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【お題で嫁を】お題で簡単にSSを作ってみようか【自慢するスレ】
156
:
名前が無い程度の能力
:2010/02/14(日) 03:19:35 ID:TPgLsRr.0
厨房に立つ2人の雑談に、一際幼い声が混じる。
「なんでてゐが知ってるんだ?」
「永琳とうどんげが忘れてるだけだよ」
言われ、首をかしげる2人。しばらくしてはっとしたのは永琳だった。
「ああ、そういえば去年の今頃に輝夜がとびだしていっちゃったことがあったわね」
「その時の晩御飯がおでんだったってことですか?」
「そういうこと」
「でもなんで同じものを?」
なんとなく関連性は掴めたものの理解にはいたらない鈴仙。
「うどんげってほんとにそういうの鈍感だよねぇ」
「い、いいじゃない別に。敏感すぎたって疲れちゃうだけよ」
「ま、いいけど。それより私はおでんが楽しみだし」
「あら、あなたたちは別メニューよ」
「「え?」」
「いただきまーす」
その日の永遠亭の食卓はかなり変則的であった。
永琳と輝夜の前にはなんともおいしそうなおでんの入った鍋が置かれ、2羽の兎の前にはなぜか特大オムライスがどんと置かれていた。
「師匠。なぜ私たちだけオムライスなのでしょうか」
「納得いかねー」
「なぜって、炊いてしまったご飯の使い道よ」
「ごめんね兎共。私のせいでなんだか残飯処理みたいな役目をさせちゃって」
「残飯はいいすぎですよ輝夜」
「あ、ごめん永琳」
「『兎共』の方はスルーかよ」
「オムライスでも別にいいんですけどねぇ、おいしいですし」
「でも明らかに気合の入れ方が違うよなー」
「まあ確かにケチャップのかけ方はかなり粗雑な気がしますが…」
そこまでいって、2人は要約永琳の両手が目の前のオムライスに伸びていることに気づく。
「文句をいうんなら食べなくてもいいですよ?」
「すいませんでした。心していただきます」
強制的に下げられそうなオムライスをひしと捕まえる。晩御飯抜きはなんとしても避けたい。
横では隣の騒ぎをまるで意に介せず、丹精込められたおでんを無心に頬張る輝夜。
永遠亭ヒエラルキーの頂点に君臨する輝夜だからこそできる芸当である。
おもむろに、永琳が口を開く。
「今年は普通に食べられましたね。輝夜」
言われ、ぎくりとする輝夜。
「覚えてたの?」
「ええ、もちろん」
何かを言いたそうにしているてゐと、視線は輝夜にあるものの、無言の圧力でそれを抑える永琳。
鈴仙にいたってはもはや何を言う気も起きなかった。
「永琳。いつもありがとうね」
「どういたしまして」
「こういうの、なんか恥ずかしいね」
「そういうものですよ」
2人の穏やかな笑いが部屋に拡がってゆく。
心温まる感動ストーリー。そして、その横で繰り広げられる庇護をされるものとされぬものの醜い階級社会の縮図。
「てゐ、今回はまあ…あれ?」
報われないてゐをどうにか労わろうとした矢先、てゐのオムライスはすでになく、おまけにてゐの姿もなかった。
ふてくされてしまったのかと考えたが、そんなたまではないことをすぐに思い出し、さらに視界の端に移ったてゐの手の中には『からし』の文字が。
その後の惨劇は、最早全く、鈴仙の想像通りであった。
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