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【お題で嫁を】お題で簡単にSSを作ってみようか【自慢するスレ】

21お題:ゲーム:2008/11/26(水) 02:52:08 ID:93C6lOjE0
 子供たちの元気良く遊ぶ声は心が和む。だけど元気なのも困りものだ、と疲れた右腕を擦りながら思う。
「慧音先生、へたくそー」
 そんなことを言われれば苦笑いするしかない。
「む、今度こそうまく出来るさ。見てろよ、それっ」
 近くにあった石を拾い湖に向かって投げる。水の上を切って跳ねながら進む石は4回跳ねた時点で
沈んだ。子供が石を投げてるのを見よう見まねで投げるがなかなか跳ねる回数は増えてくれない。
「違うよ、せんせ。手首を上手く使うんだよ。見てて」
 それっという掛け声とともに投げられた石は、自分が投げた石より何回も多く跳ねて遠くへ進んでいった。
どう?と言う風に満面の笑みでこちらを見る男の子は本当に楽しそうで、だから一緒に遊ぶ私も笑顔だ。
「まいったよ。降参だ。さあ、もう暗いから帰ろう。これ以上は危ないぞ」
 こうして遊ぶのは楽しいけれど、これからは妖怪の時間になる。だから不満そうな、「え〜」という声も
聞くわけにはいかない。
「さあ、帰ろう」
 男の子の右手を引いて湖に背を向けて歩き出す。一緒になって遊び、笑い、男の子との距離感がぐっと縮まった気がする。
でも、横を見ると男の子のちょっと不満そうな顔がある。
 だけど、私もこうして遊ぶのは本当に面白かったから、だから、
「また遊ぼう」
と、自然に言葉が出た。
 一緒になって遊び一緒になって笑う。この大切さは寺子屋でただ子供たちに勉学を教えているだけでは見失いそうになる。
 今はしっかりとその大切さが手から伝わる暖かさから感じ取れる。一緒に遊んで良かった。本当にそう思う。
「絶対だからね」
「ああ、絶対だ」
 横を見ると男の子の顔は本当に嬉しそうな笑顔だった。

end


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