっぱり女の子は口説くに限るなぁ。憑くのは何か違うよ』
(わ、私の身体で女の子口説くとかそんな真似絶対しないでくださいよ!?
 明日から人里来られなくなるじゃないですか!!)

永遠亭に入り込んだ、第二の賊の目的は?
そして、てゐと契約したシャークイマジンは、幸せを見つけられるのだろうか?

「おまえ、みんな消そうとしてる。だから、おれ、おまえ、倒す」


「こ、これ……この薬使うと……その肌、治るから……だから……!!」

東方俺参上 第十話
鮫亀「セイム・ゲイム」

「さて。貴方に私の難題は解けるかしら?」

343 ◆cedHmDsvEg:2012/09/26(水) 01:42:45 ID:Fn8udqY20
以上、第九話後編でした。
今回は盛大にナンバリング間違えてます、ごめんなさい。

今回のセルフQ&A
ところで、東方の怨霊って口授見る限りじゃ結構イマジンに近いような……

Q:妖怪兎がラビットイマジンに従っていた理由
A:相当数のラビットイマジンが永遠亭に潜り込んだうち、憑依して活動している連中です。
  ウラタロスのチョンボっぷりがちと目立ちますね……てゐって前例があるってのに。
  ちなみに、妖怪兎の皆さんの絵面はうどんげっしょーのあのウサちゃんをイメージして頂ければ。

Q:えーりんがウラを目の敵にしすぎな件
A:「最初ムッコロそうと思ってた奴がいつの間にか神様じゃなくて得体の知れない亀の妖怪になってました」
  じゃ、いくら永琳でも面食らうと思うんですよ。実際はご存知のとおり赤の他人ですが。

Q:最後に出てきた麻呂は何者?
A:文面から妹紅意識してますけど少なくとも妹紅本人じゃないです。

Q:モグライマジンいないの?
A:ここ(永遠亭)にはいないよ!(ぶっちゃけ兎軍団で間に合ってるよ!)

344名前が無い程度の能力:2012/09/28(金) 02:20:30 ID:X2nFAZMk0
侑斗が幻想入りした件について

345名前が無い程度の能力:2013/02/16(土) 17:54:16 ID:wzGFjr3o0
鳥獣伎楽とパラッパ&ラミーのライブバトルを見てみたい

346名前が無い程度の能力:2013/03/21(木) 22:42:29 ID:tkL6wDyI0
ひさしぶりにアタゴオルシリーズを読んだ。
ヒデヨシに幻想郷来て欲しいな。

347名前が無い程度の能力:2013/03/26(火) 22:16:09 ID:EDDt7Pjk0
神奈子や早苗から外の世界ではお笑い芸人がいっぱいいて
お笑いがお茶の間を支配しているのと同然ということを知る霊夢と紫。
「せっかくだし外で一番面白い芸人さんを呼んで芸を披露してもらいましょう」
ということで早速外で一番人気のある芸人にスキマを仕掛けるが、そこへエガちゃんが
芸人に江頭アタックをくらわせ(バラエティの収録中だった)、入れ替わる形でスキマに入ってしまう。
黒のスパッツ(見かけほぼタイツ)で上半身裸の中年親父の登場に呆然とする紫。
「どーん!」と躊躇なく芸を披露するエガちゃん。響き渡る悲鳴。

全てを受け入れる幻想郷も驚く完全なるイレギュラー。
少女達の悲鳴と怒号、弾幕が交差する中走り、飛び、踊るエガちゃん。
やがて彼は幻想郷で最も嫌悪される外来人となる。
そして訪れる依姫・豊姫ら月人との対決。
『穢れてると言われたら俺の勝ち。そんな俺の芸でお前らが笑ったら俺の完全勝利だ!』

これは妖怪にも神にも、月人にも全力でぶつかり伝説を残した一人の男の物語である。

   東方3時前〜江頭2:50が幻想入り〜


上のはあくまネタだけどエガちゃんの幻想入りするお話に興味があるので
何かネタとかありませんか?

348名前が無い程度の能力:2013/03/27(水) 00:17:01 ID:XVOIc07kO
東方×パワポケ14で話を書いてみてる。


あらすじ
ブラックホールズに敗戦。あれから幾らか年が過ぎた。
様々なフィクションの世界が融合したパワポケの世界…
そして東方の世界も融合していた。
ちゃっかりと融合した幻想郷の存在を、ほとんどの人が知っていないだけで。
そして幻想郷の世界は野球の道具や野球に関わっていた人が割増で流れ込んできた影響で、
野球が流行りつつあった。

そんな中、ジオットは様々なフィクションの野球チームを集めての大会を決行。
紫は"なんとなく"、この大会に出る事にした。
全ての始まりの存在、〇〇(14主)を中心としたチームを作ることにして……



