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【お題で嫁を】お題で簡単にSSを作ってみようか【自慢するスレ】

88名前が無い程度の能力:2010/01/12(火) 18:04:40 ID:gYYQDG0g0
「今宵より我々は、メイド長十六夜咲夜の病を治すため、命の水『ポンジュース』を作る儀式に入る! そのためには条件が必要だ!」
ホールに住人全員を集め、レミリアは声高らかに宣言する。その姿、まさしくカリスマの具現化。
「ひとつ! 生命の園『愛媛』に対する愛を、農家への愛を証明しなければならない!
 朝昼晩ごとに、紅魔館特製巨大こたつに入りながら愛媛の方向を向き、全員で農家のことを思い浮かべながらみかんをひとつずつ食べる儀式を行う!
 皮を捨ててはいけないわ。皮は回収し、紅魔館の大浴場に投入するわ! これで、体もポッカポカよ」
「Sir.Yes,sir!」
「そしてもうひとつ! ポンジュースを探すためには、本当の愛媛産のみかんが必要よ。ありとあらゆる手段を使って、愛媛産のみかんをありったけ探しなさい! これは命の水『ポンジュース』の材料になるわ。必ず探し出しなさい!」
「Sir.Yes,sir!」
「以上のことを必ず行わず、みかんを粗末にしないこと。そうしなければ、みかんによる報復がまっているわ。気をつけなさい! 状況開始!」
「Sir,Yes.sir!」
レミリアの言葉を受け、紅魔館の精鋭が幻想郷に飛び立つ。それだけ、メイド長への信頼が厚いのだ。普段は役に立たない妖精メイドでさえ、まるで6面道中妖精のようなきりりとした表情を見せている。
この作戦は必ず成功する。いや、成功させなければならない。
精鋭が飛び立ったのを見て、レミリアも月夜に大きくその羽を広げ、夜の闇へと消えた。

――それから1週間。
一種異様な結束間の紅魔館は、さまざまな事件を引き起こしつつ農家への愛を証明し、愛媛産のみかんを手に入れることに成功した。
「これだけあれば、命の水『ポンジュース』を作ることはたやすいわね」
「そう、後はこれをあなたの手で絞り、ポンジュースに練成する……そうすれば、咲夜の命は助かるわ」
パチェリーの研究室にて、紅魔館全員の期待を受け、今ここにポンジュースが作られようとしていた。
レミリアが幻想郷のあらゆるコネを使って手に入れた愛媛のみかんに手をかけ、ビーカーの上にかかげ……万力のような力をこめる。
「みかんみかんみかん!」
小悪魔と美鈴によるギターとドラムがかき鳴らされる中、レミリアの手からポンジュースがこぼれだし、ビーカーの中に入ってくる。即座にカスいれに絞ったみかんをいれ、もうひとつ搾り出す。
「みかんみかんみかん!」
恐るべき速さでみかんが絞られていく。ギター、ドラム、さらにはフランドールのベース、妖精メイドたちの絶叫……すべて、病に臥せっているメイド長のため。
「みーかーーーん!」


ポンジュースの効果は絶大であった。
咲夜の病気は完全に回復。
永琳が驚いた表情で、咲夜の検診をし、言葉をこぼす。
「愛媛の心……いえ、あなたたちの彼女を思う心の奇跡ね」
その発言に……紅魔館が沸いた。


お祭り騒ぎの紅魔館の大図書館に、現れる影。
咲夜を検診した永琳である。
「なかなか考えるじゃない」
「私はただ提案しただけよ」
「馬鹿を言わないで。残っていたポンジュースを調べさせてもらったけど、やはりあの子の血が混じっていたわ」
「それ以外に咲夜を救う方法があるとでも?」
「医学的には認めたくないわね……吸血鬼なんて、蓬莱人から見れば短命な種族よ。とはいえ、ああいう形の吸血鬼は私も見たのは初めてだわ」
「レミリアとみかんの力よ、あなたには理解できないでしょうけど」
「素直にそう思っておくわ」
パチェリーは薄暗い図書館の中で、こっそりとほくそ笑んだ。

長すぎた、初投稿でスマソ。


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