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【お題で嫁を】お題で簡単にSSを作ってみようか【自慢するスレ】

34名前が無い程度の能力:2009/02/22(日) 19:19:28 ID:vjfCWH3w0
「退屈ね」
窓の外を眺めて、輝夜が一人ごちた。
2日前から降り続く雨は今も止む気配を見せず、それ故、輝夜は外出する気にもなれずにいる。
「あら、それなら」
そこに敢えて、永琳は言葉を投げた。
「お茶を淹れてくれないかしら?」
「嫌よ。永琳の淹れたお茶の方が美味しいんだもの」
少しだけ表情を曇らせて、輝夜が返す。
家の中にまで曇り空を入れてしまったか。そんな事を考えながら、しかし、輝夜を見る事はせずに永琳は言う。
「たまには、師の苦労を労ってくれても良いでしょう?」
「私は今までお茶を淹れた事が無いって分かって言ってるの?」
「勿論よ。月にいた頃の貴方は、今以上に無関心だったじゃないの」
「だけど…」
輝夜の表情に、今度は少し、不安の色が見えた。
「良いのよ。私は輝夜の淹れたお茶が飲みたいの」
「本当に?」
「本当よ。貴方がお茶を淹れた頃には、これも終わっているわ。私もそろそろ、休憩したいの」
「『も』って何よ」
「貴方はいつだって休憩中じゃない」
今度は輝夜の表情に怒気が見えた。
「これだから」
まるで苦笑のような、しかし優しい笑みを浮かべて永琳が言い掛けた言葉を、輝夜が塞いだ。
「だから何?」
「何でもないのよ。ほら、早くお茶を淹れて頂戴。私の仕事が終わってしまうわ」
「………もう」
悔しそうに、不安げに、そして少しだけ悲しそうに、輝夜は立ち上がる。
「私は永琳のお茶が飲みたいのに」
随分と可愛らしい捨て台詞だな。そう、永琳は思った。

「これだから」
もう1度、永琳が呟いた。
「だから、貴方といるのは飽きないわ」なんて、輝夜が聞いたらどんな反応をするのだろう。
あと2000年もしたら、言ってみようか。そう思うと、輝夜と過ごす日々に楽しみが増えた気がして、それが永琳には嬉しかった。


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