主要キャラ
・〇〇
14主。魔球が当たり前になった事によって、
時間がすぎて知名度が薄れてきた所で、紫に拐われる事に。
半ば強引にコーチになった彼は、
野球初心者だらけの幻想郷の住民達に野球を教える事に。

羨ましいポジションである。

・紫
なんとなくで参加を決め、14主を拐った張本人。
紫なりに何か考えはあるみたいだが……どうだか。
ちなみに本人は野球はしない。押し付けるだけ押し付ける。



こんな辺り。
彼女候補とかどうしようか悩んでる感じです。

349 ◆cedHmDsvEg:2013/05/06(月) 02:56:17 ID:wCLd1qcU0
・この作品は「東方Project」と「仮面ライダー電王」の二次創作作品です。
・この作品には二次設定・独自設定が含まれております。
・この作品には戦闘シーンや暴力的なシーンが含まれております。
・この作品は「東方Project」及び「仮面ライダー電王」の原作及び他の二次創作作品とは一切関係ありません。
・この作品には「仮面ライダー電王」のTV本編ネタバレ要素が大いに含まれています
・この作品には作者オリジナルのイマジンが登場します New!!

以上抵抗のある方は恐れ入りますがトリップをNGに指定してくださいませ。


久々に筆が進んだと思ったら東方もライダーも進みすぎて
ちょっとしたウラタロス状態です。鈴奈庵? 心綺楼? ヒーロー大戦Z? 何s(ry
マジでそろそろウィザードの次が出てきそうな時期なんですよねぇ……(遠い目

九話前編の投稿タイムスタンプを見た瞬間ファントム生まれそうな位絶望したのは内緒

07:58
東方激獣拳
このあとすぐ!

350俺参上第十話前編(1/12) ◆cedHmDsvEg:2013/05/06(月) 02:59:20 ID:wCLd1qcU0
「突然だけど、一網打尽で行くよっ! 鈴仙ちゃん!」
「は、はいっ!」

それは、一瞬の決着であった。

幻惑「花冠視線(クラウンヴィジョン)」
縛符「ソリッドアタック」

鈴仙がラビットイマジン軍団の波長を操り、動きを狂わせる。
そこにウラタロスが投げつけたウラタロッドは、一瞬でラビットイマジンの軍団を捉える。
投げつけた竿から展開されたフリーエネルギーは、六角形の青い結界となり
標的――ラビットイマジン軍団の動きを封じる。

「く、くそっ!」
「いきなり必殺技ってそれ失敗フラグとかじゃないのかよ!?」
「にひひっ、それが成立するのは強敵相手の時だけさね。
 スペルカード宣言してボーナスに響くのはボス戦、かつ相手も宣言したときだけだよ?」

てゐの相手を小馬鹿にしたような発言を引鉄に、ウラタロスのスライディングキック。鈴仙の銃撃。
そしてシャークイマジンの鋸刀の一閃。各々の強烈な一撃が入る。
ラビットイマジン軍団は、反撃の機会すら与えられずに撃退されたのだ。

「やった!」
「よし、たおした。これで、おれ、契約完了……ん?」

シャークイマジンがてゐに歩み寄ろうとするや否や、ラビットイマジンを捉えていたウラタロッドが
今度はシャークイマジンに向けられる。
ウラタロスにしてみれば、シャークイマジンもまた過去へ飛び
過去を、未来を改変しようと企むイマジンに映っていたのだ。

351俺参上第十話前編(2/12) ◆cedHmDsvEg:2013/05/06(月) 03:01:27 ID:wCLd1qcU0
「おっと。みすみすお前を過去に行かせるわけないでしょ?」
「むう。やはりおまえ、敵。ここで、倒す」

向けられたウラタロッドを払い除け、ウラタロスめがけ鋸刀が襲い来る。
鋸刀の一閃を躱し、シャークイマジンの懐に潜り込み、当身をかけるも
ウラタロスのパワーではシャークイマジンを伸すには至らず、睨み合いに持ち込まれる。

永遠亭の廊下を舞台にした、イマジン同士の戦いは第二ラウンドに持ち込まれるかに見えた。

「はい待った。貴方達の間にどんな因縁があるのか知らないけど
 うちにしてみたらどちらもイナバを救ってくれた恩人(?)よ。双方とも、構えを解きなさい」
「姫様が言うんじゃ仕方ないね。私の意見も姫様と一緒だよ。
 だから……あ、あんたも私の言うこと聞くのならこれ以上の喧嘩は無用さね」

輝夜の一声が水入りとなり、第二ラウンドは先送りとなる。
シャークイマジンも、契約者たるてゐには逆らえないのか構えを解き、直立の姿勢をとる。
その態度にウラタロスも刃を収めざるを得なかった。
イマジンはともかく、女性を敵に回すのはウラタロスにとって喜ばしいことではないのだ。

