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【お題で嫁を】お題で簡単にSSを作ってみようか【自慢するスレ】
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:
名前が無い程度の能力
:2010/03/24(水) 23:06:30 ID:qv8ihHI.0
「今日はシャーチーマーというお菓子を作ってみました」
メイド長はテキパキと揃った全員の前にお茶とお菓子を並べていく。
一目で高価と分かる上品で精密な食器たちの上に乗っていたのは、間違いなく自分の知っている沙蒞玛というお菓子だった。
「珍しいわね。いつもは洋菓子なのに」
メイド長に話しかけるレミリア=スカーレットは初めて見る物に対しての好奇心か嬉しそうだ。
話しかけられたメイド長も、ほっこりとした表情で中国でたべられているお菓子なんですよと応えている。
その通りだ。これは中国のお菓子で、私はこれを知っている。知っているから、どうしたというのか。
「……あれ…?」
あまりの体の違和感に、つい声が出る。何か喋らないと、喋っていないと、頭の中で巻き起こる嵐に、意識を持って行かれそうになる。
「……あ、あれ…あ、…?」
駄目だ。と思った。最早自分の態勢など気にすることなく手の平で顔を覆い、椅子の上で頭をもたげる。
「メイリン?」
明らかに異常な美鈴に、不安そうな咲夜が寄っていく。
「メイリン? どうした―」
言いかけて、咲夜はぞっとした。
指の隙間から現れた美鈴の目に。
その目は、紅魔館の門番である美鈴のものではなく、もっとなにか別の。
「大丈夫? メイリン…」
怯んだ咲夜を押しのけ、レミリアが仰ぐように美鈴の顔を覗きこむ。正確には目を。
レミリアの眼はいつもよりも一層紅く輝き、隠すことのない魔力を放っていた。
近くにいた咲夜は、その様子を直視することができなかった。今行われていることが、なんとなくわかってしまったから、決定的な部分をみることができなかった。
「メイリン、もう大丈夫よね?」
その言葉を合図に、美鈴は顔を覆うのをやめ、頭の靄を振り払うかのように頭を左右に振る。
「あー、すいません。なんか急に立ちくらみがしちゃって」
「気にすることはないわ。さ、甘いものでも食べて血糖値をあげておきなさい」
「はーい」
その会話は、咲夜にとって、とても不自然だった。あの様子は立ちくらみなどで表現できるほど軽いものではなかったし、なにより、あの目はなんだったのか。
呆然とする咲夜は、不思議そうにこちらを見る美鈴の視線を感じてはっとする。
「私ならもう大丈夫ですよ?」
「そう、よかったわ」
今お菓子を頬張る美鈴はいつもの美鈴で、あまりにもいつもの美鈴で、咲夜はまたぞっとした。
まるで、数秒前のことが全てリセットされたかのように。
「このお菓子、なんていうんですか?」
「? シャーチーマーよ」
「へぇ、知らなかったなぁ。お代わりあります?」
「……えぇ、いいわ」
「よく食べるわね」
「お嬢様もちゃんと食べないと大きくなれないですよ?」
「別にいいわ。咲夜みたいに無駄なあがきはしたくないし」
「? 私身長はありますよ?」
「胸の話よ」
「お、お嬢様! 私はあがいてなんか…!」
賑やかに、されど狂気に満たされ、今宵も紅魔館の夜は更けていく。
P.S幻想郷の中で最も健康そうな美鈴が大好きです。
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