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【お題で嫁を】お題で簡単にSSを作ってみようか【自慢するスレ】

69名前が無い程度の能力:2009/12/31(木) 01:58:08 ID:YqU2eK6g0
適当に投下。
歴史の味わい方-忘年会-


慧音「貴女が噂の小鬼さんですね、噂は聞いています。
   私は歴史の妖怪と名乗ってはいますが、鬼について実はあまりよく理解していない。

慧音「ひとつ質問をよろしいですか?貴女達鬼の……
   鬼の前はなんだったのでしょう」

慧音「前世とかそういうのではなく、鬼というのは人間がつけた一種の呼び名です。
   鬼は鬼と呼ばれたから存在、つまり歴史が始まったのか、以前から別の歴史を歩んでいた者が
   人間の手によって鬼という歴史を歩まざるを得なかったのか」

慧音「人間というのは実に不思議な生き物だ。光と影は最初からあるのに、
   怯えた人間は自分に都合のいい闇を作った。好きな時に隠れ、好きな時に責任を押しつけ、
   されど妖怪となってしまった闇を今度は悪だと決めつけ追い払う。実に滑稽だ。
   長い歴史で容姿が変わろうが時代が変わろうが、根本は変わらずだ。
   ──なのに……嫌いにはなれないね、人間は。
   何故だろうね。自分が必死に里を守ろうが、人間は私を守れない。
   人間にとって私は都合のいい闇かもしれない。
   だがもし、私が警備を放棄したら……そんな事は考えた事もないが。
   私が里を守る上白沢慧音である前はなんだったのだろう。
   ただの人間か妖怪か。どっちにしろ誰かに守られてきたからここに存在し、
   誰かが私という存在を必要としていたから今の私がいる。
   きっと貴女達鬼もそういう存在なのだろう。
   本当に嫌われてたら、本当にいらない存在だったら、鬼は存在していないだろう。

   ははっ、すまないね、酒の席にこんな話を振ってしまって。
   私は貴女を必要としている。そして人間たちも大好きだ。
   ここで貴女と語り合えるのも、あの紅白黒人間がいるからこそだ。
   人間以外の者にとってはこの宴会など、一回の欠伸程度の長さかもしれない。
   だが私は、この宴会はとても貴重な時間だ。いや、貴女から注いでもらったこの一杯さえ
   貴重で大切な物だ。
   ──おっと、話が大分飛んでしまったようだ、酒が入るといつものクセで回りくどくなってしまうな
   いつから存在していたのか、なんてどうでもよくなってきたよ。
   過去の価値も大切だが、今の時間というのは今しか味わえない。
   ん?お酒も同じ?はっは、たしかに喉元通り過ぎれば味なぞどうでもいい
   過ぎさった後、その余韻に酔う。
   過ぎ去った後でないと味わえないものもある……か
  
   そしてゆっくりと、酔いが醒める……
   
   
   では、新たなお酒をいただこうじゃないか」


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