「むう。こいつ、邪魔する。倒したいけど、おまえそう言うなら、やめる」
「お前が話のわかるイマジンで助かったよ。
 ところで、水入りになったところで僕らはどうすればいいのかな? 悪いけど、僕が永遠亭でコイツと握手
 ……ってのは勘弁して欲しいかな。みんなとの握手なら、喜んでやるけど」
「そうね。まずは恩人(?)に対して何のおもてなしも無し、は永遠亭の沽券に関わるわ。
 皆、今日は色々あって疲れたでしょう? 急な事だから用意が出来てなくて、ささやかな物になるけれど
 宴会を開かせてもらうわ。存分に楽しんで頂戴な」

宴会。その一言に、てゐは浮かれ鈴仙も満更ではない。
ウラタロスも、酒はともかく美しい女性と酒の席に着けるという事でむしろ乗り気である。
しかし、宴会の段取りを決めようとする矢先、鈴仙に妖怪兎が駆け寄ってくる。駆けつけた妖怪兎曰く

――永琳さまのお薬の保管庫に、怪しい奴が来た

352俺参上第十話前編(3/12) ◆cedHmDsvEg:2013/05/06(月) 03:03:34 ID:wCLd1qcU0
東方俺参上 第十話
鮫亀「セイム・ゲイム」

「ちょっ……それまずいんじゃないの!? もし中身を盗まれたら……!」
「ん、わかった。おれ、みてくる」
「いいえ、私が見てきます。客人はお酒の席に参加なさってください。
 それに、私が行けば薬を盗まれたかどうか、すぐにわかりますし。
 泥棒退治程度でしたら、私にもできますわ」

会釈をし、薬品保管庫の方へと向かっていく永琳。
心配そうに見送るウラタロスに今度は鈴仙が声をかける。

「大丈夫ですよ。お師匠様、ああ見えて結構強いんですから。それに、身体も丈夫ですし」
「……僕の考えすぎならいいんだけどね。鈴仙ちゃんの方が永琳さんと付き合い長いみたいだし
 鈴仙ちゃんの言う事を信じますか」
「さ。それじゃ中に入りましょ。宴会の準備が終わる頃には永琳も帰ってくるわよ」

丈夫どころか永琳はそれこそ不死身であるのだが
説明がややこしい事や禁忌にも触れかねないために
「身体が丈夫」という表現に留めている。
まさか正真正銘不死身の存在がいる、などとはウラタロスも考えもしなかった事である。
イマジンも契約者さえ無事ならばほぼ不死身に近いのだが、完全な不死身ではない。
それ故に、鈴仙の「身体が丈夫」という表現だけで安心できるものではなかった。
イマジン相手ならば、ある程度身体が丈夫であっても太刀打ちは困難であろうから。
……最も、生身でイマジンを倒せそうな人間を若干名、知ってもいるのだが。

―――

真っ直ぐに薬品保管庫へと向かう永琳。
保管庫へ向かう道は一本しかない。賊は恐らくは裏口から逃げるであろう。
そうであったとしても、保管庫近辺は一本径になっている。
力任せに道を作る、などという手法を取られない限り
永琳は賊と正面から鉢合わせることができるのだ。
何とか、賊が裏口に出る前に鉢合わせることができた。
賊が力に訴えなかったこと。そして思いの他足の運びが遅かったことが幸いしたのだ。

353俺参上第十話前編(4/12) ◆cedHmDsvEg:2013/05/06(月) 03:04:48 ID:wCLd1qcU0
賊の姿は、全く賊のイメージとはかけ離れている。賊などという言葉が失礼にあたるほどだ。
むしろ、昔の貴族を思わせる服装である。しかし、あくまでも服装、外見だけだ。
文官礼服を思わせる外見でこそあるものの、その貌は人間のそれではない。イマジンだ。

「ほほほ。麿に何用か? 麿は急ぎ故、そこを通してたもれ」
「……意魔人、ね。どうやら貴方達は、一枚岩の種族ってわけでも無いみたいね」

妙に時代がかった口調で話すイマジンに、永琳は毅然とした態度で臨む。
理由は一つ。そのイマジンの片手にあるものは、永琳が製作した薬品であるからだ。
ならば答えは一つ。このイマジンこそが、永遠亭に入り込んだ賊である。

「何を申すのかと思えば……そんなものは当然でおじゃろ。人間という種族一括りで考えられるのならば
 とうの昔から争いなど起こっておらぬわ。麿らとて、それは同じことよ。
 ささ、麿はそちの質問に答えたのじゃ。今度は麿が要求をする番。そこを通してたもれ」
「お願いついでにもう一ついいかしら。その手に持っているものを置いていってはいただけないかしら?」

