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【お題で嫁を】お題で簡単にSSを作ってみようか【自慢するスレ】

2714/4:2012/11/19(月) 00:44:55 ID:KtuKTfFMO
―地上の人妖の生活に大きな変化をもたらすような計画が密かに進行しているわけですね。
「地上の? 私達地底の者にとっても、ですよ。ですからあのまま座視はできなかった」
―実用化に際しては恩恵に与ると?
「それはもう当然に。立地や建造以前に、炉心そのものが古明地家の物ですから」
―核融合の力は守矢二柱の物だと伝え聞いていますが。
「いいえ。お空はうちの地獄鴉、古明地家の人工太陽ですわ。断じて守矢の実験炉ではありません」

地上に戻る頃には陽は沈み、彼方の山の端を赤く染めるのみとなっていた。
風は冷たい。天蓋の上層に広がる雲が千切れながら走っていく。明日は一雨くるかもしれない。
はたては中空に静止すると、髪を靡くに任せながら今回の取材を反芻していた。
お世辞にも上手くいったとは言えない。聞き出すというよりは、一方的に押し付けられたようなものだ。
それでも、無駄であったとは思わなかった。
あの談話が事実であれ虚構であれ、相手は何故あのような話をしたのかを慎重に見極める必要がある。
大天狗に報告するか、独自に記事にするか、傍観に徹するか…どれを期待され、私はどうするのだろう。
「中立公平清く正しい射命丸、か」
はたては文のモットーを思い出して苦笑した。なるほど、だからこそ事実としての写真とどうでもいい憶測のみで紙面を構成するのだろう。
それと共に地霊殿のホールでさとりに言われたことも脳裏に浮かんでくる。
(――姉妹みたいにそっくりだったり、まるで正反対だったり――)
何故、文の後追いになるのを承知でこの取材行を始めたのか。
思考を打ち切ると、はたては妖怪の山へ向けての飛行を再開した。
もう夜回り組の目敏い白狼天狗に見つかっているだろう。いちいち詮索されるのも面倒だ。はたては速度を上げた。


長々すまぬ。お題追加『硬貨』


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