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【お題で嫁を】お題で簡単にSSを作ってみようか【自慢するスレ】
224
:
鵺+寺子屋 1/2
:2011/11/21(月) 00:31:51 ID:TddhQ57o0
>>221
やってみたら鵺+寺子屋と言うより ぬえ×けーね という異色カプになってしまった
子ども達のいない寺子屋は、静かだった。普段騒がしい彼らがいてこその寺子屋故に、その静けさは一層際立つ。蒼い月の光に浮かび上がる教室。昼間の喧騒が現実ならば、夜の教室はまさに幻想。窓から差し込む幻想の灯りは枠に切り取られ、青一色のステンドグラスを室内に投げかける。机や本立てに遮られればそこは漆黒。立体に遮られる平面の複雑な造形。その蒼と闇のコントラストが、切り絵のようで美しかった。闇の渚、静寂の空間。少女が一人。
別に残業に追われていた訳ではない。ただ、今日は帰りたくないだけ。
憂鬱そうに窓の外を眺める彼女の顔を照らす蒼い光。窓の格子に切り取られ、少女の姿を十字に分かつ。
ふと、少女は夜の香りを感じ、そして額を撫ぜる柔らかい風に窓の方を振り向いた。闇に慣れた目が一瞬遅延して月光になじみ、夜風に泳ぐカーテンレースが目に付いた。
窓があいている。いつの間にだろうか。誰かは、大体予想がついた。
「今晩は、先生。考え事かな?」
ひょこ、と窓枠の向こう側から小さな人影が姿を現す。蒼い月光に縁取られ、逆光に塗りつぶされた小さな影。
「……鵺か」
先生、と呼ばれた少女は目を細めてその人影を見据えた。星明り、月明かり。蒼い光を背に、鵺は歩み寄ってくる。
「さて、本当に鵺でしょうか」
浮かび上がる異様な羽のシェルットが、有無を言わさずその正体を明らかにしているのだけれど。ただし、その顔は確かに逆光に縁取られて正体不明。鵺が窓枠よりも大きく見える距離に来てやっと、彼女の表情が分かった。
「やっぱり鵺じゃないか」
先生と呼ばれた少女は鵺の顔を見てほっとし、そしてその美しさに一瞬息をのんだ。紅玉のような瞳が、宇宙の微かな明りを捕まえて僅かな輝きを湛えていた。透き通るような白磁の肌はこの闇の中にあってなお白く、艶やかな黒絹の髪はきらきらと光の粒を撒き散らしている。いたずらそうな、けれど優しそうな花の唇は微かに湿り、魔性の笑みを浮かべていた。
妖怪と言うのはそういうものなのだろうか。昼間見るよりも、ずっと妖しく、ずっと美しい。同性であるにも関わらず、魅了されてしまいそうなほどに。
「えっへへー、当たり」
鵺は教卓にうなだれる先生の前にコツコツと歩み出て微笑んだ。石鹸の香りだろうか、微かな薬草の香りが鼻をくすぐる。包み込むような……月明かりのような優しい香り。
「それで、元気がないみたいだけど……どうしたの?」
彼女は膝を折り、先生と同じ目線になった。蒼い光を透いて、彼女の紅玉の瞳と目が合う。先生が困ったように目を逸らすと、鵺は目を細めて笑った。
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