イマジンにしては、妙に知能が高く見える。話し方のせいかもしれないが。
しかし本題は至ってシンプル。薬品を持ち帰りたいイマジンと、薬品を返してもらいたい永琳。
平和的な解決が望めるか否か。それはイマジンが目的とするものと、薬品の種類にもよる。

「……できぬ相談でおじゃるな。先も申した通り、麿は急いでおる。早よう開けてたもれ」
「……ああ、自己紹介が遅れましたわ。私、八意永琳と申します。
 この永遠亭で薬師を営んでおり、ここの薬は全て私の管理下にあります。
 薬品の管理は大変慎重に行わなければなりませんので、私の許可なく薬品の持ち出しはご遠慮願いますわ」

至って冷静に、永琳はイマジンを食い止めようとする。ガチンコの実力行使ならば永琳は負けないだろう。
だが、それは不死身ゆえに負けないだけでそれ以上はない。
相手が二流以下のイマジンならば勝てる程度の実力は持ち合わせている。
しかし、今回の戦略的には相手が持っている薬品を永遠亭の外に持ち出された時点で永琳の完敗である。

354俺参上第十話前編(5/12) ◆cedHmDsvEg:2013/05/06(月) 03:06:16 ID:wCLd1qcU0
永琳にとって、それこそ避けねばならない事態である。薬品は正しく使われて初めて薬として成り立つ。
それ以外の使い方をすれば、たちまち毒と化すのだ。故に、永琳は薬の作成には常に慎重に取り組む。
勝手な持ち出しなど、言語道断である。

「ほほほ……やはり賊の真似などという、慣れぬ事はせぬに限るの。
 麿は貴族ゆえ、賊の真似などどだい無理な話だったのじゃ。
 さて八意とやら。麿も名乗るのが筋でおじゃるが……
 憎々しい事にそちに名乗る名を持ち合わせておらぬ。
 麿の契約者は、おいそれと名乗れぬ身柄であるが故にの。無論、それは麿とて同じことじゃ」
「それならご心配なく。私の本来の名前も、とても地上の言葉では表現できませんもの」

ふと、イマジンの態度が変わる。開き直ったようにも取れる。
それと同時に、イマジンの背後に炎のような物が見える。オーラの類ではない、本物の炎。
木造建築物である永遠亭にとっては、極めて危険なものである。
イマジンが薬瓶を持たぬ左手をかざすと、その掌からは炎が上がっている。

それを攻撃の構えと見た永琳もまた、弓矢を構える。

「姫の屋敷を荒らす狼藉者め! 生きて帰れると思うな!」
「麿は鳳凰ぞ! 不死の鳥ぞ! 死して帰すとは笑止千万!」

掛け声と共に、炎と光の煌きが永遠亭の一角を彩る。

―――

「……やけに外が騒がしいですね」
「まだ宴会は始まってないってのに。せっかちなイナバもいたものね」

355俺参上第十話前編(6/12) ◆cedHmDsvEg:2013/05/06(月) 03:06:58 ID:wCLd1qcU0
永琳が文官礼服のイマジンと弾幕ごっこに見立てた真剣の戦いをしている最中。
ウラタロスとシャークイマジンを歓迎する宴会の準備は着々と進められていた。
もとよりお祭りが好きな幻想郷の住人。宴会ともなれば食いつかないはずもない。
輝夜らも様々な経緯を経て幻想郷へとやって来た身の上ではあるが
比較的すぐに幻想郷に馴染むことができた。
それからというもの、宴会の頻度も上がり催し事を開いたりさえしている。

呑気にしている美しい女性二人を他所に、怪物二人は真剣な面持ちで佇んでいる。
片や元からの強面、片や女好きではあるものの考え事をしているが故の真剣な面持ち。
考えていることは女性を侍らせて酒と料理をあおるであろう今後の出来事ではない。

――何故、ここにイマジンがいたのか。

イマジンの事を知っているまではまだいいとしよう。
聞けばこの幻想郷、外の世界の情報が正確性はさておくとして伝わることも少なくないらしい。
ウラタロスの知る「イマジン」と、彼女らが知る「意魔人」の間には確かな壁があったのも事実だ。
ある意味外の世界の妖怪たるイマジンが、ほぼ妖怪の天下である幻想郷で伝わったとて不思議ではない。

しかし、現物がいるとなれば話は別だ。ウラタロスら電王のイマジンのようにイマジンにとっての
「然るべき手法を取らず」来ていたわけでもないようである。
イマジンにとっての然るべき来訪方法。即ち「イマジンとの契約」。それを成された痕跡があるのだ。
オーナーが嘘をついたとも思えない、そもそも嘘はウラタロスの専売特許である。

