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【お題で嫁を】お題で簡単にSSを作ってみようか【自慢するスレ】
80
:
名前が無い程度の能力
:2010/01/08(金) 01:43:22 ID:jW47wBnoO
>>76
「飛梅はね、いつまでも主人を想い続けたの」
八雲藍が縁側で橙と昔話をするとき、決まってこの時期になると毎年毎年、庭に咲く梅を見ながら飽きることなく飛梅の話をした
橙はまたこの話か、と溜め息をつけば、藍はきょとんとした顔で橙を見つめるのだが、少しするとまた昔話を始めるのだ
あくる年、藍が全く同じ話をした時、今までの鬱憤が噴き出したのか、単なる興味本意だったのかわからないが、橙は藍にこう言った
「藍さま。毎年毎年、同じ話をしますが、如何ゆえ毎年同じ様な話をするのですか?」
すると藍はそれこそ毎年の様にきょとんとしたが、すこし口元を緩めると毎年とは違う言葉を紡ぎ出した
「それはだな。橙。これは私がまだ八雲の姓を受ける前、そう、まだ橙の様な頃によく紫様から話された事なんだよ」
「でも藍様は藍様でしょう?八雲の姓を持つからと言って紫様の真似をする必要はないのではないでしょうか」
「確かにそうだ。だが、これは姓を貰ったから話しているわけではなくて、紫様の話しを紡ぎたいから橙に話しているのさ」
「それは…どういう事でしょうか」
「紫様がまだ八雲の式ではなかった頃、先代の前の八雲様がある日を境にいなくなってしまったのよ」
「ええっ!?」
「すると紫様はひどくご乱心になって必死に先々代の八雲様を探していたの。その時にはすでに式についていたからよく覚えているわ」
「………」
「その一方で先々代の八雲様の式、いわゆる先代の八雲様は一行に探そうとはしなかった」
「なんででしょうか?」
「その一連が八雲の姓を受け継ぐ事だったからなの」
「えっ!?」
「最初こそ紫様は先代をけなし、一人幻想郷をさ迷ったわ。でも、いつしか探すのを諦め、また先代の式に収まったの」
「…」
「そんな中で先代が紫様に『まるでお前は飛梅だ。追った主人こそ違えどな』と笑いながら言った日があって、その日から、まだ八雲の姓を持たぬ私に飛梅の話を始めたの」
「…」
「そんな姿を見てきたから、私はその飛梅を自分の式に伝えていく必要があるのではないかな…と思ったのだよ」
その日から橙は、藍の話す飛梅に静かに耳を傾け始めた
そして、その藍の一言一言を失わぬように、ゆっくりその話を抱きしめるのだ
お題:現代と幻想郷(ギャグ)
キャラ:早苗さんで
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