[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
【お題で嫁を】お題で簡単にSSを作ってみようか【自慢するスレ】
170
:
名前が無い程度の能力
:2010/03/02(火) 02:21:13 ID:zoZbiwwQO
>>142
幽香が里に降りると汚い風貌の男が道端に露店を開いていた
齢六十位だろうか、浅黒い肌をした男は片手で持てる程の陶器を男の足元に置いている
「姉ちゃん、買わねえかい?」
その男は幽香を見かけるとそのしゃがれ声の先を向けた
「陶器なんかいらないわ。うちに置く場所なんてないし」
「違う違う。容器なだけで中身は茶葉だわ」
「茶葉?」
「これは南国から取り寄せた異国の茶葉だわい」
「どんな味がするのよ」
「それは煎れてからのお楽しみじゃい」
そういうと男はしゃがれた笑みを浮かべた
いつもなら気にも止めぬ幽香だが、その時に限って不思議な雰囲気を持つ茶葉が気になり
結局のところ、その茶葉を買ってしまった
「ありがとよ」
言い値にちょっと色をつけた金をしわくちゃの手に渡し、言い知れぬ高揚と共にその場を後にした
館に戻り、その茶葉を煎れると、確かにその色は緑ではなく、深い茶色であった
すると幽香は肩を落とし、紅茶か、と小さな声でつぶやいた
夢幻館には幽香自身が好むため、紅茶だけは多くを揃えており、
また本人も紅茶を栽培しているため、大して珍しいものではないのだ
幽香は肩を落としたまま、カップを自分の横にずらした
ふと横を見ると、あの陶器が夕日を浴びている
自分の心持ちと対照的な光景に幽香はため息をついた
すると扉をノックする音が部屋に響いた
「失礼します」
すると大きな鎌を持った女性が扉の向こうから現れた
「あら、エリー。どうしたの?」
「業務が終わったので遊びに来ただけです」
「あなたねぇ、仮にも上司と部下なのよ」
「友人関係に上司も部下もありませんわ」
にこやかなエリーと先程とは違った意味でため息をつく幽香は対照的であった
「あら、このお茶は?飲まないんですか?」
「なんでもないわ。よかったらいいわよ」
「いただきます。仕事が終わった後だから喉がかわいてたんですよ」
そういうとエリーはカップに口をつけた
「なんだか珍しい味ですね。紅茶でもないし」
「紅茶でもない?」
「紅茶にしては渋味がありますよ」
すると幽香はエリーのカップを取ると、そのまま口をつけた
紅茶とは違う、苦みのある独特の味が口に広がった
「…美味しいわ」
「えっ?今まで飲んでなかったんですか?」
エリーがそういうと幽香は顔を赤めらせ苦笑いをした
結局、そのお茶はというと、大変珍しいお茶として
また幽香にとって大変珍しい逸話も加えながら飲むという
<了>
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板