過去を奪われた妖怪兎を顧みるに、ここにいたイマジンの目的はほとんど
「契約者の過去を奪い、自分の存在を確立する」事のように見えた。が、どうにも腑に落ちない。
好き放題やるのがイマジンだが、それにしてもここまでの数が襲来するだろうか。
もしウラタロスが来ていなければ、永遠亭は遠からずイマジンに内側から制圧されていたかもしれない。

「……さん、………ロスさん」

356俺参上第十話前編(7/12) ◆cedHmDsvEg:2013/05/06(月) 03:07:57 ID:wCLd1qcU0
ラビットイマジンと戦ったシャークイマジンについては、今はおいておこう。
そもそもイマジンと戦うイマジンなど、ウラタロスにしてみれば珍しくもなんともない。
ただ唯一の共通点である「時の列車」が絡んでいない時点で、警戒するに越したことはないのだが。
それに、今やってきた賊というのもどうも引っかかる。
まるで騒動が起きるのを見計らったかのように物取りに入ったのだ。
やはり、賊の退治に乗り出すべきだっただろうか。

「ウラタロスさん、ウラタロスさんってば」
「ん? あ、ごめん鈴仙ちゃん。ちょっと考え事しててさ」

鈴仙の声にも気づかないほど、深く考えこんでいたのかと頭を掻くウラタロス。
ふと気づけば、少し騒がしい程度だった外が、やけに騒がしい。
時計というものはこの広間には無いが、時間はそれなりに経過しているように思えた。
周囲を見やると、輝夜が妖怪兎と会話している。

「……そう、ご苦労様。あなたは持ち場に戻ってもいいわよ」
「お師匠様、まだ戻らないんですか?」

鈴仙の質問に、輝夜は首を縦に振る。それはつまり、そろそろ戻ってくるであろう
永琳の身に何かが起きたことになる。
外の騒がしさと合わせれば、答えはただ一つと言えた。

――永琳はまだ、賊と戦っている。

それは永琳の能力を考えれば、その賊が只者ではない事を示すただ一つの理由。
ただものでない賊と言えば――イマジン。
それが意味することを察知したてゐから、不安げな声が漏れる。

「そ、それっていくらお師匠様でもまずくない……?」
「し、心配しすぎよてゐ。あんたも知ってるでしょ、お師匠様が只者じゃないって事くらい」

声が震えながらも、てゐを勇気づける鈴仙。しかし、言葉が悪かった。
その「只者じゃない」永琳が苦戦している相手。そんな賊なのだ。
となれば相手は未知の敵。未知の敵と言えば――イマジン。

357俺参上第十話前編(8/12) ◆cedHmDsvEg:2013/05/06(月) 03:08:48 ID:wCLd1qcU0
「やはり、おれ、行く。おれ、そいつ、倒す」
「え? し、しかし……」

シャークイマジンの突然の提案。ウラタロスの発言を遮るように出た提案。
イマジンと思しき賊相手ならば、イマジンが行けば解決するかもしれない。
一瞬、鈴仙にはそんな思考がよぎるがそれは同時に師匠である永琳の言いつけを破ったことにもなる。

「それに、おれ、ここ、いられない。契約者、こわがってる。だから、外、でる」
「……えっ?」

シャークイマジンはシャークイマジンで、頭を抱えていたのだ。
契約内容は「てゐに幸せを運ぶこと」なのだが、それを果たすどころか怯えさせてしまっている。
輝夜に指摘され、今の今までずっと頭を抱えていたのだ。
当のてゐも、シャークイマジンからは距離をとっている。
得物を携え立ち上がり、完全に宴会ムードをぶち壊したシャークイマジンをウラタロスが引き止める。

「……一つ、いいかい?」
「むう、なんだ?」

デンライナーでのお巫山戯など微塵も感じさせない雰囲気を醸し出しながら
ウラタロスはシャークイマジンを問い詰める。イマジンにはある意味似つかわしくない、張り詰めた空気である。

「お前、『イマジンとしての目的』と『契約者の契約』どっちが大切なのさ?」
「……契約、果たす。それ、イマジン。だから、おれ、行く」

拙い言葉を返し、シャークイマジンは広間を後にする。
その数刻後、広間の外は一層騒がしさを増したかと思えば、静寂を取り戻す。


永琳が広間に戻ってきたのは、静寂より暫くの後の事であった。

358俺参上第十話前編(9/12) ◆cedHmDsvEg:2013/05/06(月) 03:09:51 ID:wCLd1qcU0
―――

宴会の準備の最中、永琳と賊の戦いは過熱していた。
永琳は本業こそ薬師であるものの、とある軍隊の刺客を退ける程度の実績はある。
それもルールのある弾幕ごっこではなく、実戦の上において、である。

