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【お題で嫁を】お題で簡単にSSを作ってみようか【自慢するスレ】
250
:
名前が無い程度の能力
:2011/12/08(木) 00:52:57 ID:46BM6U0.0
お題【賃金】
「そう言えば美鈴。貴女今まで門番として働いた分の賃金貰った事あるの?」
ある日の夕食後、唐突に思い出した様に十六夜咲夜はそんな疑問を口にした。
屋敷内の妖精メイド達への給与の管理は当然のことながらメイド長たる彼女の役目なのだが、それでは同様に屋敷の門の番や庭の手入れを担当している紅美鈴には一体誰が賃金を支払っているのだろうか、と。
問いを向けられた当の本人はえ、と一瞬だけ硬直し、それから少しだけ困った様な表情を浮かべる。
「いやあ、それが賃金を貰っても今一つ使い途が思いつかなくて……」
「もしかして、貰った事無いの?」
「はい」
あまりにもあっけらかんとした門番妖怪の返答に、咲夜は唖然とした。
確かに普段から眠りこけている彼女は職務怠慢として減給をされても不思議ではないかもしれないが、しかし一切賃金を支払われないというのは幾らなんでもおかしい。
ちなみに何時から貰っていないのかと尋ねると、自分がこの屋敷に世話になるようになってからずっと、という返答が返って来た。彼女がこの屋敷で三番目か四番目に古株である事を知っている咲夜は、妖精メイドに支払っている賃金基準でそれが一体どれ程の額になるのかを計算してみて軽く頭痛を覚えた。
「貴女、それはおかしいわよ。どうして賃金を受け取らないの?」
「あー、お嬢様にも昔同じ様な事を聞かれましたねぇ……」
昨夜の問いにしみじみと呟く美鈴。どうやら彼女達の主であるところの吸血鬼からも同じ事を問われたことがあるらしい。
「ほら、あれです。幾ら貰っても正直私欲しい物とかやりたい事とかなーんにもありませんから」
「それでも、賃金を受け取らない理由にはならない筈よ?」
「そうですかねぇ…」
うーん、と美鈴はひとしきり悩んだ後、
「でもほら、この屋敷の皆さんが毎日を平和に、笑顔で過ごしてくれているという結果が私の仕事の報酬みたいなもんですから」
などと言う事をあっけらかんと言い放った。
唖然とする咲夜を尻目に、じゃあ私門番に戻りますねー、と言い残して立ち去っていく美鈴。
その後ろ姿を見送りながら、彼女は溜息を吐いた。
「分かっていた事だけど、随分お人好しな妖怪ですわ…」
今度彼女の好物でも作って労ってやろう、とメイド長は一人決心するのだった。
初めて書いてみた。
お題:【雪】【聖夜】【散歩】
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