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【お題で嫁を】お題で簡単にSSを作ってみようか【自慢するスレ】
215
:
名前が無い程度の能力
:2011/11/06(日) 20:42:49 ID:hAj0piaM0
>>202
「味噌」と「しじみ」で秋姉妹の朝ごはん
幻想郷の山にひっそりと佇む秋屋敷。そこには秋を象徴する2柱の神様が住んでいる。
晩秋の朝、台所ではコトコトと湯が沸き、新米の香ばしい匂いが立ち昇っていた。
秋屋敷の台所を与かるのは、姉の秋 静葉だ。赤いワンピースの上から若草色のエプロンを羽織って、軽やかに朝食の支度を進めていく。
「〜〜〜♪」
鼻歌も高らかに、コンロで熱したフライパンへ卵を落とす。ジュゥと小気味の良い音を立てて焼ける卵。
びっくり水を投入して蓋を閉じた所で、居間から這いずるようにもう一柱の神様が姿を現した。
「うぅ〜、お姉ちゃん頭痛い〜」
「……穣子、あんた吞み過ぎよ。意地張って鬼や八坂殿と吞み比べなんてするから」
穣子と呼ばれた神様は、静葉の妹神である。栗色のネクリジェからは姉を超える豊満な乳房が存在を主張していた。
豊穣の女神のプロポーションもしかし、二日酔いでげっそりとやつれた容貌では台無しであった。
そんな妹に対し、静葉は呆れながらもコップに冷水を汲んで渡してやる。渇いた身体を潤すように飲み干す穣子だが、調子はいまいちのようだ。
「ゴクゴク……ぷはぁ〜、だってぇ、西洋かぶれの神奈さんが舶来品の方が美味しいって宣うから……あぁ、ちゃぶ台がひんやりして気持ちいい……」
「だからって酒樽で勝負するひとがいる? まぁ、私もあの『うゐすきー』ってお酒は匂いが苦手だけど……」
そう言って静葉は肩を竦めながら食事の支度に戻った。穣子は気だるそうに今のちゃぶ台に突っ伏している。
暫くして朝食が出来上がり、静葉は改めて穣子に声を掛けた。
「どう? 朝ごはんは食べられる?」
「……ちょっと無理かも」
「そう、じゃぁこれだけでも飲みなさい」
未だちゃぶ台に突っ伏している穣子の前に、静葉は汁椀をそっと差し出した。
自家製味噌の芳醇な匂いを含んだ湯気が穣子の鼻をくすぐる。力なく顔を上げた穣子の眼前には、小さな貝と万能ネギのはいった味噌汁が置かれていた。
「……この匂い、シジミのお汁?」
「そう、この前出雲に行った時頂いたの。宍道湖で採れた高級品よ」
静葉はそう言って自身の汁椀に盛られた味噌汁を静かに啜る。真っ白な新米のご飯と新鮮な卵の目玉焼き。それにほうれん草と小女子のおひたし。
穣子も今年収穫されたばかりの新米を味わいたかったが、今は胃が受け付けてくれない。残念そうな表情で差し出された味噌汁を一口啜った。
「わぁ、美味しい……!」
「でしょ? 二日酔いにはしじみが一番よ」
濃厚なシジミの旨味と味噌の香ばしさ、そして万能ネギの瑞々しい歯応えに不機嫌そうだった穣子の表情も自然と綻ぶ。
静葉はそんな妹を温かい眼差しで見守りながら、艶やかな新米を頬張る。
こうして、秋姉妹の朝ごはんは和気あいあいと過ぎていくのであった。
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