「ほほほ。さすがは噂に違わぬ天才ぶりよの。
 よもや文武両道の天才とは思ってもみなんじゃ。許してたもれ」
「そう仰るのであれば、その薬瓶を返していただけますか?
 医師が怪我をさせるなど、笑い話にもなりませんわ」

イマジンは永琳の弓の腕を褒め称えるが、そこに誠意は込められてはいない。
永琳の側もそれを知ってか、イマジンを仕留める意気込みで矢を放つが
イマジンには命中しない。

永琳の狙いはイマジンの脚を正確に捉えている。
しかし、尽く永琳の放つ矢はイマジンが放つ火炎弾に焼き払われている。
イマジンの放つ火炎弾も、永琳には掠めもしない。互いに決定打に欠けているのだ。

「そなたもしつこいの。それはできぬ相談であると申したではないか。
 麿が頭を下げたのは、そなたを見縊っていた事よ。麿の焔、火傷では済まぬぞ?」
「どうあっても、返してはいただけないのですね? では……」

薬符「胡蝶夢丸ナイトメア」

弓では捉えられぬと判断した永琳は、弾幕でイマジンの足止めを試みる。
高速で放たれた蝶の弾幕は、炎でも打ち消せず確実にイマジンを捉えている。
そして永琳は、賊相手に下すには度を越し
イマジン相手に下すには丁度いいくらいであろう一撃を放つ。

「ほほ……やりおるの」
「……傷病は私が責任を持ちます故お覚悟を。老子曰く……」

359俺参上第十話前編(10/12) ◆cedHmDsvEg:2013/05/06(月) 03:10:36 ID:wCLd1qcU0
「天網蜘網捕蝶の法」

薬瓶だけを躱し、無数のレーザーがイマジンを貫く。
公家装束を炎に包み、イマジンは呆気なく地に伏し砂と化した。月の頭脳に歯向かった末路である。

「『天網恢恢疎にして漏らさず』。全て、あるべき場所に戻させてもらうわ……っ!?」

転げ落ちた薬瓶を永琳が拾い上げようとしたとき、左の足首に激痛が走る。
永琳は確かに不死身なのだが、痛覚は普通の人間と同様である。
思わず薬瓶を拾おうとした手を止め、膝を付き左足首の方角を見やる。

――言うたでおじゃろ。麿は不死である、とな。

「リザレクション」

声と共に、永琳の足首の激痛の正体――纏わり付いていた砂が、怪物の手の形に変わっていく。
同時に、辺りに出来上がったイマジンであった砂の山が、不自然に隆起している。
砂の山は再びイマジンとしての姿を形取り、強引に永琳を持ち上げ
そのまま乱暴に柱めがけ放り投げる。
頭部が柱の角に直撃するように、計算しつくされた上で。

「ほほほ。麿は寛大であるが故、この程度の手打ちは問わぬでおじゃるよ。
 この薬の代金じゃ。釣りは要らぬぞよ」
「くっ、まち……なさい……!」

必死にイマジンを止めようとする永琳だが、投げつけられた際に頭を強打している。
追跡しようにも、不死であっても、意識と痛覚がそれを妨げる。

頭を抑えながら立ち上がろうとする永琳を一瞥し、その場をさろうとするイマジンの前に
もう一体、イマジンが現れる。濃紺の巨体を持つ、シャークイマジンである。

360俺参上第十話前編(11/12) ◆cedHmDsvEg:2013/05/06(月) 03:12:05 ID:wCLd1qcU0
「おまえ、通さない。それ、おいてけ」
「ほほほ。イマジンが麿の邪魔をするとはの。
 其の者の言うとおり、確かにイマジンも一枚岩ではおじゃらぬな。ほほほほほ……下がりゃ!」

公家装束のイマジンの一喝の後、床が突然炎を放つ。炎はシャークイマジンの動きを阻み
公家装束のイマジンに退路を与える形に燃え盛っている。
永遠亭が火事にならないのが、不思議なくらいの炎の勢いだ。

「ぐ、むっ」
「ほほほ、言うたでおじゃろ。麿は急ぎ故、形振りは構えぬとの」

その異質さに、シャークイマジンも戦闘態勢に入るが、炎に足止めを食らっている。
それならばとばかりにネイルガンを取り出し、射撃を試みるが案の定炎に阻まれてしまう。

「おれ、おまえ、たおす。契約、果たす!」
「さよか。麿を屠るが契約とな……ほほほ、笑止! なればその契約、永劫に叶うことは無いわ!」

炎に足止めをくらっていたが、シャークイマジンは意を決し
公家装束のイマジンめがけ飛び込み、鋸刀を振り下ろす。鋸刀は袈裟斬りになるような形で入り
公家装束のイマジンの躯からは砂が吹き出す。これ以上ないくらいに直撃している。
しかし、公家装束のイマジンはその致命傷とも言える傷を意に介さず、笏から炎を放つ。
永琳相手の時よりも火力が増している。内心、先刻は永琳をただの人間の女と見縊っていた。
しかし、イマジン相手ともなればイマジン相手の火力で応戦する。
焔は着実にシャークイマジンの躯を焼き尽くす。

