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【お題で嫁を】お題で簡単にSSを作ってみようか【自慢するスレ】
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:
名前が無い程度の能力
:2012/03/07(水) 05:40:23 ID:yK/wuR7M0
お題:風船
少し前、幻想郷で宝船が出るという異変が起こった。
今ではその騒動も収まり宝船は妖怪の寺となっている。
これもまた...ある「船」のお話。
長い白銀の冬が終わり幻想郷に春風が吹き始めた。
まだ、肌寒く感じるがすっきりとしていて気持ちのいい朝だ。
そんな事を思いつつ、布団から這い出して着替えを済ませた。
「殆ど雪もなくなったし久しぶりに無縁塚にでも行こうかな」
そう言い、古道具屋「香霖堂」の店主は無縁塚へと足を運んだ。
真っ赤に染まった彼岸花の毒が、彼の行く手を阻んだ。
血で染まった様に紅い彼岸花に守られたこの場所は、この世の物とは思えない
不思議な場所だ。
ここは冥界との壁が薄いせいか、外の世界とも近い場所である。なので、ここ
には見た事のない物が多く落ちている。
「ふむ、あまりめぼしい物は落ちてないな....ん?」
もう、帰ろうかと思っていた彼の目に奇妙な物が入った。
それは青く、ツヤツヤとしていて、穴が空いており、手触りは前に見たゴムと
似ていた。
「名前は風船....空気を入れて飛ばす船か、とても僕の知っている船と同じ物に
は見えないが...」
勿論、彼はそれを見た事も聞いた事もないが、彼は見た物の名前と用途が分か
る能力を持っている。その能力故に珍品を扱う店「香霖堂」を作ったのだが、
肝心な使い方がわからず、売れ行きは好調とは言えない。
他に気になる物もないので彼は風船を持っている帰路についた。
「あら、お帰りなさい」
家に着くと中で紅白の少女がお茶をすすっていた。
「ああ、ただいま...って、勝手に家に入るなって言ってるだろ」
「また何か拾って来たの?」
これだ...この少女は人の話を聞かない。
「これは風船、空気を入れて飛ばす船らしい」
「・・・船には見えないわね」
確かにどこからどう見てもとても船には見えない。
「そういえば、船に関係してる妖怪なら見たことあるわ」
「(海のない幻想郷で船に関係する妖怪なんて珍しいな)」
「たしか...水難事故を起こす様な妖怪だったわ」
それじゃあ船とはそこまで関係してない様に思うが...
それからまた話し合い、彼女の「ためにし飛ばしてみよう」という意見を聞き
入れ、空気を入れると思われる穴から息をいれて見た。すると、風船は元の大
きさより何倍も膨れて浮かび出した。まるで自分から空に飛ぼうしている様に
感じる。
触らせてくれという彼女に手渡そうとした時、突然風が吹いた。どうやら、天
狗が出した風らしい。
それに怒った彼女が逃げる天狗を追いかけて行くのが見える。ふと空を見ると
さっきまで持っていた風船が風に乗り飛んでいた。それは妖怪などの飛び方と
は、どことなく違って見えた。
その時、僕は風船を見た時から感じていた疑問の答えがわかった気がした。
普通、船は海などを渡るのに、なぜこの「風船」は飛ぶのだろうか、という
疑問だった。
きっとこの「風船」という船は名前の通り空という海の中で、風を渡る船な
のだろう。
その時、幻想郷の青空いっぱいに沢山の風船が飛んで行く景色が思い浮かんだ
。(糸冬)
お題 : 星
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