「ぐ、が……!」
「ほれ見よ。麿は何者にも屠る事叶わぬ。して、このイマジンの契約者は麿を知る者か?
 否。麿を知り、かつ消そうとする者など麿が契約せしあの娘以外におらぬはず。
 ならば答えは一つぞ……そこな者のようにの!」

「……バレちゃしょうがないね!」

361俺参上第十話前編(12/12) ◆cedHmDsvEg:2013/05/06(月) 03:13:37 ID:wCLd1qcU0
縛符「オーラキャスト」

物陰に向かい炎を放つ公家装束のイマジン。物陰から苦し紛れに放たれた一撃は辛うじて命中するが
そもそもこの攻撃に殺傷力はない。が、動きを封じる意味では非常に優れた一手である。
物陰にいた主――ウラタロスはその隙を突き、すかさず永琳に駆け寄る。

「くっ、わ、私のことよりもあいつの手にある物を……あれは……!」
「今は永琳さんの方が大事だよ。僕は女性を放ってまで釣りに興じるつもりはないからね」

永琳の制止を無視し、ウラタロスは永琳を抱え、この場を引き上げる。
早く引き上げなければ、再び奴は動き出す。ウラタロスの読み通り、オーラキャストによるバリアを
力業で粉砕し、公家装束のイマジンは自由を取り戻す。かに見えたが。

「ふん。逃げよったか……して、いつまで麿に付き纏うつもりでおじゃるか?」
「あい……つ、けい、やく……しゃの、だい、じな、やつ……だか、ら、に、が、す!」

自力で立ち上がったシャークイマジンは、公家装束のイマジンの動きを封じるように押さえ込む。
体中から砂を零しながら。契約者であればイマジンと契約している証。イマジンであれば――瀕死の証。
シャークイマジンの身を張った足止めにより、永琳は無事逃げ果せる事ができたのだった。

「麿を傷つけるに留まらず、行く手をも阻むとは……その躯、殺さぬ程度に焼き尽くしてくれようぞ!」
「ぐ、ぐおおおおっ!?」

薬を取り戻すことも、賊を捕らえる事も叶わず永琳は賊の怒号と、巨躯の協力者の断末魔を耳にし
ウラタロスに抱えられる形で、その場を後にせざるを得なかった……

362 ◆cedHmDsvEg:2013/05/06(月) 03:47:03 ID:wCLd1qcU0
以上、第十話前編でした。

今回のセルフQ&Aはこの一点のみとさせていただきます。

Q:東方激獣拳?
A:

獣を心に感じ、獣の力を手にする拳法、「獣拳(じゅうけん)」。獣拳に、相対する二つの流派あり。
一つ、正義の獣拳「激獣拳(げきじゅうけん)ビーストアーツ」
一つ、邪悪な獣拳「臨獣拳(りんじゅうけん)アクガタ」

戦う宿命の拳士たちは日々、高みを目指して、学び、変わる!!


……今日(昨日)のヒーロータイムの放送事故ネタです、すみません

電王の同期のスーパー戦隊というわけで東方×ゲキレンジャーを意識したタイトル。
ある意味電王よりも組み合わせ的には美味しいかもしれない。できないけど。やらないけど。

>>344
霊夢「『侑斗をよろしく デネブ』……なにこれ」
侑斗「デェェェェネェェェェブゥゥゥゥ!!」

その理屈だと葦原さんやひより、大人ハナさんも幻想入りしてそうな……
今回大人ハナさんも何らかの形で出せたらな、とは考えてます。

>>347
今更だけどエガちゃん単独スレ立ってますな
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/41116/1365486611/l100
江頭2:50ってもう一つのジャンルだと思うんですよ。

>>348
14主の名前でとあるスレを思い出したのは俺だけでいい……

363名前が無い程度の能力:2013/06/02(日) 23:56:45 ID:o20gaDYM0
鮫トレードって言葉があってだな
どう転んでもてゐは詐欺に縁があるのね

364名前が無い程度の能力:2013/07/23(火) 00:23:50 ID:tZIsVDc60
アメコミ勢放り込む妄想してたんだけどバットマンすごい苦労しそうでゆかい

365名前が無い程度の能力:2013/08/05(月) 00:18:59 ID:NI7lqQAY0
ttp://scpjapan.wiki.fc2.com/
幻想郷の「外で信じてる人がほとんど居なくなったものが来る」設定について、こういう「魔法の道具とか超科学で作られた道具とかを、
一般人の記憶を消したりしながら集めて、存在を隠し保管している組織」が居た場合どうなんだろ。
組織が外の世界で妖怪を捕獲したら、「研究施設に収容され調査されてる」ってことは「収容し一般人から存在を隠さなければいけない」
と思われるほど「恐ろしい存在だと信じられてる」ことになるんじゃね?。

366名前が無い程度の能力:2013/09/15(日) 04:22:07 ID:34R5xu.s0
メガテンの悪魔が幻想入りしたらどうなるかね?

367名前が無い程度の能力:2013/09/29(日) 10:04:04 ID:hh1nvU.c0
>>366
忙しい人のための幻想郷っぽくなる

368<激写されました>:<激写されました>
<激写されました>

369<激写されました>:<激写されました>
<激写されました>

370名前が無い程度の能力:2014/03/04(火) 12:10:30 ID:DsiXYd6.0
3×3EYES勢とのクロス考えてる奴どっかにおらんかなー
東洋妖魔の女の子達だから親和性高いと思うんだけどなー
サンハーラで散った八雲を探していつのまにか幻想入りして八雲違いで一悶着とか
いっそ八雲もなんかの間違いで幻想郷で再生してるとか

371名前が無い程度の能力:2014/06/09(月) 20:43:30 ID:E9jUFiT20
大阪チーム(GANTZ)×東方




小さめの部屋に、複数の男女が呼び出された。といっても、人に呼ばれたのではなく、黒い球ーーー此処に長く居る人間は[黒アメちゃん]と呼んでいるーーーによって、である。
大半は黒い全身タイツのような服に着替えているが、キョロキョロと周りを見回している人も居る。そのうち、一人のOLらしき女性が、長身の坊主頭の男性に声をかけた。
「あの〜···」
「···」
「此処って何処ですか?」
「···」
「···答えて下さい···!」
何度も尋ねるが返答はなく、ただ黙々と着替え、黒い球から出てきた台から、SF映画に出て来そうな銃らしきものーーー長さからしてショットガン、もしくはライフルといったところかーーーを手に取る。次に、刃の部分のない日本刀の「つか」を手に取り、腿に装着。その間にも次々と質問していた女性はもう諦めたらしく、玄関の方に歩いていく。
「冷たい奴やなァ。ノブヤン。」
台にあったありったけの装備を持ち、フル装備した男が、長身の坊主頭の男に言う。ノブヤンと呼ばれたこの男は、「室屋信雄」。この黒服集団のリーダー格である。
「フン···知るか。あんなのとっとと死ねばええ。」
冷たく言い放つ。玄関の方から悲鳴が聞こえてきた。おそらく「黒アメちゃん」の転送が始まったのだろう。
「黒アメちゃん」の「転送」は、頭から行われる。他人が見れば、さぞかし驚く事だろう。頭から徐々に消えていくように見えるからである。

372名前が無い程度の能力:2014/06/09(月) 21:06:30 ID:E9jUFiT20
まだ続く。






P,S
誰か来てくれ!わざとageてます。

373名前が無い程度の能力:2014/06/12(木) 19:51:58 ID:TktX95Q20
「ん···こいつかぁ?今日の相手は。」
「うおッ」
「あ〜かわええ〜。」
「···あれ、何時ものキモい奴らとちゃう···角あるけどそれ以外はフツーやん?珍しーなー。」
[黒アメちゃん]の表面に表示された映像を見て、十人十色の感想をもらす。後ろの方でOLがなにやら叫んでいるが、もう知らんわ、という顔で誰も相手をしようとしない。他に連れてこられた人も、もう諦めたようだ。

こうして[黒アメちゃん]に呼び出されたあと、しばらく自由ーーーといっても武器を選んだりスーツに着替えたりする時間だがーーーな時間があり、その時間がすぎると、[黒アメちゃん]の表示に、今回のミッションのターゲットが表示される。最近妖怪じみた化け物と戦ってきたメンバーは、意外と普通な星人の外見に驚いていた。
「あ、見て見て!ホラ、<星人>て書かれとらん!」
「おお。ホンマや。何でやろ···?」
妖怪と戦う前、必ず<星人>と書かれていたが、今回はそれが無い。最近のミッションと違う点が、また見つかった。
「あ、もう転送の時間なん?早ー。」
「え!?ウソ!?」
この違いを仲間と話し合う前に、もう転送が始まった。だが、彼らも口だけで、落ち着いているように見える。








実はそれとは少し違う。彼らは楽しみにしているのだ。これからおこる、一切常識の通用しない殺し合いを。


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